さわやか自然百景「北海道 石狩海岸 初夏」 2015.07.19


(テーマ音楽)北海道日本海に沿って続く石狩海岸です。
砂浜に隣り合って草原と広大な森が広がっています。
日本でも有数の広さを誇る天然のカシワの森です。
春森には雪解けとともに大きな水辺が姿を現します。
そこには貴重な生き物たちが息づいていました。
森の傍らの草原では初夏一斉に花が開き鳥たちの子育ても始まります。
北の海岸に広がる森と草原で命の営みを見つめます。
日本海に面し長さ25キロもの砂浜が続く石狩海岸です。
強い風で吹き寄せられる砂が広大な砂丘地帯をつくり上げています。
(風の音)水分が乏しく生き物にとっては厳しい環境です。
強い風から人の暮らしを守るように幅500メートル長さ20キロにわたって広大な森が広がります。
手つかずのまま残された天然の森です。
地元の人々によって大切に守られてきました。
森に生える木のほとんどはブナ科の広葉樹カシワです。
(鳥の鳴き声)荒れ地でも育つためこの海岸で森を形づくりました。
(鳥の鳴き声)本来は砂地で水が乏しいこの森で春先驚くような光景が現れます。
木々が葉を広げる前の5月。
森の地面には水がたまっていました。
深さ1メートル幅20メートルの水たまりが出来森の奥まで続いています。
森の至る所にこうした水たまりが出来ています。
出現した水たまりは貴重な生き物たちの繁殖を支えています。
水たまりが出来るやいなや草の間に卵を産み付けます。
生まれたばかりのエゾサンショウウオは春先の冷たい水の中でしか育つ事ができません。
あと2か月もすると陸に上がり森の中で暮らし始めます。
体長2センチの…「生きた化石」とも呼ばれここ石狩海岸と下北半島でしか確認されていません。
水たまりが出来るとすぐに卵からかえり成長。
僅か数週間でメスはおなかの卵を成熟させます。
現れたもう一匹がオス。
キタホウネンエビは水たまりが出来て1か月の間にオスとメスが出会い卵を産み落とします。
一時的に出来る水たまりには天敵の魚がいません。
だからこそキタホウネンエビはここで生き残る事ができたのです。
カシワの森に水たまりがあるのは僅か3か月ほど。
水が乏しい砂地にどうしてこれほど大量の水が生まれるのでしょうか。
水がたまる前の地面です。
砂地の上をカシワの落ち葉が覆っています。
落ち葉は分解されながら堆積し厚さ数十センチの層を形づくります。
その地面に水をもたらすのは冬に降り積もった大量の雪です。
積雪は多い所でおよそ1メートル。
この雪が次第に解け厚い層の上に水たまりをつくり出したのです。
この豊富な雪解け水は芽吹きの季節のカシワの成長にも役立ちます。
これほど広大なカシワの森が誕生した背景には雪国ならではの恵みがありました。
遠く大雪山系から石狩川によって運ばれてきた砂。
森の手前海岸沿いの砂地には草原が広がっています。
6月。
ハマナスの花が咲き誇る季節を迎えていました。
草原に咲くのはハマナスやハマヒルガオなど乾燥に強い植物です。
その蜜を求めて多くの昆虫が集まります。
そしてその昆虫を目当てに鳥たちがやって来ます。
東南アジアから渡ってきました。
この石狩海岸で夏の間子育てを行います。
ヒナに与える虫をくちばしにくわえているのは…こちらはノビタキ。
周囲を飛ぶ虫を狙います。
石狩海岸に集まる鳥はおよそ100種類にもなります。
ここには日本各地で数を減らしているヒバリもいます。
草原の中に巣を作るといいますが…。
ありました。
枯れ草を使って隠すように巣を作っています。
ここでは年に2回子育てを行うものもいます。
食べ物が豊富で身を隠す場所も多い石狩海岸は鳥たちにとって貴重な繁殖場所です。
草原の奥に広がる広大なカシワの森。
6月下旬。
水たまりは既に干上がっていました。
あのキタホウネンエビの卵がありました。
親が命を終えたあとも硬い殻で乾燥に耐えここに再び水があふれる季節を待ち続けます。
草原にはノビタキの幼鳥がいました。
無事に巣立ったようです。
しばらくの間親に餌をもらい8月には南へ旅立ちます。
北海道石狩海岸。
砂丘と森が織り成す独特の自然の中でたくましく生きる生き物たちの営みを見つめました。
2015/07/19(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「北海道 石狩海岸 初夏」[字]

砂地に日本最大のカシワの森が続く石狩海岸。初夏の3か月だけ、砂地の森には水辺が現れる。すると生きた化石とも呼ばれるキタホウネンエビが発生し次世代へと命をつなぐ。

詳細情報
番組内容
札幌市の北西、石狩川が運んだ砂が作った石狩海岸。砂地には草原と、延長20キロにも及ぶ日本最大のカシワの森が続く。春の雪解けから初夏、水はけの良い森に3か月だけ、なぜか水辺が出現する。そこではキタホウネンエビが卵からかえり次世代を残す。キタホウネンエビは石狩海岸と下北半島にしかいない2センチほどの小さな生きもの。2億年前から姿形を変えていない。海岸の森と草原で、生きものたちの初夏の営みを見つめる。
出演者
【語り】松岡忠幸

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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