2015-07-19
■本の書き方
土曜日はバーベキューをしようと思って二ヶ月も前から予約していたのに「風が強いので営業中止します」っていう電話が開始一時間前に来たんだよね。ひどいぜデジキュー。
買い出ししちゃった後なので、とりあえず家の冷蔵庫に食材を全部突っ込んでから、場所を急遽有楽町産地飲食街に変更して単なる昼間から飲む会がスタート。
でも、リックが今半ですげー牛を買ってきたり、セクシー人妻ふるしょうさんがすげーうまいキノコを買ってきたりしてくれたので、お店と交渉して持ち込みさせてもらうことに。
こんな店でも炉ばた大将。
ステーキを焼くときは本気出した。
やはり人間なにごとも本気で取り組まねばなるまいよ。
そのまま倒れるように寝たら、午前3時に目が覚めてしまい眠れなくなった。
しかし台風過ぎたあとなのに風が強いから中止ってあるもんなんだなあ。
そして朝起きて気づいたら三連休だった。
そんなに会社いかなくて日本人は大丈夫なのか。
しかし三連休の中日だったのか
どうりでみんな東京にいないはずだ。
でも名店は土曜日しかやってないし、三連休中日の日曜日ってけっこう中途半端なんだよなー。
このままうだうだしているとまた会社に行ってしまいそうだし、暇潰そうと思ってまた本書いちゃいそうだけどさすがに本書き過ぎなのでペースダウンしたい。作家じゃあるまいし。
昨日「どうしたら本書けるの?」みたいなことを聞かれた気がするんだけど、本書くコツはペース配分かな。と答えた。
まず、本ていうのはだいたい200ページくらいないと販売できない。
200ページくらいというか12万字くらい。
この12万字をいかに書いていくか、というのが重要。
それで次は目次を考える。
目次を考えたら、あとは記事を埋めていく。ま、それだけといえばそれだけなんだけど。
だいたい6章構成だとすれば、1章あたり2万字。
2万字ってどういう感じかというと、まあこのブログの1エントリが5000字くらいなので、それの4日分。ブログをもとに本を書くとすると、僕のブログの場合4x6=24日ぶんのブログの文章量で本が一冊書けることになる。
ただし、あたりまえだけど、僕のブログは無駄が多い。
ブログだけにあまり推敲してないし、どうでもいいことや間違ったまま放置してることも少なくない。なのでそこを削ぎ落とすことを考えると1.5倍くらいの余裕が欲しい。すると36日ぶん。
一年は365日あるので、一年に本を10冊出すのも不可能というわけではないだろう。だいたい、本一冊出して、印税が初版保証で3000部分、1500円の10%が印税だから、45万円。年に10冊で年収450万円。うーむ。なかなか大変な仕事だな。まあ当然、面白い本かけば3000部以上売れるんだけど。たとえばうち一冊が小ヒットとして3万部売れたとして、900万円。まだ一千万に届かない。世の中世知辛い。
単純に文章量だけで見れば書けなくない気もするんだけど、本を書くと確実に自分の中のなにかを消費する。
その消費された何かっていうのがなんなのかはまあ微妙ではあるけれども。
たとえば「面白いなー」と思ってたネタや常々「こうだよな」と思ってるネタというのはそんなにバリエーションがあるわけではない。
365日毎日新しいネタがあるかというと、当然、そんなわけはない。
そうすると自分の中のネタを12万字ぶん、それぞれの本一冊ごとに消費していくことになる。
こりゃ大変だ。
自己啓発本の類は書けば書くほどネタが似通ってくる。
池上彰さんとか凄いよなーと思うのは、いろんなネタでいろんな話を池上彰フォーマットにしてしまうところはほんとに凄い。
特に執筆がはかどりやすいのは密室だ。
例えば飛行機の移動中。
もう死ぬほど暇なときに映画とかみても余計退屈になるので、そういうときは本を買いたりするのがいい。8時間もあれば、僕のペースだと8万字書けるのでロサンゼルスを往復すると16万字書けることになる(論理的には)。もちろんそんなに元気ではないのでまあ往復で12万字書けたら「がんばったなー」という感じか。
まあホテルに缶詰、という手もあるんだけど、その場合はやはりそこそこいいホテルのいい部屋でないと意味がない。机が狭いとそれだけでやる気がなくなる。それだと海外にいくのと同じくらいのお金がかかる。
あと、実は本は一気に書いたほうが書きやすい。
だからまあ缶詰むきかな。
ちびちび書いてるとなかなか書き上がらないし、書き直したくなる。
書きなおすのは別にいいんだけど、最初に荒削りでも一冊分の原稿を書いてしまってから、最後に修正する方がいい。
本を書くパターンは、出版社から執筆依頼が来る場合と、書いてしまってから持ち込む場合の二種類ある。僕は執筆依頼が来るパターンしかやったことはないんだけど、増井さんの「スマホに満足してますか?」は原稿だけ書いてから持ち込んだパターン。
特に執筆依頼来てないけど本は書きたい、という人はとりあえず書いてしまってから持ち込みのパターンで書くのがいいのではないだろうか。断られることもあるので辛いと思うかもしれないが、出版社を回ればどこかは内容も読まずに出してくれる可能性がある(したがって、あまりにも内容がひどい本はそのようにして出版される)。
出版社は、実はなんでもいいから本を出したいのである。
なぜかというと、本を出せば、とりあえず現金が手に入るからだ。
出版社のビジネスモデルというのは、まず本を印刷して取次に収める。すると取次が本の代金をまず全額払ってくれる。それを取次が全国の書店に配本し、本が書店に並ぶことになる。
「印刷して収めるだけでお金貰えるの!?楽勝じゃん!」と思うかもしれないがここからが罠である。
配本して何ヶ月かすると売れ残る。売れ残ると、今度は書店から取次に「売れねーよ」と返本されてくる。取次は返本された分のお金を返せと出版社に詰め寄る。もちろん出版社は現金を返したくはない(社員の給料や社屋の家賃なんかで使っちゃってるし)。そこでどうするかというと、「この本を買ってください」とまた売れるかどうかわからない本を印刷して取次に収める。取次は「なるほどいいよ」と言ってその本の代金で返本を相殺する(あまりにも返本が多いと相殺できない可能性もある)。
こうした自転車操業によって出版は成り立っているので、ときどきは運転資金の調達用にどうでもいい本でもいいからとにかく新刊を納品したい、ということが起こりうる。
というわけで、本を出したいだけなら、自分で書いて出版社に持ち込むと、どこかの出版社は出してくれる可能性は高い。反対にあまりに俺得すぎる内容だと自費出版しろと言われる可能性もあるけど。
ちゃんと売れる本を書きたいのならば、やはり内容はもちろん、編集者との信頼関係も重要だ。
力のある編集者なら、営業と連携を組んでイベントを開いたり広告を打ったりしてちゃんと売れる仕組みを作ってくれる。
ところで本ばかり書いていると「仕事はしてるのか?」と心配されるんだけど、そもそもブログだけで年間本10冊に相当する文章量を書いてるんだから、ブログを数日休めば本が一冊できるという話はそれほど荒唐無稽な話ではないだろう。
それに実は現役の社長が書いた本というのはけっこう多い。
僕の尊敬する二大経営者である井深大と本田宗一郎、そして盛田昭夫も多作で有名だ。
彼らの本ならば、以下を推薦する
- 作者: 井深 大
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: 単行本
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- 作者: 本田宗一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/02/08
- メディア: 文庫
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MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)
- 作者: 盛田昭夫,エドウィンラインゴールド,下村満子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1990/01
- メディア: 文庫
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特に「私の手が語る」は、僕の先輩ライターである田嶋さんが毎日嫌がらせのような叱責とともに送りつけてきた本であり (このエピソードはプログラミングバカ一代 (就職しないで生きるには21)に収録されている)、僕の人生のバイブルともなっている。
盛田昭夫がソニーを国際的企業へと成長させた冒険憚である「メイド・イン・ジャパン」は何度も読み返した。
元社長が書いた本というのもある。
- 作者: 小倉昌男
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/09/11
- メディア: Kindle版
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これはヤマト運輸を宅急便の会社にした(というか宅急便というビジネスそのものを発明した)小倉昌男氏による経営学の本である。
既存の運送業者たちは、安くて便利で早い宅急便の進出を阻もうと国とグルになって徹底的にヤマト運輸を叩いた。
特に運輸省は、既存業者の圧力を受け、ヤマト運輸からの路線延長申請を5年も先伸ばしにしていた(その裏で佐川急便から賄賂を受け取り、後に佐川急便事件となった)。
そこで小倉昌男は行政訴訟を起こして運輸省を訴え、勝訴し、ついに宅急便は全国で使えるようになった。
そんな武闘派な社長の経営哲学である。
面白くないわけがない。
盛田昭夫といえば石原慎太郎と書いたこの本も一世を風靡した。
「NO(ノー)」と言える日本―新日米関係の方策(カード) (カッパ・ホームス)
- 作者: 盛田昭夫,石原慎太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1989/01
- メディア: ハードカバー
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この頃はNOと言えたよなあ
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