高橋克典
2015年7月18日14時59分
「チカン抑止シール」の配布など、痴漢対策に力を入れている埼玉県警が、特殊インクを使った「痴漢対策ツール」の開発に取り組んでいることがわかった。痴漢被害の証拠を補強する目的があるという。今年4月にはアイデアが評価され、文部科学省から考案者の県警職員3人に「創意工夫功労者賞」が贈られた。
新ツールは捜査専用資材のため、啓発の意味合いが強いチカン抑止シールのように配布されることはない。被害女性に捜査員が同行捜査する際の使用を想定している。使い方について県警は「捜査資機材に関することで、まだ実用化に至っていない」との理由から広報していないが、捜査関係者によると、仕組みと想定される使い道はこうだ。
まず、繰り返し痴漢被害に遭っている女性に、同意のもと、透明な特殊インクが入った小さな袋をあらかじめ指に装着してもらい、捜査員が電車に同乗する。
車内で被害に遭ったら、女性が痴漢の手をつかんだり払ったりして犯人の手にインクを付着。犯人はインクに気付かないが、後から特殊な光を当てるとインクが浮かび上がる――というものだ。
ある県警幹部は「インクは透明で目に見えないため、拭き取るなどの隠滅ができない。捜査員が犯行を目撃していても、その後の捜査で否認された場合に、立証の補強として使えると思う」と話している。
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