志賀原発:1号機、廃炉強まる…「活断層否定できず」

毎日新聞 2015年07月17日 21時05分(最終更新 07月18日 00時05分)

 北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内の断層を調べている原子力規制委員会の有識者調査団は17日、1号機原子炉建屋直下を通る断層について「活動した可能性を否定できない」とする報告書案をまとめた。今後、北陸電が見解を覆すことができなければ、1号機は廃炉になる可能性が高い。2号機の重要施設の下を通る断層についても同様の結論をまとめており、大規模な耐震補強工事が必要になれば2号機の再稼働は大幅に遅れる見通しとなる。

 ◇有識者調査団が報告書案

 調査団は今後、別の専門家から意見を聞いた上で報告書をまとめ、規制委に報告する。北陸電の金井豊社長は17日の東京都内での記者会見で、「活断層ではないとの結論に自信を持っている」と強調した。

 調査団は報告書案で、1号機の原子炉建屋直下にある断層「S−1」(長さ780メートル)について、過去の地層の概念図や写真を根拠に「12万〜13万年前以降に、一部が変位した可能性は否定できない」と判断。北陸電は「活動性はない」と主張していたが、調査団は「説明がつかない」と退けた。

 1、2号機の重要施設下を通る断層「S−2」「S−6」(長さ計550メートル)については、地層の一部が傾斜していることなどから、調査団は「断層が活動したと仮定すれば、傾斜が生じた説明がつく」と認定。「12万〜13万年前以降に変形を生じた可能性が否定できない」と判断した。新規制基準では、12万〜13万年前以降に活動した可能性を否定できない断層の真上に重要施設を建てることを禁じており、1号機は廃炉を迫られる可能性が高まった。【鳥井真平】

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