07月17日の「今日のダーリン」

・ちょっとアルバイトが足りないというところから入って、
 11年間「ほぼ日」ではたらいてきた人が、
 卒業することになって、なんとなくあらためて雑談した。
 「で、この会社って、どうだと思ってた?」
 と漠然としたことを質問したら、おもしろい答えが。

 「時間が流れてないような‥‥。
  他の同級生とかは、時間が流れていて、
  それぞれ年相応にというか、老けていってるんですよ。
  でも、ここは、みんな年とってないじゃないですか」
 「そんなこどものままじゃ困る、ということでもある?」
 「そういうのともちがって。
  成田空港みたいなんですよ」
 「なんだ、そりゃ?」
 「成田空港って、出発の2時間前とかに
  集まるじゃないですか。で、そこから、たしかに
  飛行機が離陸するまでに2時間経ったはずなのに、
  その時間がなかったような気がする」
 「ああ、そうだねー」
 「それは、到着してからもそうなんですよ。
  社員旅行の帰りとかで、到着してから荷物待ってたり、
  誰と誰がまだだとか写真撮ったりだとかしてると、
  いつのまにかずいぶん時間が経ってて、気づかない」
 「それと、ほぼ日が似てるんだ」
 「そうです、11年も経ってたの、知らなかった」
 妙に感心して、それからも考えちゃいました。
 
 それは、いいことなんだろうな、たぶん。
 あっという間に時間が過ぎていたというのは、
 たのしい時間だったということでもあるのだから。
 でも、その止まっているように感じられる時間に、
 ぼくらは成長とかもしているんだろうか?
 しているから、やってこられているとも言えるな。
 言われてから気づいたわけだけれど、
 「ほぼ日」をずっとやってきて、長かったなぁと、
 一度も思ったことなかった。
 思えば、「なんだ、もうお終いなのかい」と、
 臨終のときに言えるというのは、いい人生だと思うし、
 それはぼくの憧れでもあるような気がする。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
岩田さんへのメール、ぜんぶ読んでます。今日お葬式です。