李承晩氏の養子、KBSの日本亡命打診報道に苦言

「いまだに反李承晩時代が続いていて残念」
建国大統領・李承晩の死から50年
養子の李仁秀博士にインタビュー

李承晩氏の養子、KBSの日本亡命打診報道に苦言

 「父は食事の前にいつも祈りをささげていた。『きょうも、その日の糧を与えてくださったことに感謝します。なのに今では私の信仰が弱く、神がお与えになった使命を果たせていません。今こそ神がわが民族を祝福して下さいますように』と」

 李承晩(イ・スンマン)元大統領の養子である李仁秀(イ・インス)博士(元・明知大学教授)は、およそ50年前のことをはっきりと記憶していた。李博士は1960年11月、全州李氏大宗会で李大統領の養子に選ばれた後、計3回ハワイを訪れ、父親に仕えた。60年12月13日から翌年3月17日まで、64年1月28日から4月2日まで、そして65年7月4日にマウナラニの療養施設に行き、同月19日には臨終を見守った。

 李承晩・元大統領は、息子に会うと韓国の近況を尋ねた。4・19(1960年4月19日。不正選挙に端を発したデモにより、李承晩大統領が下野した事件)で犠牲になった学生については「学生たちが正しい」と語っていたという。「私が浴びるはずの銃弾を、あの子たちが代わりに浴びた」と話した。

 李博士は、李承晩・元大統領が生前残した「遺言」を紹介した。新訳聖書のガラテヤ書5章1節「自由を得させるために、キリストは私たちを解放して下さったのである。だから、堅く立って、二度と奴隷のくびきにつながれてはならない」という部分だ。「父は『この言葉は私が韓民族に与える遺言だ。必ず自由を守らなければならない』と言った」。1985年、ハワイの韓人キリスト教会横に建てられた李承晩・元大統領の銅像に、この言葉が刻まれている。

 李博士は、今も反李承晩時代が続いていると残念がった。「最近KBSが根拠もなく、父が6・25戦争(朝鮮戦争)当時、日本に亡命しようとしたと報じた。李承晩を非難しようという意図しかない。大韓民国を建国した大統領をこのように踏みにじって、韓国がどこに向かおうとしているのか、胸が痛む」。李博士は「現在韓国を支える根幹となっている自由民主主義と韓米同盟は、李承晩大統領が作ったもの。今の韓国人が『李承晩体制』の中で生きているという事実を、正当に評価すべき」と語った。

李漢洙(イ・ハンス)記者
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