MakeUseOf：Facebookは、写真を友人や家族間でやりとりしたり、コレクションしたりできる新しいアプリ『Moments』をリリースしました。

同じ写真を、それぞれの携帯電話で何度も撮影した経験がありませんか？　友人や自分の写真を撮っても、写っている人の手元に届けられるケースは案外少なかったりしませんか？　『Moments』を使えば、写真を簡単に分類できるため、配布、閲覧がぐっと手軽になります。

また、『Moments』には、写真をInstagramやFacebook本体、あるいは『Facebook Messenger』で共有するオプションが用意されています。

この新作アプリは、米国ではすでにApple製品および「Android」搭載デバイス向けのバージョンがダウンロード可能です。また、他の国でも間もなく提供が始まる予定です。

ダウンロード：「iOS」版／「Android版」（現在のところ日本語版はリリースなし）

集合写真の悩みを解決

パーティーや会合に出席すると、携帯電話のカメラで集合写真を撮影したがる人を数多く見かけます。彼らは、何台ものカメラで同じ場面を撮りたがりますし、撮った写真をFacebookにタグつきで載せたり、メールで送ったりします。しかし、時間がかかるわりに、写真がどこに行ったかわからなくなるなど、面倒な思いをしただけで終わってしまいがちです。

こうした状況を解消するのが『Moments』です。このアプリを使えば、誰か1人が集合写真を1枚撮り、イベントに出席していた友人と写真を同期するだけで済みます。これなら、送信先の情報を手に入れたり、同じ集合写真を何枚も撮ったりするような無駄な時間を使わなくてよいのです。

『Moments』の認識機能を支えるテクノロジー

この『Moments』の核となる、どの写真にどの友人が写っているかをグループ分けする機能を支えているのが、顔認識技術です（ちなみにこれはFacebook本体でオススメのタグを表示するのに使われているのと同じ技術です）。人工知能（AI）が画像に出力されたイメージを読み取り（この場合は人間の顔部分）、認識します。それらはデータ処理マシンに送られ、類似点や相違点に基づいてグループ分類処理が行われます。

「『Moments』は顔認識技術を用い、写真をグループ分けします」Facebookの製品マネージャー、Will Ruben氏

FacebookのAI研究ディレクターを務めるYann LeCun氏によると、比較対象となる2つのオブジェクトが似ていれば両者はまとめて置かれ、似ていないときは、処理マシンの分析結果に従い、違う位置にグルーピングされます。また、分析に使われるコードや研究結果は、オープンソースで公開され、研究者コミュニティによってこの技術のさらなる改良ができるような仕組みになっています。

『Moments』の評判は？

『Moments』が顔認識技術を用い、この機能を常に有効にしておく前提になっていることから、Facebookが把握するユーザー情報の範囲をめぐって、多くの人がプライバシーに関する懸念を口にしています。さらに、顔認識技術の使用に関する行動規範は、米商務省の電気通信情報局（NTIA）が策定することになっていますが、まだ最終的な規定は完成していません。

つまり、写真のタグ付けに関するプライバシーの問題には、いまだに明確な基準がないのです。

ほかにも、アプリをダウンロードすると、携帯端末のデータ容量が足りなくなると不満を述べている人もいます。ただ、こうした人は、そもそもFacebookのことをあまりよく思っていないのかもしれません。

上記の問題があるとは言え、他人に見られずに、写真を共有できる楽しさには期待できます。実際、ユーザーは『Moments』の機能を積極的に試し、このアプリを歓迎しているようです。以下の動画では、このアプリの使いかたとその機能を簡単に紹介しています。

Moments: Facebook's Beautiful New Way To Share Photos With Friends｜MakeUseOf

Shay Meinecke（訳：長谷　睦／ガリレオ）
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