ギリシャ:「延滞状態」IMF表明…事実上の債務不履行

毎日新聞 2015年07月01日 12時19分(最終更新 07月01日 18時15分)

 【ロンドン坂井隆之、ワシントン清水憲司】国際通貨基金(IMF)は6月30日(日本時間7月1日午前)、ギリシャに対する融資16億ユーロ(約2200億円)が返済されなかったと発表した。IMFは「(ギリシャからの返済は)延滞状態」と表明。ギリシャは事実上の債務不履行(デフォルト)状態に陥った。欧州連合(EU)は30日夜、ギリシャ向け金融支援を延長せず、打ち切ることを決定、ブリュッセル時間1日午前0時(日本時間午前7時)で支援を終了した。

 IMFは、ギリシャ政府からの返済が「延滞状態」に陥ったことを明らかにし、延滞分を返済しない場合、ギリシャは「IMFから新たな支援を受けられない」(IMF報道官)と表明した。また、ギリシャから同日、返済期限の延長要請があったとして、理事会で取り扱いを検討する方針も明らかにした。IMFに対する延滞例としては、ジンバブエやスーダンなどがあるが、先進国では初めて。公的機関であるIMFに対する延滞は、民間の銀行や投資家への返済ができなくなるデフォルトとは区別されているが、借金を返済できない状態であることに変わりはない。

 一方、ギリシャ政府はEUに対し、2年間で290億ユーロ(約3兆9500億円)の金融支援と債務の再編を要請。債権団からIMFを外し、ユーロ圏単独での支援を求めた。EU側が求めている年金支給額の削減や付加価値税(日本の消費税に相当)増税などの緊縮策への対応は明らかにしていない。

 EUのデイセルブルム・ユーロ圏財務相会合議長は会合後、CNNのインタビューに対し、「ギリシャ政府は(EUなど債権者側の財政再建案への賛否を問う)国民投票について、依然として『ノー』のキャンペーンを行っており、建設的な議論は期待できない」と指摘した。

 ただ、ギリシャ側が新たな提案を提出する意向であるとして、1日午前にユーロ圏財務相会合を再招集することを明らかにした。しかし、デイセルブルム氏は「新たな支援プログラムは現行支援より厳しい条件が必要になる。簡単ではない」と厳しい認識を示した。

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