<「新国立」白紙>ラグビーW杯に打撃 収入大幅減を懸念
毎日新聞 7月18日(土)21時29分配信
新国立競技場の建設計画が根本的に見直しとなることが17日に決まった。2019年9〜10月に日本で開催されるラグビー・ワールドカップ(W杯)に完成が間に合わず、新しい舞台を生かして多くの収入を見込んでいたラグビー界にとっては大きな痛手だ。
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19年ラグビーW杯の試合を行う全国12会場のうち最多の8万人を収容する新国立競技場では開幕戦と決勝の開催が決まっていた。嶋津昭・大会組織委員会事務総長は「世界中のラグビーファンが新しい国立競技場で開催するということを大きく期待していたと思う。ビジネスモデルとしては厳しくなる方向」と硬い表情で語った。
W杯は、放映権料やスポンサーからの収入はすべて主催者である国際統括団体「ワールドラグビー(WR)」に入る。日本の大会組織委はさらに、WRに開催保証金9600万ポンド(約190億円)を支払わなければならないため、チケット売り上げの目標を300億円に設定して収入の柱と位置づけていた。
12会場のうち新国立に次ぐ収容能力を持つのは、日産スタジアム(横浜国際総合競技場、約7万2000人収容)。02年のサッカーW杯日韓大会でも決勝会場となり、ラグビーW杯でも決勝などの開催は十分可能だ。だが、それに伴って本来は横浜国際で開催するはずだった試合をより小規模の別会場に移行すれば、観客収容人数が減るため収入も減少する。また「新国立での初の世界大会」という集客効果がなくなる影響も避けられない。
ただ、15日に開催地の自治体首長らが集まって東京で開かれた「キックオフミーティング」で嶋津事務総長が「残念ながら認知度は非常に低い」と話したように、ラグビー関係者には従来、大規模な会場があっても十分な観客を集められるのか、といった危機感があった。「総理から『国として支援する』と力強い発言をいただいた。いろいろ影響はあると思うが分析していきたい」と嶋津事務総長。日本協会関係者は「逆にこの機会で、19年に日本でワールドカップが開かれると知ってもらえたかもしれない」と前を向いた。【大島祥平】
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