あなたの独自の価値は、関係性にある。

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独自の価値がなかったら価格競争に巻き込まれる

USPという言葉は知っていますよね。
知らない人のために、カンタンに解説します。
これは「あなただけの独自の価値」というマーケティングの用語です。
「ユニーク・セリング・プロポジション」
自分の会社や自分の製品が持つ独特の価値。
お客さまに選んでもらえるユニークな他社とのちがいが主張できる強みのこと。
そういうことです。
マーケティングでも、ブランドを構築していくときにも、USPって考え方が、とっても大切です。

ボクは「差別化」を目指すな、っていうことをよく言っています。
これからの時代は、差別化っていう考え方だと、成功しないからです。

「差別化」ということは誰か競合がいるということ。
大切なのは、その会社が持っている独自の価値を消費者に知っていただくこと。
他社やライバル会社を意識することももちろん大切ですが、そこに集中すると、常に他社との競争に走ってしまい、お客さまが見えなくなる。
その結果、不毛な価格競争に陥り、選ばれる要因が、価格だけになってしまう。
そうなったら大変です。
利益も出ないし、働いている人のモチベーションも下がってしまいます。
そして、本来のビジネスの目的を見失ってしまうことも少なくない。
だから「差別化」という考え方ではなく、「独自化」。
あなた独自の価値を伝えること。

Apple社の創設者で、革命的な製品を世に送り出してきたカリスマ、スティーブ・ジョブズが言った言葉があります。

「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?
そう思った時点で君の負けだ。
ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。」

ロシアの画家イワン・クラムスコイの名作 「見知らぬ女」

ロシアの画家イワン・クラムスコイの名作
「見知らぬ女」

名言です。
そして、ビジネスの真理です。
恋愛にたとえて説明すると、よくわかりますよね。
ライバルばかり見て、相手のことを見ていない男性がモテるわけがない。
競合他社ばかり見て、お客さまのことを見ていない企業が繁栄するわけがないってこと。

あなたが選ばれる理由は何か?

独自の価値を見つけることが大切です。

お客さんは、たくさん似たようなお店や商品があるなかで、
どこで買ってもいい、あるいはどこからも買わないという選択肢がありながら、
どうしてあなたのところで買わなければならないのか?

この質問に明確に答が出せますか?
この答が「安いから」という会社や店は、危険です。
どうしてかというと、価格で選んでいるお客さまは、あなたの店よりもっと安い店があったら、すぐに浮気をしてしまうからです。

だから価格以外の独自の価値がないと、本当の意味で選ばれているという状態ではないのです。
独自の価値が本当の価値。
もし、あなたの商品やサービスが、あなたではなく別のところでも手に入るのなら、それは独自化とは言えないのです。
その場合は、その価値を創出する必要があるのです。

商品やサービス以外の独自性に目を向けてみる

でも、オリジナルの新しい商品やサービスを考えて作り出すのは大変です。
まったく新しい商品なんて、なかなか開発するのは難しい。
だから「関係性」が独自の価値になるという意図で考えてみる。

こらからの時代、あなたの会社やお店を選んでもらう理由、それは「関係性」なんです。
お客さまは「関係性」で選んでくれる、ということです。
人間は同じものを買うのなら、関係性の深いほうで買います。
同じものを買うのなら、より関係性がある人から買うのです。

そして、あなたが創り出した関係性は、他にはない独自のものです。
これをUSPにすることのほうが、カンタンだということ。

販促物、店舗運営、SNSの発信、すべてにおいて「関係性」というキーワードで考えてみましょう。

あなたの独自の価値は、関係性にあるのです。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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