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インタビュー・テキスト:島貫泰介 撮影:豊島望(2015/07/17)
サンリオピューロランドが最近面白い。先日はハローキティのボーイフレンド・ダニエルがファンを「壁ドン」してくれる企画が催されるなど、「どうしちゃったのサンリオ…!?」という声も聞こえてきそうなほどの、攻めの姿勢を見せている。そんなピューロランドが、今回さらなる新たな一手を指した。それが新作ミュージカル『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』。アニメや漫画を原作に、男性俳優が歌い踊る2.5次元ミュージカルを多数手がけてきたネルケプランニングとピューロランドが手を組み、ねずみたちの社会を舞台にした友情と青春の物語を発表した。男性俳優のみのミュージカルも、2.5次元ミュージカルとのコラボレーションもピューロランドにとっては初の試み。攻めの姿勢を微塵も崩そうとしない理由が大いに気になるところだ。そこで今回、同作の制作に深く関わったネルケプランニング代表取締役の松田誠にインタビューすることにした。2.5次元ミュージカルを人気コンテンツに成長させた彼にとって、今回のコラボレーションが意味するものとは何か。2.5次元ミュージカルはどんな未来図を描いているのか。そして演劇の魅力とは何か。数々の疑問をぶつけてみた。
松田誠(まつだ まこと)
株式会社ネルケプランニング代表取締役。演劇プロデューサー。代表作は、ミュージカル『テニスの王子様』、劇団EXILE、『ロミオ&ジュリエット』、『ロックオペラ モーツァルト』、ミュージカル「黒執事」、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」他。演劇以外にも多方面で新しいエンターテイメントを仕掛けている、日本のステージコンテンツビジネスのトップランナーの一人である。日本2.5次元ミュージカル協会代表理事。
Nelke Planning STAGE
サンリオという巨大で不思議なエンターテイメント企業の秘密を悟ったんですよ。
―サンリオピューロランドと2.5次元ミュージカル(漫画、アニメ、ゲームを舞台化した作品)という意外な組み合わせに驚きながらゲネプロ(一般公開前に行われるプレ公演)を見せていただいたのですが、まず今回のコラボレーションに至った経緯からお伺いしたいです。『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』は、約4年をかけて実現したそうですね。
松田:サンリオピューロランドのご担当の方が以前から弊社の作品を見てくださっていて、一緒に作品を作りましょうとご提案いただいたのが4年前。サンリオさんはハローキティやマイメロディなど、良質なキャラクターと物語を長年作り続けているところですから、やるとなればそれなりの準備が必要ですよね。僕らとしてもピューロランドで新作公演ができるなんて夢のような話なんですよ。それでじっくり時間をかけてコンセプトや方向性を練り上げて、最終的にサンリオの社長である辻信太郎さんが書かれた『ねずみ物語』を原作にすることになりました。
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
―ねずみの男の子たちの友情と冒険の物語ですね。原作は2007年に本が刊行され、同年にアニメ映画にもなっています。
松田:そうです。僕らネルケプランニングが2.5次元ミュージカルの新作を作るとなれば、やっぱり男の子にスポットライトを当てるものが多いですから、その点でもぴったりでした。
―『ちっちゃな英雄』は、ピューロランド初の男性俳優のみが登場する作品ですね。マイメロディも登場しますが、ストーリーテラーという役割です。
松田:サンリオの世界観と言うと、メルヘンチックで色合いの淡い、親子で安心して見られるような美しい世界が多いんですよね。だからこそ、僕らだからやれることをすごく真剣に考えました。男の子らしいエネルギッシュさとスピーディーな展開。そして原作にもある「友情」や「優しさ」。それらを約40分という短い時間に凝縮して伝えないといけない。普段の作品とはまるで料理法が違いますから、演出家、脚本家、音楽家とも相談していろいろ戦略を練っていったんですよ。でもね、辻さんと直接お会いしてそれがいかに甘かったと痛感しまして……。
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
―厳しい意見をもらってしまったんですか?
松田:そうじゃないんです。僕らが普段作品を作るときには、初めに必ず戦略を立てるんですよね。こういう風に演出したらファンは盛り上がるだろうということを常に計算しているんです。でも、辻さんから言われたのは「とにかくお客さんを喜ばせてくれ!」ということだけでした。もっとビジネス的な要望を求められると思っていたんですよ。例えば男の子を出演させることで、お母さん層をターゲットにしてほしいとか。でも、そんな話は1つもなく「とにかく面白いものをよろしく!」と。
―エネルギッシュですね。
松田:エネルギーの塊みたいな人ですね。打ち合せ中に、最近作った新しいバースデイカードの話をしてくださったり。人を楽しませる気持ちに溢れていて、「このカードを開くと車になるんだぞ! しかもブッブーって音が鳴るんだよ、面白いだろ!」と辻さんに熱弁されて(笑)。そういう子どもみたいなシンプルなエネルギーを真っ正面からぶつけられて、ガーンっと殴られた感じがしたんですよ。
―目を覚まさせられた。
松田:実は最初に「40分の上演時間に4回は泣ける作品を作ってほしい」と言われていたんです。それを聞いたとき、正直難しいと思いました。漫画原作のようにファンに馴染みのあるキャラクターもいない内容で、40分に4回泣かせて、歌や踊りのシーンも入れるというのは到底無理だろうと。もちろん僕らも、ものを作る立場だから本気で取り組んでますよ。手を抜いてもいいやなんて思ったことはない。でも、辻さんに会って「頼むぞ!」って言われたときに「やらなきゃ!」って反射的に思いました。翌日に演出家のきだつよしさんを呼んで、緊急会議を開いて「今みたいな向き合い方ではだめだ。もっと本気で、真摯に向き合い必ず面白いものにしないと」って。その後、脚本も演出も大幅に変更し、稽古のたびに試行錯誤を繰り返しました。
―一気に場の空気が変わった。
松田:年の離れた大先輩から「面白いもの作ってくれよな、若人たち!」って言われたら当然ワクワクするじゃないですか。そのときにサンリオという巨大で不思議なエンターテイメント企業の秘密を悟ったんですよ。ビジネス的な採算性を考えたら、こんなとてつもないエンタメ空間は作れない。辻さんの純粋で熱い、「人を喜ばせたい」という想いがあるからこそ、サンリオのキャラクターたちやサンリオピューロランドが生まれたんだなって。
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