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 長崎県対馬市の海神神社から2012年に盗まれ、韓国に持ち込まれていた国の重要文化財の「銅造如来立像」が17日、韓国側から日本側に引き渡され、空路で日本に運ばれた。関係者によると、対馬への到着は18日になる見通し。

 立像は韓国中部・大田にある国立文化財研究所に保管されていた。神社側から委任を受けた専門家らが現地を訪れて受け取った。

 日本政府は、同時に対馬で盗まれた県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」とともに返還を要求。韓国の検察当局は、立像については所有権を主張する寺や団体がなかったとし、15日に日本側に返還することを決定した。

 一方で、坐像については元の所有者と主張する韓国の寺が、日本に渡った経緯が判明するまで返さないよう求めた仮処分などを理由に、返還をめぐる判断を見送った。日本側は引き続き返還を求めていく。(ソウル=貝瀬秋彦)