趣味どきっ! 美しい文字で 心をつかめ! 第五回「“模写”で思いを読み解く」 2015.07.07


しっとり柔らかく仕上がった鶏のむね肉がよく合います。
冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多いのが手書きの文字。
読みやすく洗練された美しい文字を書ければ印象が良くなり気持ちもしっかりと伝える事ができますよね。
タレントの優木まおみさんがそんな美しい文字を書く秘けつを教わります。
自分のクセを知るっていうのがやっぱり美しい文字になる基本なので。
教えて下さるのは京都で活躍する…書の本場中国でも数々の賞を受賞し「今の暮らしに溶け込む書」をテーマに作品を制作しています。
番組ではボールペンから筆ペン筆と日々の生活で役立つ心が伝わる美しい文字を書くポイントをお伝えします。
前回から筆を使ったレッスンをしてきましたが今回は更に深く書道の世界に入っていくそうです。
しかもレッスンはこのお寺で行います。
何だか身が引き締まる思いですよね。
楽しみです。
今回は名人の文字を気持ちまでそっくりまねる「模写」。
美しい文字を書くのに効果絶大です。
では優木さんこちらをいきなりですが見て下さい。
ん?何でしょうか。
こちら。
う〜ん上手な文字です。
欧陽詢は中国唐の時代の書家で政治家でもあったんですけれどもこの欧陽詢は書道のスーパースターになって…。
なのでみんながこの欧陽詢の書を模写して勉強しています。
書かれているのは当時の皇帝の別荘九成宮でおいしい水が湧いた事を記念した文章です。
一画一画を丁寧に書く書体楷書のお手本として昔からたくさんの書家を育ててきました。
じゃあ早速ですけれどもこの「泉」という文字を…。
模写ですか。
模写してみましょうか。
では今回はちょっと大きめなもの私が書いてきました。
先生が先ほどのを模写してそれを私がまた模写するという事ですね。
う〜ん…。
う〜ん内に入っちゃったこの辺からかな。
ちょっと高すぎたか。
細くから…。
よっと。
どうでしょうか?でも初見にしてはすごくいい感じですね。
やっぱり形。
例えば「泉」の上の「白」っていう字だけでもちょっとゆがんでる。
同じかっていったらやっぱりちょっとずれてる。
お手本に重ねてみると線の太さや長さ角度が違っている事がよく分かりますよね。
模写というのはこうした違いに気付き細かい所まで直していく上達法です。
模写に良い方法っていうのが文字の輪郭を鉛筆でなぞるっていう事ですね。
鉛筆で縁取りをするという事になります。
まず今のお手本をここに置いて頂いて。
透けさせてって事ですか。
あ〜きれいに透けてます。
書き順どおりに。
その時に形もしっかり見ながらどこが太いのか…。
こう入って…。
筆遣いも確認しながら。
こういう感じですかね。
はい。
次「水」の部分。
ここのはねの具合なんかもダッとなってるっていうより優しい感じ…。
「上に上げている」ぐらいの感じで。
左払いの下がってきたものを最後右。
ここくっついてて…。
右払いになります。
あっ!上手。
上手に出来た。
(笑い声)じゃあこれを塗るような感覚といったらおかしいんですが一筆でその輪郭を埋めていく。
輪郭を全部埋めていくイメージで…。
形とか筆圧とかを感じながら書くっていう。
「これぐらい押すとこれぐらいの太さになるんだな」というのを感じながら。
はい。
あっ思ったよりここでクッと力を入れて…。
あ〜入んないですね思ったより。
もうちょっと下から入んないと。
あっそういう事なのか。
筆の入れ方や筆圧が少しでも違えば輪郭どおりには書けません。
細かな所まで注意を払いましょう。
埋まらへんぞ。
何でか思っているより埋まらないとこが出てくるのはなぜだ…。
でこれをギュッと押すとここが埋まると。
これは面白いですでも。
自分が思ってた所に意外に線がいってないっていうか…。
やっぱりこうしないと人の文字の形をまねるって案外自分が考えてるのと違うっていう事ですよね。
自分の不得意な所は全部…左払いとか左払い下げが不得意だなっていうのにすごい気付きました。
これはもう覚えないといけないという事ですもんね体で。
うまくいかない所があればそこだけ練習しましょう。
優木さんまずは左払いです。
押さえて角度を変えて角度を確認してからどんどん筆圧をなくしていって上に上げる。
はい出来ました。
こういう事ですね。
書き始めの筆遣いにもポイントがあります。
まず起筆ですね。
下にちょっと下がってきてから左に払う。
ちょっと下に下がってから左っていう。
それと2画目の所の起筆をちょっと斜めに入ってそれからもっと右に入ってくるっていうイメージでもう一回書いてみますか。
ちょっと下げめでそこから横なんですね。
起筆。
下にちょっと下がって左。
うんうんいい感じです。
それから…。
入って「もっと来い」って感じでこっちに…。
グイグイ内に入ってきて止める。
じゃあ今部分の練習もしたのでもう一回輪郭を書いてさっきよりうまく書けるかちょっと書いてみましょうか。
さっきはちょっとなぞるようにというか塗るようにって感じだったんですけど今回はゆっくりっていうよりも「書く」という感じで。
はい。
1画目下がって左に。
次2画目角度に注意しながら。
あっあっ!ああ〜。
細い線。
右上がりの横画。
で押さえてさっきの感覚を思い出して左払い。
ああ〜かすれたな少し。
でも角度とかはすごくいい。
ちょっと太くなりました。
で右払いですね。
太めに筆圧加えて払う。
優木さんの楷書。
ぐんと川尾さんのお手本に近づきました。
文字から聞こえてくる教えに耳を傾け美しい文字を目指しましょう。
この寺町通には書にまつわるお店が結構あって私よく来るんですよ。
確かに見渡すとそういう趣のある感じのお店が多いですね。
今日は書をもっと楽しむためのお店があるのでちょっと入ってみましょうか。
ここも店構えがすてきですね。
書道の道具を扱っている350年余りの歴史を持つ老舗です。
筆墨硯紙の文房四宝をはじめ筆文字が似合う絵葉書や文字を書く気持ちを高めてくれるお香までそろっています。
たくさん書道の道具あって…硯もたくさんあるんですね。
約90種類ぐらい今店頭には用意できておりますね。
上の段には日本の中で採れた国産の硯。
下が中国で採れてる硯石になりますね。
ただ新しいものではなくて古いものの方が品質もその方がいいとされております。
美術品としても硯は扱われて…こういう彫りとか。
そうですね。
まわりにすごくすてきな彫りが。
触ってみていいですか?
(谷口)いいですよどうぞ。
全然ゴツゴツしない…滑らかで。
全然違うしこれすごい滑らかですよ。
すごいツルツル。
(谷口)あとは形とか石の表情。
というのは絶えずそばに置いて使って頂くものですので自分の一番気に入ったものを選んで頂くのが何よりですね。
出会いなんですかねこれもね。
そうですね。
こっちにまた書道の道具がこうやっていろいろあります。
これが硯に水を入れる時の水滴。
ああ〜。
こんないろんな種類があったらかわいいですよね。
飾り棚とかにこういうのを何個も飾っている人とかもいますし。
「今日はこの気分」ってね。
季節によって変えたりとか。
へえ〜。
他にもカラフルな筆置きにすった墨を置いておく台動物の形の文鎮とかわいいものが意外とあります。
いつも使うものがかわいいと「書道しようかな」っていうか書くテンションが上がるっていうか。
女性なんか特に大事ですよね。
自分好みの小物があれば筆を使う機会も増えそうですね。
次はこちらをご覧下さい。
これまた上手な…。
これは「蘭亭序」という作品になります。
「蘭亭序」はここに永和九年って書いてあるんですけれども353年に王義之という政治家でもあり書家が書いたものになります。
やっぱり文字の世界ではスーパースターなんですか?3つも「超」がつくぐらい。
すごいですね。
「蘭亭序」は王義之が別荘の蘭亭で開いた宴会に来た人が詠んだ詩につけた序文。
よく見るとこれまで学んできた楷書とは書体が違うようです。
速く書くために考えられたという行書です。
行書が書ければ「はやる気持ちを込める」といった表現ができます。
こちらの「和」という字を見て下さい。
禾偏がちょっと変形してるの分かりますか?分かります。
4画目と5画目がつながってる。
省略されてるんですね。
「口」の部分もちゃんと書かずに円みっていうかつながって書いてあるっていうふうに行書は省略や変形っていうのがいろんな形で行われます。
行書の特徴を見てみましょう。
例えば漢字の「二」。
楷書は1画ずつ分かれますが行書は1画目から2画目へつなげるように書きます。
「大」の字では最後の画。
楷書では右へ払いますが行書では次の文字へつなげるように書きます。
今日優木さんに書いてもらうのはここの「無」という字ですね。
あ〜…これも結構点なんかも一個一個全部楷書だと分かれてる所がつながってますし…。
ちょっと難しいんですけれども今日はこれに挑戦してもらおうと思います。
どことどこがつながってんのかよく分かんないんですよね。
ちょっと挑戦してみましょう。
あっ違うな場所が。
えっ終わっちゃう。
あっう〜んとごめんなさい。
順番が分かんない。
えっ?これでこうなって…。
もう一回おさらいしますね。
こう4回書いてこうでこうでこうからの…。
何でここがつながってんのかが分かんないです。
OK。
講師の川尾さんが「無」を模写します。
最初に横画。
続けて書きます。
次に縦画を書きます。
そして最後の縦画から下の点へつなげます。
この作品が書かれた時の筆運びを想像しながら流れるように書きましょう。
今回は…お手本を下に敷き筆の運びを思い浮かべて鉛筆を動かします。
グッと力が入り…。
次ですね。
シューッといき…。
ドン。
ドン。
そこもスッと横に。
じゃあ一回お手本を抜いて書いてみましょうか。
まずクッと入りまして…。
下に下ります。
ここもちょっと力入りまして…。
上がって力入る。
払う。
あら〜細いな〜。
で細くなってまたそこで…。
押さえる。
ちょっと強めに押さえて点にいきます。
シューッ。
で押さえる。
押さえる。
押さえて…ここははねる?少し払う。
おお!ちょっとかっこいい。
かっこよく書けましたね。
文字の形はお手本に近づきました。
ですが線の太さやかすれ具合が違いますね。
今書いて頂いたものは筆圧が全部一緒でちょっとボテッと見えて全部が太く見えてしまってたので部分によって筆圧を変えてみる。
最後の点とかの所。
つながりも書いてるという状態で書いてみます。
筆遣いが難しい縦画から最後の点へいく所だけを練習します。
で押さえて細くなっていって。
つながったままで…。
点。
細くなる。
点。
細くなる。
そして押さえて。
クッと払う。
そういう事か〜。
さっきより強弱が出てて繊細な感じで…もう一回だけ書いてみましょうか。
繊細な所にも注意して点。
ちょっと押さえて最後ゆっくり払う。
うん。
ちょっとリズムが体の中入ってきたような感じ。
文字の行書ならではの躍動感というかね。
出てきた出てきた。
すごいいいと思います。
筆遣いが少しずつ身についてきた優木さん。
名人の文字に思いをはせてもう一度書いてみます。
真ん中少し細くなります。
細くなって押さえる。
点に行く時に少し筆圧を下げて押さえる。
次の点にいく。
最後も押さえて払う。
おお〜!ちょっとかすれちゃったな〜!ここが悔しいな〜。
力を入れる所入れない所…強弱というかその感じというのは少しつかめてきたかな。
見ててもあんまり迷ってるところもなかったしスムーズに書いているなというのが分かりましたね。
今は考え考えやってるんでまだここが精いっぱいですけど体にしみついてきたらもっと…。
楽しい。
王義之になったような気持ちで。
そうなんですよ。
もっと模写を通じて過去の古典のスーパースターたちとふれあいたいですね。
実際見た事ない人ですけどその人たちと近くなる…。
優木さんにその面白さを分かってもらえたようでうれしいです。
楽しかったです。
2015/07/07(火) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味どきっ! 美しい文字で 心をつかめ! 第五回「“模写”で思いを読み解く」[解][字]

「美しい文字」で心も届ける!タレントの優木まおみさんが京都の書家・川尾朋子さんに「文字を美しく書く秘けつ」を習う。今回は名人の字をまねて書く方法。効果絶大!

詳細情報
番組内容
冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多い「手書きの文字」。読みやすく洗練された「美しい文字」を書ければ、印象がよくなり、気持ちもしっかり伝わるもの。タレントの優木まおみさんが、京都の書家・川尾朋子さんに「日々役立つ、文字を美しく書く秘けつ」を教えてもらう。今回は、美文字への効果絶大!名人の文字を、まねて書く方法。京都の老舗を訪ねて、身近に置きたい、かわいい書道用の小物も探す。
出演者
【講師】書家…川尾朋子,【生徒】優木まおみ,【出演】谷口勲,【語り】田代杏子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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