栞です。
具合はどうですか?心配しています。
私の方は今日からのお店番張り切ってはいるんですがおじいちゃんみたいにうまく話せるかちょっと心配です
(ベル)いらっしゃいませ。
ああ…。
なんかねこの店珍しい骨董があるって聞いたもんで。
店主いるかい?すいません…ぎっくり腰で入院してまして今は私が。
ああそう。
じゃあまたのぞいてみるよ。
ちょっと待って下さい!江戸時代の貴重な逸品が入荷したんです。
是非見ていって下さい。
お嬢ちゃん。
そう江戸時代なんて気安く言うもんじゃないよ。
大体「江戸」ったって何年続いたのか分かってんのかい?確か265年じゃなかったでしょうか。
開いたのが家康で二代目が秀忠。
次が家光。
それから家綱綱吉家宣家継吉宗…。
おお〜…よく勉強してるね。
じゃあせっかくだから見せてもらおうか。
はい!ありがとうございます。
ちょっとお待ち下さい。
これは「したまゆ」といって江戸後期に流行した顔面装飾具です。
ほお〜!初めは遊郭で働く女性の間で流行したんです。
それからそこに出入りする武士や商人がマネをし後にあらゆる階層に広がったんです。
しかし…見た事ないなあ。
貴重な逸品ですから。
ご存じだとは思いますがまゆというものはかつて目の周りをグルリと囲っていたものが涙を拭う度に下半分が擦り切れ今の形になったものですよね。
うん…ん?江戸時代の懐古趣味がこの「したまゆ」によってまゆの原形を復活させたんです。
しかしこれどうやってつけるんだい?こういうふうに。
ハハハハハハ!それほんとかい?「したまゆ」を題材にした川柳だってあるんですよ。
「したまゆをよけて涙を横に拭き」っていう。
これは妙齢の…つまり年頃の婦人が涙でしたまゆを剥がさないようにそっと横に拭ったさまを歌ってるんです。
またそんなデタラメを。
フフフ…。
「タラメ」…?デタラメ?あちゃ〜!一杯食わされたな!
(笑い声)しかしよく考えたねえ。
まるで本当にあるみたいだ。
それいくらで売ってんだい?え?ガラクタですよ?あんたの話聞いてたら欲しくなっちゃったよ。
じゃあ…500円。
よし!買った!はい。
ありがとうございます!いや〜楽しかったよ。
フフフフ…。
それじゃあね。
あっお忘れですよ。
これ。
おお!そうだそうだ。
フフフッ。
じゃあまた来るよ。
フフフフッ。
お待ちしてます!
やったよおじいちゃん。
私の話気に入ってくれたみたい。
この調子でもっと面白い道具考えてみるね
2015/07/07(火) 12:50〜12:55
NHKEテレ1大阪
Eテレ・ジャッジ タラメ古物商 第一話「したまゆ」[字]
怪しげな古物商の臨時店主をつとめる美少女が、店を訪れた客を相手に骨董品にまつわるとっておきの逸話を語りだす。果たしてその真偽は…!?第一話の品は「したまゆ」。
詳細情報
番組内容
舞台は怪しげな古物商。入院中の祖父に代わって店主をつとめる美少女・栞(しおり)が、訪れた客を相手に骨董品にまつわるとっておきの逸話を語りだす。第一話は「したまゆ」。栞によると、人の眉毛はもともと目の上下にあったものが退化して上だけになり、目の下にあった眉を江戸時代に人工的に復活させたのが「したまゆ」だというのだが…。はたして話の真偽は…?そして栞が取り出した「したまゆ」に客が払った金額とは!?
出演者
【出演】柴田杏花,綾田俊樹
ジャンル :
趣味/教育 – その他
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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