(杉浦)うわ!何か運ばれてきた!何だあれ!水揚げのレベルが…迫力あるなこれ。
(菰田)何だこれ。
トラックに直結してかつおが入っていってますよ。
今日も港を埋める太平洋の恵み。
「キッチンが走る!」。
旅の舞台は駿河湾を望む静岡県焼津市。
かつおの水揚げ日本一を誇る港町です。
焼津ですよ焼津。
焼津。
やっぱり魚みたいなイメージがすごい強いですよね。
駿河湾ですよね。
まあ海の幸は山ほど…あると思うんですけども。
これが焼津だっていうのに出会えたら最高ですね。
そうですね。
料理人は四川料理の菰田欣也さん。
中国料理のオリンピックと呼ばれる世界大会で日本人初の金賞を取った実力派です。
焼津には年間およそ10万トンものかつおが水揚げされます。
その多くはさまざまな加工品に。
町のあちこちでかつおを作る工場の煙が立ち上っています。
中でも全国の9割以上が焼津産というかつおの加工品があるといいます。
その工場を訪ねてみると…。
なまり節。
低カロリー栄養満点。
こんにちは。
・こんにちは。
お邪魔します。
表にちょっと「なまり節」って書いてあったんですけど…。
なまり節ってかつお節と違うんですか?カチカチにしてないやつ…。
干さないやつですか。
これが焼津名物なまり節。
日々のおかずとして昔から食卓に並んできました。
失礼します!お邪魔します。
あいた!かつお。
(斎藤)これがね今朝冷蔵庫から出しただけの…。
今解凍したやつですか?
(斎藤)解凍し始め。
今日水揚げ見てきた?見てきました。
大迫力でびっくりしました。
斎藤五十一さんはこの店の3代目。
なまり節作り50年の大ベテランです。
8年前からは娘婿の望月浩希さんも加わり焼津の味を作り続けています。
なまり節作りは全てが手作業。
腹と背に切り分けたかつおを熱湯の中に。
味付けは一切なし。
1時間ほどゆでる事でうまみが凝縮されます。
丁寧に骨抜きをしたら完成です。
香りいいですね〜。
あ〜かつお。
こんな食べ方した事ない…。
めっちゃワイルドですね。
いただきます。
ぷりぷりとほぐれやすいんだ。
う〜ん。
何もつけてないですけど何か…かめばかむほどですね。
舌にホントじわじわじわじわうまみがくるっていうか。
(斎藤)あと皮もおいしいからね皮も。
あ〜いいつまみだわこれ。
あ!何か皮の食感もいいですね。
(斎藤)おいしいでしょう?そもそもこれ歴史って古いんですか?きっかけは何が?
(斎藤)まあ量が一度に出た時にね生じゃ置かれない。
一度にかつお節も作れない。
輸送手段も違うもんだから…なるほどね。
こうやってね火をいれる事によって生より日持ちもするし。
江戸時代のころから庶民の味として親しまれてきたなまり節。
戦後の食糧難の時はおいしくて貴重なたんぱく源として引っ張りだこに。
焼津駅からは毎日のようになまり節を載せた貨物列車が全国に出ていきました。
昭和30年代。
100軒近くあった工場では作業はいつも家族総出。
小学生だった五十一さんも朝4時から作業を手伝いました。
学校へ行く前に何本これをね頭離したかっていうような競争じゃないけども…。
ここの家の子どもに生まれたらもう朝学校行く前にみんなさばくみたいな。
(斎藤)そうそれが一つのね仲間内のステータスになって。
今日は何匹やってきた…。
もっともっとじゃあ店がこの辺りにはいたって事ですよね。
うちの隣組がね12軒あって10軒なまり屋でした。
じゃあこのかつおのゆでた香りが…。
だからホントの焼津のここが発祥の地だから。
そういう面で。
そんだけあったらこの香りがもう町じゅう漂ってる。
充満してますよね。
そうですね。
かつおの香りがする町。
今では冷凍技術が発達し生のかつおが普及したため工場は20軒ほどに減少。
それでも2人は生ともかつお節とも違う独自の味を守ろうとしています。
まあ自然の流れには逆らえないんだけどもね。
やっぱその中で何とか細々でも続けて…待ってる人もあるからね。
こういうものを。
消費してもらうように頑張ってやっぱ若いお父さんお母さんに知ってもらわないと。
斎藤さんにとってなまり節っていうのはどんな存在になってますか?人生そのものですよ。
大事に扱わないと。
いやちょっと料理するのちょっと楽しそうですね。
ちょっと楽しみですね。
(斎藤)ギョーザなんかに入れてもおいしいですよ。
味が出てですね。
もうギョーザ作れないですね。
お父さん!
(笑い)かつおの町に生きる職人魂。
なまり節を分けて頂きました。
ありがとうございました。
あしたよろしくお願いします。
どうですか?なまり節。
ねえかめばかむほど味が出てくるっていうか素材としてうまみが強いですよね。
あれいろんな色に変わるんじゃないですか?そうですねいろいろとできんじゃないかなって思って。
中国料理ってやっぱ魚より肉のイメージがあるんですけども。
中国だと海側の所はあるんですけど僕がやってる…ただ日本なのでお客さんは海鮮好きじゃないですか?好きですね。
なので今までも何となく使ってたんですけどやっぱりちょっとこれじゃいかんなというので最近は…それ勉強のためで?勉強ですね。
海産物を四川料理に取り入れようと築地をはじめ全国の魚市場を訪ねている菰田シェフ。
ミル貝の生と食感とうまみを生かしたシンプルな炒め物や…。
ワタリガニをエビチリに応用するなど四川料理の新たな可能性に挑んでいます。
駿河湾を望む焼津は全国有数の魚の町。
菰田シェフの期待も高まります。
海沿いを走っていると…。
結構のぼり立ってますね。
立ってますね。
ちょっと気になるフレーズっすねこれ。
駿河湾…結構水深深いですよねここね。
水出てくるんじゃないですか。
水?水が売ってるのこれ?分かんないっすこれ。
え〜!書いてある書いてある。
何やこれ。
「給水は有料です」。
やっぱ売ってるんですよ。
あこんにちは。
お水屋さんですか?水が売ってんだ!へ〜面白いなこれ。
何とここは海洋深層水のスタンド。
湾としては日本一の深さを誇る駿河湾。
400メートルほどの深さからくみ上げるこの水はミネラルが豊富だといいます。
飲み水?・飲み水…飲料として飲んで頂いてますけど。
とてもおいしい…。
丸くやわらかい味しますね。
・そうですねええ。
海水をこうやって水で飲むって面白いですねこれ。
そうですね〜。
塩分を濃縮させた料理用など用途によって数種類の水が売られています。
試しに塩分5%の水を飲んでみると…。
・飲むと…。
しょっぱいじゃないですかこれ!よくこれいくな…これこれ。
なめるだけです。
ベロつけるぐらいでいいです。
・なめるだけで。
お〜…。
お〜…。
にがりですね!にがり!・よくねあの枝豆とかとうもろこしとか今もうこれから新じゃがが出ますよね。
そういうのゆでますとね。
これ塩代わりに使えばいいって事ですか?希釈しながら?そうそうそうそう。
お!えそうなの俺?違うか…。
言いましたよ!これが塩の代わりですね。
これ塩の代わりで。
お願いします。
(杉浦菰田)ありがとうございます。
これで200円。
よしゲット!駿河湾のディープな恵みを手に入れた2人。
他にも深海ならではの食材があると聞き駿河湾の魚が多く揚がるという漁港を訪ねます。
こんにちは。
(長谷川)こんにちは。
今日は海出られました?はい。
出会ったのは漁を終えたばかりの長谷川久志さんです。
深海…。
深海?深海魚っていう事ですか?はい深海魚です。
お〜ほほほほほ…!え食事食用の?今朝取ってきたのありますよ。
見せてもらってもいいですか?どうぞ。
深海魚だって!失礼します。
駿河湾の深海魚とは一体?うわ!何やこいつ。
(長谷川)目がきれいでしょ。
ちょっと触ってもいいですか?
(長谷川)どうぞどうぞ。
何か硬い。
骨が入ってる。
サメの一種っすか?これ。
(長谷川)深海ザメですよ。
これサメですか?何ザメですか?サガミザメ。
サガミザメ!駿河湾なのにサガミザメ…。
駿河湾だけどサガミザメ。
これ何メートルぐらいの所にいるの?深い所にいますね。
深海ザメの王国と呼ばれる駿河湾。
中でもサガミザメは一番水揚げがあるといいます。
この日は他にも珍しい深海ザメが…。
何ですかそれは?お〜!何?何…?これ。
わお!
(長谷川)よいしょ!おい〜…!これ何ですか?これ。
これ違うサメ?
(長谷川)これがヨロイザメ。
ヨロイザメ!うわ〜こんなん入るんですね。
あ!めっちゃサメ肌です。
めっちゃサメ肌です。
(長谷川)ここすごいでしょここ。
すごい…。
(長谷川)通称ゴジラ。
ゴジラ?ゴジラにそっくり。
うわ〜!めっちゃ歯怖いじゃないですかこれ。
歯すげえ!うわうわうわうわうわ〜!駿河湾に潜む深海魚たち。
とがった頭のトウジン。
主にかまぼこの原料となるギス。
そしてチゴダラやユメカサゴなどその数何と370種類といわれています。
親子ですね…。
親子で深海船。
どこまでも深く行きましょう。
すごいっすね。
長谷川さんが漁に出るのは朝6時。
20キロほどの沖合が漁場です。
2人が狙うのは深海ザメ。
深さ500メートル前後に仕掛けたはえなわを慎重に引き上げます。
(長谷川)下下下下…!焼津で深海ザメ漁をしているのは長谷川さん親子だけ。
(長谷川)よいしょ!数あるサメの中でもサガミザメは一番のおすすめだというのですが…。
これおなか…どこ割いてるんですか?今。
(長谷川)おなかの腹腹のトロの部分ですね。
(長谷川)これが肝臓。
これ肝臓なんすか?おっきいな!
(長谷川)だから体重の大体4分の1から3分の1。
これは量取れますわ。
(一孝)ないですね。
もうこれだけです。
(長谷川)こういうきれいな面してて…。
真っ白!こんなに白いんだ…。
きれいですよね身が。
透き通ってますよ。
初めての挑戦サガミザメの刺身。
すごい!
(長谷川)食べてみて下さい。
うまい!食感がいいすごい。
(長谷川)いいっすか?あ!うまい!弾力がすごい。
もっちりもっちりしゃっきりしゃっきり。
あら!想像と違った!でこのすっきりした甘み。
続いては肝臓。
(長谷川)人間の手の温かさでもこの脂が出てきちゃうんですよ。
生のまま白身と一緒に頂きます。
(長谷川)食べてみて下さい。
一つ挟んで。
うまい!
(一孝)ハッハハハ…。
おっほほほ…。
大丈夫?大丈夫?うますぎてびっくりした…。
淡白な身とこの脂との相性がいいですね。
(一孝)ばっちしです。
これは最強だわ。
いや〜これは…。
(一孝)ここだけしか食べれないですからね。
焼津でこんなの食べれるって聞いた事もないですし。
(一孝)大体まぐろかつおは有名ですけどね。
サメってばかにしちゃいけないですよねホントにね。
(長谷川)ばかにしてたんすか?今まで。
いや〜…。
結構知らない食材に出会う事はあるんすけどあそんなもんかっていうの多いですけどこれすごいよ…。
(長谷川)あそうですか。
びっくりしました。
菰田シェフも驚きのおいしさ。
しかし以前は別の目的で深海ザメが取られていました。
そんなのがあるんですか。
第一次深海ザメ…。
(長谷川)第一次深海ザメブームっていうのがあって。
大井川港焼津港小川港と3つの漁港のほとんどの漁師がやってました。
みんなでもうサメ取ってサメ取って…。
肝油ブーム?肝油ブームが起きたのは昭和40年代。
栄養価の高い深海ザメの肝臓は健康食品の材料として高値で取り引きされていました。
長谷川さんは身のおいしさにも注目。
広くその味を知ってほしいとさまざまな所に売り込みを始めました。
まあ肝油…またサメを取ろうと思って一生懸命苦労してやっぱ買ってくれる所探さなきゃならないし…。
そういう一番苦労はそれなんですよね。
取る事よりも販売が大変で。
いろんなとこ聞き歩いたりいろいろして。
ここでしか取ってる人がいない。
全国でもず〜っとサメ取ってる人いないって事はやっぱ焼津の資源だと。
焼津で焼津に来れば食べれますよっていうようなとこに位置づけしましょうっていう事で今7〜8年ですかね。
それでお客さん呼ぶ観光の一つにしようっていう事ですよね。
地元の祭りやイベントへの参加。
更に新しい料理の考案など深海ザメの魅力を懸命にPRしてきました。
それを支えたのは妻の順子さんでした。
こういうのが売れない時は行商にも歩いたしね。
2人で売りに歩いてたんですか?
(順子)なかなかやっぱ売れなかったですけどね。
そっか…一般的な大衆魚じゃないですからね。
(長谷川)どこ行っても売れない時なんかはもうやめだ!つったんですよ。
もうこんな商売。
でもねせっかくここまでやったんだからもうちょっと続けたらどう?ってそのひと言があったから今あるんですよ。
それなかったらもう全然やめちゃってて…。
お父さんやめようっていう一瞬なったんだ?もうそういう気持ちになったんですよ。
苦労のかいあって焼津の新名物として料理店のメニューにも載るようになった深海ザメ。
中でも人気なのがフライです。
さあできた!きれいに。
(長谷川)これホントおいしいですよ。
楽しみだな〜。
菰田さんじゃあどうぞ。
はいいただきます。
うん!うまい!うまい?刺身と違います?全然違う。
お〜!ふわふわ。
これはうまい。
生の時はコリコリした食感が…。
口の中で…。
やわらかい。
ほろほろほろほろ…ってほどけた。
(長谷川)ホント骨がないから子どもにも全然…。
いい魚取ってますね!そうですか?駿河湾のサメはもう別格。
別格。
何であんだけ見た目とこの味が違うのかっていうぐらい。
ホンマに。
びっくりしますわ。
ギャップナンバーワンじゃないですか。
やっぱね今こうやって初めてだっていう人がまだいるんで…まだまだ広げてく余地はいっぱいあるんで。
そうですね。
焼津に生まれて良かったですよ。
駿河湾で産湯につかりましたからね。
深海ザメはどんな存在になってますか?お!それ奥さんの前で言う?ええ…。
じゃあ奥さんはどんな存在ですか?まあ…今までの恋人…。
こらこらこら!じゃあこれ。
ありがとうございます。
おいしく作って下さい。
頂きます!焼津の夫婦の心意気深海ザメを分けて頂きました。
なかなか1軒だけ残ってやるっていうのはできないですよ。
なまはんかな事じゃ…。
端から見るより大変だったと思いますよね。
道具も機械も漁師の情報交換もできないですから。
食べたら高級魚ですよ味は。
ね〜。
そういう味に自信もあったから奥さんもこうやってサポートできたっていうのもあるんじゃないですか。
つらい時期があったと思うんですよね。
それを乗り越えての今っていう事なので続ける事もホントにすごいなと思いますよね。
港をあとにしたキッチンワゴン。
町の南を流れる大井川に向かいます。
川沿いを走ると田園地帯が広がってきました。
川が見えましたよ。
大井川。
結構田んぼとかありますけどね。
ホンマっすね。
ハウスが結構建ってますからいろいろ野菜とか作ってるんじゃないですかね。
結構建ってますね。
大井川の周辺は肥沃な大地と水の恵みを生かして昔からさまざまな野菜が作られてきました。
中でもトマトは生産量が多く焼津は静岡を代表する産地です。
地元で評判のトマトを作っている人がいると聞き訪ねてみます。
こんにちは。
こちらトマト作ってらっしゃるんですか?はい。
出会ったのはトマト農家の良知富江さん。
そして父の与作さんです。
立派なトマトちゃんが…。
(与作)一般の方は…じゃあトマトをずっと作られてきてるんですか?60年トマト作って!そうですはい。
与作さんの自慢はその大きさ。
大きいものだと600gにもなるといいます。
ずっしりきますね。
香りがすごい。
香りが。
おいしい。
これかじっちゃってもいいですか?
(良知)どうぞ。
頂きますか。
頂きましょう。
いただきます!うん!あおいしいわ!うん!甘い。
おいしい!ちょっと甘酸っぱくて…。
全然緩くないですもんね。
(与作)最近はね小玉ができますよね。
(与作)切って肉なけりゃやっぱおいしくねえじゃん。
ちっちゃいトマトじゃね皮ばっかでゼリーはねたんと入っちゃいないようなもんで。
何でこんな大きくなるんですか?作り方に秘密があるんですか?
(与作)トマトはねとにかく葉肉のあるね…。
ホントだ。
分厚いですよ葉っぱ。
この分厚い葉肉の葉っぱがトマトを大きくする?そうです絶対です。
昭和30年代いち早くトマトのハウス栽培に乗り出した与作さん。
大きいトマトこそ本当のトマトだと昔ながらの品種をかたくなに守ってきました。
大きくても実の詰まった甘いトマトを作るにはどうしたらいいかとさまざまな栽培方法や土作りに挑戦。
試行錯誤の末あるものにたどり着きました。
(与作)それが結局ねあの…肥料の関係。
それで…かつおの骨と頭が堆肥として入ってるんですか?そうです。
は〜かつおの成分がトマトに入ってるんですね。
それ意外ですよね。
与作さんが目をつけたのは何とかつお。
豊富なミネラルで大きくて甘いトマトに育つといいます。
これですか?焼津かつお魚粉。
削り粉みたいな感じですか?おだしの香りしますね。
香りがしますよ香りが。
ふりかけじゃないっすか。
このままごはんにかけて食べられる。
これホントにかけても食べられる?あ〜!かつおのふりかけの香りする。
かつおの加工はねえここ有名っていうのは分かりましたけど野菜にまで使ってるとは。
(与作)野菜にいいです。
とにかく大きくなってさそれで色良く赤らんでねそれで…それが一番の楽しみですねそれね。
ホントに。
それしか思ってねえ。
半世紀以上打ち込んできたトマト作り。
大きなトマトにはいつも一緒に作業した妻との思い出が詰まっています。
母がね急に亡くなられたもんですから一緒にやってて。
あそう…奥様もやってらっしゃったんですね。
そう2人でずっとやって。
私の子どもたち2人も育てながらこの中に入れて遊ばせながらそうしてやっててくれたもんですからね。
6年前に亡くなった妻のやすさん。
大きなトマトができるといつも与作さんの傍らでにこにことほほ笑んでいたといいます。
その様子を幼いころから見てきた富江さん。
母が亡くなってからは与作さんとともにハウスで汗を流しています。
娘さんがこうやって手伝ってくれる事はやっぱうれしいですか?あ〜おかげでね。
そういういろんな背中見てるから手伝おうっていう思いも生まれたんですかね?農業に今火がついてる!農業に燃えてる!後継者がいるじゃないですかここに。
お父さんうれしいですね。
ありがとうございます。
完熟したトマトを使った良知家の味をごちそうになります。
(与作)空洞じゃねえ。
空洞じゃない詰まってますよね。
これがあればごはん食べなくていい。
大丈夫だよ。
腹持ちもいい。
お〜いけいけ!それはトマトジュース。
(2人)いただきます。
(与作)どうぞどうぞ。
完熟トマトのトマトジュース。
香りがフレッシュ。
(2人)甘い!
(与作)どう?ばっちりです!これはおいしいわ。
そのぐらい糖度が高いですよね。
これおいしいわ。
フルーツジュースみたいな。
(良知)どう?60年のトマトはだてじゃないよ。
うちのなのにそんな事言っちゃおかしいけどおいしいよ。
正直言って。
(良知)自分で満足してるから。
是非おいしいの使わせて下さい。
そうだな〜。
じゃあ細かく刻んだやつは駄目なんですか?それはうまくねえわ。
駄目に決まってるじゃん!何言ってんの!何余計な事聞き出してんの。
幅が狭くなるでしょ幅が幅が。
与作さん60年の結晶。
菰田シェフどんな料理に変身させるのか?焼津での食材集めはこれで終了。
出会った人々の情熱のように真っ赤な夕日が駿河湾を染めていました。
翌朝は快晴。
富士山も姿を見せてくれました。
菰田シェフいよいよ料理開始です。
いよ〜っ…ばっちりのトマト。
与作さんのトマト。
いきますかこれを。
今日もいい大きさしてますね。
1品目の主役はビッグサイズの与作さんのトマト。
まずはくし切りに。
ホントおいしかったですね。
これに合わせるのは深海ザメ。
改めて今日こんにちはするとなかなかやっぱインパクトありますね。
相当インパクトありますよこれ。
薄くスライスしたらボウルの中へ。
しょうゆベースのたれでトマトにあえます。
絡んで絡んで…。
ラー油を加え四川風に。
ピリッと。
よし!でも菰田シェフ与作さんとの約束忘れてませんか?この大きさを大事にしてほしいっておっしゃってましたけど?そうですね。
それ言われちゃうとやっぱりねちょっと…とトマトを切り出した菰田シェフ。
更に中身をくりぬき始めました。
あ〜なるほど!お父さんのお願いを生かしながら。
トマトの器に盛りつけ最後に蓋をしたら夏らしい爽やかなひと皿の完成。
こんな感じでどうでしょうか?オーケー!2品目は深海ザメ。
ぶつ切りにした身をミキサーに。
初体験ですけど。
すり身にしてだんごを作ります。
うわ〜すげえ!ここで栄養たっぷり肝の出番。
この肝抜群においしかったですよね。
食べてホントおいしいなって思いましたからね。
とけちゃわないですか?あとかしていいのか。
深海ザメ料理の新たな提案ですねこれ。
いや〜そうですね。
これで終わらないのが菰田シェフ。
サメの肝を炒め始めました。
うわ!めっちゃ油出てきた。
あ〜肝油肝油。
これゆっくりゆっくり…。
出た!サメ油。
超きれい!うわ透き通ってる!きれいこれ!ここからが仕上げ。
取り出した肝油を中華鍋にひきねぎととうがらしとともにだんごを一気に炒めます。
彩りきれいですね。
よし!出来上がり!よっしゃきた!深海ザメの新たな可能性に挑戦した1品です。
3品目はかつおの町焼津名物のなまり節。
これを1センチ弱ぐらいの角切りにしていきたいと思います。
角切り…チャーシューみたいですね。
ここで海洋深層水が登場。
海水ですね。
じゃ塩を使わずに?はい。
そこへたっぷりのなまり節。
かつおの香りするなやっぱり。
でかつおからこっからうまみが出てくると思いますので。
これ出そうですね。
少しこれで煮込んでってあげたいなと。
更に…。
トマトこれ先ほどくりぬいたやつのね。
中身ですね。
はいこれをぶわ〜っ…。
トマトの肥料を作るのにこのかつおの頭とか骨とか入ってますからね。
うん!いい味になってる。
いい味になってる。
お〜ホントだ。
トマトの酸味もぐっとたって。
うわ塩分ちょうどいいですね。
ちょうどいいです。
こっからちょっと皆さんの前で更に仕上げを加えていきます。
果たしてどんな料理になるのか。
それはお披露目会でのお楽しみ。
これで全ての準備が整いました。
会場には…。
お待たせしました〜!できました〜!前失礼しま〜す!ありがとうございました昨日は。
料理がそろいました。
さあ菰田さんこちらの料理は何でしょう。
まずはですね大きなトマトの宝箱。
宝箱!きました!まずはトマトの真っ赤な色が際立つ1品。
トマトと深海ザメの身を四川風にあえました。
器まで味をしみ込ませ仕上げに肝となまり節を添えました。
サメ食べた事ありますか?このサメは?
(良知)ないです。
初めて食べたんです。
与作さん今日のサメとなまり節とこのトマトの相性はどうですか?おいしいですね。
なかなか出会う事がないと思いますけども…。
皆さんトマトばくばく食べてますよ。
(良知)ありがとうございます。
トマトびっくりじゃないですかこんなお父さんのトマト食べて。
(一孝)これうまいっすよ!元気になれる料理ですね。
これね。
昨日大きさを残してほしいっておっしゃったじゃないですか。
今日の料理はどうですか?合格ですか?ひと味また違います。
いいですね。
2品目は深海ザメの魅力を凝縮させました。
もちもちとしたすり身のだんご。
中に入れた肝のうまみが口の中で広がります。
もう最高!昨日のリアクションに負けないぐらいですよ。
僕らの驚きね。
ちょっと新しい面が見えたんじゃないですか。
またちょっと…。
ジュワッて出てきたの多分肝油だと思います。
中に入ってるだんごの中の。
周りの油も肝油ですよねこれね。
やっぱサメっていうとみんな「え?」っていう人が多いんですよ。
こうなっちまえば誰でも簡単にサメに近づいてもらえるんじゃないかなと。
お皿が答えですよね。
ば〜っとあっという間になくなっちゃった。
さあきました!お待たせしました〜。
ではでは…。
ではこちらでお取り分けですね。
そうですね。
はいこちら鍋でございます。
これはなかなか出会えないですね。
これお代わり有りのやつですね。
これ何でしょう?おっ!さすが!うわ〜!すごい!元気なりますねこれは!
(長谷川)すごいよ元気になっちゃって。
こりゃ元気になりますわ。
最後は焼津の恵み全てが詰まった1品。
鍋の中にはかつお一本分のなまり節が。
その味を深海ザメの肝油とトマトのうまみが引き立てます。
熱々だ。
気をつけて食べて下さい。
なまり節でこういう煮込み料理みたいなのってあります?ないんじゃないですかね。
トマトジュースと一緒に煮込むっていう。
ないですね。
でも肝油も生きてました。
結構なまり節の味がきいててすごい良かったと思います。
これなまりとトマトのうまみの相乗効果があるんでしょうね。
3品とも全ておいしかったですしなまり節も今までホント使った事ないような使われ方してたんでもういろいろ広めていきたいなと思います。
いつになるか分かりませんけども父親の背中を見て少しでも…でも勉強になりますよね。
あの海水で味付けするなんてやった事もないですし…。
確かに。
今日の調味料あれですよね駿河湾の…。
まさしくそのとおり。
深海は宝がいっぱい?
(長谷川)そうだからそれを何とかまだこれからも掘り起こさなきゃならないから。
(一孝)目の前の駿河湾にいっぱいお宝が。
目に見えない深海に眠ってますから。
焼津の印象も変わりましたね。
自分が知ってる今までの焼津っていうのと。
僕もなるべく機会があれば産地いろんなとこ行って生産者の人と向き合ってあの…知る事でやっぱり料理の幅も変わると思うので。
もうちょっとね外出ないと。
まあ僕なんかまだ二十何年しかやってませんので皆さんから比べたらまだまだだと思いますのでちょっともうちょっともっともっと努力して頑張っていきたいなと思います。
今日はどうもありがとうございました。
ごちそうさまでした!
(拍手)自分の信じる道を突き進む焼津の人々。
夏本番。
海辺の町に生産者とシェフの熱い思いが響き合った旅でした。
2015/07/07(火) 15:15〜16:00
NHK総合1・神戸
キッチンが走る!「海に里に旬の出会い 港町は味がにぎやか!〜静岡 焼津市〜」[字]
全国有数の水揚げを誇る港町・焼津。四川料理の菰田欣也さんが夏の魚で活気づく港から大井川流域を探索。海と里の食材を駆使して生産者の心意気を創作料理に込める。
詳細情報
番組内容
全国有数の港町・焼津市。大量に水揚げされるかつおを使って作られるのが名産「なまり節」。600年以上の歴史を持つ焼津のソウルフードだ。沖合い漁の港で出会うのは「深海ザメ」。ふぐに似た淡ぱくな味を生かして、漁師たちが新しい献立を開発中。そして、大井川が流れる平野には甘さと大きさが自慢のトマト。四川料理の菰田欣也シェフ(46)が旬の魚で活気づく焼津を探訪。海と里の食材を駆使して、独創的な味を披露する。
出演者
【出演】中国料理…菰田欣也,【リポーター】杉浦太陽,【語り】八嶋智人
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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