韓国政府「仏像引き渡しは韓国の国内法に依拠した判断」

韓国政府「仏像引き渡しは韓国の国内法に依拠した判断」

 韓国政府は16日、統一新羅時代の遺物とされる銅造如来立像を日本に引き渡すとした大検察庁(最高検に相当)の決定について「法律的判断によるもの」と説明した。


 韓国外交部(省に相当)の柳昌浩(ユ・チャンホ)広報担当官は16日午後、ソウル市鍾路区の外交部庁舎で「今回の立像を引き渡す決定は、刑事訴訟法など韓国の国内法に依拠した法律的判断を根拠とするもの」と語った。


 柳担当官は「(検察によれば)立像が日本に搬出された正確な経路は確認されていないという文化財庁の鑑定結果や、この立像について所有権を主張する韓国の寺や団体がないことなどを考慮して、刑事訴訟法第484条に基づき、立像の占有者だった日本側の権利者に没収物を引き渡す」と説明した。


 ただし、銅造如来立像と共に盗まれた観世音菩薩(ぼさつ)座像については「座像の場合は、現在日本と韓国の寺の間で所有権争いがある。裁判所の占有・移転禁止の仮処分決定がある状況。現段階では、引き渡すべきかどうか決めるのは難しい状態」と柳担当官は説明した。


 これに先立ち大検察庁は15日、「韓国の文化財窃盗団が対馬の海神神社から窃取した銅造如来立像を、日本側に交付することにした」と発表していた。


 銅造如来立像は、統一新羅時代に当たる8世紀前半に作られた作品で、日本側の記録によれば、17世紀より前に日本へ渡ったと推定される。ただし、搬出の経路は明らかでない。壬辰(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役)の時期に略奪された可能性があるが、正常な交流の中で渡った可能性もある。


 韓国の文化財窃盗団は、2012年10月、対馬の海神神社と観音寺から銅造如来座像と観世音菩薩座像を窃取し、韓国で販売を試みたが、摘発された。文化財庁と警察庁が窃盗団から盗品の仏像2体を押収し、大田地裁が判決でこれらの仏像を没収した。

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