【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル高裁は16日、米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが申し立てたサムスン物産のKCCに対する自社株売却の禁止などを求める仮処分申請を一審と同様に棄却した。
高裁は「サムスン物産と第一毛織の合併比率(1対0.35)は現行法に基づいて算定され、合併を決めた経営判断が不合理とみることはできない」とした。
サムスン物産株を保有しているエリオットは先月11日、サムスングループの事実上の持ち株会社、第一毛織との合併を計画しているサムスン物産が合併を成功させるため自社株899万株(5.76%)をKCCに売却することを決定したことを受け、株売却が既存の株主の保有株式を希釈するほか違法の可能性があるとして、仮処分を申し立てていた。ソウル中央地裁は今月7日、エリオットの仮処分申請を棄却した。
KCCは第一毛織株の10.18%を保有している。サムスングループのオーナー一家と特殊関係人(52.24%)に次いで保有率が高い。
高裁は、KCCに対するサムスン物産の自社株売却の目的や方法、価格、時期、売却先の選定などが全て正当だと判断した一審の決定を支持した。
サムスン物産と第一毛織は17日午前にそれぞれ臨時株主総会を開き、両社の合併契約承認の決議を取る。両社が5月26日の取締役会で締結した合併契約に対し、株主総会で承認を受ける。合併が承認されれば、サムスン物産と第一毛織は9月1日付で合併する。新会社の名称は、サムスングループの創業精神を受け継ぐ意味でサムスン物産とする。