86件1056億円規模の防衛事業関連不正を摘発、63人を起訴

合同捜査団、7カ月間で1056億円規模の不正を摘発
活動期間を今年末まで延長

 韓国の防衛事業をめぐる不正について、検察と軍による7カ月にわたった合同捜査の結果、計86件、9809億ウォン(約1056億円)規模の不正が摘発され、現職・元職の将官10人を含む63人が起訴された。昨年11月に発足した政府の防衛事業不正合同捜査団(キム・ギドン団長)は15日、捜査結果の中間報告を行い、過去数十年間にわたって積み重なった悪弊をえぐり取るため、合同捜査団の期間を今年末まで延長すると発表した。これにより、国防部(省に相当)や国税庁などから派遣された捜査員たちは、当初6月末で活動を終える予定だったが、年末まで引き続き捜査班で活動していく。

 合同捜査団の捜査によると、「北朝鮮のAK74自動小銃の弾が貫通する防弾服」「1970年代の音波探知機を装着した最新型の軍艦」「戦闘機整備費用240億ウォン(約25億8800万円)の横領」「金品授受の見返りとして武器仲介会社に軍事機密を漏えい」など、防衛事業をめぐる不正は陸・海・空軍と関連する民間企業全てで横行していた。件数別に見ると、計86件のうち、文書の偽造や改ざんが25件で最も多く、贈収賄が21件、軍事機密の漏えいが7件という順になった。合同捜査団は職業軍人が癒着しやすい条件の下、防衛事業庁のずさんな管理・監督がこのような不正をまん延させたと指摘した。

 合同捜査団がこれまで起訴した63人のうち、OBを含む職業軍人は38人に上った。海軍参謀総長を務めたチョン・オククン(63)、ファン・ギチョル(58)の両被告など、将官級の将校が10人、領官(佐官に相当)級が27人となった。海軍では28人が起訴され、陸軍と空軍(各10人)の3倍近くになった。不正事件の規模も、計9809億ウォンのうち海軍が8402億ウォン(約905億円)と大半を占めた。防衛事業をめぐる不正が海軍に集中した理由として、合同捜査団の関係者は「海軍の艦艇には数百-数千個の装備品が搭載されるが、それぞれについて納品契約が交わされるため、不正行為が行われる余地が多い。また、同じ艦艇で過ごすことによって形成された強固な上下関係が、不正行為というデメリットにつながっている側面もある」と説明した。

 民間人のうち、国家報勲処(国家功労者を礼遇し、軍人・退役軍人の支援事業を行う省庁)長官を務めたキム・ヤン被告(62)は、イタリアと英国による防衛事業関連の合弁企業アグスタウェストランド(AW)から、口利きの見返りとして14億ウォン(約1億5100万円)を受け取ったとして、15日に逮捕・起訴された。キム被告は海軍の海上作戦用ヘリコプターの導入モデルとしてAWの「ワイルドケット」が選定されるよう口利きした見返りに、2011年11月から顧問料として65億ウォン(約7億円)を受け取る約束をし、このうち14億ウォンを受け取ったことが分かった。

パク・サンギ記者
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