世界遺産対立:「強制労働否定、日本は法的責任を懸念」

 世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」で、日本政府が「強制労働」を認めないのは、損害賠償など法的責任を回避するためだという見方が示された。

 北東アジア歴史財団のナム・サング研究員は15日、「日本の近代産業施設の世界遺産登録において、日本政府が強制労働の表現を否定しているのは、これが日本政府の法的責任(賠償)につながることを懸念しているからだ」と語った。

 ナム研究員は「日本政府は法的責任を認めることに対し強い拒否感を持っている。日本政府が法的責任がないというのは、1965年の韓日請求権協定(日本側の呼称:日韓請求権並びに経済協力協定)で賠償問題が解決したとの判断に基づくものだ」と説明した。

 そして、「請求権協定の韓国政府・憲法裁判所・大法院(最高裁判所に相当)の主張と、日本政府・日本の司法の主張は、外交交渉で接点を探るのが難しい」と指摘した。

 さらに、「2011年8月30日、憲法裁判所は『韓国政府は請求権協定に関し日本政府と法的解釈に違いがあるのにもかかわらず、第3条に基づく措置を取らずにいる不作為は違憲だ」と判決が出た。韓国政府は同年9月、日本政府に請求権協定第3条第1項に基づく外交協議を正式要請した。しかし、日本政府は『請求権協定で解決済みの問題なので、協議に応じない』という見解を示した」と述べた。

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