【社説】巨額損失隠し大宇造船と大株主・産業銀の責任

 韓国産業銀行の子会社である大宇造船海洋が2兆ウォン(約2160億円)を超える損失を会計帳簿に反映していなかったことが判明した。半潜水式リグ(掘削装置)など海洋プラントの工事期間が当初予定よりも遅延し、損失が拡大したものだが、それを公表しなかった。

 現代重工業は昨年、3兆2495億ウォン(約3510億円)の営業損失を出し、サムスン重工業の営業利益は1830億ウォンにとどまった。しかし、大宇造船海洋は逆に4508億ウォン(約487億円)の営業利益を上げたと発表していた。事業構造が似ている造船3社で大宇造船海洋だけ好業績だったことになり、産業銀は大株主として疑問を抱き、チェックすべきだったが、そのまま放置した。

 産業銀は大宇造船海洋の株式31%を保有する筆頭株主だ。大宇造船海洋の会計に責任を負う最高財務責任者(CFO)はこれまで5年以上にわたり、産業銀の副行長(副頭取)出身者が務めてきた。産業銀は普段、大宇造船海洋の理事会(取締役会)の案件も細かく事前にチェックし、時には役員の海外出張時の座席にまで注文を付けた。大宇造船海洋の経営にそれほど深く干渉しながら、損失をまともに把握できていなかったとすれば、産業銀はその責任を逃れられない。

 問題は産業銀が管理する他社でも損失隠しがしばしば起きていることだ。産業銀が主要債権行だったSTXグループは2兆3264億ウォン(約2520億円)の粉飾会計を行い、虚偽の帳簿に基づき9000億ウォン(約970億円)の融資を受けた。

 産業銀は政府が100%出資する国策銀行だ。1998年の通貨危機に際しては、5兆ウォン(約5400億円)近い赤字を国民の税金で補填した。2013年にはSTXグループの負債を引き受け、13年ぶりに1兆4000億ウォン(約1510億円)の赤字を出した。産業銀に破綻企業を管理する能力がなければ、ただちにそれから手を引き、民営化するのが道理だ。

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