家計調査:消費支出4.8%増 消費増税後、初のプラス
毎日新聞 2015年06月26日 11時48分(最終更新 06月26日 11時55分)
◇総務省が発表「5月」、1世帯当たり28万6433円
総務省が26日発表した5月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万6433円で、物価変動を除いた実質で前年同月比4.8%増だった。消費支出がプラスになるのは消費税率が8%に引き上げられた昨年4月以降初めてで、昨年3月以来14カ月ぶり。消費増税後、低迷が続いていた個人消費がようやく上向いてきたことを裏付けた。
消費支出は、4月は1.3%減とマイナスだったが、5月は市場予想(3.6%増)も上回った。昨年5月は消費増税直後だったため、増税前の駆け込み需要の反動減で8.0%減と大幅に落ち込んでおり、今年5月はそれと比較した結果、プラスになった。
調査対象の全10項目のうち、書籍などの教養娯楽(1.9%減)を除く9項目が増加した。昨年5月に消費増税前の駆け込み需要の反動減が大きかった「住居」が23.6%増と大きく伸びたほか、自動車購入などの「交通・通信」(14.8%増)、冷蔵庫やエアコンなどの「家具・家事用品」(19.3%増)も増えた。
ただ、消費支出のプラスは消費増税後の減少の反動という要因が大きいうえ、「今年4月に雨などの悪天候で外食やレジャーなどの消費が振るわず、その分が5月に回った面もある」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)という。消費が本格的に回復しているかどうか見極めるにはもうしばらく時間がかかりそうだ。【山口知】