TPA:オバマ大統領「速やかに署名」 米下院可決で声明
毎日新聞 2015年06月26日 10時47分(最終更新 06月26日 12時21分)
【ワシントン清水憲司】米議会下院は25日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉合意に不可欠な大統領貿易促進権限(TPA)法案の関連法案を賛成多数で可決した。両法案が上下両院で可決されたことを受け、オバマ大統領は「手元に届き次第、速やかに署名する」との声明を発表した。大統領の署名後、TPA法案は関連法案とともに成立する。
関連法案は、TPPなど自由貿易の影響で国内雇用が減少した場合に備え、失業者対策を盛り込んだ「貿易調整援助制度」(TAA)法案。賛成286票、反対138票の大差で可決した。今月12日の採決では、「TPP阻止」を目指す民主党の大半が反対して否決したが、TPA法案の成立が確実になったため、多くの議員が賛成に回った。
オバマ大統領は声明で「両党の協力を称賛する。自由で公正な高水準の貿易協定に向け、米国に強い交渉力を付与するものだ」として両法案の可決を歓迎。「中国のような国ではなく、米国が世界経済のルールを書くべきだ」と述べ、TPP合意に意欲を示した。
また、米通商代表部(USTR)のフロマン代表は25日、ワシントン市内で講演し、今後の交渉の進め方を説明。近く2カ国または数カ国間で残った課題への対処を協議し、準備が整った段階で首席交渉官会合、閣僚会合を開く考えを示した。日米協議については「まだ日程は設定されていない」と述べたが、閣僚による政治判断に備え、事務レベルの調整を行っていることを明らかにした。