(花咲舞)う〜ん今年の夏休みどうしよっかな〜。
(花咲幸三)何だ舞夏休み予定の一つもないのか?いや一つもってわけじゃないけど。
あっおとうさん傷口に塩を塗るようなこと言っちゃったかな?んっ?彼氏とどっか行こうと思ってたんだろ?なのにフラれちゃって。
フラれてないから別れたんです。
あぁそうだったそうだったな。
何でそんな疑うかな。
っていうか舞その2個上の公務員って人とホントに付き合ってたのか?んっ?何かこう現実味に欠けるんだよなぁ。
付き合ってました妄想じゃないから。
そっか。
んっごちそうさまでした。
うん。
あっいいよいいよ。
いってきます。
はいいってらっしゃい。
はぁ…誰かいい人見つけてやらないとなぁ。
おっ。
これいいかも。
(相馬健)「ひとり旅」。
あぁ…あっ。
おはようございます。
うんおはよううんうん。
何ですかその哀れむような上から目線は。
花咲夏休みを有意義に過ごすがいいよ。
ぼっちで。
いや一人旅の何が悪いんですか?美術館で好きな絵を何時間見ててもいいし眠れなくて電気つけてても迷惑掛かんないし。
エアコンの温度とかも。
ハハハ…。
1人の良さを語れるのは2人になったことがある者だけの特権なのだよ花咲。
アハハあのバツイチの「バツ」って失敗って意味なんじゃないんですか?フフフ…何事も経験だろ?花咲。
最悪の結果を回避するのも大事なんじゃないんでしょうか?カチ〜ン。
(芝崎)ふぅ〜おはよう。
えっ何か空気悪い感じ?いいえそんなこと全然おはようございます。
おはようございます。
おはよう。
芝崎次長臨店ですか?うんそう五反田支店。
誤払いに出納印漏れ。
このところ事務ミスが続いてるみたいだからちょっと話を聞いて来てくれるか?はい!はぁ…。
(芝崎)あぁ花咲君。
今回はパワー7分目ぐらいでよろしく。
えっ?大きな問題ってわけじゃないし話を聞いたらさっさと帰って来てくれよ。
「さっさと」って…。
だってまた余計なことに首を突っ込んでまずい問題とか見つけちゃうとあれだから。
はっ?もしかしてこの五反田支店の支店長って…。
真藤派閥だ。
あ〜やっぱり。
そういうことですか。
真藤常務も今はタイミング的にちょっとあれだし。
何かあったんですか?知らないのか?真藤常務に次期頭取争いのライバル出現って行内でもう話題になってんのに!頭取争いって…何か他の会社の話みたいでピンと来ませんね。
まぁな…で誰なんですか?その真藤常務のライバルってのは。
堂島専務だ。
この前ニューヨークから戻って来た。
あ〜あ〜。
拝見しました。
えっ?ほらこれ。
はい。
あぁ…。
この方が堂島専務ですかへぇ〜。
(堂島)真藤君久しぶりだな
(真藤毅)堂島専務ご無沙汰しておりますこれからは君の好きなようにさせるわけにはいかないぞ
(相馬の声)さぞかし真藤常務もピリピリなさっているんでしょうなぁ。
ああ何たって頭取になれるかどうかだ。
人生最大の岐路に立たされたようなものですからね。
(芝崎)もしまた真藤派閥の支店長を窮地に追い込むようなことになったら!おぉ…あぁ寒い怖い。
おぉ…怖い怖い。
お2人とも疑心暗鬼が過ぎますよ。
起こってもいないことを不安がるのはどうかと。
最悪の事態を回避することも大事なことかと。
何事も経験かと。
チッ。
(芝崎)まぁまぁ2人とも仲良くなっ!確かこの辺にものすごくうまいメンチカツを食わせる店があったはずなんだけどなぁ。
いいですねぇ。
帰りにおごってやろうか?ただし…。
イエス!最後まで聞けよただし今日の臨店先から何事もなく戻って来られたらな。
そんないつもいつも何事なんて起こりませんよ。
そりゃそうだけど。
♪〜メンチカツメンチカツどっから来るんだ?あの自信は。
(行員)いらっしゃいませお待たせいたしました。
皆さんにヒアリングしましたところ先月の事務ミスの増加はテラーの病欠が繁忙期に重なったための人手不足によるものだったようです。
(中北)そうですか。
わざわざ本部の方にご足労いただいてすいませんでした。
いえそんなとんでもないです。
一時的に事務応援を出すこともできますので何かお困りの時には本部までご連絡ください。
そうさせてもらいます。
ご苦労さまでした。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
君は元気でいいね。
アハっいえねぇ。
あ〜何事もなくてよかったですねぇ。
穏やかな人だったなぁ。
真藤派閥にしては珍しく。
私達に笑いかけてくれましたもんね。
いやいやいや真藤派閥の人だって笑顔ぐらい…。
初めてか。
うん。
じゃあメンチカツ食べて帰りましょう。
やっぱり忘れてないんだな。
んっ?
(松木)はぁ…。
お〜い松木。
相馬さん?ハハっご無沙汰してます!お元気ですか?ああ。
そうかお前五反田支店だったんだな。
はい一応今年の年賀状には書いたんですけど。
あっ来てた来てた。
毎年飲みに行きたいって言ってはフラれてる感じですよ。
いやいやハガキに向かってはうなずいてたんだけどな。
ずぼらですまん。
いやお会いできてうれしいです。
あっ融資課の松木です。
本部臨店班の花咲です。
(松木)あっじゃあ今日は臨店に?ああ例の事務ミスの件でな今帰りだ。
ふ〜ん相馬さんホントに臨店の仕事してるんですね。
当たり前だろ。
いや何か想像できなくて。
丸の内支店にいた時相馬さんの部下だったんです。
あっそうなんですか。
融資のいろはを叩き込まれました。
ふ〜ん。
何だよその目は。
いや別に。
で何かトラブルでもあったのか?えっ?デカいため息ここまで聞こえたぞ。
あぁ…すいません。
あの〜相馬さん。
んっ?お時間ありませんか?えっ?
(松木)融資のことで相談乗ってもらいたいことがあるんです。
いや…それはちょっ…。
時間ありますよ。
もう帰るとこだったんで。
おい!ホントですか?はい!んっ?
(松木)ここが僕の担当しているあづみ屋ストアです。
品川区を中心に3店舗展開していてここが本店です。
で問題ってのは何なんだ?実は突然支店長からここに融資している1億円を回収しろと言われてしまって。
1億円を回収?支店としての判断だと。
この店の経営に問題があって不良債権を回避するための判断だったってことか?いえ大きく儲けてるわけではないんですが黒字です。
赤字じゃないのにどうしてなんですか?支店長は将来性がないからだと。
でもお前はそうは思っていない。
はい。
あっ安積社長。
(安積)そうですか。
方針は変わりませんか。
(松木)申し訳ありません。
(安積)いや松木さんが悪いんじゃないのは分かってるつもりです。
いつも親身になってもらってますから。
いえ。
(松木)ただ貸すだけ貸しといて突然容赦なくハシゴを外す。
こっちの都合なんかお構いなしに。
こういうの貸し剥がしっていうんじゃないんですかね?
(舞の声)貸し剥がし。
私の嫌いな言葉の一つです。
だがそう言われても仕方がないみたいだな。
はい。
赤字でもないし返済が滞ったこともない会社からいきなり融資を引き揚げようとしてるんですから。
返済期日は?月末です。
おいもうすぐじゃないか。
そうなんです。
あの…うちが1億円を強引に回収して融資を引き揚げたらあづみ屋ストアはどうなるんですか?経営が行き詰まることは間違いないです。
倒産ってことですよね?そういうことになりますね。
はぁ…。
あの〜相馬さん。
んっ?あづみ屋のクレジットファイルを見ていただくことはできませんか?俺が?はい。
相馬さんの見立てが伺えれば。
いや見たところで何もできんぞ。
乗り掛かった船ですよ相馬さん。
何だ?お前まで。
お願いします。
相馬さん。
ホントお願いします。
まぁ待て待てって!はぁ…。
(松木)どうでしょうか?う〜ん。
半年前に一時期売り上げが下がってるなぁ。
その頃近くにスーパーが出来たんです。
(松木の声)向こうはカミングマートという関東近郊に20店舗展開する大手チェーンで開店直後だいぶ客が流れてしまいました。
だからあづみ屋も価格を下げて対抗するしかなかったんです。
お客さんは戻って来てるので結果ほとんど客足は前と変わっていないようなんですが利益率が…。
仕入れは前と同じなのに価格を下げているから利益が出ないと。
はい。
だからこそ今資金が必要なんです。
僕は本社が五反田にあるあづみ屋のような中小企業にこそ支店が積極的に支援するべきだと思います。
なのにこの手でそこをつぶすようなまねをしなければならないなんて…。
(ドアが開く音)何やってんだ?君達帰ったんじゃなかったのか?あぁええちょっと…。
(松木)支店長僕が相馬さんにお願いしたんです。
なぜ君がこれを臨店さんに見せる必要があるんだ?あの…相馬さんは丸の内支店の融資課にいた頃僕の上司だったんです。
あづみ屋の件でちょっと相談に乗ってもらいたくて無理にお願いしました。
君はまだそんなこと言ってるのか?あづみ屋の融資は打ち切る!1億円の回収期限は月末これは決定事項だ!あの〜…。
息吸え。
(息を吸う音)どうして突然回収しなければならないんでしょうか?
(中北)んっ?んっ?何?いや…先方も困ってらっしゃるのに。
君は融資が慈善事業だとでも言いたいのか?んっ?これはビジネスだ。
でもこれって貸し剥がしですよね?貸し剥がしだと?あっいえ…。
君は私のやり方を批判しているのか?あっいえ批判じゃなくてあの…理由が分からなくて。
松木には何度も言った!あの会社は負け組だ。
業績の悪い負け組よりも業績のいい勝ち組に融資する。
それは当たり前の与信判断だ!あの…失礼は承知で申し上げます。
私が見てもこれほど緊急に回収しなければならないような先だとは思えないんですが。
君は臨店の分際でよくそんな偉そうな口が叩けるな。
時代はシュっ!常に動いている。
融資マンの君に何が分かるというんだ?君も負け組だそれを忘れているようだな。
いいか?この会社が危ないかどうかは支店長である私が判断する。
このことは本部に報告させてもらうぞ。
はい。
(ドアが閉まる音)チッ。
はぁ…。
チッ。
あ〜何なんですかあのクソ支店長!花咲口を慎め。
「笑ってくれたいい支店長」なんて言ってた自分を責めたいですよ。
言っとったな〜「真藤派閥にしては珍しい」とか。
それ言ってたのは相馬さんですよ。
そうだっけか?うん。
あの…すいませんでした。
あ〜あ〜何だよその辛気くさい顔は。
せっかくのうまい料理が台無しだろ?いや〜相馬さんにあんな屈辱的な思いさせてしまって。
いいんだいいんだ気にすんな。
まぁ俺も余計なこと言っちまったしな。
すいません私もつい口出しするようなことを。
いやとんでもない僕のせいですから。
はいアシタバの天ぷらお待たせしました。
あ〜ありがとうございます。
ありがとうお父さん。
ほら食え食え…ここの料理はな何食ったってうまいんだ。
はいいただきます。
どうよ?おいしいです。
だろ?ありがとうございます。
あの…松木さんつかぬことをお聞きしますがご結婚のほうは?んっ?いや…まだです。
ってことは独身?はい。
(せき込み)ちょっとお父さん失礼でしょ初対面の人に。
ちなみにお付き合いしてる人なんかは?あぁいやそれが全然で。
こいつねモテるくせに不器用なんですよ。
いややめてくださいよ。
イケメンなのに控えめで優しそうな性格酒が飲める。
お父さん?しかもバンカーで独身奇跡的にフリー。
何もかもが理想的これはもう運命としか…。
お父さん心の声漏れてるんですけど。
舞おとうさん協力してやるからね。
はっ?松木さん好物は何ですか?あぁ…。
だし巻き卵ですかね。
すぐに作りますからねとっておきのやつ。
あ…ありがとうございます。
あぁもう…。
はい滞りなく進んでおります。
間もなく全て片付きますので。
ところで社長。
例の件なんですが…。
はぁ…。
お前は何回ため息ついたら気が済むんだよ。
すいません安積社長のことを思い出すとつい…。
あっちょっと聞いてもいいですか?何をだ?さっき支店長業績の悪い負け組よりも業績のいい勝ち組に融資するって言ったじゃないですか。
はい。
あの支店長にとってあづみ屋ストアが負け組だとしたら勝ち組ってどういう会社のことなんですか?中北支店長が融資に積極的な会社は何社かあります。
どこも資金力のある大手ですね。
分かりやすいねぇ。
その一つがカミングマートです。
あっそれってさっき言ってたあづみ屋の近くの?
(相馬の声)半年前に出店した競合店か。
はい皮肉な話ですよね。
そこそんなに業績いいのか?担当じゃないので詳しいことは…。
ただ僕は個人的にカミングマートのやり方は好きになれないんです。
どんなやり方なんですか?わざと競合店の近くに出店して最初の半年ぐらいは赤字覚悟の安売りをして競合店をそこから撤退させるんです。
資金力のある大手ならではのやり方だな。
ビジネスとしては間違ってないかもしれませんけど何かずるいですよね。
そうなんですよ。
しかも近所の競合店に真逆の融資姿勢ってのもどうも解せんなぁ。
気になりますよ…ね?相馬さん。
んっ?調べてみませんか?カミングマートのこと。
そうですね調べてみましょう。
んっ?んっ?ん〜?大丈夫でしたか?はい。
お願いします。
はいはい。
ん〜?これを見るとカミングマートの業績はそれほどいいとは言えないな。
はい。
そうなんですか?ほら五反田店だけを比べるとあづみ屋ストアと大して差がない。
(松木)あづみ屋ストアが予想以上に粘っているので安売りを続けなければならなくなってるみたいですね。
なるほど。
ところがこの半年でカミングマートへの融資は急激に増えてる。
支店長裁量の上限5億まで行ってるぞ。
そんなに…。
あづみ屋には1億でしたよね?うん。
そういえばさらに融資額を増やすって聞きました。
本部の融資部に稟議書を提出してるはずです。
融資部…。
何でカミングマートにはそこまで積極的なんですかね。
ますます支店長の判断が分かんなくなって来ました。
確かにカミングマートを勝ち組あづみ屋ストアを負け組とした理由は分からんなぁ。
そうですよね。
だが支店長にそこまでさせるものがあるんだろう。
この数字には表れていない何かが。
「何か」って何なんでしょう?さぁ?ありがとうございました。
いや結果何の力にもなれてないからな。
いやとんでもないです。
あっ松木さんあれ安積社長じゃないですか?
(松木)あっ。
安積社長!松木さん。
手当たり次第に金融機関に融資を頼みに行ってるんですけどうちみたいな飛び込みの中小企業けんもほろろです。
もう限界かもしれません。
じゃあ。
(松木)安積社長!?安積社長!救急車呼びます。
頼む。
(松木)お願いします!
(松木)健康が自慢だって言ってたのに過労で脳貧血だなんて。
無理されてたんですね。
うちの銀行のせいですね。
花咲俺本部に戻るわ。
あっはい。
お前安積社長の目が覚めるまであいつと一緒に付き添ってやっててくれ。
分かりました。
はぁ…。
松木さん。
あぁそのままで。
すいません何かご迷惑をお掛けしたみたいで。
あっ…いえ。
今何時ですか?もうすぐ3時です。
みつば信金へ行かないと。
今日は安静にするように先生が。
いやゆっくり寝てる時間なんかありません。
今日のところは先生の言うことを聞いてください。
何で…何でこんなことになっちゃったんだよ。
うちの会社が何したってんだよ!申し訳ありません。
(安積)死んだ親父がイチからつくり上げて地道に店舗を増やして来たんです。
親子2代でずっと通ってくれるお客さんや自転車で30分かけて来てくれるお客さんもいます。
皆さんあづみ屋が好きだからってそう言ってくださって。
なのに何で…。
(安積の泣き声)何か方法はないか本部に戻って相馬さんと相談してみます。
ありがとうございます。
僕はもう一度支店長に掛け合ってみます。
大丈夫ですか?はい。
「融資の仕事は最後まで諦めるなできることは全部やれ」って新人の頃相馬さんに教えられましたから。
相馬さんにですか?融資課に配属されて「僕は大きな仕事がしたい同期よりも早く手柄を上げてやる」ってギラギラしてて。
中小企業のことはいつも後回しにしていました。
そのせいで稟議書を出すのが遅れてある小さな印刷工場を倒産させてしまいそうになったことがあるんです。
でも相馬さんがいろんなとこに掛け合ってくれて…。
ほらちゃんと謝れ
(松木の声)何とか融資の審査を通せてその工場は助かりました。
相馬さんが…。
融資の仕事は企業をつぶしてしまうこともあるし窮地から救うこともできるんだって初めて実感できました。
あの時相馬さんに言われたことは一生忘れません。
相馬さん何て言ったんですか?松木はい俺達銀行が扱うのは金だが接するのは人だそいつを忘れるなはいそれが僕の支えになってるんです。
あの〜五反田支店の融資案件について伺いたいことがあるんですが。
(松木)お疲れさまです。
(行員)お疲れ。
(中北)・はい・
(松木)失礼します。
何の用だ。
あづみ屋の融資継続の件もう一度検討していただけませんか?君はまだそんなこと言ってるのか。
僕は支店長の判断に疑問を感じています。
そう。
支店長はどうしてカミングマートの融資には積極的なんですか?なぜ君はカミングマートを気にするんだ?それは支店長の融資姿勢があづみ屋とは正反対だからです。
支店長はカミングマートが勝ち組であづみ屋ストアは負け組とおっしゃっていましたよね?でも現状では両者の業績は大きく違いませんよね?それは君があづみ屋に肩入れして見てるからにすぎない。
いえ僕は公平に見ているつもりです。
じゃ何か?君は私が偏った判断をしていると言いたいのか?はい。
分かった。
どうやら君は融資には向いていないようだ。
(拍手)君も負け組の仲間入りだな。
出て行け。
戻ってたのか。
はい。
安積社長今日は大事を取って入院されるそうです。
そっか。
相馬さんんっ?私達にできることって何かないんでしょうか?さっき融資部に行って来た。
聞いて来たぞ。
カミングマートについての意外なことを。
えっ?本当ですか?ああ。
融資部としてはカミングマートへの融資増額の稟議は通さない方針だそうだ。
どうしてですか?会社としての安全性も将来性も太鼓判を押せる状態ではないというのが彼らの判断だ。
中北支店長はカミングマートには将来性があるって言ってましたよね?ああ。
見掛けは出店攻勢で羽振りがいい。
だが実際の資金は借金で賄われてる。
借金体質ってことだ。
じゃあ資金力があるってわけじゃないんですね。
これで中北支店長の与信判断は正しくないってことがはっきりしたわけだ。
はい。
だからといってあづみ屋への融資回収をやめさせる切り札にはならないんだよなぁ…。
松木さん支店長に掛け合いに行きました。
えっ?無理に決まってるだろ!あいつバカが付くぐらい真っすぐだからなぁ。
それって相馬さんのせいですよ。
えっ?さっき松木さん言ってました。
あの時相馬さんに言われたことは一生忘れません「銀行が動かすのは金だけど接するのは人だ」あいつ…。
そんなこと覚えてたのか。
責任取ってあげてください。
えっ?松木さんを熱い融資マンにした責任です。
相馬さん私思ったんですけど中北支店長はカミングマートのためにあづみ屋の融資を回収しようとしてるんじゃないでしょうか?どうしてそう思うんだ?だって近くの競合店をつぶすのがカミングマートのやり方ですよね?あづみ屋が予想以上に粘って自滅してくれないから手を回したってことか。
はい。
そう考えると全部つじつまが合うんです。
だとすると中北支店長がカミングマートに肩入れする理由は…金か。
相馬さん。
中北支店長とカミングマートの口座を調べてみませんか?証拠が見つかるかもしれません。
よし。
お前カミングマートのほう頼む。
はい。
(中北)ご心配なく。
あづみ屋の撤退は時間の問題です。
(神谷)そうですか。
(神谷)ありがとうございます。
(神谷)ハハハ…いやいやさすがは中北支店長。
五反田に出店して正解でしたよ。
恐縮でございます。
(神谷)ところで明日の午後いらっしゃいますか?ええええおりますが。
では寄らせていただきます。
あらためてお礼を。
お待ちしております。
フフフ…。
はぁ〜やっぱり何にも見つからんか。
あれ?んっ?やっぱり。
何かあったのか?カミングマートの振込先なんですけど…。
他は全部企業が相手なのにこの振込先だけ個人名なんです。
「タグチエリコ」。
(松木)はぁ…。
(振動音)松木です。
松木今どこにいる?えっ?架空口座?カミングマートの不審なお金の流れについて探ったらこの個人口座にたどり着いて。
調べたところ口座の名義人に連絡がつかない架空口座だということが分かったんです。
カミングマートからこの口座にお金が振り込まれてるってことですか?はい。
しかもカミングマートからだけじゃない。
その口座には時々数十万円のお金がいくつかの企業から振り込まれてる。
んっ?これ全部五反田支店の取引先じゃないですか。
しかも支店長が融資に積極的な会社ばかりです。
やっぱりか。
もしかして中北支店長がこの口座を使って賄賂をもらってるってことですか?恐らくな。
(舞の声)中北支店長はカミングマートからお金をもらってその見返りにあづみ屋をつぶそうとしてるんですよね。
うん…。
許せないそんなこと。
松木さんどこ行くんですか?支店長にこの事実を突き付けます!まぁ待てって。
今問い詰めたところでどうせただの推測だ憶測だ言われて白切られるに決まってるだろう。
じゃあ一体どうすれば…。
えっと…。
この口座を支店長が使ってるっていう証拠をつかめればいいんですよね?
(松木)そっか。
この通帳やキャッシュカードを支店長が持ってると分かれば。
ですよね。
だからって支店長の持ち物検査なんかできると思うか?うぅ…ダメですね。
でもどこかには隠してますよね。
まぁな。
他人名義の通帳なんか下手に持ち歩いて誰かに見られでもしたらそりゃあ面倒なことになるからなぁ。
そうですよね。
どこか身近で安全な場所?うん…。
あっ!引き出しの中です。
えっ?さっき支店長室に行った時見ました。
失礼します
(松木の声)支店長が引き出しに通帳をしまってたんです。
それってうちの銀行のですか?はい。
あの…この口座が開設されたのはいつですか?えっちょっと待て…これこれ。
え〜1996年だ。
支店長が持ってたのはその頃のデザインのものでした!ビンゴですね!はい。
じゃあこの通帳を押さえれば…。
証拠になります。
なるけど俺達は警察じゃないんだ。
そんなこと許されると思うか?そうかもしれませんけどでも…。
あづみ屋ストアを助ける方法はそれしかありません。
はぁ…。
ただ問題は引き出しには鍵が掛かってることなんです。
支店長が鍵持って帰ってるだろうし。
どこかにスペアキーが保管されてるんじゃ…。
いや各自で管理してます。
ダメか〜。
もしかしたらあるかもしれないぞ。
スペアキー。
えっ?えっ?
(松木)まだ誰も来てません。
急ぎましょう。
(松木)これです!やっぱりな…。
よし探そう。
(舞:松木)はい。
相馬さんホントにあるんですか?えっ?「銀行員は大事なものを身近に隠す習性があるからスペアキーも支店長室にあるかも」って言ったじゃないですか。
「あるかも」とは言ったでも「絶対にある」とは言ってない。
今更…。
あ〜!あったんですか?
(松木)あったんですか?あっ!あっ!やった…。
長っ。
何じゃ?こりゃ。
ボールペン?紛らわしいわ!そろそろ誰か出勤して来る時間ですからね。
よし急ごう。
あぁ…。
花咲。
すいませんすいません。
あっ!こ…これこれ!どうした?ハッ!入った!回った!ちょちょ…!誰か来たぞ。
まさかもう支店長が?まずい2人とも隠れてください。
えっ?どこに?ここに!えっ?お前1人しか入れないじゃん…。
(足音)はぁ…。
もう大丈夫ですよ。
はぁ…。
はぁ…緊張した。
心臓に悪いわ。
すいません。
構わん構わん続きだ続き。
(相馬:松木:舞)あった…。
あ〜こんな高価なもの頂いてよろしいんですか?中北支店長のために作らせたんです。
もらっていただかないと困りますよ。
ほんの感謝の気持ちです。
ありがとうございます。
来月あたりいかがですか?いいコース見つけたんですよ。
あぁぜひ。
今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
こちらこそ。
(ノック)はい。
失礼します。
(中北)何なんだ?君達はえっ?松木どういうつもりだ?あの…中北支店長にお話があってまいりました。
お客さんがいらしてるんだぞ失礼じゃないか!神谷社長にも聞いていただきたいお話です。
東京第一銀行本部臨店班よりまいりました相馬と申します。
花咲です。
神谷社長あなたはライバルであるあづみ屋ストアを撤退させるため中北支店長にお金を渡して協力を依頼した。
違いますか?何をバカなことを!そして中北支店長。
あなたはそのお金の見返りとしてあづみ屋ストアへの融資を回収させようとした。
失礼なこと言うんじゃないよ。
そんなことあるわけないだろ!これはある口座の入出金記録のデータです。
こちらの口座にこの半年の間に100万円で2回合計200万円がカミングマートから振り込まれています。
それが…何だってんだ?この口座実は名義人が行き先不明なんですけど使ってるのは…中北支店長ですよね?いや…そんなはずは…。
貴様!ひとの引き出し勝手に開けて許されると思ってんのか!?上の許可は取ってあります。
(中北)うぅ…。
(中北)いや…違う。
これはあの〜何かの間違いだ。
私はそんな口座のことは知らない。
この口座には他にも五反田支店の取引先11社からの振り込みが確認されています。
そしてそれらの取引先全てへの融資を推し進めていらっしゃったのが中北支店長あなたでした。
お金をもらって融資を優遇していたんですね。
違う…。
ここで確証が得られないと取引先の方々にお話を伺うことになります。
素直にお認めになったらいかがですか?バンカーとしてのプライドをお持ちなら。
神谷社長はご自分のお店の店頭に立たれたことがありますか?はっ?安積社長は少しでも時間があれば店に立ってお客さんの声を聞いて店づくりに反映させていらっしゃいました。
だからこそあづみ屋は町の人に愛されていて長い間続いてるんじゃないでしょうか?そういう店をこんな汚いてを使ってつぶそうとするなんて。
あなたは…。
あなたは経営者として失格ですよ!失礼させていただく。
(中北)社長…。
社長!チッ。
何でこんなことに…。
はぁ…。
あんな負け組の会社のせいで…。
お言葉を返すようですが。
私はあづみ屋が負け組だとは思いません。
大体勝ち組とか負け組とか何なんですか?支店長が勝手に決め付けるなんておかしいです!何だと!?松木さんがあづみ屋の融資に必死になっているのは安積社長のためです。
ですが支店長がカミングマートの融資に力を入れているのはご自分の手に入るお金のためですよね?黙れ!!黙りません!「銀行が扱うのはお金だけど接するのは人だ」。
昔教わったその言葉を忘れずに松木さんは融資の仕事を続けて来たそうです。
私には融資のことはよく分かりません。
ですが人と向き合って仕事している人達のことをお金しか見ていない人が苦しめるなんてそんなの間違ってます!あづみ屋の融資の判断には不正があったんですよね?あなたがしたことは銀行員として絶対に許されることではありません!融資回収を撤回してください!
(中北)くぅ…!うぅ…!うぅ〜…。
(松木)ハァハァ…。
ホントですか?はい!1億円の回収は取り消しになりました!融資は今まで通り継続させていただきます。
ありがとう松木さん。
あなたが担当でよかった!こちらこそこれからもよろしくお願いします!こちらこそ…。
ありがとう!ホント…。
ハンカチ貸しましょうか?余計なお世話だよ。
でもあんないい部下を育てたなんて相馬さんはいい上司だったんですね。
部下に恵まれただけだ。
うんうん。
それが今じゃ…。
それどういう意味ですか?別に。
(辛島)中北支店長は懲戒解雇か。
(辛島)妥当な判断だろう。
臨店班のお手柄ですね。
いや〜よかったよかった。
喜んでばかりはいられないぞ。
えっ?少なくとも真藤さんは快く思ってはいないと思うが。
ハッ!中北支店長は真藤派閥でしたね。
臨店班の2人が図らずも真藤常務と堂島専務の次期頭取争いに一石を投じてしまった…かもしれないな。
お〜。
(児玉)また臨店班が余計なことをしてくれまして。
余計なこと?はい。
真藤常務が目をかけて来た支店長を…。
児玉君。
はい?中北などという男と私は懇意にしていた記憶はないが。
えっ?違うかね?あっいえ…わ…私の勘違いでした。
そうだよな?はい!んっ!うま〜!ハハっ花咲さんホントにおいしそうに食べますね。
やっと食べられたんでうれしくて。
でも本当にありがとうございました。
相馬さんと花咲さんには一生足を向けて寝られません。
やめてくださいこれごちそうになりましたし。
でも花咲さんはすごいです。
真っすぐな思い毅然としてぶれない態度。
見習わないとですね。
全然ですよ。
松木さんこそカッコ良かったですよ。
あっあの…花咲さん。
はい。
この近くにおいしい熟成肉の店があるんです。
よかったら一緒に行きませんか?行きます!あっホントですか?はい!うれしいです。
え〜!フフフ…。
相馬さん相馬さん!んっ?どうした?松木さんがおいしい熟成肉食べに連れてってくれるみたいですよ。
松木が?えっ?デートのつもりだったのに…。
おいうまい肉ってあのこの近くの人気店か?あぁ…はい。
悪いな松木。
あぁ…。
あ〜これだこれだ。
おいしそう!はいおいしいです。
そりゃそうだろ。
A5ランク黒毛和牛たまらんな。
楽しみ!フフフフ。
2015/07/15(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
花咲舞が黙ってない #2[字][デ]
原作・池井戸潤、主演・杏。東京第一銀行臨店班の花咲舞が、ベテラン行員・相馬健とコンビを組み、銀行で起こる様々な事件を解決していく、痛快オフィスストーリー!
詳細情報
番組内容
舞(杏)と相馬(上川隆也)は、真藤(生瀬勝久)派閥の中北(金田明夫)が支店長を務める五反田支店へ臨店する。そこで二人は、相馬のかつての部下で融資課の松木(成宮寛貴)と出会う。松木は、担当するスーパー・あづみ屋ストアへの融資1億円を、中北から突然回収しろと指示され、悩んでいた。小さなスーパーを救おうとする松木の思いに動かされ、突然の融資回収の真相を調べ始める舞と相馬。そこには、不正が潜んでいた…。
出演者
杏
上川隆也
成宮寛貴
塚地武雅(ドランクドラゴン)
榎木孝明
石橋凌
甲本雅裕
大杉漣
生瀬勝久
金田明夫
おかやまはじめ
冨家規政ほか
原作・脚本
【原作】
「不祥事」(実業之日本社・講談社文庫)「銀行仕置人」(双葉文庫)池井戸潤
監督・演出
【演出】
佐久間紀佳
音楽
菅野祐悟
得田真裕
【主題歌】
「I am a HERO」福山雅治(アミューズ/ユニバーサルJ)
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
加藤正俊
柳内久仁子
【制作協力】
日テレアックスオン
【製作著作】
日本テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
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