生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」きょうのテーマはこちら。
担当は今井純子解説委員です。
今井さん服といえば今は中国製のものが多いですけれども純日本製の服で巻き返そうとしているわけですね。
今井⇒きょうの注目はこちらのマーク。
純日本製の服を表すものなんです。
Jクオリティーですか。
Jは日本のJ。
無限大の品質という意味なんです。
メードインジャパンということですか。
メードインジャパンとはちょっと違うんです。
メードインジャパンというのは最後の縫製を日本で行ったという意味でたとえ生地が中国製であっても日本で縫製すればメードインジャパンということになるんです。
ただ今回の純日本製というのは糸を織ったり編んだりして生地にする段階で染色、縫製すべて日本で手がけたですから純日本製を意味するということなんです。
ことしの秋冬向けの商品から認証をとった服にこのマークがつけられることになっているんです。
まずどのような服があるのか見ていただきたいんですけれどもマネキンが着ていますね。
女性用のジャケットです。
ちょっと着てみていただいていいですか。
軽い。
持つだけで全然違いますね。
柔らかい。
着ている感じがしないぐらい軽いですね。
伸縮性があるので動きやすいんです。
形もしっかりとしています。
カーディガンを着ているような感覚です。
次が黒いコートです。
これは100%カシミヤなんです。
日本製のカシミヤですか。
そうです。
細い繊維を使っているのでこれだけしなやかで光沢があるんです。
きれいですね、柔らかい。
そしてトレンチコートは水をはじきやすい作りをしているんです。
その機能が10回クリーニングをしても保たれるそうです。
仕立ても形もしっかりとしていますね。
縫製もすごくいいですね。
長もちしそうです。
そしてピンクのセーターです。
ニットは普通は生地を縫い合わせて作っていますけれどもこちらは、縫い目がないんです。
立体的に織ることができる編むことができる日本の独自の機械を使って編んでいるんです。
ごわつきがないですね。
縫い目が肌に当たらないので着やすくて形もきれいになります。
産地の技術が生かされていますか。
それぞれの産地を挙げています。
これはいずれも企画開発は国内の大手のアパレルメーカーが手がけていますがこうした産地の企業と一から連携をして素材も独自に開発をして色や縫製にもこだわりを持って作っています。
ですから先ほど軽いという印象があったと思いますけれどもそのジャケット細いウールをナイロンの芯に巻きつける形で独自に開発した糸を使っているのでふっくらとしていて非常に軽いんです。
そしてカシミヤのコート。
天然の繊維の太さを丁寧にそろえているので肌触りがいいんです。
柔らかかったです。
そしてトレンチコートは赤外線を吸収する特殊な裏地を使っているので暖かい機能があります。
湿気を吸い取る特殊な糸を使っているので蒸れないといった高い機能があります。
全体的にこういう特色があります。
産地の高い技術がこうした品質につながっているわけですか。
今回Jクオリティーの認証をとるためにはこうした、織り、編み、染色、縫製を手がけた中小企業の具体的な名前を公表すること。
そして企業も技術力があること。
そして環境に配慮して作ったというそれぞれが認証を受ける必要があるんです。
厳しいチェックがあるんですね。
こうした企業はこれまでは黒子に徹することがほとんどだったんです。
ですからこうした高い技術を持っていることがなかなか知られませんでした。
それを今回のJクオリティーではこうした技術力がある中小企業にも光を当てて活性化を促そうというのが大きなねらいの1つになっているんです。
こうした中小企業の中にも一歩先に海外から評価を受けるところが出始めているんです。
実力が海外に認められているんですね。
モヘア糸です。
細いんです。
軽くて光沢もあります。
山形県の企業が作ったものです。
このモヘア糸を使って作ったヨーロッパの高級ブランドが。
この写真のカーディガンと同じものを、アメリカのオバマ大統領の夫人のミシェル夫人が大統領就任式で着て話題になりました。
原料を厳選してまた古い機械を独自の改良を重ねることで、1gで52mという世界で最も細いモヘアを作ることに成功しました。
次にデニム生地です。
触ってみていただけますか。
広島県の会社が一貫して作っているものです。
しっかりとしたものに見えますが、柔らかくてフニャフニャですね。
軽いんです。
デニムの糸と中が空洞になったこの特殊な軽い糸を織り合わせて作った生地なんです。
もともと藍染めのかすりを作っていたそのたくみの技術とこの日本最先端の技術が合わさってできた物なんです。
世界のブランドが今や買い付けにくるそうです。
確かに触るとびっくりします。
こちらは日本の得意なさまざまな機能を一気に盛り込んだ生地です。
ひんやりしますね。
しかも白なのに透けませんね。
こんなに薄いのに。
この後ろにあるのがこの生地の断面図です。
葉っぱのような形の糸の隙間に水が吸い込まれることで汗を吸うということです。
糸の中に薬剤を練り込むことでひんやり感ですとかこうしたさまざまな効果を出せるということなんです。
大手の繊維メーカーが北陸などの産地と連携をして作っているんです。
最後にこちらは何に見えますか。
毛皮ですか。
毛皮に見えますよね。
ところがこれはごくごく薄い合繊なんです。
福井県の染色メーカーがインクジェットプリンターの技術でプリントしたものです。
1670万色を出せる。
しかもこの薄い生地に鮮明に立体的に染色できる技術というのも世界的に注目されています。
すごい技術なんですね。
こうした言ってみれば伝統のたくみの技術と最先端の技術そしてこだわり。
これが日本の高い技術を支えています。
これまで紹介したのはいわばトップランナーの企業たちでしたけれどもこうした高い技術を持った企業はまだまだ国内にはありますしなかなか評価されていませんでした。
ということで国内で売られている服は96.8%が輸入品です。
デフレの中で日本のアパレルメーカーの間でも海外で安い生地を調達して安く縫製をするという動きが相次いだからなんですね。
その結果国内の繊維産業の事業所の数は20年間で4分の1に減ってしまいました。
このままでは技術が途切れてしまう。
途絶えかねないという危機感からようやく業界と国が連携してなんとかこうした中小企業に産地に光を当てて活性化していこうということになったんですね。
今は、もう1つ、追い風も吹いています。
円安です。
輸入品の価格が円安で上がったことで国内のいい素材を使って国内で縫製をしても価格差が縮まってきているからなんですね。
こうしたことでJクオリティーの服はまず国内で販売をして展開をして、いずれ海外への展開も考えて検討していこうということです。
これからアジア、小売りには日本の消費者の間でも浸透していくんでしょうか。
浸透していってほしいです。
今、若い人たちの間でも少し高くても品質のよいもの長く着られるもの環境に配慮して作られたものを買いたいというニーズは確実に出てきています。
そうした人にいかに納得してもらえる品質、デザインそして価格。
そうした服をこれからどんどん出していけるのか。
産地と連携して出していけるのか。
国内のアパレルメーカーの本気度2015/07/15(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「巻き返せるか?純日本製の服」[字]
NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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