タイムスクープハンター セレクション「われら時の番人」 2015.07.15


アブソリュートポジションN47W438E632S179。
ポジション確認。
アブソリュートタイムB0763449年53時76分28秒。
西暦変換しますと1807年4月21日3時53分。
無事タイムワープ成功しました。
コードナンバー120354これから記録を開始します。
沢嶋雄一。
彼はタイムスクープ社より派遣されたジャーナリストである。
あらゆる時代にタイムワープしながら時空を超えて名もなき人々を記録していくタイムスクープハンターである。
城の太鼓櫓。
早朝東の空をじっと見つめている男がいる
空を確かめると夜明けを告げるため太鼓を打つ。
長倉文次郎。
今回の取材対象者時太鼓打。
城や城下町に時刻を知らせるいわば時の番人である
夜明けの太鼓を打つと下に下りてお香を準備する。
彼らが時間を把握するために使用していたのが香時計である。
お香が燃える長さで時刻を知らせる時計である
この時代の人々にとって私は時空を超えた存在となります。
彼らにとって私は宇宙人のような存在です。
彼らに接触するには細心の注意が必要です。
私自身の介在によってこの歴史が変わる事もありえるからです。
彼らに取材を許してもらうためには特殊な交渉術を用います。
それは極秘事項となっておりお見せする事はできませんが今回も無事密着取材する事に成功しました。
香時計には抹香という粉末状の香が用いられる。
抹香を抜き型で形どり先端に着火する。
そこが時間の基点となるのだ
お香が燃えていき目印に到達した所が時刻を示す。
我が国の時計の歴史は660年後の天智天皇が作らせた漏刻つまり水時計に始まる。
その後日時計やロウソクなどの燃える時間で時を計る火時計などが使われてきた
江戸時代の時刻は不定時法と呼ばれる時間法が使われていた。
不定時法とは夜明けと日暮れを基点とし1日を昼と夜にそれぞれ6等分する時間法である。
常に夜明けと日暮れを基点とするため季節によって一時の長さが違う。
日の長い夏は一時の長さが冬よりも長くなるのだ
辰の刻朝五つ。
今度は太鼓を5回打って時刻を知らさなければならない。
このように時刻の呼び方には十二支と数が使われていた。
かつて日本で九は最も縁起の良い数字と考えられていた。
この事から夜中の子の刻と昼の午の刻を九つとし九の倍数で増やしていく。
その下一桁を取った数字から「朝五つ」などと呼ばれるようになった
午後になり交代のためやって来たのは斉藤富右衛門。
時太鼓打の引き継ぎが行われていく
え〜現在14時4分ですね。
斉藤富右衛門さんが未の刻昼八つの時刻の太鼓をたたくところです。
(太鼓の音)
当時の人々は彼らが打つ太鼓の音を頼りに生活を営んでいた
(太鼓の音)立派なばちですね。
現代のものとほぼ変わりません。
駄目ですか?はいそれはちょっと。
伊勢六郎太。
夜の引き継ぎだ
本日より穀雨でござる。
(太鼓の音)
昼も夜も一日中毎日休む事なく彼らの仕事は続いていく。
重要なこの仕事をたった3人の交代制で行っていた
長倉さんにインタビューしたいと思います。
彼らの仕事は単調な繰り返しである。
だが決して緊張感を失う事はできない。
そんな時ちょっとした事件が起きた
鷲津大学。
彼らの上司にあたる上級役人である
一昨夜でございますか?わしがじかに聞いておったわけではないのだがな…その者らの言うには…不都合?些少の遅れならさしてうわさにもならぬであろうが…打ち忘れでございますか!?ああ。
つまり五つのあとに…承知しておらぬか?はい。
太鼓を打ち忘れるというあってはならない事故。
文次郎は早速昨夜の当番である六郎太に真偽の程を確かめる事にした
そのための引き継ぎであろう?実は…香の火が消えておったのは言い訳にはならんぞ。
よいな?はあ…。
もうよい。
戻れ。
原因はお香が湿気ていたためだと思われた。
だが…
おい気分でも悪いのか?六郎太。
大丈夫です。
おいおいおいおぬし。
申し訳ございません…。
六郎太は夜盲症を患っていた
なに!?
六郎太が太鼓を打ち忘れたのはその病が原因だったのだ
どうしたものか…。
役目に就けぬ同輩が大勢おるにもかかわらず…
城の財政はかなり厳しい状況であり人員削減の方向に傾いていた。
そんな折業務をまともに行えない六郎太がリストラの対象となる可能性が高かった
伊勢の家は代々この藩に仕えてきたんだぞ。
何としてもそれだけは避けたい。
そう考える文次郎は切り出した
大学殿に掛け合ってみる。
機械時計?なるほど。
人が増やせぬとあらば時計ぐらいなあ。
まあとにかく掛け合ってみる。
おっ長倉分かったか。
分かりました。
いやいやいやあれはそれがしも以前に経験がございますがなかなかに気付かぬものでございます。
あれを把握するのはなかなかに容易ではございません。
ご内聞にお取り計らいを…。
承知しておる者も数多い。
そこをひとつ大学殿。
下がってよい。
ああでは…。
財政逼迫の折誠に申し上げ難き事でありますが…実害のなかった今のうちに…ご検討願えればと存じ上げます。
しかしですが…。
この時代になると各藩に機械時計が普及し始めていた。
江戸城には土圭の間というのがありそこに機械時計が置かれ番人だけで50人ほどが勤めていたという
いかがでございましょう。
何をこだわる。
財政難では機械時計を導入する事はやはり難しかった。
ところがその日の午後
おお長倉。
これは大学殿。
いかがなされました。
誠でございますか!ああここはちょっと。
はい?はい。
長倉少し考えろ。
どうしたもこうしたもないよ。
何があったんですか?え?どういう事ですか?あ〜まずは…そんなものを一人の都合でやっておったらわしらの務めは意味がなくなるであろう。
しかも言外には…こういう話だ。
卑劣な話ではないか。
しかたなかろう。
これで機械時計の導入は潰えたかに見えた。
…がそのあと思いもかけない話が飛び込んでくる
(斉藤)組頭。
どうした?どこで?安すぎぬか?主に確かめました。
ならばいかがでござろう。
お主も払えるだろう。
それはもちろんですけど…おい待て待て。
さよう。
気にする事ではない。
よし!ならば話は早い。
道具屋へ行ってみよう。
では参りましょう。
機械時計が初めて日本に伝来したのはフランシスコ・ザビエルが大内義隆に献上した1551年と言われている。
その後宣教師などにより幾つかの機械時計がもたらされた。
まねて作られたのが和時計である。
この和時計はその形から櫓時計と呼ばれるものでおもりを動力として時を刻んだ
これか。
ついに機械時計が手に入る。
そう思われたやさき想定していない展開が待ち受けていた
いやだからその売約済みの…。
いや違うんですが。
あれだってさっき…。
手付けも頂いてないんでね。
そんな事をしないと駄目なのか。
別の客が彼らより高い値で購入予約を取り付けていたのだ
当時時刻を知らせていたのは城だけではなかった。
寺などでも鐘を鳴らし庶民に時刻を知らせていたのだ
主人どういう事だ。
俺もう先に買ったよなあ。
はい。
どうしても機械時計を手に入れたい文次郎が思わず値段をつり上げる
七両一分。
ありがとうございます。
待て主人!待て待て。
こちら今七両一分で買われたんで。
はいありがとうございます。
僧侶の方も譲らない
ありがとうございます。
七両二分。
ちょっと待て。
文次郎も後に引けなくなっていく
それを心配した富右衛門が思わず止めに入った
どうしましょう。
大丈夫だよ。
もうこれ以上出せませんでしょう。
ええ。
結局2人で追加のお金を出す事で合意。
上限は十両までと決められた
八両三分出す。
八両三分?
さながらオークションのようになってきた。
少しずつ値をつり上げ相手の出方を探っていく
両者一歩も譲らない。
上限の十両に迫る勢いだ
そしてついに文次郎は大きな賭けに出る
よろしいですか?九両三分二朱。
十両でございます。
文次郎はついに機械時計を競り落とした。
その結果当初より値段が高くなってしまったが何とか手に入れる事ができた
ついに機械時計が来ました。
当時の和時計には不定時法に合わせてさまざまな工夫が施されていた。
文字盤には干支と数が記されている。
昼と夜の時間の違いに対応するため上部の分銅の位置を動かし時計の速度を調整していた
ハハハハハ!またなにを泣いておる。
お主だけのために購ったのではないと昨日も言ったろうが。
あれはみんなのためだ。
でもやっぱり…ありがとうございます。
時計が鳴るのを待ち構える。
これで目が悪い六郎太も時を知る事ができる。
だが…
あれっ?ちょ…ちょっとおいどうなってんだ。
(斉藤)ねじが回ってないんですよ。
え?ちょっと待て。
あ〜全く分からない。
それでかように安かったのか!
時計は不良品であった
やめろ!何を申す。
もうよいのです。
六郎太は覚悟を決めた。
これ以上仲間には迷惑はかけられないと思ったのだろう
ご迷惑ばかりおかけしておわびのしようもございません。
何がわびるだ。
何がご迷惑だ?ほら!組頭…。
おい。
少しは気が晴れる。
そんなににおうか?あ〜そう。
あ〜花の香!組頭?ちょっと?組頭…。
(斉藤)何事でござるか?どこへ?
何を思ったのか文次郎が時計を抱えて飛び出していく。
私のカメラも振り切る勢いだ
そして3時間後文次郎が戻ってきた
あの道具屋難癖をつけおってなかなか時計を引き取ろうとせなんだ。
突っ返してきてやった!アハハハ…。
この香をこの香時計を…
文次郎が考え出したのは定刻が来ると別の種類のお香に燃え移り香りが変わる香時計であった
よしよし。
分かるか?においするか?ああ…。
分かります…。
よしよしよし。
はい。
1人櫓に上る六郎太。
その姿を2人の仲間が見守っていた。
絶対に職は失わせないと組頭の文次郎は私に語っていた
最新の機械が手に入らずとも諦めずに仲間を守った時太鼓打たち。
目をみはる技術革新が歴史の一ページを飾る中で香りが変わる香時計という彼らの小さな発明は歴史の記録には残されてはいない。
だが彼らにとってそれは人生を左右する大きな発明であったに違いない
以上コードナンバー120354アウトします。

(すする音)2015/07/15(水) 01:30〜02:00
NHK総合1・神戸
タイムスクープハンター セレクション「われら時の番人」[字]

「タイムスクープハンター」のアンコール放送。時空ジャーナリストの沢嶋雄一(要潤)は江戸時代、『香時計』を使い、時刻を人々に知らせていた武士たちに密着取材する。

詳細情報
番組内容
今回の取材対象は、時を告げる“時太鼓打(ときたいこうち)”。太鼓をたたいて、音によって時刻を人々に知らせていた。江戸時代は現代の定時法ではなく、不定時法であった。夜明けと日暮れを起点に昼・夜ともに6分割するもので、お香の燃え方で時間を計る「香時計」が用いられた。ある城の時太鼓打は三人の交代制だったが、その一人が夜盲症でリストラの危機にあった。どのように仲間を救ったのか“時の番人”の活動をリポート。
出演者
【出演】要潤

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドラマ – 国内ドラマ
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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