認知症キャンペーン「認知症 わたしたちにできること」 2015.07.14


はいつかまって…。
7年前から認知症の両親の介護を続けている女性がいます。
誰にも悩みを打ち明けられず一人で苦しみを抱え込んでいました。
認知症は今誰にとってもひと事ではありません。
こうした中地域で支えあう新しい動きも始まっています。
認知症の人や介護する家族専門家や地域の人が集まり語り合う場です。
1と言ったら?
(一同)1。
放送90年の今年NHKでは認知症への理解を深めるキャンペーンを行っています。
私たちに何ができるのか一緒に考えていきましょう。
こんばんは。
山本哲也です。
今年58歳。
私が将来認知症になったらどうなるのかなと考えると不安になる時があります。
これは私だけではないと思います。
今日はですね認知症についてひと事ではなく自分の事として皆さん一緒に考えていきましょう。
先ほどの映像で地域の人たちが認知症について話し合う認知症カフェというのがありました。
このスタジオも認知症カフェ「どーも」です。
私がそこのマスターという事になっております。
いらっしゃいませ。
来ましたで。
どうも。
いらっしゃいませ。
綾戸さんと風見さんようこそいらっしゃいました。
よろしくお願いします。
綾戸さんは認知症のお母さんを今介護してらっしゃる。
そうですね。
ど真ん中ですねはい。
風見さんはお父さんの介護をこれまでされてきたという事ですよね?そうですね。
一昨年の暮れに父は他界したんですけれどもやはりそれまで認知症と診断されてから11年間ずっと要介護の生活でしたね。
そう。
今日はいろいろお話聞かせて下さいね。
よろしくお願いします。
お願いします。
塚原さん。
はい。
塚原愛です。
皆さんの認知症に関する疑問悩み支えあうヒントなどを募集しています。
もう実は既にこんなにたくさん届いています。
今日は認知症の専門医をお呼びしています。
30年近く認知症の方を診ていらっしゃいます。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
で今日はですね認知症のいろはの「い」から始めようと思います。
ちなみに日本に認知症の人は何人ぐらいいるか分かりますか?番組の冒頭でちょっと出たんですけどその時ねまだ見ていらっしゃらなかった。
うん見てなかった。
じゃあ厚生労働省の推計からご紹介しましょう。
まずね2012年現在です。
65歳以上の認知症の人462万人。
(風見)へえ〜。
認知症になるおそれのある人いわゆる認知症予備群が400万人。
合わせて800万人超えていますね。
(綾戸)予備群?予備群。
合わせて800万人超えている。
これ2012年です。
先月厚生労働省が新たな推計を発表しました。
団塊の世代が皆さん75歳を超える10年後です。
2025年ですね。
2025年どうなるか?2025年には認知症の人は700万人。
65歳以上の5人に1人が認知症。
更に先ほどの認知症予備群認知症になるおそれのある方を含めますと800万人どころではないという事なんです。
浦上さんこれはどうしましょうね?とても大変な問題だと思います。
皆さんも認知症というととても怖い病気だと思っていらっしゃると思うんですけどもただ認知症という病気は実は20年も30年もかけてゆっくり悪くなってくる病気でありますので実際には穏やかに進行してくる病気なんですね。
ですからそういう意味では早期発見する事も可能ですし認知症を正しく理解して頂く事によっていい経過をたどる事ができるものですので決して恐れる必要はないというふうに考えております。
認知症のいろんな事をこれから基礎的な事からいろはの「い」からいきますけどもお便り頂いております。
こういう方が多いんですよね。
認知症ともの忘れの違いという事なんですけれども「最近もの忘れがひどくて何をやるにしてもすぐもの忘れしてしまう。
私はもう認知症なのでしょうか?」。
これはどういうふうに考えればいいですか?山本さんも先ほど58歳で少し心配になってきたいう事だったんでちょっとお尋ねしますけども今朝朝ごはんは何を食べられましたですか?えっとね…ブリの照り焼き?朝から変ですかね?だけどあと何食べたか細かい事は覚えてないんですよね。
ブリだけ覚えてる。
そのようなのが実は単なるもの忘れというものなんですね。
食事をした事はちゃんと覚えてるけどもメニューの細かいところまでは覚えていないところが認知症のもの忘れになりますと食べた事を忘れてしまうという事になりますので山本さんは大丈夫ですよという…。
認知症という事になるとやっぱり記憶という事と大きく関係してる訳ですか?はい。
で海馬というですねこちらに示しているこの海馬という脳組織が記憶をためておく神経が集まってる場所なんですね。
こういった海馬という神経の集まりが萎縮してまいりまして脳萎縮を起こしてまいりまして私はよく記憶の貯金箱と呼んでるんですけどもこういうのが小さくなりますから昔の事はちゃんと入ってるんだけど新しい事を一生懸命入れようとしてももう入らない。
そういった状態が認知症の原因であると。
(綾戸)あ〜分かるわそれ。
昔の事入ってるって分かる。
さあどんな症状が出るんでしょう?認知症の症状というと徘徊であるとか暴言・暴力幻覚・妄想といったようなこういった症状が大変有名ですけども実は最も大事なのはこちらの中核症状なんですね。
記憶力が低下する理解力・判断力が低下する等のこういった中核症状が大事でありまして周辺に書いた症状というのは2次的に起こるものなんですね。
ですからきちっとした対応をしてあげるあるいはいいお薬による治療をするとかによってこういった症状を軽減するあるいは抑える事ができるという事なんですね。
綾戸さんのお母さんはどうなんですか?最初脳梗塞で倒れてでよくなったんですよ。
それでオッケーやなと思った時に宅配とぶつかって骨折をした…。
大たい骨を。
それで入院した時に病室で「虫がな這うてんねんシーツの上」とか。
「隣の患者さんがうちの部屋の前でな襲いに来てん」とか。
ほんな訳ないやんと思ってた事がこれに当たんのかな?あ〜幻覚?うん。
何かそんな事を言いだした時にまさかと思ってお医者さんに聞くと骨折からそういう事はあると。
認知症になる事はある。
でも一時的なものもあるし本当にドア開けたのか分からないって言われたそん時。
風見さんどうでした?いや〜もう本当に今から後で考えると父も当初からそういうシグナルといいますかサインは出てたと思うんですが僕は逆にもの忘れだよそれきっとって思っていたんですね。
でも決定的に思ったのは父が実家広島なんですけれども九州まで旅行にお友達と出かけて…。
で旅行先で先ほどあったように場所がどこに…何をしに来たのかが分からなくなって一人でタクシーに乗って帰ってきたんです。
それを聞いた時にあこれはもの忘れとか年では済ませられない事が起きてるなっていうのを感じた時でした。
認知症の種類というとどうなりますかね?認知症を起こしてくる病気はいくつかございまして代表的な一番多いのがアルツハイマー型認知症。
レビー小体型認知症脳血管性認知症前頭側頭型認知症といったようなものがあります。
今のお話だけ伺うと風見さんのお父様はアルツハイマー型の可能性が高いのかなと。
(風見)そういうふうに診断されましたね。
それから綾戸さんのお母様だとこちらのレビー小体型の可能性があるのかなと思いながら聞かせて頂きました。
こうやってお話を伺っててもいろいろ知らない事が一つ一つほどけていくっていう感じなんですけどもねどんなお便りが来てるんでしょうか。
塚原さんお願いします。
はい。
ではまず質問ご紹介していきます。
…という質問です。
続いて東京都50代岸由香里さんから「診断出来ず困っています」という声です。
「実家の79才の母親に認知症の症状が出始めて半年経過しました。
母親本人は病院医者嫌いでいくら説得しても行きません。
早く専門医に診て貰いたいと家族は思っていますがこのままですと全く診て貰えぬまま状態が進行して行くと思います。
診断を受けさせるにはどうすれば良いでしょうか?」という質問ですが。
診断を受けさせるにはどうすればいいかと。
そうですね。
最初のご質問のような場合には地域包括支援センターというようなものが地域の自治体にありますのでそういったところに相談をして頂くいうのが一つかと思います。
それからもしかかりつけ医の先生がいらっしゃればかかりつけ医の先生に相談をしてその上で専門医に紹介をして頂くというのがいいかと思います。
でもなかなか病院に連れていきたいんだけどお医者さんのとこ連れていきたいんだけど行かないのよねってこれはどうしましょう?やはり認知症というのは自分がもの忘れをしている事を忘れてしまって自分はどこも悪くないと思っておられますので「認知症だから病院へ行こう」とかあまり真っ向から攻めずに例えば腰が痛いのがよくならないのであれば「ちゃんとしたとこへ行って診てもらいましょう」というような感じでですね。
私はよく例え話で直球勝負をせずに変化球でやわらかく病院受診を勧めてあげるいうのをお勧めしております。
なるほどね。
さあ家族が認知症になったら私たちはどう向き合えばいいんでしょうか。
「ハートネットTV」や「あさイチ」で継続的に取材をさせて頂いている女性がいらっしゃいます。
実の両親の介護で追い詰められていく中である事がきっかけで気持ちの余裕を取り戻す事ができたというんですね。
ご覧下さい。
自宅で認知症の両親を介護してきた…母親の明子さんは2008年父親の和久さんは2010年に認知症と診断されました。
明子さんは…歩行障害や言葉が出にくいなどの症状があります。
そして和久さんは…実際には存在しないものが生々しく見える幻視があるのが特徴です。
自分を育ててくれた父と母が変わっていくつらい現実。
谷さんには両親の同時介護という負担が一気にのしかかってきました。
はいつかまって…。
はいじゃあ行きます。
母親の明子さんは朝デイサービスに行く事を嫌がりそのために自分の予定をキャンセルする日々が続いた事もありました。
夫や子どもの世話も十分にできず教育費の足しにしたいと続けていた週5日のパートも辞めざるをえませんでした。
中でも最も悩んだのが認知症に関する情報不足でした。
いくつかの病院を回りましたが薬は出してくれるものの具体的なアドバイスはありませんでした。
インターネットで情報を集めるしかなかったのです。
不安ばかりが頭をよぎりいらつく日々が続きました。
両親にきつくあたる事もあったといいます。
次第に追い詰められていった谷さん。
3年前地域の広報誌に載せられていたある情報にふと目が留まりました。
月に1度開かれる認知症の家族のための交流会です。
わらにもすがる思いで参加した谷さん。
実際に介護を続けている人にしか分からない苦労を語り合う事で少し救われたといいます。
本音を打ち明けられた事で少し気持ちに余裕ができた谷さん。
両親にも優しく接する事ができるようになったといいます。
一人で抱え込まないっていう事だと思うんですが谷さんは現在はお父さんは施設にいらっしゃってお母さんを自宅で介護されているという事です。
綾戸さんどうご覧になりました?いやいや。
そりゃもう「せやせや」って画面やのにうなずいてまうわ。
私も一緒や。
でもね助けた言葉一つ私もあった。
ああいうコミュニティーではなくすし屋さんで「それあんた頑張ってるのは自己満足やわ」って言われた時にちょっとムカッと来てんけどじ〜って考えたら当たってなくともないなと思って。
自己満足?自己満足イコールエゴもあるやんか。
…でエゴってあんまり人さんにええ影響ないやと考えたら。
悪い事ばっかり。
やめよう思て。
みんなに分けよう思て。
「あんたこれして。
あれして」って言うようになっているうちにデイサービス覚えて。
私でないとあかんとこと先生でないとあかんとこと分かってきた。
クールに「はい」ってやんのはやっぱ看護婦さんやないとあかんわ。
私やっぱ「は〜い」ってやってまうわ。
すごく分かりますね。
風見さんは男性でしょ?男とすればあんまり言いたくないとかってそういう気持ちになりませんでした?そうですね。
また父の場合は母の方が先に他界していましたので…。
…でまあ僕は息子ででも父65歳だったのでまだ体の方はすごく元気だったんですよ。
ある日どうしても…父としては正しいんですよ。
自分の車を運転したいって言いだしたんですね。
免許を持った自分が自分の車を運転するのがどこが悪いんだって事ででも僕は絶対させてはいけないから一度父を背中から羽交い締めで倒したんですね。
その時すごく不思議な気持ちになって涙が止まらなかったです。
(綾戸)分かるわ〜!その時に僕も同じように「もう一人じゃ無理だ!」。
エゴになってね。
そうです。
かっこつけて僕一人でやってもそれは無理。
介護してるからええ事ええ事って言うてまうねん。
何のこっちゃないエゴやねんこっちは。
ある程度あんねんそれは。
浦上さんやっぱり一人で抱え込まない。
誰かに相談するっていう事はすごく必要な事なんですか?そうですね。
やはり人に聞いてもらう事はすごく大事な事でやはりまた一方で自分は何でいい介護ができないんだろうとご自分を責められたりあるいは何で自分だけこんな不幸な目に遭うんだろうと思われたりそれがやはり先ほどのビデオのように家族の会に出られると同じ境遇の人がいっぱいいるんだという事で安心される。
私も鳥取県の家族の会の代表の方によく言われるんですけどもやはり家族も第2の患者ですよと。
家族のケアも大事ですよという事をよくお伺いします。
介護についてもメールお便りが来ているようですね。
塚原さん。
(塚原)はい。
はい続々と届いています。
まず香川県50代ミンミンさんの「イライラします」という声です。
「主人の母が認知症です。
嫁にお金を取られていると周りに言われわたしの知らないところで話が大きくなっているかと思うと毎日介護しているのにとつらくなったりいらいらしたりします。
自分が精神的にダメになりそうになります。
皆さんはどうされているのでしょうか?」。
続いて東京都80代ジジさんからです。
「翻訳器は出来ないか」というお声なんですが…。
(塚原)…という強い思いです。
とてもその身につまされるお話ですけどね。
どうお聞きになりました?そうですね。
最初のご質問なんですけどもやはり熱心に介護しておられる方が犯人扱いされてしまう。
あなたがとったんでしょといって言われてしまうような事がありますので私たちはできるだけ早めにそういった情報をですね「あなたが熱心に介護しておられるから犯人扱いされるんですよ。
私はそうやって犯人扱いされたらかえって勲章をもらったぐらいに思って下さい」というように説明をするんですけどそうしないと何でこんな苦労して介護してる私はこんな事言われないといけないのといって落ち込んでしまわれるいう事なんですね。
それからもう一つのご質問のなかなか言葉が通じないという事なんですけど認知症という病気は言語によるコミュニケーション能力が低下してしまう病気なんですね。
ですからいくら大きな声を出しても意味が分かりませんから私は外人さんとコミュニケーションとる時のように英語がうまくできなければボディーランゲージで動作で伝えてあげて下さい。
よう分かるわ。
うち宇宙人や思てますから。
そうですか。
で先ほどねお二人もおっしゃったけどやっぱ一人じゃ抱えきれないやっていう時に介護保険サービスっていうものがありますけどもそれで見ていきますといろいろデイサービスであったりとかですねそういったものがある訳ですよね。
こちら出てくると思いますけどもデイサービスショートステイ訪問介護というふうにありますけどもこれは日帰りで食事や入浴レクリエーションなどのサービスを受けられるのがデイサービス。
自宅でホームヘルパーが介護や家事などをしてくれるのが訪問介護。
特別養護老人ホームやグループホームなど施設への入所も介護保険が適用できる。
こういうのもうまく利用するという事が必要なんでしょうね。
ご自分だけで全てやってしまおうとするとやはりいっぱいいっぱいになってしまいますのでこちらの3つは在宅での生活を支援するサービスでありますしこちらは施設でサービスをさせて頂くような入所を目的としたサービスになります。
お便りもありますけど皆さんいろんな悩みを抱えてらっしゃる訳なんですけども実は今こうした認知症の人や家族を地域で支えようという新しい取り組みが始まっているんです。
ご覧下さい。
2月4日。
土橋地区の住宅街の公民館である集いが行われました。
午後1時次々と集まってくる町の人々。
よろしくお願い致します。
1年半前に始まったこの集い。
認知症カフェと呼ばれています。
この日参加したのは認知症の人や介護する家族医師や介護スタッフなどの専門家そして地域の住民たちなど合わせて81人。
認知症について情報交換し何でも気軽に相談できる場として注目されています。
参加費は100円。
コーヒーとお茶は飲み放題です。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
このカフェの特徴は認知症の人も生き生きと運営に関わっている事です。
(取材者)何か元気出ますね。
はいはい。
認知症の夫を介護している荒井銀さん77歳。
介護する家族にとってもカフェは大切な場所。
毎月必ず夫婦で通っています。
夫の清一さんは70代半ばからもの忘れが激しくなり度々財布や鍵を無くすようになりました。
3年前認知症と診断されたのです。
一人で悩んでいた銀さん。
1年前近所の人に清一さんの症状を話したところカフェに誘われ通うようになりました。
家ではあまり話をせずデイサービスにも行きたがらない清一さんですがこのカフェはお気に入りのようです。
カフェでは長時間同じ状態が続くとストレスになってしまう認知症の人に配慮して30分ごとにメニューを替えるなど工夫を凝らしています。
認知症の専門の医師が素朴な疑問に答えるコーナー。
1と言ったら?
(一同)1。
ほかにも地元のフィットネスクラブによる体操タイムやミニコンサートなど参加者全員が楽しく過ごせる雰囲気づくりを大切にしています。
地域で支えあう土橋地区のカフェ。
参加している近所の人たちは町なかでも認知症の人やその家族に声をかけるようになったといいます。
時には認知症の人の早期発見につながる事もあります。
月に一度おしゃべりを楽しみ認知症への理解も深まる認知症カフェ。
あなたの町にもあるといいと思いませんか?綾戸さんこういうものがある…。
これ絶対必要。
あのね私仕事のせいか元からの性格のせいか知らんけど道で会うたらどこの県もどこの区も関係なしボーダーラインなしに「ちょっとおばあちゃん見といて」って言うタイプやねん。
郵便局に置いて坂下りて忘れもんの傘取りに行った事ある。
「5分で帰ってくるから!」言うて郵便局におばあちゃん置いて…。
そういう事をできる人間とかやってまう人は別やけど普通一般…そんな事でけへんやん。
「このおばはん誰や」言われるやんか。
そんな時にこういうちゃんと決まって行ける場所があるという事これはええ事やね。
私そう思うわ。
風見さん認知症の人も要するに認知症でない人もみんな一緒になってやってるんですね。
見てると皆さん笑顔が出てらっしゃるじゃないですか。
僕も一時父の顔から笑顔が消えた時期があったんですね。
もう生きる気力なくしたのかなと思うような…。
でもこうやって笑顔が出てるっていうところがすごいなと今思ったんですけどでもこういうのどこで情報…どこに行けばこのカフェの存在を知る事ができるんですか?これね認知症カフェを運営してるのは自治会とか病院地域包括支援センターなどさまざまなんですけども認知症カフェっていう名前じゃなくてサロンっていう名前を付けてる所もあるそうでしてこういう「どこどこでやっていますよ」っていうのは地域包括支援センターに聞くと教えてくれる…。
(綾戸)区役所とかも分かる?区役所でも分かるんじゃないんでしょうかね浦上さんね。
はい。
今今のビデオのような取り組みがとてもいい取り組みであるという事が評価されまして新しい国家戦略として出されている新オレンジプランの中にもこの認知症カフェというのは入ってきておりましてこれがこれからどんどん全国的に広がっていくと思います。
そうですよね。
…って事はもうかなり広がりがあるんですね。
はい。
いいと思いますよ。
私前品川区におってんけどその時は手紙が来るねん。
こういう介護してる人ばっかりのお茶会があんねん年に1回。
その中からも交流もあるしね。
向こうから手紙が来る事もある。
みんな一緒になって「近所のおばあちゃんこうだよああだよ」って言える中であの人ちょっと最近調子おかしいね違うねっていう事も分かるっていう…。
いろんな機能がありますよね。
そうですね。
見守りっていうか…そんな感じしますよね。
父の時も最初はとにかく不安なのはこの先父がどうなっていくのかが全く分からない。
自分で勝手に悪い事悪い事を考えてしまったりもするんですよ。
でも先輩といいますか経験のある方の話を聞くとまだこういう段階があるんだなってちょっと予想がつくだけでもすごく心の荷が下りたような感じがした事もあったんですけどね。
それにしても認知症カフェというものですね認知症のご本人がコーヒーを一生懸命運んでらっしゃるっていうのは本当それは驚きでもあるしうれしい話だしほほ笑ましい事だと思うんですけども実は認知症の人が認知症になっても自分らしく生きたいと認知症の人自身が自らの思いを積極的に語り始めてるんです。
3年前アルツハイマー型認知症と分かりました。
建設作業員として働いていた青山さんは親方に依頼されたものを取り違えたり何度も失敗が続いたりするようになり仕事を辞めざるをえませんでした。
青山さんは今都内のデイサービスに通っています。
ここでは認知症になってもできる事を大切にしていきたいと考えています。
一日の過ごし方を決めるのも本人です。
青山さんこの日は近所の学童保育で清掃ボランティアをする事にしました。
や〜逃げろ〜!や〜!や〜!認知症になっても人生が終わる訳ではない。
社会の一員として共に生きていける。
一人でも多くの人にこの事を伝えたいと青山さんは思っています。
今日は青山仁さんと青山さんが通っているデイサービスの代表を務める前田隆行さんにお越し頂きました。
夜遅くなりますけど本当ありがとうございます。
よろしくお願いします。
どうですかスタジオの雰囲気は。
随分違うなと…。
あ〜そうですか。
ふだんとは違いますよね。
青山さん若くして認知症というふうに診断されたんですけどもその診断を受けた時はどういうお気持ちでしたか?まあすごい衝撃でしたよね。
このまま死んじゃった方がいいのかなぐらいな事はありましたけどね。
まあ幸いあの…何ですかねこちらにいる前田さんですとかほかの人たちに恵まれてだんだんだんだんいい方へいい方へっていうふうにいくように自分でもそういうふうに考えましたしえ〜やはりほかの人からのそれをえ〜…。
いいですよ。
ゆっくり。
はい。
まあとにかくあの〜あんまりくよくよしないという事ですね一番考えたのは。
前田さんお隣でずっとご覧になってて見続けて…青山さん本当にいろんなご経験されたんですね。
はい。
青山さんは…私たちデイサービスなんですけれどもそのデイサービス見学にいらした時なんかは本当に表情が暗くて。
娘さんと一緒に来られたんですが娘さんの後ろをこうとぼとぼ歩いてるようなそんな印象でした。
そうですか。
それはでも随分変わったんですね。
そうなんでしょうね。
フフフ…。
でもやっぱり誰かがいてくれるっていうのがやっぱりいいと思いますよ。
誰かがいてくれるって隣の前田さんをじ〜っとご覧になりながらおっしゃってましたけど前田さん。
前田さんたちのなさってるデイサービスっていうのはどう違うんです?これまでのものと…。
今までの多くのデイサービスと違う点というのはやっぱり青山さんだったりだとか認知症当事者の方私たちのところメンバーさんと言いますけれどもメンバーさんの思いを実現できる場であって道具であって手段であるというそういったデイサービスを目標としないでデイサービスを利用する事で初めてその思いの実現に一歩近づくというそんな場所です。
青山さん子どもたちにはすごく人気者みたいなんですけど私見て驚いたんですけども今何かこう楽しみっていうか何が一番楽しみですか?やっぱり子どもたちと思いっきり遊ぶっていう事かなと思いますね。
子どもたちが本当にじゃれるようにくっついてきますもんね。
はい。
もう勘弁してくれっていうぐらいまで…。
もう汗びっちょびちょになって帰る事もありますしそれが何かこう気持ちがいいんですね。
また明日も行ってやろうっていうふうになるようになってきました。
まあそれから自分でもだんだん明るくなってきてるんじゃないかなと…。
前田さんはどうご覧になってます?いや本当青山さん当初いらした時の青山さんと比べると本当明るくなりましたね。
でも少し何かこうぽっちゃりした感じ…。
ぽっちゃり。
ハハハ…。
お太りになったんですか?最近ダイエット中みたいです。
綾戸さん何かお聞きになりたい事あります?いや〜普通のおっちゃんやから何でかなっていう気がずっとしてて何か面白い人気のおっちゃんやねんなと思て。
人気のおっちゃんですか?人気者やもん。
キャーキャー言われてるし。
分からん。
これがねやっぱり胃が悪うなって顔がブツブツ出来たりとか症状が分からへんやんか。
そやから余計困る時もあるやろね。
その辺がね。
でも明るうなったいうのはよろしいな。
はい。
それはもう絶対に必要。
「人と…」というのもよかったわ。
私も独り嫌やもん。
浦上さんやっぱりご本人がこうやっていろんな形で声を出されてる。
それを聞くという事というのは専門家の方からはどう見えますか?そうですね。
これまでの医療福祉というのはどちらかいうと周囲の方が勝手に決めてしまっていたとこがありましてやはりご本人の声を聞いて本当にご本人が望む事を先ほど前田さんが言われましたけどデイサービスでも周りが押しつけるんではなくてご本人のしたい事をさせてあげると。
こういうのが非常にいいんじゃないかと思いますね。
実は青山さんのように認知症になっても自分らしく希望を持って生きられる社会を作ろうという事で認知症の方自身が発信していく動きこれ当事者のグループで結成されてるんですけども青山さんもそのグループのお一人という事なんですがどうですか?今これだけ明るくなったっておっしゃいましたけど青山さん改めて皆さんに伝えたい事っていうのはここでありますか?もうだからくよくよしてもしょうがないと明るく一生懸命頑張って長生きしましょうと…。
まあそんな感じですかね。
そうですか。
はい。
本当に今日は夜11時がだんだん近づきましたが夜遅くなりましたが本当にありがとうございました。
お二人。
本当にありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
さあいろいろとご一緒に考えてきたんですけどももう一つ知っておきたい事気になる事がありますよね。
「認知症キャンペーン」では認知症の予防についてもお伝えしていきます。
何がポイントなんでしょうか。
去年11月世界の認知症の専門家などが東京に集まり国際会議が開かれました。
新しい治療薬の開発や介護のしかたと並んで大きなテーマとなったのが認知症の予防です。
どうすれば予防する事ができるのか。
実は認知症は生活習慣と深い関係にある事が分かってきています。
世界の研究によると…認知症の予防にとって日頃の生活習慣に気を付ける事はとても重要なポイントです。
浦上さん認知症予防と生活習慣病というのは結構関係深いんですね。
はい。
最近そういう事がよく分かってまいりまして認知症が発症したり認知症が進行していく過程で生活習慣というものが非常に大きく影響している事が分かってまいりました。
その中で日頃の生活のしかた…。
運動の少ない方がなりやすいとかお酒を飲み過ぎるとなりやすいというような事とかですね。
それからまた生活習慣病ですね糖尿病などのそういった生活習慣病をきちっとコントロールする事によって発症やあるいは進行を防げるという事が分かってまいりました。
今お話にありましたけれども運動も認知症の危険度を下げると見られているんですね。
ここからはですね認知症の予防につながる運動について研究していらっしゃいます国立長寿医療研究センターの島田裕之さんに伺っていきます。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
さあ何をどういうふうに運動しましょうか。
運動がですね非常に認知症の予防に有効であろうという事が分かってまいりました。
その中でもただ単に運動するだけではなくてですねある事を同時に行う事が非常によさそうだと。
同時に?同時に行うという事なんですね。
それは頭を使いながら運動して頂く。
これが非常によさそうだという事です。
でこちらはですね我々の研究の成果でございますけれども1年間そのような運動をして頂きますと今までは記憶力というのはなかなか上げる事ができなかったんですね。
ところが認知症予防のためのプログラムをやって頂きますとこのように記憶力の向上が期待できるという事が科学的に明らかになりました。
今「認知症キャンペーン」でも予防運動プログラムをご紹介しております。
体操の佐藤弘道さんがやり方をですね分かりやすく教えてくれますのでそちらご覧下さい。
最初は「さくら」から。
せ〜の。
さくら。
らくだ。
だるま。
まりも。
もり。
一人ではなく何人かで一緒にするのがお勧めですよ。
だるま。
まんとひひ。
「ひ」?え〜そこ難しいな。
え?「ひ」?ひので!えっと…。
デリシャス。
駄目かな?駄目?一日30分週に3日以上行うのがお勧めです。
ごま。
「ま」が好きですね。
すいません。
「ま」が多いですね。
いや〜なかなかできそうでねできないんじゃないかなと。
今の運動はですねしりとりと段昇降ですねこれを同時に行って頂いた訳ですけれども今日はですねしりとりではなくて算数を…。
あ〜!算数を!こう上り下りしながら?そうですね。
これをしながらですねまず山本さんから順にですね100から3を引いていって下さい。
これこうやってやればいいですね。
そうですね。
みんなそろってやりましょうね。
いきますよじゃあ。
やりますよ。
はい。
100引く397。
94。
91。
88。
84。
うん?うんうん?84から3引いたら81。
78?74。
(笑い声)4…。
74から3を引いたら71。
何かいつも全部1ついてる…。
ありがとうございました。
このようにですね間違えても全然いいんですね。
でも間違えても運動は続けながらやって頂くというのがコツになります。
スキャットやったらできてんけどな。
「シュビドゥビシャバダバ!」って言うたら…。
ちょっとそれは速いかもしれないですよね。
ご家庭でやる時にはですねこのような段ないと思いますので階段でやって頂いても構いませんけれども転倒にだけは気を付けて頂きたい。
転ばないようにという事ですよね。
認知症の予防運動プログラムはほかのバージョンも実はありましてそれはミニ番組やホームページからの動画でご覧頂けます。
そちらの方を是非見てやってみて下さい。
ではご紹介しましょう。
先ほどご出演頂いた青山さんへメッセージです。
続いて…。
(塚原)宮城県の20代達也さんから頂きました。
そして最後…。
ほかにもたくさん頂きました。
皆さんありがとうございました。
じゃあ最後にひと言ずつ。
綾戸さんどうでした?今日。
うちのおばあちゃんの言葉で締めたいと思います。
「車椅子に乗って認知になるまで生きたなおおきに」言うてます。
長生きできたと。
風見さんは?もうこれからは自分の家族じゃなくてもどこかで認知症と関わり合っていかなくてはいけない時代になると思うのでやっぱり今からいろんな事を知っておくのと知らないのでは大きく違うなっていうのを感じました。
浦上さん。
今日は本当49分間の短い中でいろんなものをこうお伝えしたんですけどどうだったですか?やはり認知症というのは正しく理解して頂く事が何よりも大事ですので今日はいろはという事でしたけども今日の番組を通してまた今後認知症というものをできるだけ正しく理解して頂けるようになればと期待しております。
NHKでは番組やウェブインターネットを通じてこの認知症に関するいろいろな情報をこれからも発信していきます。
私もここに立って思う事はあまりにも認知症について知らない事が多すぎたなっていう気がしますよね。
だから時間かかるかもしれないんだけれども皆さん一つ一つ丁寧に「認知症ってこういうもんだ。
こういう時はこういうふうにした方がいいんだ。
地域をちゃんと見てみよう」そういう事も含めて考える事が大切だなというふうに思いました。
本当に皆さん今日はありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
情報はお伝えし続けます。
2015/07/14(火) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
認知症キャンペーン「認知症 わたしたちにできること」[字][再]

誰にとっても他人事ではない認知症。本人の思いを聞き、介護する家族や地域が支えあうヒントを伝える。認知症のイロハや予防体操も!ゲスト:綾戸智恵、風見しんご

詳細情報
番組内容
「認知症ってなに?」「どんな症状があらわれるの?」「認知症と診断されたら?」など専門家による「認知症のイロハ」をはじめ、ゲストの介護体験談や地域で支え合う新たな取り組み「認知症カフェ」も紹介。世界的な課題「認知症の予防」にも注目。なりにくい生活習慣や予防体操も解説。さらに認知症の人自身のお話も伺う。認知症について正しく知り、自分のこととして考えるヒントが満載。【ゲスト】綾戸智恵、風見しんご
出演者
【ゲスト】綾戸智恵,風見しんご,【解説】鳥取大学医学部教授…浦上克哉,国立長寿医療研究センター室長…島田裕之,【司会】山本哲也

ジャンル :
福祉 – 高齢者
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
福祉 – その他

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