安保法案衆院通過:怒れる市民「歯がゆい」 国会前で抗議

2015年07月16日

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安保関連法案に反対する国会前集会でプラカードを手に抗議の声を上げる人たち=2015年7月16日午後7時25分、後藤由耶撮影

 国会前には16日も、「戦争法案反対」などのプラカードを掲げた市民らが多数集まり、台風の影響で時折雨が降る中、安全保障関連法案の衆院可決に抗議の声を上げた。

 集会が始まる前には警察が設置した金属柵を巡り、小競り合いが起きる場面も。その後間もなく可決の報が伝わり、野党の幹部たちが次々現れてスピーチを行った。

 午前中から議事堂正面に陣取った東京都国分寺市の元教員、山本昭仁さん(65)は「衆院通過が歯がゆい」と悔しがった。昨年まで勤めた小学校では、児童に平和の尊さや憲法について教えてきた。「日本が70年守った平和は大切なブランド。まだまだ活動を広げたい」と、老若男女が集まった国会前の交差点を見渡した。

 川崎市の主婦、川上明子さん(36)は、ピンクのハートと「LOVE平和」の文字で彩った自作のうちわを手に訪れた。「特別な活動家じゃなくても、構えずに反対の声を届けたい」。コールにあわせてうちわを振り、「安保法案が成立すれば、子供たちだけでなく同じ日本人が戦争に行くかもしれない。それが前提の平和って嫌だなと思う」と語った。

 横浜市の販売業、清水寛さん(43)は衆院通過を聞いてはっとし、怒りを覚えて仕事後に駆けつけた。「憲法を踏みにじった法案で政府の説明は整合性がとれていない。これで終わりじゃない」と力を込めた。【三股智子】

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