世界警察捜査網 THE追跡 2015.07.13


ビルの廊下で男同士が殴り合っているとの通報が入った。
韓国仁川警察のパトカーが繁華街にある雑居ビルへと急行する。
パトカーが現場に到着するとほぼ同時に救急車も到着。
ケンカが起きた現場には目を疑う光景が。
おびただしい鮮血がべっとりと残っていた。
ケンカの激しさを物語っている。
ここで一体何が起きたのか?血だまりの横の階段には殴り合った当事者同士なのか?双方とも顔を腫らし口からかなりの出血をしている。
酔っているからなのか?それともいいパンチをもらったからなのか?男の1人は立つ事すら出来ない。
完全にグロッキー状態だ。
男は歯がなくなったという。
しかしどこを捜しても見つからない。
歯が折れるほどの殴り合いをしながらも妙によく見ると顔が瓜二つ。
なんと2人は30代の兄弟だった。
つまりド派手な兄弟ゲンカ。
その原因は弟の結婚話。
兄は弟の結婚が自分より早く決まった事に腹を立て順番が違うと激高。
酒の勢いもあり殴り合いになった。
韓国では弟が兄より先に結婚する事は好ましくないと考える人もいる。
互いに訴える意思がないため事件には至らなかった。
兄の歯はその後の治療で口の中に刺さっていたのが見つかった。
日本の警察を追ってきた『THE追跡』スタッフがタイ。
薬物の取引現場。
麻薬捜査員が売人を追い詰める。
摘発の瞬間!韓国。
日本とは違うカラオケスタイルを利用し脅しをかける恐喝3人組を徹底捜査。
白昼の大追跡が始まった。
ブラジル。
最強部隊がスラム街に巣くう窃盗団と対決。
(警察官)その場を動くな!
(爆発音)戦慄の現場を目撃する。
日本で生まれた交番制度は世界で評価されている。
韓国警察官の装備を見せてもらうと拳銃や警棒そしてスタンガンなどを所持しこれらの道具を駆使し日々犯罪と向き合っているのだ。
だが韓国の警察官にはもう一つ強力な武器がある。
これを使えば騒ぐ者を沈黙させる効果があるという。
それは…。
汚い言葉を発する者に対して警察官が行うこの警告。
韓国には警察官を侮辱した者は現行犯で逮捕出来るという法律が存在する。
武器を使わずに相手を制圧出来る。
まさに伝家の宝刀だ。
我々『追跡』スタッフはソゴ地区隊の警察官に密着。
この言葉の威力を目撃する事となる。
韓国では事件の内容などを確認するため現場へ向かう警察官が通報者と直接連絡を取り合う事が多い。
飲食店から数人の男性が店内でケンカをしているとの通報。
警察官が向かった先は騒然としていた。
いがみ合っていたのは3人の男女グループと60歳を過ぎた一体何があったのか?まず3人組に話を聞く。
トラブルの最初は仲良く会話をしていた2人。
しかし酒が進むにつれてケンカに発展。
熱くなり飲んでいた酒を互いにかけ合った。
その酒が3人グループに飛び散ったので注意したところ今度は絡んできたのだという。
警察官が到着してしばらく経つもこの年配2人組の熱はいっこうに冷めてはいない。
トラブルの原因を作っておきながら悪びれる様子が全くない年配の2人組。
それどころか…。
自分たちの方が被害者だと言い張る。
だが店内にいた他の客も2人の横暴ぶりを証言。
日本では運転免許証などで行うのが一般的だがしかし…。
この一言に警察官が反応。
韓国の警察官にとっての最大の武器伝家の宝刀を抜く。
侮辱罪と聞いて年配男の顔色が変わった。
これが侮辱罪警告の効力。
さっきまでの勢いはどこへやら。
年配の男性2人組はおとなしく退散していった。
実際にどの程度の侮辱で逮捕になるのか?そして我々『追跡』スタッフはその瞬間を目の当たりにする。
コンビニで客と店員のトラブル発生。
客が店に設置された陳列棚を壊し因縁をつけているという。
現場は繁華街にあるコンビニ。
すでに店内に男の姿はなかった。
どんな状況だったのか防犯カメラの映像を確認してみると…。
深夜の店内に入ってくる中年男2人組。
酔っているのか店内を徘徊したあと商品の缶ビールをレジに持ってきた。
そして店員に因縁をつけながらその場でビールを開けレジカウンターをあたかもテーブル代わりに飲み始めた。
そしてこの時黒いジャンパーの男が故意ではないようだがチョコレートの陳列棚を倒していった。
これにより商品が全て落下したという。
さらに支払われたビールの代金は男の手によって無残に破られていた。
その時周辺を警戒していた警察官から事を起こした男の1人を確保したとの一報が。
場所はコンビニから200メートルほど離れた路上。
そこには店内でビールを飲んでいたあの黒いジャンパーの男がいた。
やはり酔っているようだ。
破った金さえ弁償すればおとがめはないのだが事態は違う方向へ動き出していた。
男は警察官に呼び止められて激高し「ろくでなし」と暴言を浴びせていた。
その言葉に対し警察官は警告する。
このまま素直に謝罪すれば何事もなく済む。
だが男がとんでもない事を口にする。
警察官に「ろくでなし」と暴言を吐いた男。
その言葉に対し警告する。
何もわかっていないのかこの男とんでもない事を口にする。
散々暴言を吐き続けた男を侮辱男を警察署に連行。
コンビニでの一件は罪に問われる事がなかっただけに警察官に素直に接していればこのような事態を招かずに済んでいた。
それは交番内にある特殊な造りのエリア。
ここは被害者からの相談や訴えなどを聞くスペース。
その向かいにあるのが容疑者専用スペース。
暴れてもケガをしないように壁や床にクッション材が使用されている。
またイスは手錠が繋げられるようになっている。
そんな仁川警察ジュアン地区隊交番に怒号が響く。
(男)ちょっと待てよ。
連行されてきたのは手錠をかけられたオレンジ色の中年男。
なぜか左足に靴を履いていない。
そしてもう一人。
緑色の服の中年男は警察官に抱えられ交番の中へ。
こちらも手錠をかけられている。
容疑者専用スペースに入れられた2人。
そこから出ようとするが…。
容疑者専用スペースを隔てるポリスラインを出る事は厳禁。
それでも言う事を聞かない場合はあのイスの仕掛けに手錠を繋がれる。
(男)あっ!おい!不思議な事にこの男もオレンジの服の男同様靴がない。
一体2人は何をしたのか?2人がいる反対側の被害者専用スペースにその理由を知る男性がいた。
被害男性によると前方でオレンジ色の服の男の車が道路の真ん中をゆっくりと走っていた。
男性がクラクションを鳴らすと男が車を降りてきて運転席の男性をいきなり叩いた。
さらに後ろを走っていた車から緑色の服の男が降りてきて車を蹴ったり揺らしたりしたという。
被害男性が視界に入ると…。
よほど年下にクラクションを鳴らされた事が悔しかったのかズボンがずり落ちている事にも気づかず猛抗議。
しかしすぐにポリスラインの中へ戻される。
実はこの2人現場の警察官に暴行し靴は暴れている時に2人とも脱げてしまったのだという。
素性を調べると…。
この2人は兄弟との事。
仕事から帰る途中に2人で暴行事件を起こしお縄になった。
そして怒りが収まらない兄がある行動をとる。
ズボンを繋ぎ留めていたベルトを投げ捨てた。
公務執行妨害の現行犯で逮捕された兄弟が交番内で大暴れ。
ついに暴れられないようその時兄の携帯が鳴った。
すると弟が…。
兄弟ならではの連係プレー。
結局2人は警察署の留置所へ行く事になったのだが兄の怒りは収まらない。
ベルトを投げて警察官に八つ当たり。
ところがベルトがなければ…当然ズボンはずり落ちる。
全ては自業自得。
兄はパンツ姿のままパトカーまで連れて行かれる事に…。
警察官が脱がしたのではない。
一方弟は靴がないままパトカーへ。
兄弟をどこの国にも警察官の手を焼かせる連中はいる。
韓国仁川。
夜の街中で異様な光景に遭遇。
街中で隊列を組んだパトカーが走行していく。
日本では大きな事件の解決後警察が帰庁する際に見られる光景だ。
何か大事件でもあったのか?やがてパトカーの隊列が停車。
そこで我々は一番前のパトカーに乗っている指揮官らしき人物に話を聞いてみた。
(スタッフ)どうもこんにちは。
アンニョンハセヨ?隊列を成しパトロールする多目的機動警ら隊は昨年から実験的に仁川警察が始めた警ら手法。
隊列を組んで走る事により警察の強さを誇示出来犯罪抑止の効果が期待されている。
そんな多目的機動警ら隊に指令が下った。
仁川市内のコンビニで窃盗事件が発生。
パトカー2台が隊列から離れ急行する。
現場へ向かうのは120キロの巨漢…。
普段は控えめで寡黙なタイプの警察官。
しかし一転現場では…。
巨体を揺らし激走!決して早い方ではないが事件現場への一番乗りを心がける熱血漢へと変貌する。
窃盗事件が発生したのはほんの30分前。
走れトンカツ隊員!現場に到着するとコンビニの店主夫妻が気の毒なほど落ち込んでいた。
一体どんな状況だったのか?トンカツ隊員が事情を聞く。
寝ている間になくなったのはお札ばかりでおよそ5万円。
3日分の売り上げ全てを盗まれたという。
寝てしまった自分を責める夫。
苦労して稼いだ金を取られ落ち込む妻。
そんな夫婦を目の当たりにしたトンカツ隊員は…。
トンカツ隊員は店内に入った時からあるものに注目していた。
それは2台設置されている防犯カメラ。
店主が寝てしまったのは午前1時頃から1時間ほど。
犯人はその時間帯に来店している可能性が高い。
防犯カメラを再生すると午前1時半過ぎ若い男が来店。
商品を手にする事なくなぜか真っすぐレジに向かった。
レジの横に立った男はお金がある方向にそっと手を伸ばす。
しかし様子をうかがっているのかその動作をしきりに繰り返す。
すると次の瞬間…。
男の手には紙幣らしきものが握られている。
そしてそそくさとその場を去って行った。
なんと男は居眠りをしている店主がレジのすぐ横にいるにもかかわらず大胆にも売上金を盗み取って行ったのだ。
男は二十歳前後。
ミリタリーコートにダメージジーンズを着用。
身長は180センチ以上ありそうだ。
店主夫妻も全く知らない男だという。
翌日トンカツ隊員は犯人を逮捕すべく現場周辺の捜索に当たった。
ターゲットはミリタリーコートにダメージジーンズを穿いた長身の若い男。
しかしここ仁川は韓国有数の大都市。
似たようないでたちの若い男は星の数ほど存在する。
機動性を発揮しながらもパトカーだけの捜査では限界があった。
そこで犯行現場を管轄している交番も動く。
交番勤務の警察官も捜査のために街に放たれた。
警察官たちが繁華街にある商業施設を徹底的に洗っていく。
一方トンカツ隊員は雑踏の中に犯人が紛れていないか目を光らせる。
地道な捜査が続く。
そして犯行から24時間が経とうとしていたその時…。
交番の警察官がインターネットカフェで犯人と酷似した男に事情を聞いているという。
現金窃盗の犯人なのか?トンカツ隊員が現場へ急行する。
犯人に酷似した男がひそんでいたのは繁華街から少し外れたインターネットカフェ。
店内には警察官に囲まれた長身の男。
関与を否定する男。
だが身長185センチほどダメージジーンズを穿いているなど犯人と酷似点が多い。
男はここでゲームをしていたと犯行時刻のアリバイを主張。
犯行時刻の午前1時30分頃長身の男はここにいたのか?トンカツ隊員がインターネットカフェの防犯カメラを調べる。
だがその時間店内に男の姿は見当たらない。
すると…。
ここにいたと主張する男だったが犯行時刻から19分後の午前1時49分外から店の中に入ってきた。
その服装は…。
コンビニの防犯カメラに映っていたものと全く同じ。
犯行現場からここまでは徒歩5分ほどの距離。
完全に男のこれらの決定的証拠を突きつけられても長身の男はのらりくらり。
そこで…。
長身の男を男は23歳の無職。
釜山から仕事を求めて5日前に仁川にたどりついたのだという。
所轄の交番に到着しても反省の色は全くない。
暇を潰すかのように携帯電話をいじる。
盗んだ金は5万円。
うち3万円が消えていた。
その後金は風俗とインターネットゲームに使った事が判明。
自らを「走るトンカツ」と呼ぶチョン・ビョングァン隊員の執念がスピード解決に導いた。
翌日あの夫婦にも犯人逮捕の一報が入っていた。
事件は解決したものの盗まれた売上金の全てが夫婦のもとに戻ってくる事はなかった。
深夜のパトロール。
本部から突然指令が入った。
特別なカーナビを搭載している韓国のパトカー。
現場の住所や通報者の音声記録などを全て自動で表示する。
その内容は不審者の住居侵入。
通報してきたのは若い女性。
自宅のドアを何者かが叩き暴れているという。
パトカーから果たして女性は無事なのか?なんと家の中で暴れているという。
夫婦の間に一体何があったのか?インターホンを押してもマンションの入り口はオートロック。
他に中に入る事が出来る場所はないのか?するとすぐ脇に開いたままになっている窓を発見。
体を滑り込ませる。
電話での女性のおびえ方は尋常ではなかった。
もたもたしている時間はない。
ここが通報してきた女性の自宅。
玄関には荷物ともゴミともわからないものが散乱している。
さらにドアノブや鍵も壊されている。
ただ事ではない!
(ドアを叩く音)すると中からかすかに人の声が…。
助けを求めているのか?その時ドアが開いた!果たして女性は無事なのか?そして南国タイでは麻薬捜査員と密売組織の攻防を追跡!次々と現れるヤクの売人。
おとり捜査で取引現場に突入する!女性から玄関先で不審者が暴れているとの通報。
ドアを壊し部屋の中に押し入った不審者は夫だった。
警察官が中に入る。
床には衣服が散乱している。
上半身裸で赤ちゃんにミルクをあげているのが暴れていた夫。
しかし電話で助けを求めていたどこにいるのか?すると部屋の奥で身をひそめ震えている女性が…。
夫が暴れながら家に入ってきたので怖くなって逃げ込んだという。
警察官を見て安心したのかゆっくりと出てきた。
結婚して2年。
夫は酒が原因でこれまでにも何度か警察の世話になっているという。
2人に話し合いをさせるため警察官が妻を呼ぶ。
ところが…。
妻は夫に離婚を申し出た。
実は数日前も夫は酒に酔って暴れ寝室の窓を壊していた。
涙ながらに離婚を迫る妻。
しかし夫は別れる気はないと突っぱねる。
夫婦の話し合いが終わるまで警察官は隣の部屋で待機する事に。
しかし1時間半経っても終わらない。
夫婦には女の子が生まれたばかり。
これを機に夫も酒癖の悪さを改め家族3人円満に暮らしてくれればよいのだが…。
そして2時間が過ぎた頃ようやく話し合いが終わった。
夫婦が下した決断とは…。
夫は酒をやめると約束。
子供のためにやり直すと誓った。
妻はもう一度夫を信じる事にした。
壊れたドアを閉めながら警察官は再び通報がない事を祈った。
ここに仁川のFBIとも称される捜査機関がある。
仁川警察の精鋭軍団広域捜査隊。
殺人を除く暴力団や窃盗団などによる全ての凶悪な組織犯罪に対応。
その捜査3係がこの日ある凶悪事件の捜査に乗り出そうとしていた。
指揮を執るのは…。
食らいついたら離さない…。
カラオケ店に脅しをかける取り立て屋。
巻き上げた金を管理する金庫番。
そして…。
マムシ係長も警戒する凶悪なボスだ。
3人は札付きの元暴力団員。
新たな組の設立資金を得るためカラオケ店実に52店舗を恐喝していた。
しかもその手口は韓国特有のカラオケスタイルを悪用する狡猾なものだった。
韓国では男性客がカラオケボックスに入店すると派遣のホステスが同席する。
一緒にデュエットしたり歌に合わせチークダンスを踊ったりして楽しむという。
そこで3人組が考えたのは街の派遣ホステスを牛耳る事。
法外な派遣料を奪った上カラオケ店に脅しをかけ1店舗あたり日本円にして毎月およそ10万円ものショバ代まで搾り取っていた。
ショバ代を断った店にはホステスを派遣しないと恐喝。
従わざるを得ない状況に追い込むのだ。
わかっているだけで毎月500万円以上荒稼ぎしていた。
新たな暴力団の設立など断じて許さない!マムシ係長たちは3人が直接経営するカラオケ店を突き止め内偵に向かった。
3人が暴力団の拠点にしようとしているのは仁川市内にある繁華街。
この付近のカラオケ店52店舗が無法なショバ代などの被害に遭っていた。
その店は繁華街のど真ん中にあった。
3人組の1人3人はショバ代を拒む店に対し「殺すぞ」と脅しをかけたり…。
こわもての手下を送り込んで客を寄せ付けないようにし営業を妨害するのが常套手段。
3人はそうやって奪った店を自分たちの店として経営していた。
捜査員が取り立て屋の店を張っていると…。
恐喝を担当する取り立て屋の車がやってきた。
最初に降りてきたのは20代の長髪の女。
そして女に続き1人の男が悠然と降りてきた。
取り立て屋だ。
肩で風を切るように店に入っていく。
一方ボスの店を張り込む捜査員。
ここにも動きが…。
乗っ取ったカラオケ店に入っていく女連れのボスらしき男。
さらに金庫番の店を張っていた捜査員も店に入る金庫番と女の姿を確認した。
ここにも女…。
なんと3人は乗っ取ったカラオケ店を愛人たちに経営させていた。
相当に羽振りがいいのか?このままでは奴らが新たな組を立ち上げる日も近い。
捜査員は悪質な恐喝の裏付けを取るためあるカラオケ店に急いだ。
オーナーは50代の女性。
実はこのオーナー以前奴らに「殺すぞ」と脅され経営していたカラオケ店を乗っ取られていた。
ようやく新たな店を始めた矢先再び3人が恐喝に来たというのだ。
やはり3人組は新しいカラオケ店を見つけては脅しをかけているようだ。
複数の被害者に捜査協力を求めて数日後…。
マムシ係長のもとに恐喝の決定的な証拠が届いた。
その映像に映っていたのは3人がカラオケ店のオーナーを集め食事をしている様子。
ある食堂に設置された防犯カメラ。
店の奥に注目。
マークする3人組とカラオケ店のオーナー7人。
一見懇親会のようだがオーナーたちの様子は重苦しい。
すると店員がいる目の前で…。
金庫番が中には現金が入っているのか?裏を取れば恐喝の決め手となる。
男たちは茶封筒を受け取るなり用は済んだとばかり席を立った。
後日食事をしたオーナーに確認すると茶封筒の中身はさらなる決定的な証拠も入手した。
カラオケ店のオーナーと取り立て屋そのやりとりを録音した音声記録だ。
これは紛れもない脅し文句。
これまでの捜査で3人組の行動が明らかとなった。
3人が自分のカラオケ店に現れるのは決まって夜8時から9時の間。
その後の行動はバラバラ。
ただ1人取り立て屋だけは店に来る前必ず愛人を迎えに行く事がわかっている。
そして運命の日。
50店舗以上のカラオケ店を恐喝し新たな暴力団設立を狙う3人。
奴らを逮捕する!作戦はこうだ。
3人1組のチームを3班作る。
ボスの逮捕チームと金庫番逮捕チームは2人がカラオケ店に現れる夜8時に合わせ店の前に待機。
取り立て屋逮捕チームは取り立て屋の愛人宅から車で追跡する。
そして3人同時に確保。
タイミングがずれれば情報が流れ姿をくらましてしまう。
なんとしても警察の動きを察知される前に繁華街を牛耳る3人組に引導を渡す。
夕方5時ボスの逮捕チームは経営するカラオケ店の正面に到着。
ボスは極めて用心深いため離れた位置から監視する。
金庫番逮捕チームは店の出入りが見通せるカフェで待機。
姿を現す瞬間をひたすらに待つ。
取り立て屋は必ず愛人をカラオケ店に送っていくため愛人の自宅を張り込む。
全ての配置は整った。
取り立て屋はすでに愛人宅に来ているのか?捜査員が車の確認に向かう。
だがその時予想外の事態が!左側の通り過ぎた直後車に乗って駐車場を出た。
いつもより3時間も早い。
感づかれたのか?予想外の行動をマムシ係長に伝えつつあとを追う。
作戦は3人同時確保。
見失うわけにはいかない。
白昼の追跡劇が始まった。
と突然目の前で取り立て屋の車が止まった。
怪しまれぬよう取り立て屋の車の横をいったん通過。
その先で待ち受ける。
捜査員が車を降り様子をうかがうと…。
取り立て屋の車が動き出していた。
店はこの交差点の左方向。
当然取り立て屋も左へ…そう思っていた。
ところが…。
予想に反し店とは反対方向へ。
包囲網を嗅ぎ取ったのか?精鋭デカたちにも動揺が走る。
渋滞の中距離を縮めようとした瞬間なんと取り立て屋の車がいつもと違う気配を察知逃走を図ったのか?作戦は3人同時確保。
だがもはや緊急事態。
そして…。
このまま追跡を続ければ気づかれて他の2人に連絡を取られてしまう。
緊急逮捕に踏み切った!取り立て屋を共同恐喝の容疑で緊急逮捕。
取り立て屋を緊急逮捕の連絡が金庫番逮捕チームに入る。
街には3人の手下がうろついている。
取り立て屋逮捕の情報が漏れるのは時間の問題。
金庫番はもう姿を見せないかもしれない。
そして電話から30分…。
捜査員たちが走る!金庫番はまだ何も知らないのか警戒する様子はない。
想定外の事態の中金庫番も観念したように罪を認めた。
残るは本丸。
警戒心の強いボス1人。
だが…。
ボスは店に現れない。
マムシ係長の胸に不安がよぎる。
2人の緊急逮捕で警察は慌ただしく動いた。
ボスの張り巡らすアンテナに引っかかってしまったのか…。
愛人宅に向かうが気配はみじんもなかった。
捜査員たちが肩を落とす。
その日以来ボスの姿は街から消えた…。
ボスを逃がせば暴力団設立の芽を残してしまう。
だがボスの店では…。
組の設立資金への執着からか営業を続け毎日愛人が出勤していた。
マムシ係長たちは考えた。
女は必ずボスと接触し続けている。
そこで携帯電話会社に協力を要請し愛人の発信履歴とGPSの示す位置情報を入手した。
すると…。
携帯電話の位置情報から愛人は定期的にホテル街に通っている事がわかった。
マムシ係長はそこでボスと接触しているとにらんだ。
手分けして懸命に夜の街に目を凝らしていたその時…。
目の前を走る愛人の車。
信号待ちで止まった隙に捜査員が車の中を確認するや色めき立った!運転しているのはボス本人。
ついに闇にひそむ姿をとらえた!すぐに別の捜査車両に連絡。
もう逃がすわけにはいかない。
ボスの運転する車が真正面に現れた。
真夜中の大追跡が始まった!街中のカラオケ店から金を脅し取ってきた3人組。
そのボスを発見!絶対に逃がさない。
追跡に気づいたのか突然スピードを上げた。
この橋の先には1軒の公共施設があるのみ。
そこまでは1本道。
もう逃げ場はない!ボスの車は施設の駐車場に飛び込んだ。
出入り口を塞ぎ中を捜す。
すると…。
闇に紛れたボスの姿が消えていた。
中には愛人が1人。
(女)何言ってんのよ!愛人の女をボスの逃亡を手助けした愛人を置いてまだこの近くにいる。
執念の捜査が始まった。
ついにボスは見つからなかった。
だがマムシ係長は諦めていない。
望みは広域捜査隊に連行した愛人の女。
愛人を逮捕されたボスは必ず出頭してくる。
マムシ係長の読み。
すると後日ボスから電話が入り出頭を約束したのだ。
そしてその当日。
現れたボスをこうして新たな暴力団設立をギリギリで阻止。
街に平穏な日を取り戻した。
夫が執拗に殴ってくると妻からの通報。
近年韓国では夫婦間のDVから殺人事件に発展するケースもあるという。
ソゴ地区隊のパトカーが急行する。
現場はアパートの3階。
争う声は聞こえない。
部屋の中にいたのは中年の夫婦。
まずは夫を妻から引き離す。
温和な表情で出てきた夫。
一見暴力をふるうようには見えない。
だが部屋の中に入るとその暴力のすさまじさがうかがえた。
震える妻。
その顔は何度も殴られたためか痛ましいほどに腫れ上がっていた。
まだ内縁関係だという2人。
内縁の夫は酒を飲むと豹変し暴力が止まらないという。
悪い事とは自覚しているらしい。
このまま放っておけば命に関わる重大事件に発展しかねないと警察官は判断した。
内縁の夫に殴られながらも離れられない妻。
その理由は…。
家族の目を気にしての事なのか?暴力を受けても泣き寝入りし続ける妻。
警察官の説得に妻は決心したのか荷物をまとめ始めた。
自分を取り戻すため家を出て行く妻と呆然と見送る内縁の夫。
妻が去る現実に遭遇し内縁の夫は完全に酔いがさめたかのようだった。
妻を乗せたパトカーはいったん交番へ。
着の身着のまま出てきた彼女は警察官の説得により身の振り方を決める事に。
そして担当警察官が私服に着替え始めた。
全てが大きな犯罪にならないための任務。
妻がゆっくり眠れる日々はやって来るのだろうか?深夜2時。
駅前で大ゲンカ。
手がつけられないと当事者から通報。
どういう事なのか?ジュアン地区警察隊のパトカーが向かう途中…。
最初の通報の時よりさらにケンカがエスカレートしているようだ。
ところが…。
何人もの目撃者が通報するほどの大ゲンカ。
だが周囲に騒ぎの気配はない。
警察の到着を察して逃げたのか?と聞き込みをしていたその時!
(男)うっせえな!ケンカの張本人たちは植え込みでもみ合っていた。
そこには40歳以上の中年男女5人。
ケンカの原因は一体なんなのか?通報したのは意外にも一番興奮しているこの女性。
聞けばこのグループ4人兄弟と次女の夫の5人組。
いわば兄弟ゲンカだ。
酒の席で次女の夫が次男の金遣いの荒さを責めた事からケンカに発展。
長女が通報したものの止めているうちに自分も頭に血が上ったらしい。
金遣いが荒いと言われた次男は怒りが収まらない。
指摘した次女の夫が近づくなり…。
なんだやるのか!?慌てて長女と長男が割って入る。
すると今度は次男の怒りが止めに入った長男に向けられる。
これに長女の怒りがまた爆発!人目もはばからず大ゲンカを続ける兄弟5人。
原因は次男の金遣いの問題だけではなかった。
昼から深夜まで…。
一体どれだけ飲んだのやら。
ようやくタクシーでご帰宅となった。
その後まだ飲み直そうとでもいうのか長男と長女は仁川のネオン街へと足を向けた。
深夜0時過ぎ女性が倒れているとの通報。
しかも道路の真ん中だという。
そこは街灯の少ない暗がり。
目を凝らしながら進むと…。
前方に車にひかれたのか…とすれば一刻の猶予もない。
警察官たちが駆けつけるが女性は車にもたれて動かない。
その時プ〜ンと強烈なにおいが鼻を突いた。
酔っている。
道路と自宅を間違えるほど泥酔。
とりあえず歩道に避難させる。
それが長い夜の始まりだった。
身元を調べるため財布を確認すると…。
財布の中はお札でビッシリ。
日本の札を合わせてざっと15万円ほど。
この女性何者なのか?警察署に身元を確認する。
確認の結果女性は近所の住民と判明。
会社の役員だという。
女性は大金を所持しているためこのまま放っておけば窃盗や強盗の被害に遭いかねない。
警察官たちは自宅へ送り届ける事に。
ところがこのあと女性がとんでもない行動を連発。
警察官もぼうぜん。
さらにブラジルでは…。
(銃声)特殊部隊がスラム街にはびこる窃盗団と対決。
命をかけた緊迫の現場を目撃する。
泥酔し路上に寝込んでいた女性を警察官がなんとか自宅マンションの前まで連れてきた。
鍵は暗証番号式。
番号を入力すればドアが開くはずなのだが…。
開かない。
酔いすぎて番号を思い出せない。
女性は一人暮らし。
部屋では愛犬も帰りを待ちわびている。
警察官がある作戦を思いついた。
時に警察官に構ってもらいたくて家に帰らない酔っ払いがいる。
姿を隠せば落ち着いて自分で鍵を開けるかもしれないと考えたのだ。
息を殺し待つ事20分。
作戦失敗。
再びそばへ行くと女性はチューインガムでライターに火をつけようとする有様。
もう訳がわからない。
(女)もうやだ…。
このまま放っておくわけにもいかず結局交番で保護する事に。
通報からすでに2時間半が経過。
しかしこれでもまだ一件落着とはならなかった。
交番に入るなり今度はトイレへ駆け込む。
そして…。
一体何が起きたのか?何もなかったようだ。
だがいつまでたっても出てこない。
さすがに心配だ。
もう一度様子を確認すると…。
今度はトイレの中でご就寝。
まったく手の施しようがないとはこの事。
対処に困った警察官たち。
開いているのはあの場所だけ。
容疑者専用スペース。
ここなら床や壁にクッション材が入っているので酔っ払って転んでもケガをする心配はない。
すると案の定…。
午前5時。
遠方に住む女性の親戚と連絡がつきようやくお引き取り頂ける事になった。
しかし相変わらずへべれけ。
通報から実に5時間半。
女性は暗証番号を思い出すまでひとまずホテルへ。
いやはや長い夜だった。
仁川市内を守る多目的機動警ら隊。
パトロール中にその一報は入った。
不動産会社からの通報。
深夜の事務所に何者かが侵入したという。
窃盗犯か?ただちに現場へ。
普段夜間は消灯しているという室内には明かりがついていた。
一体ここで何が起きているのか?正面に回ると自動ドアは開いていた。
やはり何者かが侵入しているのか?呼びかけるが返事はない。
事務所はもぬけの殻のようだった。
しばらくすると1人の男性が現れた。
男性はこの不動産会社の経営者。
会社を辞めた男が勝手に事務所に入ったと訴えた。
その男がいるという店へ向かう。
店の前に着くと中から男が出てきた。
警察官の質問に男は言葉を詰まらせる。
何かあるのか?そして経営者が事務所を調べるとこんな光景が目に入ってきた。
聞けば男は会社を辞め家を失ったために毎晩古巣に忍び込んで休んでいたという。
ひとまず交番まで任意同行。
男は後日調べに応じる旨の出頭同意書にサイン。
だが今夜の寝床はない。
深夜若い女性からの通報。
駆けつけるとアパートの前には騒動の一部始終を見たという目撃者がいた。
なんと若い母親が子供を抱えて3階の窓から飛び降りようとしていたという。
だが通報者がその母親とすればなぜ自ら通報しておいて飛び降りようとしたのか?すると…。
幼い子供を抱えた母親が逃げるようにアパートから飛び出していく。
靴も履かず裸足の状態。
ひどく取り乱している。
アパートの3階から幼い子供と一緒に飛び降りようとした若い母親。
警察官が駆けつけると家から飛び出してきた。
一体何があったのか?母親は相当動揺しているのか靴も履かず裸足のまま。
飛び降りようとして夫に殴られていたという母親。
実家に戻りたいとパトカーに乗り込んだ。
母親の口元は腫れ出血していた。
やはりDVなのか?母親の靴を持ってやって来たのは彼女の夫。
一体この夫婦に何が?夫によると興奮して子供と一緒に飛び降りようとする妻を止めるため仕方なく殴ったという。
夫からさらに話を聞く。
すると妻が酒を飲んで騒ぎ出し手に負えなくなったと打ち明けた。
確かに妻は相当酔っていた。
妻は興奮状態。
このままだとまた子供を巻き込む可能性もある。
警察官の制止すら聞かず子供と立ち去ろうとする妻。
なんとか引き離す必要がある。
安全を考え子供を引き離したが一層泣き出す始末。
(子供の泣き声)妻は酔いが回って足元も完全にふらついている。
その上子供を取り上げられ激高する一方だ。
ようやく話を聞きパトカーへ向かう妻。
ところが引き返す。
そしてなんとか騒ぐ母親をパトカーの中へ。
子供も再び母親の胸に。
このあと母親と子供を乗せたパトカーは保護という名目で120キロ離れた母親の実家へと向かった。
ヤーバーという薬物を知っているだろうか?その密売ルートはタイの北部ミャンマーラオスとの国境付近。
ここはゴールデントライアングルと呼ばれる麻薬密造地帯なのである。
ゴールデントライアングルに程近いタイ第2の都市チェンマイでは今ヤーバーが大きな社会問題となっている。
捜査課には薬物乱用者や売人を震え上がらせてきたすご腕のデカがいる。
ヤーバーの撲滅を目指すタイ警察。
この日麻薬捜査員に緊急召集がかかった。
そんな矢先…。
ヤーバー使用の男が家から出たところを捜査員が確保したとの連絡。
現場はサンサイ警察署から2分足らず。
男はヤーバーの常習者だという。
危険が伴う薬物捜査。
捜査員は常に銃を装備している。
だがこの銃日本の警察のように支給されたものではない。
現場ではすでに容疑者を確保。
男は31歳。
所持品の検査をするがヤーバーらしきものは持っていない。
捜査員が取り出したのは薬物の検査器。
尿を検査器に入れヤーバーの成分があるかを調べる。
男は諦めているのか黙って従う。
果たして…。
結果は明らかな陽性。
男をタイの法律では麻薬の売人や運び屋は所持していた量などにもよるが最高で死刑。
使用者は数年の実刑となるケースがある。
しかし刑を軽くする方法がある。
それはつまりおとり捜査に手を貸す事なのだ。
警察への協力それはすなわち仲間を裏切る事。
刑が軽くなるとはいえ危険と隣り合わせ。
本人にとって難しい選択を迫られる。
果たして男は…?あっさりと落ちた。
男から聞いた売人の名前をデータベースで検索する。
男に顔を確認させる。
男がヤーバーを買ったのは…。
ヤーバーの売人ともなれば武装している可能性が高い。
ほとんどの捜査員が銃口を向けられた経験がある。
協力者となった男に取引に使う金を渡し現場へ向かう。
捜査員が同行しおとり捜査の状況をこっそり見守る。
男を連行してからここまでに要した時間わずか30分。
このスピード感こそが薬物捜査の生命線。
売人の自宅はこの路地の奥。
今まさに確保のタイミングは取引終了直後。
そこへおとり捜査の協力者となった男が戻ってきた。
売人はヤーバーを切らしているという。
後日売人がヤーバーを持っている事を確認し逮捕する手はずとなった。
それまでの間この男は警察の協力者として自由の身となる。
だがこの日のおとり捜査はこれからが本番だった。
大量のヤーバーを扱う密売組織を一網打尽にする。
5時間後午後6時。
チームリーダートムパッカーン率いる麻薬捜査員たちが慌ただしく動き出した。
なんと別の協力者からの情報で売人からヤーバーを買う手はずになっているという。
これから協力者の女性と合流するらしい。
ほとんどの協力者は過去にヤーバーの使用で逮捕された事がある。
独自の購入ルートを持っているのだ。
女性は捜査車両の中。
協力者は赤ん坊を抱いている女性。
あとは電話で取引場所を決めるだけだという。
このおとり捜査が成功するかどうかは協力者の女性にかかっている。
早速売人に連絡。
取引の場所を決めさせる。
その立ち回りが捜査を大きく左右するのだ。
売人に感づかれれば姿を消すのは明らか。
果たしてうまくいくのか?まだおとり捜査だと気づかれていない。
売人が取引場所に指定してきたのは車で5分ほど離れたポイント。
そこは沼地沿いの路上。
赤いTシャツに白いスクーターでやって来るという。
売人が先に到着していればその場で確保。
まだ着いていないようなら取引現場付近に捜査員が身を隠し現れるのを待つ。
待ち合わせ場所の沼地が近づいてきた。
果たして売人はいるのか?白いスクーターを発見。
だが男の姿が見当たらない。
その時捜査員が動いた!男はのんきに釣りをしていた。
素直に自分の名前を答える男。
売人なのか?ウエストバッグの中身を調べても出てくるのは釣り具ばかり。
隠し持っていたのは白い包み紙。
その中身は…。
観念したのか黙りこくっている35歳の男。
さらにもう1つの包み紙にも…。
それぞれ10錠ずつ合計20錠のヤーバーを所持していた。
ウエストバッグにヤーバーを隠し持っていたこの売人をヤーバー20錠を所持していれば実刑は免れない。
男に残された選択肢は長い刑務所暮らしをするか警察の協力者となって刑を軽くするか。
ひとまず男をサンサイ警察署に連行。
だがこの逮捕はほんの手始めに過ぎない。
売人にヤーバーを流したさらに上の元締めまで捜査の手を伸ばし組織を壊滅させるのが狙いだ。
チームリーダートムパッカーンの取り調べが始まった。
男は突然別の警察の協力者だと言い始めた。
男が警察の協力者だというのは真っ赤な嘘。
トムパッカーンの目はごまかせない。
この男あっけなく仲間を裏切った。
男はサンサイ警察署の隣の管轄メーリム郡の山岳民族からヤーバーを買っているという。
その山岳民族が住む場所は…。
男にヤーバーを買ったという元締めへ電話をさせる。
男が捕まった事を嗅ぎつけ警戒しているのか?偶然繋がらないだけなのか?そうしている間にも男の携帯にはヤーバーが欲しい客からの電話がひっきりなしにかかっていた。
覚せい剤と同じ成分を含むヤーバー。
その依存性は極めて高い。
結局この日ヤクの元締めと電話が繋がる事はなかった。
だが翌日の午前11時男の携帯が鳴った。
相手はヤクの元締め。
ヤーバー取引の交渉を開始。
売買するヤーバーの数200錠。
元締めが取引場所に指定してきたのはサンサイ警察署から30キロほど離れたポイント。
かつて一般人の立ち入りが規制されていたエリア。
目印は路上に立てかけられた青い看板。
近くにはバスケットボールの練習場がある。
そこから青い看板までは一本道。
元締めの男はその道をバイクに乗ってやって来る。
発見次第確保する作戦。
このおとり捜査失敗するわけにはいかない。
200錠ものヤーバーをいとも簡単に用意出来る元締め。
これまでどれほどの薬物を売りさばいてきたか計り知れない。
取引の時間まで1時間を切った。
綿密に作戦を練る暇はない。
立ち入りが規制されていたエリアに入る。
取引の場所はここだ。
だが一本道と思われた取引場所には舗装されていない脇道があった。
元締めの男が先に現れる事を想定し捜査員2人が取引場所に待機。
茂みの中に身を隠す。
男の言うとおりバスケットボールの練習場があった。
その先には…。
元締めのアジトはこの山あいの中にある。
捜査員はバスケットボールの練習場に待機。
間もなくこの道をバイクに乗って来るであろう元締めを待つ。
だが約束の時間を30分過ぎても姿を現さない。
何台かバイクは通るが全くの別人。
そこでもう一度元締めに電話をさせる。
それからわずか2分後…。
取引場所に現れた元締めの従兄弟を張り込んでいた2人の捜査員が確保したという。
男は舗装されていない脇道からやって来ていた。
茂みの中で捜査員が運び屋を確保。
このあとヤクの運び屋が現れた。
茂みの中にはバイクごと倒された男がうずくまっている。
捜査員に発見され逃げようとしたが飛びつかれて転倒。
確保された。
厳重に梱包された袋の中には…。
200錠はあると思われる元締めの従兄弟も簡単に寝返った。
アジトには元締めを含め他に仲間が3人いるという。
今がアジトを潰す絶好のチャンス。
まずは元締めの従兄弟を捜査員は男を確保する際茂みに身を隠していた。
予想に反し不意に脇道から現れたため慌ててバイクに飛び乗り数メートル引きずられ確保した。
引きずられた際捜査員はケガを負っていた。
その場で簡単な処置を済ませる。
そして舗装されていない道を車に揺られ突き進む。
大量の違法薬物ヤーバーを売りさばく元締めがこの先に身を潜めている。
現場付近に到着。
武装した捜査員がアジトへ突入する。
ターゲットは元締めを含めた3人の男。
相手も銃を持っている可能性がある。
一瞬の躊躇が命取りとなる瞬間。
一瞬で男たちを確保。
まだ20代の若者2人。
だが肝心のとりあえず男たちの所持品を確認する。
元締めのアジトは山あいに建てられた小さな山小屋。
ヤーバーを隠し持っていないか周辺をくまなく探すがどこにも見当たらない。
取引をした200錠で最後だったのか…?見つかったのは薬物の吸引器。
そして散弾銃の薬莢。
自分たちは下っ端だという若い男2人。
こわもてのトムパッカーンがやって来るとすぐに口を割った。
またも簡単に寝返った。
すぐ近くで畑仕事をしているという元締めの男。
その場所まで案内させる。
緑がうっそうと茂る細い道を息を殺し足音を忍ばせながら向かう。
元締めがいる畑に近づいた。
ようやくたどり着いた山奥の畑。
ここにヤクの密売組織最後の1人がいる。
手下の男に確認させるが姿が見えない。
畑を耕しているのは元締めではないという。
警察に気づき逃げたのか…。
確認出来るのは大人2人。
畑仕事の手を休め小屋で休憩を取り始めた。
果たして満を持してチームリーダートムパッカーンが前進する。
畑を見渡す事が出来る位置。
そして…。
何かを確認。
トムパッカーンの合図を受け身を隠していた捜査員たちが一斉に動く。
タイで蔓延する薬物ヤーバーを売りさばく一味の元締めが目の前にいる。
チームリーダートムパッカーンの合図を受け捜査員が一斉に確保に向かった。
この男が元締めだ。
ヤーバーの密売組織最後の1人を確保。
往生際の悪い元締め。
自分ではないとシラを切る。
だが手下の男がすぐに元締めで間違いないとばらした。
元締めの男を男は23歳のミャンマー人だった。
捜査2日目にしてヤーバーの密売組織を一網打尽にした。
しかし…。
この日押収したヤーバーは191錠。
足りない9錠はこの日の朝自分たちで使ったという。
オレンジ色の錠剤に混じる緑色のヤーバー。
これは100錠ごとに1つ入っている。
麻薬の売人であれば実刑は免れない。
死刑を宣告されるケースもある。
この日の逮捕者は全員が20代。
これがタイの薬物汚染の実態だ。
銃がたやすく手に入るこの国では銃による犯罪があとを絶たない。
そんな犯罪に対応する精鋭部隊がブラジル最大の都市サンパウロにある。
特殊部隊ガーハ。
武装した凶悪犯と戦うため日々厳しい訓練を行っている。
常にライフルを所持し事件に備える。
そんなガーハの現場で想像を絶する事態に遭遇する!この日は特殊部隊ガーハによる検問が行われた。
…が日本のそれとは全く違う。
ブラジルでは警察官から逃げようと猛スピードで検問を突破する者が多いという。
そうした相手に銃口を向けるのはただの威嚇ではない。
その瞬間はすぐにやって来た。
(銃声)ブラジルサンパウロ州警察の特殊部隊ガーハ。
地元警察の要請を受け検問を実施。
ここは所轄の警察官も手を焼くエリアだという。
検問を突破しようとする者を制する。
その時1台のバイクが…。
(銃声)猛スピードで突破するバイクに容赦なくだが追跡はしない。
理由はすぐ次の者が来るからだという。
そんな中…。
検問を突破しようとした2人組を確保。
2人は盗難したバイクに乗っていたため検問を突破しようとした。
これほどの強制力を持つ特殊部隊が存在するのには理由がある。
ブラジルではなんと年間500人近い警察官が職務中に命を落としているのだ。
犯罪の最前線に立つガーハ。
そんな彼らに新たな事件が!バイクに乗っていた2人組を呼び止めた。
所持品を調べると…。
マリファナの包み5つを隠し持っていた。
詳しい話を聞くため手錠をかける時2人の腕を絡ませるのは逃走を防ぐ拘束手段。
強化ガラス製の荷台に乗せるのもガーハ流だ。
そんなガーハが最も警戒する場所それがファベーラと呼ばれるスラム街。
犯罪の多発エリアで多くの窃盗団が暗躍している。
ここに足を踏み入れた警察官が命を落とすケースも少なくないという。
飛び込んできた一報に緊張が走る。
現場はそのスラム街だという。
盗まれた日本製のバイクがスラム街にあるという。
ブラジルではバイクに盗難された場合に備えGPSをつけるのが一般的。
通報はGPSを管理する警備会社からだった。
スラム街に入ったその時…。
男の横には…。
この男がバイク窃盗犯なのか?特殊部隊ガーハが銃口を向ける。
男の横には…盗まれたバイクがあった!バイクが自分のものではないと言う男。
男とともに家の中へ入っていくと…。
ジャージーを着た男を追及する。
やはりこの男がバイクを盗んだ犯人なのか?だがさらに厳しく追及するもののジャージーの男は借りているだけだと主張。
そして持ち主は近くにいると話す。
本当なのか?ジャージー男を連れて向かう。
そこには…。
建物の前に男たちがたむろしていた。
たむろしていた男は6人。
この中にバイクの持ち主がいるのか?ジャージー男を問い詰める。
バイクを貸したのは青いシャツの男。
盗んだ犯人なのか?男は犯行を否定。
しかしポケットの中にはバイクのものらしい鍵が。
本当に自分のバイクの鍵なのか?男の家のすると中には…。
他にもバイクが見つかった!さらにバイク部品の数々。
そして犯行を裏付ける証拠が…。
バイクの窃盗犯を突き止め犯行の証拠を探していると…。
ガレージに3台のバイクがあった。
そしてロッカーの上には調べるとガレージにあるその場にいた6人全員をブラジルでは犯罪に関わったと疑われた者は警察署に強制的に連行される。
その後の捜査で6人はバイクを盗み売りさばく窃盗団と判明。
さらなる余罪を追及している。
世界中で発生する凶悪犯罪。
その対応は国によって違う。
だがどの国の隊員も常に命をかけている。
我々はこれからも世界中の警察官を追跡する!2015/07/13(月) 19:00〜21:48
ABCテレビ1
世界警察捜査網 THE追跡[字]

『列島警察捜査網THE追跡』が密着取材の場を世界に拡大!韓国・タイ・ブラジルの警察官たちを長期密着!悲惨な事故の真相、犯人逮捕の瞬間を緊迫の完全追跡!!

詳細情報
◇番組内容
【韓国:仁川(インチョン)警察】
「THE追跡」のカメラは、韓国第3の都市を守る、仁川警察に長期密着!
ここ数年増加の一途を辿る壮絶な家庭内DVの現場に潜入!そして、仁川のFBIとも呼ばれる『広域捜査隊』では、新興暴力団の立上げを画策する恐喝3人組を徹底捜査!韓国独自のカラオケスタイルを利用した新たな資金稼ぎを目論む男たち…3人同時逮捕作戦の一部始終に密着!白昼の大追跡劇…その結末は!?
◇番組内容2
【タイ:チェンマイ県警察】
「THE追跡」のカメラは、チェンマイ県警察・サンサイ警察署のスゴ腕麻薬捜査班に長期密着!“ゴールデントライアングル”と呼ばれる麻薬密造地帯にほど近い場所で、薬物を買った男から売人へ…そしてさらに上の元締めへ。たどり着いた山岳地帯に密売組織のアジトを発見!逮捕はスピード勝負…タイ独自の「協力者」を利用したおとり捜査で、次々と密売人を追いつめていく!
◇番組内容3
【ブラジル:サンパウロ州警察(特殊部隊・ガーハ)】
銃が容易く手に入り、銃による犯罪が後を断たないブラジル。年間500人近い警察官が命を落とすという。ブラジル最大の都市・サンパウロ州警察の特殊部隊・ガーハは、そんな武装した凶悪犯に対応する精鋭部隊。
スラム街で盗難バイク発見の一報!ガーハへの出動指令!横行するバイク窃盗団を一網打尽にせよ!
ブラジル最強部隊vsバイク窃盗団との対決を目撃!

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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日本語
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