命の危機にさらされる野生動物がいます。
このシロサイは密猟者に角をもぎ取られました。
もう一度野生で生きられるよう方法を考えないと。
謎の病気のオットセイ。
CTスキャンで検査が行われます。
組織に異常が見られます。
この部分です。
目が見えないオランウータンは手術で視力を取り戻せるでしょうか。
野生動物を救うために世界各地で獣医師たちが奮闘しています。
けがをしたキリンを早く捕まえないと。
見失ったら最後助けられません。
人間のために開発された最先端の医療技術も活用します。
おとなしくして。
21世紀のテクノロジーで太古からいる動物を救うんです。
冷静な判断。
勇気と情熱。
獣医師たちの創意と工夫が野生動物を救います。
南アフリカイースタンケープの広大な野生動物保護区。
さまざまな動物が草原を自由に動き回る楽園のような土地でシロサイは絶滅の危機に追い込まれています。
角を目当てとする密猟者の仕業です。
角は薬などとして闇市場で高値で取り引きされるのです。
一日に3頭のシロサイが密猟者に襲われています。
角を切り取られ体を傷つけられひどい姿で見つかります。
シロサイの密猟を阻むために獣医師と科学者の一団が良い方法を考え出しました。
今日は保護区のサイを捕まえて実際に試します。
茂みに潜むサイの群れを捜し出すには空からが一番。
ターゲットを絞りました。
体重2トンほどの大きなオスに麻酔を打ち込みます。
(麻酔銃の発射音)麻酔の効果は20分だけ。
急がなくてはなりません。
この作戦は角に赤い染料を注入して角の商品価値をなくしてしまおうというものです。
(ドリルの音)まずドリルで角に穴を開けます。
爪を切るようなもので痛みはありません。
穴に管を挿し赤い染料を高圧で注入します。
染料は角の組織の隅々まで浸透し決して消えません。
このアイデアは銀行が金庫をこじあけられた時わざと紙幣にインクを吹きつける事からヒントを得ました。
染料の成分はサイにとって寄生虫を予防する効果があります。
一方人間には有害なため角を薬などの原料にする事はできなくなります。
数分かけて染料を角に染み込ませました。
密猟者のやり方は残虐極まりないものです。
角はここから生えているのに頭のこの部分にナイフを入れて角をえぐり取るのです。
私がこれまでに見たケースでは鼻や上唇まで切り取られているものがありました。
本当に野蛮です。
1頭目の作業が終わりました。
この日は6頭のサイに同じ処置を施す予定です。
この取り組みが広まれば密猟者は商品価値のなくなった角を取ろうとしなくなるはずです。
ウィルたちは「保護区内のサイは全て処置済みである」という看板を立てメッセージが広く伝わるよう目指します。
犠牲となるシロサイは確実に増えています。
獣医師のウィル・フォウルズが傷ついたメスのサイタンディを見つけたのはおよそ1年前でした。
タンディは密猟者に角をえぐり取られひん死の重傷を負っていました。
タンディは呼吸を荒げのたうち回っていました。
傷から流れる血で地面には血だまりがありました。
立ち上がろうとするたびに傷ついた頭部を地面にぶつけていました。
ウィルはタンディの命をつなぎ止めその後も見守ってきました。
私たち人間のせいでタンディは恐ろしい痛みと苦しみを味わってきました。
せめてもう二度と苦しまないよう守りたい。
傷が良くなるまでそばで見ていてやりたいのです。
タンディは元気を取り戻したように見えます。
しかしもう角が生える事はなく傷痕には大きな穴が開いています。
傷が塞がるために必要な皮膚細胞も残されていません。
サイは角で求愛行動をとります。
繁殖期を迎えるとオスの角がぶつかってタンディのけがが再び悪化するおそれがあります。
ウィルは問題が起きる前に手を打つ事にしました。
タンディに皮膚移植を行うのです。
シロサイに対する皮膚移植は世界でもまだ行われた事がありません。
将来タンディが子供を連れて元気な姿を見せるまで守ってやりたいのです。
東南アジアの熱帯雨林はオランウータンに残された唯一の生息地です。
しかしこの森でも密猟が横行しペットとして売られるオランウータンが後を絶ちません。
森の一角にあるオランウータンの保護センター。
この施設で傷ついたオランウータンに対する最先端の眼科手術が行われようとしています。
センターの設立者ビルーテ・ガルディカス博士は30年以上前にこの地を訪れ以来ずっとオランウータンの保護活動に携わってきました。
この子たちは皆母親を殺されペットとして売られようとしていました。
発見された時ひどい環境に置かれて衰弱していた子もいます。
保護されても子供らしい元気な姿に戻るまでしばらく時間がかかります。
保護されたオランウータンの多くは元気を取り戻して森に返っていきます。
しかし再び保護されたオランウータンもいます。
メスのローズマリーは白内障を患っています。
目の水晶体が曇り今ではほとんど何も見えません。
ローズマリーは囲いの中で子供のロドニーを育ててきました。
ロドニーはとても器用な女の子です。
ローズマリーは我が子の姿さえ見えないのね。
ロドニーは7歳。
そろそろ母親から離れるべき年齢です。
問題はローズマリーがロドニーをそばから離さない事です。
必死で我が子を守っているのだと思いますがこれではロドニーがいつまでたっても外の世界に出られません。
かわいそうです。
そこで問題を解決するためにある人物が南アフリカから招かれました。
動物の眼科手術を専門とする獣医師アイザック・フェンター博士です。
熱帯雨林の奥地に最先端の医療機材が運び込まれました。
ローズマリーの白内障が手術で治せるかどうか診てもらう事になりました。
視力が回復すれば我が子のロドニーとともに森に帰れるかもしれません。
南アフリカでは角を取られたシロサイタンディに皮膚を移植する手術が行われようとしています。
この世界で初めての試みが成功すればタンディは群れの中で繁殖や子育てができるようになるでしょう。
角をえぐられ皮膚の組織を失った部分に体の他の部分から取った皮膚を移植します。
手術を執り行うのは形成外科医のアラステア・ラモント博士です。
人間の患者の皮膚移植なら慣れていますがサイの皮膚を扱うのは全く初めてです。
チームは出発しました。
タンディには発信機が取り付けられています。
空から接近し素早くタンディに麻酔を打ち込みます。
(麻酔銃の発射音)手術の成功率を高めるため体の3か所から異なるタイプの皮膚組織を採取します。
サイの皮膚は非常に分厚く人間の皮膚のように簡単には取れません。
人間の皮膚の厚さは1ミリ程度ですがサイの皮膚は5ミリから20ミリもあるんです。
硬い繊維があるため非常に扱いづらいです。
曲げたりたわませたりする事ができません。
まずタンディの耳の後ろから比較的薄い皮膚の層を採取します。
よしこれぐらいでいいだろう。
皮膚の一部を剥がした。
ほら。
これをどこに移植しようか?傷口の一部に採取した組織を植え付けます。
よし。
次に体の別の場所からより分厚い皮膚組織を採取しました。
これはどこに移植する?この辺かな?こちらの組織の方が質がいいようだ。
(フォウルズ)定着するといいな。
更に傷口のそばの丈夫な皮膚を切り取って移植します。
傷が深くてへこんだ部分にホチキスで留めよう。
人間の手術用のホチキスです。
だめだ。
皮膚が厚すぎて留められない。
別の組織を採取する時間はあるかな?時間が経過するとともに別の問題が生じてきました。
途中だが一度サイの体の向きを変えよう。
右脚が圧迫されてる。
向こう側に押そういいか12の3。
麻酔をかけた状態で長時間横たわっていると体の重みで脚に血が通わなくなるのです。
45分間も右脚を下に敷いていたので少しの間脚に血が流れるようにしてやりました。
処置はあと少しです。
最後に移植した皮膚を守るため抗菌作用のある当て布をします。
人間ならベッドで安静にさせるところですがサイはすぐに泥だらけになるでしょうね。
皮膚移植は終わりましたがタンディは予定より長く眠っています。
目を覚ましてからの5分が重要です。
すぐに歩き出してくれればいいんだが。
無事立ち上がりました。
右脚も問題なさそうだ。
移植した皮膚のその後の経過は3か月後の調査で明らかになるでしょう。
野生動物はけがをしたり病気になったりするとしばしばその症状を隠そうとします。
弱ったところを見せると捕食者に襲われるからです。
そのため人が世話をしていても病気やけがの発見が遅れる事があるのです。
今日動物を飼育するさまざまな施設でハイテク機器は動物の健康管理に欠かせないものとなっています。
よし取ってきて。
ここは南アフリカプレトリアにある動物園です。
いい子ねディー。
オットセイのディーは7歳です。
我が子のようです。
何年も世話をしてきましたから特別な存在なんです。
ディーの異変に気付いたのは飼育員のエルシーでした。
鼻水を垂らし目が炎症を起こしています。
しかし何が原因なのか動物園の獣医師にも突き止められませんでした。
見たところは鼻水が出ている程度ですが頭部に何か異常がありそうです。
万が一悪い病気だといけないので別の場所で精密検査を受けさせる事にします。
病院に運ぶために麻酔をかけます。
オットセイは口の中が柔らかく麻酔をすると口や喉が閉じて窒息してしまうおそれがあります。
これを持ってて。
麻酔で眠っている間確実に呼吸ができるように気管にパイプを差し込みます。
よ〜しこれで大丈夫。
苦しくないはずだ。
12の3。
向かうのは大学の獣医学研究施設です。
ディーは頭部に何らかの疾患がある疑いがあります。
まっすぐにして。
すぐにCTスキャンによる検査が行われました。
最先端の医療機器でディーの頭蓋内部を詳細に撮影します。
今のが目です。
そして更に脳の組織が見えます。
ある問題が見つかりました。
組織に異常が見られます。
この部分です。
画像だけではこれが腫瘍なのか単に粘液がたまっているのか特定できません。
更に検査をする事になりました。
よしそちらの台に。
内視鏡を使って脳の組織の一部を採取し調べるのです。
問題の部分を内視鏡のカメラで捉えました。
角度も深さもぴったり合っています。
よし。
内視鏡についている小さなカッターで組織の一部を切り取りました。
麻酔が効いている間に普段はよく見られない口の中も調べました。
するとひどい虫歯がある事が分かりました。
この犬歯は抜いた方がいいかもしれないな。
虫歯のせいで細菌が脳に入り込み炎症を起こしている事も考えられます。
今日採取した脳の組織は病理学者のもとで検査され2〜3日後に結果が出ます。
それを見てディーの今後の治療方針を決めたいと思います。
悪性の腫瘍でなければいいのですが。
謎の病気が判明するまでしばらくは気をもむ事になりそうです。
よ〜しいい子だ。
抗生物質を処方されディーは動物園に戻りました。
インドネシアのオランウータン保護センターではローズマリーが視力を回復できるかどうか検査が行われようとしています。
目の中の水晶体が濁り今は全く見えません。
ローズマリーの視力が戻れば娘のロドニーと一緒に森に返してやれます。
そうなればローズマリーも幸せだしロドニーは自由に生きられるようになります。
動物の眼科手術の第一人者アイザック・フェンター博士が到着しました。
ローズマリーの視力を回復させるためには水晶体の交換という高度な手術が必要です。
これでよしと。
まず手術が可能かどうか網膜の状態を検査します。
網膜は光に反応する部分です。
もしその部分まで傷ついていたら水晶体を取り替えても視力は戻りません。
電気を消してもらえる?それじゃライトを当てて反応を見よう。
左目からだ。
左目からは何の反応もありません。
残念ながらローズマリーの左目は手術をしても良くならない事が分かりました。
右目も光に反応しなければ手術は中止する以外ありません。
(アイザック)右目は良さそうだ。
(ビルーテ)良かった。
右目だけは手術できる。
いびきをかいてる目の水晶体を交換する手術は顕微鏡を見ながら行われます。
典型的な白内障です。
本来瞳は黒いのに水晶体がくすんで白くなっています。
超音波でくすんだ水晶体を液体状にして慎重に取り除きます。
よしできた。
続いてアクリル製の新しい水晶体を瞳の中に入れ込みます。
あとは位置を調整するだけだ。
しっかり収まりました。
これで光がちゃんと通ります。
網膜の状態もいいし成功でしょう。
(アイザック)よし終わった。
手術は1時間ほどで終わりました。
間もなく娘のロドニーのそばで目覚めるでしょう。
おそらく光にはすぐに反応しますが物がはっきり見えるようになるのはもう少し先になるでしょうね。
目が新しい水晶体に慣れるには時間がかかるのです。
数か月後の視力検査でローズマリーが森に戻れるかどうか結論が出ます。
病気やけがの治療をするには動物の種類によって個別に対処しなければなりません。
(フォウルズ)12の3。
巨大なサイは麻酔で倒れると体の重みで脚が圧迫されます。
オットセイの場合は麻酔にかかっている間に窒息する危険があります。
(エードリアン)これで大丈夫。
苦しくないはずだ。
キリンも麻酔をかけるのが難しい動物です。
ほんの数年前まで麻酔を打たれたキリンの10頭に1頭が何らかの合併症で死んでいました。
安全に麻酔をかけるには今もかなりの技術を要します。
南アフリカの動物保護区で1頭のキリンが傷ついているという知らせが入りました。
小動物を捕まえるための針金のわなに足を踏み入れてしまったのです。
わなは動物が中に入るともがけばもがくほどきつく締まるようにできています。
キリンはわなを木から引きちぎって逃げましたが巻きついた針金のせいで脚に深い傷を負っています。
キリンを捕まえて針金を外すため獣医師のデレク・フェンターが呼ばれました。
針金が脚の皮膚に食い込み神経やじん帯まで傷つけるおそれがあります。
そうなったらキリンは死んでしまいます。
キリンを捕獲するには麻酔を打つ必要があります。
しかしあまり強い麻酔はかけられません。
高さが6メートルもあるキリンは地面に倒れた際に危険が生じやすいのです。
背の高いキリンは脳まで血液を押し上げるために非常に強い心臓を持っています。
そのため横向きの姿勢が続くと血圧が上がりすぎてしまうのです。
脳の血管が破裂してしまうおそれがあります。
キリンに麻酔を打ったらすぐに捕獲し3分以内に麻酔を解く薬を与えなければなりません。
獣医師1人ではそのような事は不可能です。
よし行こうか。
デレクと行動を共にするのはキリンの捕獲を専門とするチームです。
(ルイ)キリンは人間1人では対処できない動物です。
私たちはキリンを捕獲する際常に10人ほどでチームを組んで行動します。
毎年50頭から100頭のキリンを捕獲します。
まずけがをしたキリンを見つけなくてはなりません。
あそこにいる。
近づいて。
銃声におびえて逃げ出さないよう最初の一発で麻酔を命中させなければなりません。
(麻酔銃の発射音)見失うな。
すぐにバイクで追いかけてくれ。
目を離すなよ。
キリンは林に逃げ込みました。
目の届かない場所で倒れたら非常に危険です。
麻酔が効いてキリンが倒れる前にそばにいかないと。
倒れる際頭を地面に打ちつけてけがをしたり麻酔で呼吸が止まったりするおそれがあるんです。
早くしないと。
一刻を争います。
1台は向こうへ行って。
麻酔を打ってから1分が経過。
残された時間はあと2分です。
緊張が高まります。
ようやく見つかりました。
あそこだ。
追跡開始です。
複数の人間で追いかけ逃げられないように追い込みます。
麻酔が効きかけているとはいえ相手は時速50キロ以上の俊足の持ち主です。
見つかった。
車で向かおう。
(ルイ)よし気をつけろ慎重に。
すぐに注射を。
捕獲チームは麻酔を解く薬を急いで注射します。
倒れる前に発見できて良かった。
だいぶ麻酔が効き始めていました。
麻酔の解けたキリンが暴れないよう脚をロープで縛り強じんな首を押さえます。
処置は短時間で行う必要があります。
デレクの到着を待つ間に捕獲チームはまず脚に巻きついた針金を外しました。
かなり長い間脚に巻きついていたようです。
針金がこんなに腐食していますからね。
傷口の中の状態をデレクに確かめてもらわないと。
状態はどうだ?傷口を少し開いて中を見よう。
かなり深く食い込んでいたので腐食した金属の一部がまだ残っているかもしれない。
消毒薬を頼む。
少しずつかけて。
幸い神経やじん帯は傷ついていませんでした。
早めに処置をする事ができました。
針金はきれいに取り除かれました。
よし。
これは抗生剤です。
それから皮膚の成長を促す薬を塗っておきます。
更に傷口を清潔に保つためにタールを塗ります。
タールはハエを寄せつけず傷口を乾いた状態に保ってくれるんです。
野生動物の場合包帯はできないので傷口を守るためにこのような処置をします。
よし。
処置は無事終わりました。
向こうへ。
離れて見ていよう。
ロープを解こう。
しっかりとした足取りですね。
傷は2週間ほどで癒えると思います。
針金を外してきちんと処置してやったのでもう心配ありません。
あとは自然に回復します。
うまくいきました。
誰もけがをしなかったし本当に良かったです。
南アフリカの動物園です。
オットセイのディーは病気の正体が分かるまで隔離されています。
今日はまた病院へ行かなくてはなりません。
さあ行くよ。
採取した組織を検査した結果悪性の腫瘍ではない事が分かりました。
しかし頭蓋内部には依然炎症のような塊があります。
前回の検査から3か月。
変化がないかCTスキャンで調べます。
今回の画像には明らかな問題が映っていました。
すごい穴だ。
この穴は犬歯と関係しています。
歯の根元が腐って炎症が起きているんです。
3か月前より進んでいます。
そうですね。
すぐに抜歯する事になりました。
グラグラしているな。
中に穴が開いています。
よく消毒して。
全部で4本もの犬歯を抜く手術でした。
数週間後ディーはすっかり回復しました。
小さな傷がここに少し残っただけで完全に治りました。
口の中を開けてみると犬歯のあったところ4か所は穴になっているけど感染症は全く見られませんしきちんと治っています。
そうよね?よし!これで大好きな魚が食べられます。
ほらあげる。
もう元気ね。
南アフリカの草原でシロサイのタンディが皮膚移植を受けてから3か月がたちました。
獣医師のウィルはタンディの回復をずっと見守ってきました。
タンディは密猟者に角をえぐり取られ傷痕には皮膚組織が残っていませんでした。
サイの皮膚移植手術は世界でも初めてです。
移植した皮膚は定着しているでしょうか?手術を行った形成外科医とともに3か月後の経過をチェックします。
劇的に良くなっています。
上の方は傷が癒えていますね。
移植した皮膚が定着したようです。
しかし最も傷の深いこの部分は残念ながら移植した皮膚が剥がれてしまいました。
完全ではありませんが傷は小さくなっています。
タンディを救うには十分な効果が得られました。
あとはもう何もしなくても大丈夫です。
感染症も見られませんし縁の部分から治ってきています。
皮膚移植をしてもまたこすり落とすかもしれませんしね。
これでタンディは密猟者による深い痛手を乗り越えられるでしょう。
繁殖期を迎えオスと一緒にいるところも目撃されています。
もしタンディが子供を身ごもったらすばらしいニュースです。
ひん死の状態で発見されて以来ずっとハラハラし通しでしたからね。
いつの日か子供を連れた彼女の姿を見たいです。
それが私の願う最高の結末です。
数週間後良い知らせがもたらされました。
血液検査によってタンディの妊娠が明らかになったのです。
サイの妊娠期間は16か月。
タンディはまもなく母親になります。
インドネシアオランウータンの保護センターではローズマリーが白内障の手術を受けてから数か月が経過しました。
まだ囲いから外には出ていませんが経過を見守ってきたビルーテはローズマリーの行動に徐々に変化が現れてきたと感じています。
手術直後から明らかにぼんやりとした様子が減り目を大きく見開いて周囲を見渡すようになりました。
娘のロドニーを抱きしめるようにもなりました。
両手でしっかりと抱き顔をのぞいてキスしたのです。
手術を受ける前にそのような行動は一度も見かけた事がありませんでした。
やあどうですか?とてもいい感じです。
変化はありますか?ええ本来の元気を取り戻したみたいです。
手術以来徐々に活動的になってきました。
目はどう?眼科医のアイザックがローズマリーの瞳の状態を確認します。
手術をした右目の瞳孔は真っ黒になっています。
瞳孔が黒いという事は光の通り道がちゃんとあるという事です。
つまり目が見えているのです。
私もそう思います。
マンゴーを見つけてちゃんとつかむ事ができていますね。
間違いありません。
視力は回復しています。
森に返すための条件がようやく整いました。
ローズマリーの視力が回復して本当に良かったです。
これで安心して親子を野生の世界に戻してやれます。
囲いはもう要りません。
おめでとう。
本当にありがとう。
手術のおかげです。
良かったね。
2015/07/13(月) 00:00〜00:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック 野生動物レスキュー最前線 第2回「再起」[二][字][再]
野生動物を救うため、世界で活躍する獣医師の姿を追う。シリーズ2回目。脳の腫瘍が疑われるオットセイや角を奪われたサイ、足にワイヤーがくい込んだキリンなどを治療!
詳細情報
番組内容
目に炎症を起こしたオットセイがCTスキャンを受けた。脳の病気が疑われたが、原因は意外なものだった。サイの角を狙った密猟が絶えない中で、根こそぎ角を奪われたメスが奇跡的に一命を取り留めた。これ以上悪化しないよう、ほとんど前例のない皮膚移植がサバンナで行なわれることになった。非常に難しい野生のキリンの麻酔やオランウータンの目の手術など、厳しい環境で奮闘する獣医師の活動を追う。(2014年英国・米国)
出演者
【語り】渡辺徹
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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