アルスラーン戦記 #14 2015.07.12


(ナレーション)
パルス暦320年12月
国境の城塞ペシャワールに入城を果たしたアルスラーンの前に突如銀仮面の男ヒルメスが襲いかかった
(アルスラーン)ぐわっ!がはっ!
(ダリューン)殿下!ドスッ!
(バフマン)あの方を殺せばパルス王家の正統な血が絶えてしまう。
ヒルメスの凶刃からアルスラーンを守った老将バフマン
だが彼の今際の言葉はアルスラーンの心に大きな影を落とした
そんななか東方の大国シンドゥラ侵攻の急報が伝えられた
(ラジェンドラ)ガーデーヴィめに先を越されてなるものか。
シンドゥラ国の歴史に不滅の名を刻むのはこの俺よ!
(キシュワード)侵攻してきたシンドゥラ軍の数はざっと見積もって5万。
すでに国境の川を越えパルス領内に入っています。
(ギーヴ)まったく…次から次へと厄介事ばかり降りかかってくるものだ。

(ナルサス)殿下。
ん…ああすまない。
ご気分がすぐれぬようでしたら一度お休みください。
ここは我々が。
いや私なら大丈夫だ。

(回想)よい王とおなりくだされ…皆聞いてくれ!エクバターナへ進軍する前にまずは降りかかる火の粉を払わねばならぬ。
ここでシンドゥラを迎え撃つぞ!パカパカパカ…
(馬の足音)
(ラジェンドラ)おお〜冷たい冷たい。
なるほどこれが雪というものか。
(副官)ラジェンドラ殿下本当に侵攻を開始してしまってよかったのでしょうか?何を言う。
パルス国内が混乱している今こそ絶好の機会であろうが。
(副官)混乱というなら我が国とてそうでありましょう。
国王カリカーラ二世陛下がお倒れになった今殿下がシンドゥラを留守にされては…。
ガーデーヴィか。
ヤツのことなら気にする必要はない。
何が第一王子だ。
たかがひと月ほど早く生まれただけだろう。
才能も器量もどう考えても俺の方が王としてふさわしい。
(副官)殿下!さあパルスの王太子の首を手土産に王都に凱旋といこうか!ははははっ!・殿下。
あっ。
殿下出撃準備が整いました。
行ってまいります。
そうか。
あの…。
(ナルサス)何か?私もやはり出陣した方がよくないか?
(ナルサス)はい?私だけただここで座って待っているのでは申し訳が立たない。
私にも何かできることがあるはずだろう?
(ナルサス)殿下…今やあなたはこのペシャワールの数万の兵を束ねる身。
いちいち御自ら戦場に出られる必要はありません。
だが…。
今回は我々にお任せください。
必ずや吉報をお届けしましょう。
分かった。
お主たちのやりやすいようにやってくれ。
まったく…昨日のことを気にされているのかと思えば。
まあそれを考えたくもないというのもあろうがな。
ただ座っているだけでは皆に申し訳が立たぬ…か。
一軍の将の言葉とは思えんな。
本当に心優しいお方だ。
だがただ優しいだけでは王にはなれぬ。
そうかな。
ん?
(ナルサス)ああいうお方だからこそ我々も兵たちも信じてついていける。
一人くらいはそんな王がいてもいいのではないか?あっ…。
ふっ確かにな。
さあ行くぞ。
殿下に吉報をお届けすると約束したからな。

(サンジェ)ふふふっアルスラーン…つくづくヤツの行く先には争いが絶えませぬな。
(サンジェ)放っておいてよろしいのですかな?ダリューンらが城を離れた今あの小僧を殺すには絶好の機会かと思われますが。
(ヒルメス)エクバターナに戻るぞ。
(サンジェ)ふふふっ…いいでしょう。
(キシュワード)では作戦どおり我々は先に行かせてもらうぞ。
(ナルサス)ああよろしく頼む。
ナルサス聞きたいことがある。
(ナルサス)なんだ?侵攻してきたシンドゥラの兵は5万。
対してこちらは1万の兵しか出していない。
(ナルサス)ああ。
少数の兵で多数の兵を破るというのは邪道ではなかったか?
(ナルサス)今回はあえて邪道をいくのさ。
ダリューンお前はかつてセリカで戦いにあたって注意すべき三つの理とは何か学んだろう?天の時地の利人の和。
(ナルサス)そういうことだ。
シンドゥラは今その三つの理を全て犯している。
(副官)殿下夜も更けてまいりました。
この辺でひとまず陣を張るべきでは?いやこのまま山を越える。
(副官)あっ…しかしこの寒さで兵も馬もだいぶ体力を消耗しておりますぞ。
だからこそ立ち止まってしまうわけにはいかんのさ。
山を越えればペシャワールの城はすぐそこだ!一気に…。
はっ!くっ…敵襲〜!うわっ!
(パルス兵たち)うお〜〜!やはり来たか。
そう来なくては面白くない。
かかれ!
(シンドゥラ兵たち)うお〜〜!
(パルス兵たち)うお〜〜!
(シンドゥラ兵たち)うお〜〜!
(ナルサス)まずは三つの理の一つ天の時。
シンドゥラ兵は常夏の南国育ち。
真冬の雪山で果たしてどこまで戦えるかな?シンドゥラの蛮族ども!この双刀将軍キシュワードが相手になってやるぞ!はあっ!
(2人)ぐわっ!ひるむな!シンドゥラの武勇パルスの兵どもに見せつけてやれ!
(シンドゥラ兵たち)うお〜〜!
(パルス兵たち)うお〜〜!
(ナルサス)そして地の利。
来たかダリューン!挟み撃ちだ!退け!
(ナルサス)パルスは彼らにとって未知の土地。
こちらは細かい地形まで把握済みだ。
さあダリューン!突撃〜!
(パルス兵たち)うお〜〜!ガン!うわっ!押し返せ!それでもシンドゥラの男か!
(シンドゥラ兵たち)うお〜〜!
(パルス兵たち)うお〜〜!くっ力任せに押し返そうとは…。
なんと傲岸な将だ!甘かったな!俺の兵たちがこんな奇襲程度でひるむものかよ!
(ナルサス)ふん…天の時地の利を犯してまで攻め込んでくるだけの自信はあるということか。
だが残る人の和はどうかな。
このまま押せ〜!えっ!背後からだと!?また新手か!?いやこの音はシンドゥラの!み…見ろあの旗印は…。
(シンドゥラ兵)ガ…ガーデーヴィ殿下。
なぜ第一王子の軍が?え…援軍に来てくれたのでは?うっ…。
(シンドゥラ兵たち)あぁ…。
ち…違う!ガーデーヴィ殿下は敵だ!大変です!
(ラジェンドラ)なんの騒ぎだ?ガーデーヴィ王子が大軍を引き連れ我が軍の後尾に襲いかかってきた由にございます。
(ラジェンドラ)バカな!俺がここにいることはガーデーヴィはまだ知らぬはず。
あるいは此度の我々の行動全てひそかに監視されていたのでは?まさか!くっ…。

(シンドゥラ兵たち)うわぁ〜!
(アルフリード)左に回れ!背後からガーデーヴィの兵が迫ってきてるぞ!ふふっ。
(エラム)何をしている!左だ!前に出たらパルス兵に殺されるぞ!ふっ。
(シンドゥラ兵たち)うわぁ〜!新月の夜とはいえ通常なら女子供の声にだまされるような愚かな兵でもないだろうがシンドゥラは現在二人の王子による世継ぎ争いの真っただ中。
意識せずとも兵たちの心にも不安はあろう。
そこをつけば崩れるのはあっという間だ。
これが人の和か。
(ナルサス)そろそろ例の場所に近づきつつある。
頃合いだな。
さあ5万と1万の戦力差今ひっくり返してみせよう!おう!ん?ピキキキ…なんだこの音?ピキキキ…
(ラジェンドラ)こ…これはまさか!走れ!ここから離れろ!ここは…。
ドォーーン!
(シンドゥラ兵たち)うわぁ〜!そうそこは凍った湖の上さ。
(ラジェンドラ)くっ!ヒヒーン
(シンドゥラ兵)うぅ〜。
(シンドゥラ兵)あぁ…。
(シンドゥラ兵)わあ〜…。
(シンドゥラ兵)うぅ…。
俺は悪夢でも見ているのか?・ラジェンドラ王子に急ぎ申し上げたきことあり!殿下はおわすや?
(ラジェンドラ)ラジェンドラはここにいる。
何が起こった?
(ナルサス)ダリューンこの男だ。
何!?くっ…。
ふん!くっ!悪いが捕虜となっていただこうラジェンドラ王子!はあっ!くっ!ふん!
(ダリューンナルサス)なっ!くっ…次に会ったら生かしてはおかんぞ!なっ!うわっ!うっ…あぁ…。

(アルフリード)動くと死ぬよシンドゥラの色男。
(ラジェンドラ)うっうぅ…。
いや〜参った参った。
見事にしてやられたわ。
アルフリードよくやってくれた。
いえナルサスの策がよろしきを得たからにございます。
ふん。
聞いてはいたがこんなにかわいい大将だったか。
で俺をどうするつもりだ?見せしめに兵の前で処刑でもするかい?ラジェンドラ殿私はパルスの王太子アルスラーンと申します。
いささか乱暴でしたがお話ししたいことがあってこのようにご招待いたしました。
(ラジェンドラ)ほう〜驚いたな。
パルスでは縄で縛って引っ立てることを招待と言うのか?これは大変失礼しました。
これで対等にお話しできるかと思いますが。
まあいいだろう。
聞いてやらんこともない。
辺境の地ゆえ大したおもてなしもできませんが。
(ラジェンドラ)頂こう。
おお〜。
いやいやこの酒はなかなかいけるぞ。
シンドゥラにはない味わいだ。
さあ皆も大いに食べ飲んでくれ。
(一同)おう〜!ははははっ!それにしてもまだ子供と聞いていたが先刻は見事な采配だった。
感服したぞアルスラーン王子。
いえ私は何もしておりませぬよ。
仲間たちに助けられてばかりです。
ふっ。
臣下ではなく仲間か。
つくづく面白い男だな。
さあさあお主も飲め飲め!えっ?あっ…はい。
あっ。
ん?
(ファランギース)あなたのお相手は私がしよう。
おお〜それはいい。
(ギーヴ)お〜っと俺も交ぜてもらおうか。
酒の肴に楽士の詩はどうだい?王子様。
面白い。
ならば飲み比べといこうじゃないか。
ふっ。
ふっ。
ああっいや…あぁ…。
(ナルサス)本当に二人ともよくやってくれた。
ありがとうございます。
まああの程度の任務私一人で十分だったんだけどね。
お前こそ引っ込んでてもらって結構だったさ出しゃばり女。
なっ…。
出しゃばりって何よ!あんたの方がよっぽど出しゃばりじゃない!私はナルサスと話してるんだから。
(2人)んん〜!
(ナルサス)こんなときぐらい仲よくできないのかお前たち。
うう〜うぅ…。
ん?はぁ…。
ちくしょう〜頭の中で水牛の群れが合唱しながら踊ってやがるぅ〜。
(心の声)≪うぅ…この俺が酔い潰せぬとは≫≪侮れんなぁパルスの女≫おお〜失礼した。
さあもう一杯。
あっあっいや…。
・ラジェンドラ殿。
お…おお〜アルスラーン王子なんですかな?先ほどの話の続きを。
おうおうもちろんです!話…。
そういえばなんの話だったか?ん?あなたと同盟を結びたい。
(ラジェンドラ)ほう。
聞こうか。
まず我々はあなたがシンドゥラの王位につけるようお手伝いしてさしあげましょう。
そのかわりお主の戦にも力を貸せと?ええ。
悪い話ではないと思いますが。
ははははっ面白いことを言う。
国を追われた王子に何ができるというのだ?
(エラム)なんだと…。
ですがラジェンドラ殿こういってはなんですが今の御身のお立場をよく考えていただきたい。
脅迫のつもりか?俺の身に何かあってみろ俺の兵たちは決して貴様らを許しはしないぞ。
そんな野蛮なことはいたしません。
(ナルサス)ええ。
というかすでにシンドゥラ国内には通達してしまいました。
何を?
(ナルサス)ラジェンドラ王子はパルス国のアルスラーン王太子との間に友誼と正義に基づく盟約を結んだ…とね。
(ラジェンドラ)なっなんだと!?
(ナルサス)更に王子はシンドゥラ国に平和をもたらすため国都ウライユールへ進撃を開始した…とも。
あっ…。
貴様ら俺を反逆者に仕立て上げようというのか!?
(ナルサス)もとよりいずれ第一王子ガーデーヴィとは雌雄を決するおつもりだったのでしょう?それが少し早まっただけのことですよ。
ぐっ…。
私はあなたをガーデーヴィ王子との交渉に使いたくはない。
ふふっふふふふっ…ははははっははははっ!やってくれたなパルスの王太子よ。
協力していただけますか?いいだろう。
このラジェンドラがお主に力を貸してやる。
アルスラーンの運命は再び思わぬ方向へと回りはじめた
パルス暦320年12月
アルスラーンは万騎長キシュワードにペシャワール城塞の守護を任せラジェンドラ軍と共にシンドゥラを目指して出陣を決めた
彼がいざなう先に何が待つのか幼き王子はまだ知る由もない
どうだアルスラーン殿俺の自慢の兵たちは。
よろしく頼むぞ。
ははははっははははっ!あの男本当に信用していいものか。
(ラジェンドラ)ははははっ!
(ガーデーヴィ)愚かな弟だとは思っていたがまさかパルスと…アルスラーンなどという小僧と手を組むとは!くっ!
(マヘーンドラ)どうあっても殿下の王位継承を認めるつもりはないということでしょうな。
いかがいたしましょう?決まっておろう!ラジェンドラめを討つ!そもそもヤツがおとなしく私の王位継承を認めれば何も波乱は起きなかったのだ!
(マヘーンドラ)承知いたしました。
ご安心召されよガーデーヴィ殿下。
すでにラジェンドラのもとには私の配下の者を潜ませております。

ジャスワントの黒々とした両目には緊張と失意が
ギーヴの紺色の両目には不敵な笑いがあった
少年はそして王となる
2015/07/12(日) 17:00〜17:30
MBS毎日放送
アルスラーン戦記 #14[字][デ]

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番組内容
一難去ってまた一難。東方の大国であるシンドゥラが、国境を越えてパルスへと侵攻してきた。ペシャワールへと迫るシンドゥラ5万の大軍を迎え撃つアルスラーン(声・小林裕介)たちパルスの兵は、わずか1万。しかしパルスには、ナルサス(声・浪川大輔)の智略と、ダリューン(声・細谷佳正)たち無双の戦士がいる。かくして、戦端はひらかれた……!
声の出演
(アルスラーン)小林裕介
(ダリューン)細谷佳正
(ナルサス)浪川大輔
(エラム)花江夏樹
(ギーヴ)KENN
(ファランギース)坂本真綾
(ヒルメス)梶裕貴
(アルフリード)沼倉愛美
(ラジェンドラ)鳥海浩輔
(キシュワード)安元洋貴
ほか
原作・脚本
【漫画】
荒川弘(講談社「別冊少年マガジン」連載)
【原作】
田中芳樹(光文社カッパ・ノベルズ刊)
監督・演出
【監督】
阿部記之
【シリーズ構成】
上江洲 誠
音楽
【オープニングテーマ】
NICO Touches the Walls「渦と渦」
【エンディングテーマ】
Kalafina「One Light」

【音楽】
岩代太郎
制作
【アニメーション制作】ライデンフィルム×サンジゲン
【製作】「アルスラーン戦記」製作委員会
関連URL
【番組HP】
http://www.arslan.jp/index.html
【Twitter】@arslan_anime
https://twitter.com/arslan_anime
ハッシュタグ「#arslan」

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
福祉 – 文字(字幕)

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