7日曜美術館 アートシーン ▽“没後10年 ロバート・ハインデル”展 ほか 2015.07.12


「現代のドガ」と呼ばれた画家がいます。
描いたのはバレエ団のダンサー。
しかし舞台ではなくスタジオでレッスンに打ち込む姿をひたすら描き続けました。
画家の名はロバート・ハインデル。
没後10年を記念して100点を超える作品を紹介する展覧会が開かれています。
ハインデルは1938年アメリカ・オハイオ州で生まれました。
10代の頃から画家になる事を夢みていた彼はまずイラストレーターとして成功を収めます。
そして24歳の時ある出来事が起きました。
たまたま上司からバレエのチケットをもらい妻と見にいったのです。
内心「バレエなんて」と思っていました。
ところが…。
初めて見たバレエの感動は言葉では言い表せないほど強く心の奥深くにまで染み渡りました。
数年後ハインデルはバレエを描き始めます。
身体芸術の持つ躍動感と緊張感。
そして一瞬の静けさ。
しかしハインデルは舞台上のダンサーを描こうとはしませんでした。
世界的なバレエの演出・振付家のデヴィッド・ビントレーさん。
ハインデルは彼の新作バレエのリハーサルを必ず見にきていました。
ビントレーさんは「ダンスハウス」というダンサーの死をテーマにしたバレエを演出した際セットと衣装のデザインをハインデルに依頼しました。
その時の経験をもとにハインデルが描き上げたのがこの7m近い大作…人間の誕生から死までをハインデルはダンサーの姿を通して見つめています。
実はその4年前ハインデルは長男のトビーをがんで失っていました。
ダンサーを通して人間の光と闇を描く。
ハインデルの晩年の作品ではその傾向がより一層顕著になっていきます。
最後までダンサーにこだわり続けたハインデルは2005年7月病気のため66歳で亡くなりました。
「あなたの最高傑作は?」と聞かれると必ず「次回作です」と答えていたハインデル。
その作品と人間的魅力に迫る展覧会。
厳選された名品とインスタレーションで魯山人の世界観を体感します。
書家篆刻家から始まって器と料理の世界を探求した…桃山や江戸の作品に倣いつつもオリジナリティーが盛り込まれた豪快な鉢。
日本の四季や自然の美しさが魯山人のもてなしのよりどころでした。
緩やかに湾曲させたまな板状の器は魯山人の発案と言われています。
まな板の上に料理を盛るという趣向は魯山人独自の美学を体現するものです。
こちらではおすしが食べられるのでしょうか?実はこれ映像を使ったインスタレーション。
すし屋のカウンターで魯山人の器にすしを盛る様子を真上から写した映像。
それがテーブルに映し出されているのです。
魯山人の美学を味わってもらおうという試みです。
五感で楽しむ魯山人の世界。
スイスで著名な画家として知られる横井照子。
91歳を迎えた彼女の初めての大規模な回顧展です。
詩人か小説家になりたいと思ってたんですけどね。
でもやっぱり…文章で色を表すより筆で色を混ぜて表した方が私もっと楽しいって事が分かって。
日本で絵の勉強をしたあと28歳で単身渡米。
精力的に風景画を描き2度の個展では多くの人々に注目されました。
その後パリスイスへと移住。
顔料を油彩からテンペラへと変え深く自然を見つめた四季の味わいのある画風を確立していきます。
スイスで描く日本人の心。
原爆や放射能汚染などで犠牲になる人間の不条理を表現し続けてきた増田常徳。
その展覧会が沖縄で開催されています。
目と耳を塞がれ口を針金で縫い合わされた老人。
彼が握るのは実物の有刺鉄線。
増田の考える沖縄のイメージです。
増田は長崎県五島列島の出身。
叔母は原爆で亡くなっています。
幼少時に破傷風でひん死の状態に陥った経験も作風に影響を与えています。
東日本大震災の作品化にも取り組みました。
被災地の海岸に打ち捨てられた毛布が一瞬女性の裸に見えた事からこの作品を描きました。
突き刺さる人間の闇の深さ。
浮世絵の初期から最盛期に至る代表的な絵師たちの名品の数々が勢ぞろいしました。
江戸時代浮世絵は肉筆から始まり版画になっても最初は黒1色の墨摺でした。
やがて筆で彩色する丹絵や紅絵漆絵といった手法が開発されます。
そして18世紀半ば木版多色摺の技法が開発されるといよいよ「錦絵」と呼ばれるカラーの浮世絵が登場します。
この時代にカラーの印刷物を庶民が楽しむという文化は世界中を見てもかなりまれな例だったと思われます。
恐らくですね白黒テレビにカラーテレビが取って代わった時のような新鮮な驚きをもって受け止められたのではないかと思います。
浮世絵に「色」で革命を起こした代表的な絵師が鈴木春信です。
この作品では女性の衣は濃い紅と薄い紅の2色に分けられ帯には細い横じま着物にも2種類の模様が施されるなど凝ったつくりになっています。
店先で綿を引き伸ばしている娘と客の少年を描いた作品。
よく見て下さい。
綿は紙に凹凸をつける事で表現されています。
しかも紙の白さをそのまま生かしているのも特徴です。
錦絵の購買層が広がると個性的な絵師たちが次々と登場します。
美人大首絵で知られる喜多川歌麿。
髪の生え際はこんなにリアル。
女性らしさが強調されています。
そしてデフォルメした役者大首絵で人気を博したのが東洲斎写楽。
抜群の迫力です。
19世紀に入ると錦絵は更に成熟。
風景画という新たな分野も加わりました。
代表的な絵師の一人が飾北斎です。
あまりにも有名な「富嶽三十六景」。
版木の木目が見えているのは初期の摺りである事を表しています。
フィラデルフィア美術館所蔵の150点がそろう日本初の展覧会。
2015/07/12(日) 09:45〜10:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“没後10年 ロバート・ハインデル”展 ほか[字]

「没後10年 ロバート・ハインデル展」(そごう美術館 7月4日〜7月26日)ほか、展覧会情報

詳細情報
番組内容
「没後10年 ロバート・ハインデル展」(そごう美術館 7月4日〜7月26日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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