江戸時代18世紀の京都にその男はいました。
あの伊藤若冲よりも人気を誇った絵師。
友には絵師にして俳人の与謝蕪村。
そして弟子には奇想天外な長沢芦雪がいました。
絵師の名は…徹底した写生によって絵画に革命を起こしました。
いまだに超えられないその技。
今回は円山応挙の傑作10選。
見れば見るほど惹きつけられるその魅力をじっくりご堪能下さい。
「日曜美術館」です。
今日は円山応挙ですね。
円山応挙の絵はほんとにうますぎですよね。
でもパッと見ですぐにそれがきれいだうまいっていうのが伝わってくるからこそ逆にその本質が捉えづらいのかなとも感じたりもしてるんですね。
僕自身も応挙の絵に対して偏見を持っていた時期もあったりするんですけども一つ一つこう応挙の絵をたどっていくと一見無個性に思えるようなうまさの中にものすごい個性があふれてるというのに気付かされるんですね。
今日は応挙の何がすごいのかっていうところを一つずつひもといていきたいなと思ってます。
さあそれでは早速傑作の数々を見ていきましょう。
実際に見た新さんかなり興奮しています。
日本海に面した自然豊かな町…訪れたのは司会の…見事ですね。
海の色きれいですねこっち。
なんかちょっと雪舟が描く岸壁のような岩場のような。
想像を超える光景に出会い期待を膨らませて向かったのは…ここに応挙の傑作があります。
これはまさか?以前から間近で見たいと願っていた作品でした。
ああやはり…うわあ〜!ええ…!僕大好きなんですこれ。
うわあ…。
ああもうすごい!すごいですね。
2幅の掛け軸が対になっています。
向かって左は池を優雅に泳ぐ鯉。
まさに目の前で泳いでいるような姿。
応挙は写生の達人でした。
しっかり水の中にいますからね。
見えますよね。
この尻尾のあの辺りとか波紋によって形が屈折して変化してる所とかもしっかり捉えてますね。
しかもこのぬめっと感というか生々しさ。
本当にこういうとこですよね。
応挙の見たものそのままを…そのままを描いていってる。
これこそなんか応挙のリアルというものの真骨頂だと思うんですけどこっちですよ問題なのは。
これですよ。
描かないんですよね。
いくつもの線が縦に走っています。
実はこれ滝の表現です。
よく見ると鯉がいます。
応挙が絵にしたのは鯉が滝を登る情景。
日光を反射した水の筋がキラキラと白く輝いています。
でも白く塗ったのではありません。
その輝きをなんと描き残す事で表したのです。
こういう技法をする事によってみずみずしさとか…滝の水のみずみずしさや水の音とかこの勢いとかなんか水の感触みたいなもののそのリアルさみたいなものが伝わってきますよね。
優れた写生の技。
描かずして水の質感や勢いを表すマジックのような技。
視覚のトリックまで生み出す円山応挙とは一体何者か。
京都府の中西部亀岡市。
応挙は1733年農家の次男として生まれました。
幼少の頃は寺の小僧として働きました。
ところが飢饉が続き生活は苦しく町へ奉公に出されます。
貧しい少年時代。
しかし応挙は自ら運命を切り開いていきます。
10代の時に京都の玩具や御道具を扱う店に奉公。
そこで出会ったのが当時流行した舶来の品…中に入れた絵の遠近感をレンズを通して強調するものでした。
20代の頃応挙はこののぞきからくりの絵「眼鏡絵」を描きます。
平面なのに奥行きがあるように見せる絵。
この時の経験から視覚のトリックに関心を持つようになったのです。
ここに応挙の視覚のトリックを十二分に味わえる作品があります。
国宝です。
雪をかぶった1対の松。
新しく降り積もった雪の輝きを金で表しています。
向かって右は太い幹を持った…その枝には柔らかな雪が積もっています。
向かって左の雌松は細くしなやかです。
手触りまで感じられる幹。
柔らかな雪とは対照的な松の葉の鋭さ。
実はこの雪の部分紙の白をそのまま生かしています。
塗り残しただけとは思えないほどふわりとした雪の表現です。
この部分を日本画家の大沼憲昭さんに再現してもらいます。
松の葉を繊細に描きます。
そして雪。
どこにどのくらい積もっているか計算しながら描かなければならない事が分かりました。
松葉の葉先しか見えてない部分がたくさんあります。
これはもし雪が降ってなかった時の松の一つの形を想定してないとなかなか描けるものではありません。
(大沼)描かずしてですね雪を表現してるという事で非常に巧みな技法だと思います。
まさに国宝の名にふさわしい応挙の技がさえる大作です。
応挙のマジックは海を越えたこの地でも見られます。
愁いを含んだ美しい顔だち。
妻お雪がモデルだといいます。
応挙はこの絵で幽霊を画期的な姿で表しました。
足がないのです。
幽霊を足のない姿で描く事を発案したのは応挙だといいます。
この消えゆくような部分によって生まれる不思議な浮遊感。
描かない部分にまで目が行ってしまう…。
ほらもうあなたも応挙のマジックにかかっています。
さあ今回のゲストは応挙研究の第一人者で京都嵯峨芸術大学教授の佐々木正子さんです。
(一同)よろしくお願いします。
佐々木さんこの僕「龍門鯉魚図」実際見てきたんですけどもいやあほんと何度見ても驚かされますね。
「あっ滝か。
鯉が登ってるんだ」って理解できた瞬間からちょっと時間が止まったというか「一体これどうやって描いたんだろう?」という。
何ていうんですかね2度見するというか「えっ?」っていうふうになってしまうんですけども佐々木さんはこの「龍門鯉魚図」どのようにお感じになられてますか?ものを見て理解するという事がまず感動につながる事で応挙も水面を見てる時に光を反射する部分はものが…中のものが見えない。
でも反射しなければ中のものが非常にクリアに見えるというその現象に気付いた時にすごく感動したと思うんですね。
やっぱりその感動が作画の原動力でこのように左右で対比させて描くという構成力が見られるわけですけれどもそういった描かずして描くとかあるいは画中に見ている方の視線を誘導するような部分を作るとか一見何気なく見える中に応挙は見せ場というんでしょうかそういうものを内包させていって見れば見るほど面白くなる絵なんです。
当時そうはいっても京都には有名な絵師も数多くいた中で応挙の実力や評判というのは実際にはどうだったんですかね?「京随一の絵師」と言われてたんですね。
そもそも「応挙」という名前なんですけれども当時の皇后の弟君が大津の圓満院の門主をしてらしてその方から賜った名前なんですね。
「応挙」と書いて「まさたか」と読むんですけれども当時外国といえば中国という時代に「花鳥図」の名手と言われていた銭舜挙という中国の絵師がいるんですけれども当時としたら世界一と考えられていたその絵師に対して…つまり「舜挙を打ち負かすほどの力量になれ。
世界一を目指せ」という大変期待されて付けられた名前なんですね。
まさにその名のごとく応挙は精進を重ねます。
特に「写生」なんですがどうやって写生と向き合いそしてそれを更に極めていったのかご覧下さい。
数々の応挙の傑作を所蔵する…鮮やかな色彩が目に飛び込んできます。
その羽の美しさ…。
思わずため息が出るほど。
毒虫や毒蛇を食べるという孔雀。
ただ美しいだけでなくどう猛さまで描き出しています。
それと対比するように牡丹ははんなりと柔らかく。
そして岩はゴツゴツとし触った感覚までも伝わってきます。
それにしてもあまりに鮮烈なのは孔雀の色彩です。
美しく青光りする立体的な羽は実にリアル。
一体どうやって描いているのでしょうか?その手法を日本画家の仲政明さんに再現してもらいました。
応挙は砂状の岩絵の具で色を塗る前に墨で下地を描いていました。
ぼかしてグラデーションを作ります。
墨で隈取りをする「地隈」です。
そのあとに群青を塗ります。
群青の粒子の間から下地のグラデーションが透けて見え群青一色では出せない色合いになりました。
当時は色数もそうたくさんありません。
その少ない色数の中で変化を見せるためですね。
できるだけ写実的に表現したい。
そのためにまずは墨で隈取りをして立体感であったりボリュームであったりっていう事を出したんだと思います。
よ〜く見て下さい。
1枚の羽根に生み出される立体感と色の変化。
応挙は墨のグラデーションと岩絵の具との巧みな組み合わせで見事に表したのです。
この傑作が生まれた背景には写生へのなみなみならぬ情熱がありました。
応挙が生きた時代オランダや中国から珍しい文物が次々に日本にやってきました。
博物学や解剖学も普及しものの真実の姿を捉えようとする風潮が広がります。
そんな時代に絵師となった応挙は自分の目と手でものの真実に迫ったのです。
応挙の確かな観察眼と忠実に描く写生の力を実感できる作品です。
当時絵は手本をもとに描くのが主流。
しかし応挙は実物をつぶさに観察して描く「写生」を徹底的に行います。
遠くにいる動物は望遠鏡を使ってまで描いたといいます。
同じ対象でも角度を変えて捉えています。
時代の機運と徹底的に実物に迫る姿勢が「写生の応挙」を生んだのです。
応挙が絵に込めようとした思いとは。
その手がかりとなるのが…藤の花は一枚一枚的確に描かれています。
小さくても確かな輝きを放っています。
そして子犬。
当時絵のモチーフとして扱われていなかった子犬にも応挙は目を向けます。
子犬の純真無垢な愛らしさ。
小さな花でも子犬でも生きとし生けるものは全て輝く美しさに満ちている。
それを捉えたのが応挙の写生でした。
その写生の力を大胆に使った作品があります。
なんと見た事のないものをリアルに表した傑作。
この襖を飾る迫力の作品です。
8頭の虎が思い思いの姿で描かれています。
よく見るとどこかかわいらしい。
実は応挙実物の虎を見た事はありませんでした。
舶来の虎の毛皮と猫のポーズを参考に虎を完成させたといいます。
飽くなき探究心で描いてみせた静かな中にも迫力のある虎です。
実は今回その応挙の写生への情熱を感じさせる大変貴重な資料を特別にお持ち頂きました。
佐々木さんこちらが…。
これは応挙が常に懐に入れて持ち歩いていた「写生雑録帳」と言われるものなんですけど私たちが応挙研究ができるのはこれが現存していたおかげという応挙の脳みそが全部詰まってるものなんです。
こちらが今馬の図が出ておりますけれども実は応挙は写生をする時に馬の顔ですとか足ですとか実寸を測ってるんですね。
何尺っていうふうに書かれてますね。
単に感性で描いてるのではなくて実に合理的にその実際の構造だとか寸法だとかを確認して作品に生かしてるという部分があります。
もう絵師というのも…研究者学者のような緻密さというか。
実際応挙は本草学ですとかさまざまな動物学ですとか学問的な事をとても勉強しているんですね。
こちらも実は応挙が描いた人体の研究した結果のものなんですが単なる写生図と違ってこう頭の寸法だとか測って人間が何頭身かというふうな事を研究した結果なんですね。
レオナルド・ダビンチは自分の思想をかいたノートがあるんですけどまさにこの懐帳というのは応挙も和製ダビンチのようにさまざまな自分の気付いた事をかき留めてるそういったものになります。
こちらを見て頂きますと普通では絵にしないところも写生してるんですね。
例えば鳥をおなか側からって絵にならないですよね。
真下から鳥を…。
おなか側から描いてるんですね。
足のつき方も。
それから真正面からとか。
鳥の正面からの顔ってなかなか絵でも見ないですよね。
絵画としては使わないようなところも鳥の構造を理解するために…目がどんなふうについてるか足がどこから出ているかという事を把握するために写生をしてるというところがあります。
またあれですねちょっとこの写生帳のたくさん見たであろう手あかの色も…。
めくる部分の。
多くの人が応挙の絵画への思想というのを学ぼうとして弟子たちもそうですし現代の人たちもこれから学ぶところはたくさんあるんですね。
写生帳をこうやって見てみると応挙が目に映ってるそのままを写しているのではなくてそのものの内面やもっとそれこそ生き物の習性とかそこまでもしっかりつかみ取って描いているのかなというふうにも感じたんですけども。
まず作画をするための一番基本として大事なものっていうところがありますね。
写生というのは過ぎてしまえば無個性にもなってしまいますし博物学の挿図みたいにもなってしまうんですけれども応挙は写生を基盤としてその上に作画構成をするという事で品格を生み出すまでになってるんですね。
私よく思うんですけれどもアイススケートで4回転ジャンプとかありますよね。
お上手な方がされて総合力ですばらしく見えるとものすごい難しい技術なんですけれども自然で美しく見えるっていうのありますよね。
応挙というのもその総合力を発揮していって単に写生の技術だけじゃなくって例えば人格だとか教養だとか絵画に対する思想だとか技術だとか感性だとかそれら全てがバランスを取った時にやっぱり応挙のあの品格のある写生が生まれるんだと思うんです。
そこは応挙のすごさのやっぱり秘密かもしれないですよね。
技術だけが高い人ももちろんいるし思想だけがずばぬけてる人もいますけども全体的に高い総合力っていうのは確かに応挙の持っているもののようにも感じますよね。
井浦新さんは今回特別に非公開の傑作を見せてもらいました。
はいどうぞ。
こちらから。
はい失礼します。
見る者に空間の広がりを感じさせる晩年の傑作。
ああ…。
あっこれはすごいなあ。
煌びやかな金地に墨一色で描かれた世界。
思わず息を呑みます。
新さんが最初に気になったのは孔雀。
わあ〜細かく描いてるなあ。
金地に墨のみ。
ですが非常に緻密です。
立体的な石の上に立つ孔雀は実物大。
臨場感たっぷり。
ちょっと気になる部分が…。
緑が入ってるのかな?何だろう?ちょっと緑色に見える墨を使ってるんですかね。
逆に今度はこの枝の部分はどちらかといったら赤系というか。
実は応挙は松の葉と枝に違う種類の墨を使ったのです。
それが光によって枝は赤茶色葉は緑色に見えるという仕掛け。
すごいなあ応挙。
すごい事をするなあ。
16面の襖。
今度は空間そのものを味わいます。
奥行き感がとても感じますよね。
上の部分から下りてくるように描かれた松の葉はピントが合ってるというかパキッとしっかり強い線を描いてますけど松の幹は薄くぼけて若干奥の方にあるように見えますね。
またこの部屋の構造も絶妙に使ってますよね。
あの左側。
木の自然な立体感があの角でしっかり表してますもんね。
襖に仕掛けを施し奥に3次元の空間まで感じさせる。
見る者を驚かせる天才応挙。
そしてこんな不思議な作品も描きます。
松と岩の向こうから勢いよく落ちる水。
その水は手前へと広がる…。
なんと曲げて掛けられています。
この曲げられた部分こそ応挙の3次元の仕掛け。
この作品に魅了された人がいます。
芥川賞作家の…藤野さんは現代人の心の奥に潜む不安や恐怖をリアルに描き出してきました。
そんな藤野さんは「大瀑布図」のリアルさに驚くといいます。
なんかまるでそこにほんとに滝があるみたいですよね。
音がしないのが不思議ですよね。
水しぶきとかもなんかかかりそうな気もしますけどね。
この作品さまざまな視点から滝を堪能できるようになっています。
前に座って見上げれば大きな滝の迫力が味わえます。
手前の岩は水しぶきを受ける事なくゴツゴツした質感を見せています。
勢いのある水流。
追っていくと今度は滝つぼを見下ろす視線になります。
こちらには濡れて黒光りする岩。
そして水は…。
手前へと迫ってくるのです。
絵画の常識を破らんばかりのまさに3Dの大作です。
(藤野)応挙と同じレベルでものを見る事はできないと思うんですね。
何でかっていったらやっぱりほんとに応挙は「見るプロ」でどこまでも見る事ができるんだと思うんです。
見れば見るほどもちろん人とは違うところに気が付くっていうのもあると思うんですけど。
藤野さんはこの3Dのような作品を見ていると現実の滝よりもすばらしさが伝わってくると感じています。
(藤野)実際に自分の目だけで本当にその辺にあるものを見ている時よりも応挙が物事を観察して得た快感というのを感じられるんやなと思います。
では最後の傑作へ。
それはイギリス・ロンドンに…。
大英博物館秘蔵の作品です。
下半分に斜めの線が何本か引かれただけ。
ですが作品名を聞けばはっとするはず。
そう氷のひび割れです。
ひび割れた瞬間の音やその冷気まで伝わってきそう。
この鋭く走る線が見る者を氷の世界へと誘います。
一体どうやって描いたのか?現代の画家が挑戦です。
う〜ん難しいです。
鋭くまっすぐな線を引く時の難しさ。
濃淡も変えてるつもりでもそんなに変わってないよね。
最初のがちょっと濃すぎた。
墨の濃淡まで緻密に計算しなければ奥行きは出ない事が分かりました。
応挙の「氷図」です。
鋭く走る線。
奥行きを感じる微妙な濃淡。
即興で描いたように見えながら全て考え抜かれた表現でした。
やっぱりすごいです。
すごいです。
使われてるのは墨線だけですけれどもそれによってやはりこの奥行き感だとかその氷の冷たさだとか冷気感だとか全てにおいて表現できてる。
僅か線なんですけど。
だからその線を使いこなしてる応挙というのはやっぱりすばらしいと思います。
応挙のすごさはそれだけではありません。
この作品茶道具の一つで風よけや仕切りとして使う風炉先屏風だったといいます。
角度を90度にして使います。
すると氷の面が奥へと広がる立体的な空間になります。
驚きは中央の線。
平面でも90度でも折れ曲がる事なく更に奥行きまで感じさせる計算しつくされた線なのです。
世界も驚く応挙の極め付きです。
いやあ…信じられない鋭い線を描きますね。
2次元の平面の中に奥行きを描くという事は他の絵師にもできると思うんですけれども直角に交わる中に一つの面を通していくというのは大変難しい事で応挙はこの直角に交わる画面というのを割に得意としたんですね。
このひびだけを描く事で氷の表面を描いてないところがミソなんですね。
氷の表面を描いていると当然90度にした時にひずみが出てくるわけですけれどもひびだけなのでそのひずみ分というのは見てる人間の目の方で修正してしまうというすごい仕掛けが中に仕組まれてるわけなんです。
「大瀑布図」のようなL字形で見せるというあれはよくあった事なんでしょうか?いえいえ全く応挙のオリジナルです。
ですから90度の画面自体が襖の角の90度を意識した絵というのは少しはあるんですが応挙のようにそこに完璧な自然に見える空間を3Dっておっしゃってましたけどそういう完璧に見える実感のある空間というのを出せるのは応挙だけですね。
それは日本の建築というものもしっかり理解をしていなければいけないでしょうしその描く空間や周りの景色までもやっぱりちゃんと分かってないとあの立体感っていうか3Dの世界っていうのは描けないものですよね。
特に部屋の中のどの視点から見ているか。
当時は畳ですから座って見ますのでその視点に合わせてちょうどよくなるように。
風炉先屏風もお客様の位置からちょうどよく見えるように描かれています。
やっぱり自分の感動を誰かが見た時に伝わりやすくちゃんと入っていくようにそこまでほんと計算されて…。
計算なんですよねやっぱり。
計算力と観察力ともちろん表現力とあとはもう内面の…ひたすら実直に学び続けるあたりが合わさってのまさに今日佐々木さんが教えて頂いた総合力っていう事なんですね。
応挙って非常に品格のある絵を描くんですけれどもその作画を支えてるものというのは実にさまざまな要素があって若い時には狩野派からさまざまな流派の勉強をするんですね。
ですから過去の伝統もしっかり勉強したうえで写生を展開させる。
伝統と革新のバランスもすばらしいですし写生を使うという事で近代の日本画の礎ともなるような働きをした方ですけれども私自身はもう何といっても応挙の制作に向かう真剣な姿それを現代のアーティストの方たちも是非お手本にして頂きたいと思っています。
それが今改めて感じる応挙の魅力の一つ。
そうですね。
歴史時間時空を超えて私たちに大きな感動を与えてくれるものだと思います。
今日は本当にあっという間の楽しい時間でした。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/07/12(日) 09:00〜09:45
NHKEテレ1大阪
日曜美術館「夢の応挙 傑作10選」[字]
江戸時代、写生によって絵画に革命を起こした絵師がいた! 円山応挙。目の前にそのものがあるように見える驚きの作品を生み出した。魅力の秘密を10の傑作から探る!
詳細情報
番組内容
江戸時代後期、写生によって絵画に革命を起こしたのが円山応挙。伊藤若冲より人気を誇り、弟子には長沢芦雪がいた。応挙は、絵手本をもとに描いていた時代に、実物を徹底的に観察し描く写生の美を追及した。番組キャスターの井浦新が、兵庫県の大乗寺を訪れ、応挙の傑作を体感。思わず圧倒されたその仕掛けとは? さらに日本画家が、作品の一部を再現。浮かび上がってきた超絶技巧とは? 10の傑作から応挙の驚きの魅力を探る。
出演者
【ゲスト】京都嵯峨芸術大学教授…佐々木正子,【出演】日本画家・京都嵯峨芸術大学教授…仲政明,日本画家・京都嵯峨芸術大学…大沼憲昭,作家…藤野可織,【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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