「勝手に決めるな」 「国民なめるな」 世代や党派を超えた重層的な抗…[続きを読む]
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設に伴う新基地計画をめぐり、…
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設に伴う新基地計画をめぐり、県の第三者委員会が、前知事の埋め立て承認手続きに「法的瑕疵(かし)」があったとする報告書をまとめた。
報告を受けて、翁長雄志知事は「内容をしっかり精査し、承認取り消しを含めて慎重に検討していきたい」と語った。
法的な根拠の怪しい事業を強行し続ければ、県民の怒りはますます膨らむ。安倍政権はまずボーリング調査を中止し、知事と話し合うべきだ。
2013年12月の仲井真弘多前知事の埋め立て承認には、これまでも県民から正当性に疑問の声があった。前月の11月には「不明な点があり、懸念が払拭(ふっしょく)できない」(県環境生活部)としていた県の見解が、翌12月に突然、「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置が講じられており適合」(県土木建築部)と一変したからだ。
第三者委員会は、公有水面埋立法の審査基準に照らして、辺野古埋め立ての必要性に「合理的な疑いがある」「生態系の評価が不十分」「生物多様性に関する国や県の計画に違反している可能性が高い」などと厳しく指摘。「法の要件を満たしておらず、承認手続きには法律的瑕疵が認められる」と断じた。
県民の懸念を、委員会が改めて問題視したと言える。
委員会は弁護士3人、環境専門家3人の計6人。以前から辺野古新基地に反対を表明していたのは1人だけだ。
沖縄県議会では今週、県内に持ち込まれる埋め立て用の土砂を規制する条例が成立した。特定外来生物が混入していないか調査を義務づけることで、辺野古埋め立てにブレーキをかけようとする翁長知事与党が主導したものだ。
沖縄で相次ぐ動きは、政権への異議申し立てにほかならない。しかし、政権の動きは鈍い。菅官房長官は「(埋め立て承認の)行政の判断は示されている」と言う。
政権は、知事が承認取り消しをすれば、地方自治法に基づく是正指示や、行政不服審査法に基づく不服審査請求などの対抗措置を講じるとみられる。最後は司法の場で判断の是非を争う展開も予想される。
これ以上、政権と沖縄の対立を高めてはならない。
「辺野古新基地建設NO」の民意は、戦後70年、米軍基地に囲まれた暮らしを余儀なくされてきた沖縄県民が、度重なる選挙で示した明確な意思である。
政権は、県民の選択の重みを改めて考え直す必要がある。
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