(小唄と三味線の演奏「宮川音頭」)
(ナレーション)
京都の春を彩る「京おどり」
年に一度宮川町の芸妓と舞妓が舞を披露する
(一同)・すぐきしばづけ五色豆
(一同)・みやげばなしは
(一同)・みやげばなしは
晴れの舞台で欠かすことができない和楽器…
京都五花街の一つ宮川町
夜は座敷昼は稽古
街には三味線の音が絶えない
舞妓たちは三味線の腕に磨きをかける
この〜くっつけたままこれはできひん。
離しておいて。
(小唄と三味線の演奏)
(柳さん)でそう。
こうねじくらんとこのこれぐち…いって…。
そうですそうです。
(小唄と三味線の演奏)
(柳さん)17歳ぐらいどすね。
難しいもんやなと思いましたねとても苦手で。
心にしみわたる…何かそういうもんがありますね。
そう思ったときにあっ日本人でよかったなぁと思いましたね。
(三味線の演奏)
糸をはじく独特の音
今も昔も三味線は京都の花街の芸と深くつながりのある和楽器である
宮川町の程近くにある…
京都に生まれ幼い頃から三味線の音になじんでいたという…
15年の修業を経て独立
京都では数少ない三味線づくりの職人である
棹は「三つ折れ」という継ぎ棹が主流である
これを要は継いでしまって一本の棹にはなるんですけど。
ってやるともう一本…。
継ぎ合わせたときに寸分の狂いもないよう仕上げる
(野中さん)三味線弾いてました。
作ってみたいなぁってなんとなく思ってたのがいつの間にかひとりで…強い意志になりというかなんか「俺は作る!」みたいな逆に勘違いぐらいの勢いで。
いうたら自然と作りたいっていうか作る方がいいって思いだしたっていうのが最初ですかね。
ヴァイオリンみたいにあんまり職人の名前が残るっていう品物でもないのでそこまでは思ってないんですけどいい木目の木を自分の中でもある程度ピシャッと…ああ〜ちゃんとできたなっていうレベルのもので作って最終的には音も出して聴いてみたいなっていうのもありますけどね。
うん。
(三味線の音)
三味線独特の余韻と響き
それは棹に施すある工夫によって生み出されている
さわり…音で言うとこの…。
ビヤーン
(三味線の音)ビヤ〜ンっていう音なんですけど。
この音はどこで鳴ってるかというとここのとこに…ずっとフラットできたとこにポコッと溝を掘ってあるんですけどこの溝があることで…。
ビヤーン糸が振動すると。
一番太い一の糸を弾くと「さわり」という溝の山の部分に糸が触れ複雑な音が生まれる
ほかの糸を弾いたときも一の糸が共振し独特の音の味わいが作り出されるのである
三味線を作って弾いて
若い世代にその魅力を伝えていきたいと野中さんは願う
三味線は室町時代後半に中国から伝わった楽器とされている
三味線の演奏家でありその歴史に詳しい田中悠美子さんに話を聞いた
中国の「サンシェン」という弦楽器がありましてそれが明の王朝の時代に沖縄…当時の琉球王国に輸入されて「サンシン」となりました。
サンシンがもともと本土に入ってきたんですけれどもそのサンシンを改造したということで例えば蛇の皮を猫や犬の皮にしたとかそういう大きな違いはあるんですけれども特に見た目で違うなというのは棹が非常に細くてそれから胴も非常に小ぶり。
そしてバチも大変に小さかったと。
当時の三味線というのはそのように非常に華奢なものであったといわれておりまして。
歌舞伎とか人形浄瑠璃といった劇場音楽あるいは遊里あるいは料亭といったお座敷で演奏される室内音楽。
そういう所まで様々な種目とか流派が発展しまして町衆から大名まで非常に幅広い層の人々の間で大いに流行してもてはやされたというのが三味線でございます。
(小唄と三味線の演奏)
(小唄と三味線の演奏)
八坂神社の南に三味線の製造から販売までを行う店がある
明治38年創業の今井三弦店
100年を超える三味線づくりの伝統を受け継いでいる
三味線の音色を大きく左右するといわれている皮張り
白玉粉に水を含ませ練り上げて作った糊を使い胴と皮を張り合わせる
ものづくりがたぶん好きやったんでしょうね。
でやっぱ楽器を作るっていうのが魅力的なことでね自分の張ったやつね…作ったやつでおっきなホールでええ音で弾いてもらったらそら聴いてる方としてはなんか自分だけの楽しみですわねそれは。
ものすごく気持ちええもんですわね。
(今井さん)よっしゃ。
こんなもんですかね。
皮が破れる寸前まで伸ばして張る
三味線職人として今なお挑戦の日々だという
(三味線の演奏「打ち水」)・打ち水の
季節の移ろいや人の世の情
三味線の優しい音色が小唄の世界にいざなう
(柳さん)・したたる
(柳さん)・草に
(柳さん)・光る
(柳さん)・露日本人の感情を表現するのに一番適した楽器がお三味線やと思うのどすね。
音色もいろいろありますしメロディーも作れますしまあそういう意味でお座敷のこう…どう言うのどっしゃろ?文化?心のやり取りっていう文化を後々まで伝えていくのにはもう切っても切れない大事なものやと思いますね。
最高の音を求める演奏者とその思いに応える職人
今も昔もその関わりは変わることなく続いていく
(柳さん)・声をあわれと
日本人の心を振るわせ続ける三味線の響きとその味わい
鎌倉時代洛中で日蓮宗最初の道場として日像が創建した妙顕寺をお送りします
2015/07/12(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]
「和楽器の世界〜三味線〜」
詳細情報
◎この番組は…
古都1200年の歴史の中で守り続けられてきた寺社仏閣・祭り・伝統工芸などの中より「美の再発見」をテーマに、ハイビジョン撮影による高画質映像でお送りする「映像美術館」。
音楽
久石譲
公式HP
【番組HP】
http://www.mbs.jp/kyoto/
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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