3地球ドラマチック「宇宙への道〜飛行士のミッションに密着〜」 2015.07.11


国際宇宙ステーションISS。
ISSは地球のおよそ400キロ上空の宇宙空間につくられた巨大な実験研究施設です。
2000年11月以降世界各国から選ばれた宇宙飛行士が交代で派遣されさまざまな実験や観測を行っています。
ドイツの宇宙飛行士アレクサンダー・ゲルストは2014年国際宇宙ステーションで半年間のミッションに就きました。
長年の夢が実現したのです。
宇宙への旅は地上での過酷な訓練から始まります。
人類は何千年にもわたって旅をしてきました。
常に新しい土地を目指し地平線のかなたに何があるかを知ろうとしてきました。
宇宙へ向かうのはその旅を続けるためです。
地球の外に何があるのかを知りたいのです。
ゲルストと共に任務についたのはアメリカの宇宙飛行士リード・ワイズマン。
2人にとって初めての宇宙への旅です。
国際宇宙ステーションに行く事は夢でした。
もしさらにその先の月や火星を目指す計画があればぜひ参加したいです。
人類が見た事のないものをこの目で見て人々に伝えられたらと思います。
2人の宇宙飛行士は4年以上前から訓練を重ねてきました。
アメリカのヒューストンはすばらしい街です。
人類で初めて月面に立ったニール・アームストロングのオフィスや月の石が展示してあるNASAの建物を見ながら毎日ジョギングをしています。
大いに刺激を受けます。
ジョンソン宇宙センターは国際宇宙ステーションに行くための訓練の本拠地です。
宇宙飛行士たちは本物の宇宙ステーションそっくりにつくられた施設で緊急事態の対処法の訓練をします。
火災の発生やデブリと呼ばれる宇宙ゴミの衝突などさまざまな事態が考えられます。
地上の管制官は警告を発しデータを解析する事はできますが現場で対処するのは宇宙飛行士自身です。
非常事態はいつ起きてもおかしくありません。
宇宙に行ったら寝ている時や休憩中も気を緩めてはいけないんです。
緊急時の対処法は頭にたたき込みました。
緊急時には20分以内に宇宙ステーションから宇宙船で脱出できます。
国際宇宙ステーションでの最も危険な任務はステーションの外での船外活動です。
アメリカ航空宇宙局NASAが開発したバーチャルリアリティー装置によって宇宙空間での活動を疑似体験できます。
全ての動作が3D画像に変換されます。
主な任務は機械の設置や修理などですがここでも重要なのは緊急事態への対応です。
万が一命綱が切れれば宇宙空間へ投げ出され命に関わる最悪の事態となります。
ジョンソン宇宙センターには世界最大級の屋内プールがあります。
サッカーのグラウンドほどの大きさがある国際宇宙ステーションがそっくり入ります。
水の中は無重力の宇宙空間に近い状態です。
宇宙飛行士はここで船外活動の訓練をします。
この日は6時間行われました。
実際に予定されている任務と同じ長さです。
ゲルストとワイズマンの重要な任務の一つは宇宙ステーションの外にある電気系統を修理し冷却ポンプを正しい場所に設置する事です。
船外活動で着用する宇宙服は中に一定の圧力がかかっているため体を動かすたびに抵抗を感じます。
まるでトラックのタイヤに閉じ込められた状態で内側からタイヤを押し返しているようです。
関節などの動きも限られるのでこの状態で作業を行うのは簡単ではありません。
宇宙服の安全性にはまだ課題があります。
2013年船外活動の際に宇宙飛行士のヘルメットの内部に冷却水が漏れ出る事故が発生。
宇宙飛行士は危うく溺れるところでした。
緊急時の行動訓練は徹底的に行われます。
今回ゲルストとワイズマンは2013年に事故によって中断された作業の続きを行う予定です。
私たちは国際宇宙ステーションで船外活動をするために訓練を重ねてきました。
非常に危険で正確さとスピードが求められます。
ワクワクすると同時に身が引き締まります。
ヒューストンでの訓練は全て終了しました。
ドイツケルンのヨーロッパ宇宙飛行士センターでは今回のミッションで行う科学実験の最終調整が行われています。
ゲルストは地球物理学者。
ワイズマンは海軍パイロットです。
厳しい訓練を経て2人は信頼関係を築きました。
リードから多くを学んでいます。
彼はパイロットとしての経験が豊富で的確な判断を迅速に下せます。
宇宙では一瞬の判断が重要です。
時間をかけて100%正しい決断を下すより80%であっても早く決断する事が求められます。
リードにはそれができるんです。
今の私たちに言葉は必要ありません。
相手の顔を見るだけで何を考えているのかが分かります。
宇宙でもきっとうまくやれると思います。
最後の厳しい訓練がロシアモスクワ郊外にあるガガーリン宇宙飛行士訓練センターで行われます。
数年前までセンターの内部は非公開でした。
世界最大の遠心加速器です。
2人は強烈な肉体的ストレスに耐えなければなりません。
打ち上げや再突入の際重大な事故が起きる危険性があります。
もし緊急事態が発生したら乗員カプセルをロケット本体から瞬時に切り離します。
その時体には地上の9倍もの重力がかかります。
手も上がらないような状態でも必要な操作ができるようにこうした訓練が必要なんです。
身体の状態を医師がモニターで確認します。
合格しました。
今回の船長はロシアのマキシム・スライエフです。
宇宙服に着替え宇宙船内での訓練が始まります。
アメリカのスペースシャトル計画が2011年に終了して以来国際宇宙ステーションへ人を運ぶ唯一の宇宙船はロシアのソユーズです。
宇宙ステーションにたどり着き再び地球へ帰ってくるための重要な訓練です。
本物そっくりに作られた狭いカプセルの中で訓練は6時間続きました。
飛行中の任務を全て順序どおりに行います。
突然気圧が低下した場合の訓練も行います。
ソユーズに乗る間は3人でいかなる事態にも対処しなければなりません。
地上との交信はロシア語です。
ゲルストとワイズマンはそのためロシア語を学びました。
想定される緊急事態火災エンジン故障などシミュレーターで試せる全ての事態をテストしました。
私たちは全てパスし生きて地上に戻る事ができました。
打ち上げはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地で行われます。
半世紀以上の歴史を誇る宇宙への旅の出発点です。
打ち上げの3週間前3人の宇宙飛行士が到着しました。
ゲルストたちは報道陣の前で実際の打ち上げに使われるソユーズのカプセルに初めて乗り込みました。
ソユーズロケットの技術の一部は1960年代に開発されたものです。
その技術は現在まで100回以上の打ち上げに使われてきました。
打ち上げ2日前。
ロケットが発射台に移されます。
巨大な機体が格納庫から運び出されます。
ロケットの全長は50メートル。
重量はおよそ300トンです。
この広大な基地は現在はカザフスタンの領土の一部です。
ロシアはこの基地を利用するために年間およそ180億円をカザフスタン政府に支払っています。
国際宇宙ステーションに長期滞在する3人が出発します。
アレクサンダー・ゲルストリード・ワイズマンマキシム・スライエフ。
宇宙飛行士たちが宇宙船ソユーズに乗り込みます。
秒読みが始まりました。
(ロケット発射の音)地上の何倍もの重力によって宇宙飛行士たちの体は座席に押しつけられています。
40キロ上空で窓の外に青い地球が見えてきました。
打ち上げから9分後。
3段目のロケットの切り離しに成功しました。
ソユーズは地球の周回軌道に入りました。
地球からの高度は243キロ。
ここからは無重力の世界です。
さあ宇宙だ!地球を周回しながら上昇し高度およそ400キロの国際宇宙ステーションに向かいます。
あの辺りはオーストラリア大陸でしょうか。
雲の合間に美しい青色が見えます。
地球の丸さもはっきりと分かります。
地球物理学を学んだ者としてこの光景を見られるのは幸せです。
娘のぬいぐるみキリンさんで〜す。
宇宙酔いもなく調子はとてもいいです。
眺めも最高です。
数年前までは打ち上げから国際宇宙ステーション到着まで2日以上かかっていました。
軌道の計算の精度が増した事で現在では6時間以内になりました。
あと40メートル。
ドッキングは全てコンピューター制御で行われます。
(交信)打ち上げから5時間47分後ソユーズは無事国際宇宙ステーションに到着しました。
ようこそ!宇宙ステーションへ入った瞬間は決して忘れません。
仲間が笑顔で迎えてくれました。
ハッチを開けて室内に入っても最初のうちはうまく浮かぶ事ができませんでした。
命綱をつかむように必死で手すりにしがみついていましたが体じゅうをあちこちにぶつけてしまいました。
重力のない世界に慣れるには時間がかかります。
(拍手)国際宇宙ステーションISS。
地球以外で人類が住む事のできる唯一の場所。
そこは宇宙飛行士たちの新たなふるさとです。
キューポラと呼ばれる観測用の展望室です。
ここがキューポラか。
すばらしい眺めだ。
アメリカも見えます。
地球の大地は思ったよりもずっと多様性に富んでいます。
広大だな。
でも10分ほどで通過してしまう。
そうだね。
宇宙ステーションの中ではカメラで撮影したり音楽を聴いたりする事ができます。
仕事の中で最も多いのは科学実験です。
ゲルストは滞在する半年の間に160の実験を行います。
この日は無重力状態での液体の性質を調べます。
宇宙船に適した燃料の開発につながる実験です。
またさまざまな物質を燃やし炎の性質を確認します。
燃えにくい素材の開発に役立てられます。
こうした実験はグローブボックスと呼ばれる壁に設けられた実験スペースで行われます。
これも遊びではなく実験です。
スフィアーズという実験衛星のテストを行っています。
完成すれば複数の衛星がネットワークを築いて飛ぶようになります。
キューブサットの放出実験が日本の実験棟で行われます。
複数の超小型衛星をまとめて宇宙ステーションから軌道に乗せます。
よりコンパクトでコストのかからない衛星の打ち上げを目指しています。
国際宇宙ステーションに上下はありません。
給水機は天井に設置されています。
これは冷たい飲料水です。
コーヒーや乾燥した食品のためのお湯もあります。
宇宙食は年々改良され種類も味も豊富になってきました。
もちろん食品を温める事もできます。
ありがとう。
おっといただき!行くぞ。
お〜水をくぐった。
これを見て。
お〜。
う〜!来るぞ。
どうだ!うわ〜!おっ!外したな!戻ってくる。
もう一度だ!宇宙ステーションでは昼夜の区別が曖昧です。
90分で地球を1周するため24時間に日の出は16回あります。
ステーションでは地球の暦と時計が採用されています。
毎日のささいなことがここでは驚きに満ちています。
宇宙飛行士は全てを地上で訓練してきた訳ではありません。
ひげ剃り用の水を袋から出すと水はゼリーのように顔にくっつきます。
シャワーは使えません。
体を洗うには袋にお湯と洗剤を入れタオルをぬらして使います。
このタオルで体を拭きます。
とても熱くて十分ぬれています。
ああさっぱりする。
タオルは2日おきに新しい物と交換します。
7月半ばアメリカの無人輸送船が国際宇宙ステーションに近づいてきました。
補給物資や新しい機器を積んだシグナスです。
輸送船を宇宙ステーションにドッキングさせるにはロボットアームを使います。
宇宙ステーションは時速2万8,000キロで地球を周回しています。
宇宙飛行士はこの極めて難しい作業を行うためNASAの宇宙センターで何度もリハーサルを行ってきました。
よし!これでいい。
輸送船とつながった。
うまくいった。
任務完了だ。
無人の物資輸送船はアメリカロシアヨーロッパ日本などから定期的に送られています。
すばらしい。
窓の外いっぱいに地球が広がっています。
この宇宙で人類が生きる事ができる唯一の場所です。
美しく壊れやすい青い惑星です。
でも人類はこの地球を破壊する営みを続けています。
たった一つしかない壊れやすい惑星を守ろうともしないのです。
私たちは広い視野を持つべきです。
地球にいると資源は無限にあるように思えますが宇宙からは全く違って見えます。
人類は限られた小さな場所で生きているにすぎません。
ここから見ると全てが一つの視野に収まってしまうほどです。
大西洋も北アメリカもヨーロッパもほぼ同時に見えます。
私たちの住む世界は何て小さいんだろう。
8月半ばゲルストはロボットアームを操作してシグナスを切り離しました。
朝自分の部屋からここに出てきますがいまだに一瞬方向を見失ってしまいます。
寝る時はほとんど直立ですがドアを閉めて眠る間上下の感覚がないからです。
ここが私の部屋です。
測ってみたら床はちょうど60センチ四方でした。
でも重要なのは広さではなくどんな場所かという事です。
個人的には気に入っています。
一人になれる貴重な空間ですからね。
寝袋は見てのとおり壁に固定されています。
毎晩この中でこうして背中を壁につけた状態で寝ます。
他の仲間もそうしているようです。
固定されている方が快適だし体が壁に触れていると安心できます。
宇宙のトイレにようこそ。
仕組みは掃除機と同じです。
この壁の裏側に遠心分離機がありその吸引力で排せつ物を吸い出します。
尿はこのホースで吸い込んでタンクに送ります。
タンク内の尿は水再生システムで処理をして飲料水にします。
便の時は通常と同じ便座を使います。
排せつ物はかなり強い吸引力で吸い込まれ下にある容器に納まります。
シンプルかつ効果的。
意外に快適です。
初めは心配していましたがとても使いやすいです。
訓練を積んだ宇宙飛行士も時に無重力状態に惑わされます。
物の重さや上下の感覚がない状態に人間の脳は慣れていないんでしょう。
時々自分がどの方向を向いているのか分からなくなります。
方向感覚が曖昧になるんです。
例えば水のボトルをテープで壁に固定したとします。
でもしばらくするとどの壁だったか分からなくなるんです。
右側だったか左側だったかってね。
宇宙ステーションでは2時間の運動が日課です。
無重力の状態にいると筋肉や骨がたちまち衰えてしまうからです。
近年はさまざまなトレーニング機器が開発されています。
宇宙飛行士は壁や天井に取り付けられた機器でトレーニングを行います。
宇宙飛行士の健康管理については多くの研究がなされてきました。
無重力の状態では骨がもろくなりますが地上に戻れば再び回復する事が分かっています。
さまざまな医学的問題を解決する事は将来人類が火星を目指すために欠かせません。
人間が消費するエネルギーは地上と宇宙空間では大きく異なります。
無重力の宇宙では体への負荷が少ないため代謝は最小限になります。
3年もかかる火星へのミッションでどのくらいエネルギーを消費するのかを把握する必要があります。
そのための実験です。
8月半ばヨーロッパ宇宙機関が開発した無人輸送船ATV5号機が国際宇宙ステーションに接近していました。
2008年に始まったATVの運用計画はこの5号機をもって終了します。
これが最後の便です。
先ほど宇宙ステーションと電話が通じあらゆる点について確認をしました。
ATVのドッキングは基本的には自動で行われるため宇宙飛行士の任務はATVを監視し経過を地上の管制官に伝える事です。
もし計画どおりにいかずATVが軌道から大きく外れた場合には宇宙飛行士がドッキングを中止させる事ができます。
宇宙飛行士が地上と連携し望遠鏡でドッキングの進行状況をチェックします。
(管制との交信)ATVの最後のドッキング。
全ては計画どおりに進んでいます。
あと数メートルです。
ドッキングを確認しました。
(拍手)ドッキング成功の翌日。
ゲルストは宇宙ステーション側のハッチを慎重に開けました。
ATVです。
この部分は昨日宇宙空間でむき出しになっていました。
顔を近づけると宇宙の匂いがします。
嗅いでみましょう。
とても強烈な匂いがします。
クルミに似た感じの匂いです。
ハッチを開けて宇宙空間にあったものに近づくといつもこの強烈な匂いに包まれるんです。
輸送船のハッチを開ける際はゴーグルと防護マスクを着用します。
飛行中の振動で細かな金属片などが浮いているかもしれないからです。
中に入りましょう。
ヨーロッパからの最後のATVです。
実験機器のほか好みの食品や新しい服もあります。
宇宙にいると欲しくなる物ばかりです。
ATVにはドイツの航空宇宙センターで準備された重要な実験装置が積まれています。
ドイツの宇宙飛行士ゲルストは管制室と直接連絡をとりながら実験装置を宇宙ステーションの所定の場所に設置します。
今回ゲルストの任務の中で最も重要なものの一つです。
非常に重大な任務です。
このための訓練を彼は出発前に時間をかけて行ってきました。
装置の部品はたくさんあり大型の機器もあります。
これをヨーロッパの実験棟まで運ばなければなりません。
宇宙ステーションにはいたる所にケーブルが張り巡らされています。
また通路もとても狭いんです。
そのため全部の部品を運び終えるのにどれだけ時間がかかるか予想がつきません。
仲間のクルーが手伝います。
慎重にかつ迅速に進められます。
全ての部品をヨーロッパの実験棟に運び2つの大きな部品をキャビネットに設置するところまでは今日中に終える必要があります。
ATVのハッチは予定どおりの時刻に閉じなければなりません。
ハッチが開いた状態ではロシアが計画しているミッションが行えないからです。
宇宙飛行士のスケジュールは分刻みです。
もし遅れが生じれば地上の管制チームはその後の実験を延期し計画を立て直さなければなりません。
ゲルストは全ての任務を時間内に終えました。
途中の思わぬトラブルも機転を利かせて何とか回避できたようです。
途中ピンが1本だけどうしても抜けなくて困りました。
刺さったままでは機械を設置する事ができないんです。
ピンを取り出すのに何かいい物はないかと探し回りました。
結局ひげ剃り用の泡とのこぎりを使ってピンを切断するのに成功しました。
この作業だけでほぼ一日かかってしまいましたがもう大丈夫です。
無事機械を設置し終えたので実験が始められます。
エアロッククエストにいると厳粛な気分になります。
まるで大聖堂に来た時のように声を潜めたくなります。
実際ここは他の場所よりも騒音が少なく静かです。
ここには船外活動のための宇宙服が置いてあります。
この宇宙服は全ての機能が完璧に作動しなくてはいけないので念入りに整備します。
間もなく私とリードはこれを着て扉の外の宇宙に出ていくんです。
10月。
ゲルストとワイズマンは地上で訓練を重ねてきた船外での活動を行う事になりました。
最も重要なのが宇宙飛行士とステーションをつなぐ命綱です。
ケーブルの長さは26メートル。
一方の端がエアロックの外側に固定され私たちは命綱につながった状態で活動します。
エアロックの扉はここ。
リードが開ける事になっています。
扉の向こう側は宇宙です。
出発前に100%の酸素を吸います。
宇宙遊泳やスキューバダイビングなど急激な圧力の低下を伴う場合に起きる減圧症を防ぐためです。
全ての準備が整いました。
2人にとって初めての船外活動が始まります。
ゲルストとワイズマンは宇宙ステーションの外へ出ました。
広大な宇宙空間に2人の体が浮かんでいます。
今回の任務は故障した電気系統を修理し巨大な冷却ポンプを正しい位置に設置する事です。
2013年イタリアの宇宙飛行士が同じ作業を試みました。
しかしヘルメットの中に冷却水が漏れる事故が発生し中断を余儀なくされました。
2人は地上の管制官に作業の進み具合を15分ごとに報告します。
作業の合間に写真を撮る事を許されました。
ロボットアームの先端にいるのはゲルストです。
冷却ポンプを運び無事設置作業を終えました。

(交信)予定の6時間が経過しました。
トラブルはありませんでした。
2人は宇宙ステーションの入り口に戻ります。
お帰り!最高!良かった。
すごかった。
ハッチを開けて出た瞬間はすごく寒そうに見えました。
完全に真っ暗闇でしたし。
でも全く寒くはありませんでした。
日が昇ると体の右側だけ暑くて左側は凍えるほど寒かったです。
あとはひたすら作業。
写真も撮りましたよ。
何というかすばらしい体験でした。
案外落ち着いて行動できたと思います。
やあお疲れ!ああ手が疲れたよ。
そうか。
僕の手は大丈夫だ。
おめでとう。
やったね。
本当に良かった。
始めるまでは緊張しましたが外に出るとすがすがしい気分で落ち着きを取り戻しました。
全く怖くはなかったですね。
宇宙空間に漂いながら見る地球は格別でした。
肘から先が疲れています。
指先の感覚は戻ってきましたが肩甲骨の辺りも凝っています。
自分では気付かなかったけれど相当力んで命綱を握っていたんでしょうね。
サインをしよう。
胸のワッペンに2人の名前を書いて記念に持ち帰ります。
ここにサインできるなんて光栄です。
宇宙空間に出たワッペンです。
ペンがうまく持てない。
ゲルストとワイズマンの165日間に及ぶ宇宙でのミッションが終わろうとしています。
2人の夢はかないました。
この宇宙で地球について多くを学びました。
地球物理学者の私は地球をただの丸い物質として捉えてきました。
しかし宇宙から見ると私たちの地球がいかに多様性に富み生き生きとしているかが分かります。
人類が宇宙のどこへ行こうと私たちのふるさとはただ一つ地球です。
かけがえのない星を心から大切に思います。
心からね…。
ん?レモン?ん?サーキット?2015/07/11(土) 19:00〜19:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「宇宙への道〜飛行士のミッションに密着〜」[二][字]

「宇宙飛行士になる!」という夢を実現させた2人の宇宙飛行士。彼らの訓練や宇宙ステーションでの滞在を密着取材。子どもたちの宇宙への興味や夢を育む。

詳細情報
番組内容
ドイツ人のゲルストとアメリカ人のワイズマンは2014年5月からおよそ半年間、ISS・国際宇宙センターに滞在した。子どもの頃からの夢が実現したのだ。4年以上に及ぶ訓練と打ち上げの瞬間の様子、ISSでの実験や暮らしぶりを詳細に紹介。食事や睡眠、トイレなど、ISSには驚きの秘密がいっぱい。最大のミッションである船外活動を終えた直後にゲルストが発した言葉に納得!(2015年ドイツ)
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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