おはようございます。
７時になりました。
多額の債務を抱え、ユーロ圏各国に新たに金融支援を要請したギリシャ。
ギリシャ議会は、金融支援を受ける前提として、チプラス政権がＥＵ・ヨーロッパ連合に提出した構造改革案について、まもなく採決を行う見通しです。
ただ、改革案は国民投票で反対が多数となった財政緊縮策に近い内容で、ギリシャ国内では、不満の声が上がっています。
首都アテネ中心部で行われた抗議デモ。
掲げられた横断幕には、緊縮策に反対の文字が。
主催者側の発表で、１万５０００人を超える人が参加しました。
ギリシャ国民の不満は、政府がＥＵ側に提出した構造改革案に向けられています。
改革案では、２０２２年までに、年金の支給開始年齢を原則として６７歳に引き上げ、さらに離島に対する付加価値税の優遇措置を、２０１６年末までに、段階的に廃止することなどが盛り込まれています。
こうした内容は、今月５日に行われた国民投票で反対が多数となった、ＥＵなどが求める財政緊縮策に近いものです。
日本時間の午前６時前から始まったギリシャ議会の本会議。
チプラス首相は議会に対して、ＥＵ側に提出した構造改革案を承認し、政府に交渉の権限を一任するよう求めました。
このあと採決が行われ、改革案は野党の支持も得て、まもなく承認される見通しとなっています。
国内の資金がひっ迫し、預金の引き出し制限が続くギリシャ。
銀行の前には、この日も市民の長い列が出来ていました。
一方で、資産を守ろうと、宝飾品を買い求める動きも出ています。
アテネ市内の宝飾店です。
ルビーやエメラルドなどをあしらったイヤリング。
この店では、日本円で１５０万円以上の高額の商品が売れているということです。
ギリシャでは、ＥＵ側との協議が合意に至っても、資本規制が続くのではとの不安から、投資目的の客が増え、店の売り上げは、資本規制導入前より３０％程度伸びているということです。
ギリシャ政府が示した構造改革案を、ＥＵ側はどう見ているのか。
ＥＵの執行機関に当たるヨーロッパ委員会のドムブロフスキス副委員長はＮＨＫのインタビューに対し、次のように述べました。
ＥＵとしては、前向きに評価していることを明らかにしました。
ただギリシャ側が求めている、支援の規模については。
ドムブロフスキス副委員長は、ＩＭＦなどとともに支援額を査定し、ユーロ圏財務相会議までに、各国に提示する方針を示しました。
今回、ギリシャ議会で改革案が承認されれば、ＥＵなどによるギリシャへの支援再開に向けて道が開けるとの期待が高まっています。
しかし、ギリシャ政府は、１１日のユーロ圏財務相会議や、翌日のＥＵ首脳会議で、債務の削減など、負担の軽減措置も求めるものとみられ、協議の行方はなお予断を許さない状況です。
ＴＰＰ・環太平洋パートナーシップ協定を巡り、日米両政府は、きのうまで行われた事務レベル協議で、焦点の一つとなっているアメリカ産の主食用のコメの輸入量で、意見の対立は解消できませんでした。
日本政府は、日本製の自動車部品などの関税の取り扱いなども絡めながら、アメリカ側と折り合えるぎりぎりのラインを探ることにしています。
ＴＰＰ・環太平洋パートナーシップ協定を巡り、日米両政府は、交渉参加１２か国による閣僚会合が、今月２８日からアメリカのハワイで開かれるのを前に、きのうまでの２日間、事務レベルの協議を行いました。
交渉関係者によりますと、この中でアメリカ側は、アメリカ産の主食用のコメについて、輸入量を現状より１７万５０００トン増やすよう重ねて強く求め、５万トン以上の増加は受け入れられないと主張する日本側との間で、意見の対立は解消できなかったということです。
これを受けて日本政府内からは、ＴＰＰ交渉をまとめるためには、一定の譲歩もやむをえないという声や、アメリカの強硬な姿勢を踏まえれば、輸入量を１０万トンに増やしても、交渉を決着させるのは容易ではないという見方も出ています。
日本政府は、日米協議がまとまらず、交渉妥結を目指す今月末の閣僚会合が不調に終われば、交渉の長期化は避けられないと、危機感を強めており、日本製の自動車部品などの関税を撤廃するまでの期間も絡めながら、アメリカ側と折り合えるぎりぎりのラインを探ることにしています。
岩手県矢巾町で、中学２年生の男子生徒が、いじめをうかがわせる内容を学校のノートに書き残し、自殺したと見られる問題で、１年生のときのノートにも、何回も死ねって言われるなどと記されていたことが分かりました。
町の教育委員会は今後、１年生のノートの内容についても、調査することにしています。
矢巾町の中学２年の村松亮さんは、今月５日、列車にはねられて死亡し、いじめを苦に自殺したと見られています。
村松さんは、担任の教諭とやり取りする生活記録ノートに、いじめをうかがわせる内容を書き残していました。
さらに１年生のときのノートの中にも、たびたび、ずっと悪口、何回も死ねって言われるなどと記されていました。
去年５月には、まるでいじめられるような気分で嫌です。
もう限界です。
去年７月には、クラスでいじめが。
また嫌になってきました。
そしてことし２月には、死にたいと思ったときが結構ありましたなどと、つづられています。
村松さんの母親は、次のように話しています。
矢巾町の教育委員会によりますと、男子生徒が通っていた中学校は、今年度、昨年度ともにいじめの件数はゼロと報告していたということです。
教育委員会は、１年生のときからいじめと疑われる行為があったかどうか、今後、調査することにしています。
アメリカ政府のコンピューターシステムから、２０００万人を超える公務員らの個人情報が盗まれた事件で、情報を管理する連邦人事管理局のトップが、責任を取って辞任すると発表しました。
中国の関与が指摘される中、アメリカ政府は、過去最大規模の情報流出に、危機感を強めています。
アメリカでは、政府のコンピューターシステムが何者かに不正に侵入され、およそ４２０万人の個人情報が盗まれたのに続いて、およそ２１５０万人の職員や元職員らの社会保障番号や経歴などの情報が盗まれていたことが分かりました。
これを受けて、情報管理する連邦人事管理局のキャサリン・アーチュレタ局長は１０日、声明を出し、この難局を乗り越えるためには、私が辞任することが最善だと、オバマ大統領に申し出たとして、責任を取って辞任すると明らかにしました。
一方でアメリカメディアは、一連の事件には中国が関与したと伝えています。
これについて、ホワイトハウスのアーネスト報道官は記者会見で、捜査中であり、現時点で公式にいえることは何もないと述べるとともに、対策を急ぐ考えを強調しました。
アメリカ政府は、人口のおよそ７％に当たる膨大な量の個人情報が盗まれるという過去最大規模の情報流出に、外国の情報機関などに悪用されるおそれもあるとして、危機感を強めています。
大型で非常に強い台風９号は、沖縄の北の海上を北西へ進んでいます。
沖縄・奄美ではきょうも風が強く、波が高い状態が続く見込みです。
気象庁は引き続き、強風や高波などに十分注意するよう呼びかけています。
気象庁の観測によりますと、大型で非常に強い台風９号は、きょう午前６時には、沖縄の北の東シナ海を１時間に１５キロの速さで北西へ進んでいます。
中心の気圧は９４０ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は４５メートル、最大瞬間風速は６０メートルで、中心の北東側２４０キロ以内と、南西側１９０キロ以内では、風速２５メートル以上の暴風が吹いています。
台風は今後、東シナ海を北上する見込みですが、沖縄・奄美ではきょうも風が強く吹き、沿岸は波の高さが８メートルの大しけが続く見込みです。
また沖縄・奄美などには、台風周辺の雨雲が流れ込んでいて、局地的に雨が強まるおそれがあります。
気象庁は、強風や高波、それに土砂災害に十分注意するよう呼びかけています。
一方、非常に強い台風１１号は、日本の南のマリアナ諸島の近海を西へ進んでいて、進路によっては日本に影響を及ぼすおそれがあり、今後の情報に注意が必要です。
安全保障関連法案を巡って、与党側は、衆議院での審議は尽くされつつあるとして、来週１６日にも衆議院通過を図る構えです。
これに対して、民主党や維新の党などは、強引な採決は認められないとしており、採決をにらんだ与野党の攻防が激しくなっています。
安全保障関連法案を審議している、衆議院の特別委員会はきのう、安倍総理大臣も出席して集中審議を行い、政府案に加え、民主党と維新の党が提出した対案などに対する質疑を行いました。
与党側は、きのうで審議時間がＰＫＯ協力法など、過去の重要法案を上回る１００時間を超えるなど、審議は尽くされつつあるとして、来週１５日に委員会で採決し、翌１６日にも衆議院通過を図る構えです。
一方で与党側は、強引な国会運営という批判を避けるためにも、できるだけ多くの党が出席する中での採決が望ましいとして、来週、維新の党と対案に関する２回目の協議を行うなどして、採決に向けた環境を整えていきたいとしています。
これに対して、民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの各党は、きのうの野党党首会談で、法案への国民の理解が深まっていないうえ、民主党や維新の党の対案の審議も十分行わないまま、強引に採決することは認められないという認識で一致し、連携して対応することを確認しました。
このように、政府・与党をけん制しています。
採決をにらんだ与野党の攻防が激しくなっています。
次は、日本でも議論が始まっている、移民の受け入れについてです。
北米のカナダでは、経済発展のために移民を積極的に受け入れてきました。
ただ近年、中国からの移民が急増しています。
こちらのカナダ西部、バンクーバーに隣接する都市。
住民の半分近い、実に４７％が、中国からの移民となっています。
中国からの移民が増え続けたことによって、複雑な問題も生まれています。
民族の多様性を認めつつ、外国人との共生をどう模索していくのか。
現地で取材しました。
カナダ西部、人口およそ２０万の都市、リッチモンドです。
街のショッピングセンターで行われているのは、太極拳。
中国からの移民たちです。
リッチモンドでは、住民の半数近くが中国からの移民です。
全体の４７％を占めています。
街の中には、中国語で書かれた看板の数々。
建築中の建物も、中国人向けのものが目立ちます。
近隣の公立小学校の中には、授業で公用語である英語やフランス語に加えて、中国語を取り入れるところも出てきました。
なぜ、カナダで中国からの移民が増えたのか。
背景には、投資家移民と呼ばれる制度がありました。
カナダ政府は、日本円でおよそ１億５０００万円の資産を持ち、かつカナダ国内でおよそ７５００万円の投資を行った外国人を対象に、永住権を与えてきました。
外国の富裕層を呼び込むことで、国内の経済を活性化させるねらいです。
この制度を利用したのが、中国の富裕層たちでした。
中国からカナダに移住する人が相次いだのです。
リッチモンドでは、人口の４７％が中国からの移民となった現状に、複雑な思いを感じている住民もいます。
ケリー・スターチャックさん５７歳です。
リッチモンドで生まれ育ちました。
地元紙は一つしかないわ。
スーパーの新聞売り場には、中国語の新聞が並びます。
中国人の客にターゲットを絞り、中国語でしか対応しない店が増えています。
さらに、チラシや広告も中国語です。
自国のカナダにいるにもかかわらず、不便さや疎外感を感じるときもあるといいます。
このままでは、地域社会がばらばらになってしまうのではないか。
スターチャックさんは、仲間と共に数千人分の署名を集め、看板などの表記は、中国語だけでなく、英語も併記するよう条例で定めてほしいと、市に陳情しました。
この日、スターチャックさんたちの訴えについて、市議会で話し合われました。
街にあふれる中国語の表記をどうすべきか。
議員たちの間でも、意見が分かれました。
厳しく規制をすべきという意見と、多様性を尊重すべきという意見。
議論は白熱し、この日は結論に至りませんでした。
多くの移民を受け入れながら発展してきた国、カナダ。
多様性を尊重しながら、社会としてのまとまりと国のアイデンティティーをどう保っていくのか。
難しい課題が浮かび上がっています。
カナダでは、このほかでも都市部を中心に、中国系の移民が増えていて、ほかでも同じような問題が起きている所があります。
カナダ政府は、中国からの移民が急激に増える中、去年、投資を条件に移民を受け入れる制度を中止し、制度を大幅に見直しました。
想定したほど経済効果が上がらなかったと、カナダ政府は制度を見直した理由を説明していますが、中国人からは、中国からの移民を抑えるための措置だと、不満の声も出ています。
ではスポーツは向井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
まずはテニスのウィンブルドン選手権ですね。
そうですね。
男子シングルスの準決勝、世界２位のフェデラー選手と、世界３位のマレー選手。
ビッグ４どうしが対戦しました。
共に優勝経験のあるトップ選手どうしの対戦。
８回目の優勝を狙うフェデラー。
強烈なサーブで主導権を握り、第１セットを７ー５で奪います。
リードされたマレー。
第２セットで粘りを見せます。
地元の大歓声の中、何度もセットポイントのピンチをしのぎます。
しかしフェデラーの力強さが上回り、第２セットも連取します。
そして第３セット。
フェデラーはストレート勝ちで、２年ぶりの決勝進出です。
一方、準決勝のもう１試合、連覇を狙うジョコビッチがガスケにストレート勝ち。
３年連続で決勝に進みました。
これで日本時間のあす行われる決勝は、世界ランキング１位のジョコビッチ選手と世界２位のフェデラー選手。
去年と同じ顔合わせになりました。
強い２人ですね。
そうですね。
さあ次です。
１年後に迫ったリオデジャネイロオリンピックに向けた動きです。
現地に遠征中の柔道の日本代表が、合宿を公開しました。
井上康生監督をはじめ、来月の世界選手権に出場する選手たち。
１年後のオリンピック対策として、現在は冬のブラジルに遠征し、この時期の気候や現地の練習環境を確認しました。
練習場では、関節技中心で、ブラジルでは盛んな柔術の選手を招き、寝技の練習を繰り返し行っていました。
さあ、最後に全米女子オープンゴルフの速報です。
出場選手中、最年少の１４歳、山口すず夏選手は、第２ラウンドでスコアを伸ばせず、予選突破は難しくなっています。
７１位でスタートの山口選手は、バーディー１つ、ボギー５つ、ダブルボギー１つで、スコアを６つ落とし、通算９オーバー。
予選突破は厳しくなりました。
以上、この時間のスポーツでした。
続いて気象情報です。
南さん、お願いします。
台風９号の影響で、太平洋の沿岸では波が高くなっています。
現在の宮崎の様子、ご覧ください。
現在の宮崎の様子ですけれども、太平洋沿岸はうねりを伴った波の高い状態が続いています。
台風９号の影響ですが、このあと台風１１号もありますので、しばらくは波の高い状態が続きそうです。
そして宮崎はきょうは雨が降ったりやんだりで、雷を伴って、激しく降るような時間帯も出てきそうです。
その台風９号、午前６時の位置は、大陸の沿岸に近い所まで進んできました。
中心の気圧は９４０ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は４５メートルで大型で非常に強い台風です。
大型ですので、南西諸島は強風域の中に入っていますし、時速が１５キロと遅いので、影響がまだしばらく残る見込みです。
このあと台風は北または東の方向へ進んでいく見込みです。
台風に向かって湿った空気も流れ込んできますので、西日本の太平洋沿岸は、このあと雨の降りやすい状態に変わってきそうです。
その雨の移り変わりです。
南西諸島はきょうは雨が降ったりやんだりの天気が続く見込みです。
西日本の太平洋側も、雨の降る所が多く、九州の南東しゃめんでは、雷を伴いながら、激しく降る所もあるでしょう。
南西諸島は、雨の量がかなり多くなっています。
土砂災害などに警戒をしてください。
きょうはかなり気温が上がる見込みです。
きょうは本州の内陸部を中心に、３５度前後まで上がる所が多くなるでしょう。
きょうも熱中症に十分注意をしてください。
また来週は、台風１１号の影響が出るおそれがあります。
台風１１号、現在の気圧は９３５ヘクトパスカル、非常に強い台風です。
このあと、勢力を維持したまま、来週後半には、西日本の南の海上に達するおそれがあります。
この台風の動きが遅いため、影響が長引くおそれがありますので、今後の台風１１号の動きにも十分注意をしてください。
では、きょうの各地の予報です。
九州や沖縄は雨が降り続き、雷を伴いながら、激しく降る所もあるでしょう。
北日本や東日本は晴れる見込みです。
きょう日中の予想最高気温です。
2015/07/11(土) 07:00〜07:30
ＮＨＫ総合１・神戸
ＮＨＫニュース おはよう日本[字]
▼ギリシャ問題最新情報。ＥＵが週末にギリシャの構造改革案を審議。ＥＵ側の評価は？。▼カナダの町で移民が急増。人口の半数が中国系に。地元では反発も。
詳細情報
番組内容
▼ギリシャ問題最新情報。ＥＵが週末にギリシャの構造改革案を審議。ＥＵ側の評価は？。▼台風９号と１１号。気になる今後の進路は？暑さは続くのか？。気象予報士・南さんが解説します。▼カナダの町で移民が急増し、人口の半数を中国系が占める町があります。通りにあふれる中国語の看板に、地元では反発も。中国系移民が増えた背景について伝えます。
出演者
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