（テーマ音楽）
黒潮流れる遠州灘
そして浜名湖の穏やかな水面
外海と湖２つの水辺に接する浜松市舞阪
およそ１万２，０００人が暮らす港町です
港に近い路地を歩くと…
こんにちは〜。
いらっしゃい！わ〜いっぱい！午前中が浜名湖のですけどね入荷が。
太平洋の外海の遠州灘の方は今揚がってきたんです。
店先に並んでいたのは浜名湖でとれた旬のクルマエビにイシガレイ
そして遠州灘のイボダイやホウボウタチウオ。
豊かな恵みが迎えてくれます
いっぱい種類が入るっていうのはやっぱり強みですよねきっとね。
そうですね。
一般の方もねそうやって両方の魚が食べられるもんでねいいですよね。
舞阪の港に漁船が戻ってきました
わ〜にぎわってますね港。
また船が着いて。
あっしらす。
全部しらす？しらすばっかりこんなにたくさん！すごい量ですねぇ。
この時期最盛期を迎える遠州灘のしらす漁
舞阪は日本一の水揚げを誇っています
多い日には７０ｔものしらすが水揚げされ港は活気づきます
午前４時。
港で漁師たちが準備をしていました
おはようございます。
これから漁出るんですか？そうです。
しらす？しらす。
お二人で乗るんですか？俺は向こう側の船で。
あっち側の船で。
でこっち側？うん。
じゃ２艘に分かれて？そう。
しらす漁師の足立勝次さんと父親の一義さん。
親子で海に出るようになって１８年になります
日の出とともに一斉に沖へ向かうしらす漁の船。
その数９０艘
舞阪のしらす漁は綱船と本船の２艘引き
本船に乗る勝次さんしらすの群れを探しながら綱船の父と無線で連絡を取ります
港から３０分ほどの所に大きな群れを見つけました。
漁場を決め網を入れます
近づいてきたのは父一義さんの綱船
タイミングを計って網綱を投げ入れます
２艘の船はおよそ８０ｍ離れて併走しながら網を引きしらすの群れを狙います
群れの位置に合わせて２艘の船の向きを微調整しながら漁を続けます
そっちにいるだら。
了解了解。
網を入れてから３０分。
いよいよ引き上げます
いいよいいよ。
いい！
網はしらすでいっぱいになっていました
この日の水揚げは１．５ｔ。
大漁です
（アナウンス開始音）
（アナウンス）「皆様ただいましらす船が入りましたのでお知らせいたします」。
漁協の放送を聞いて人々が集まってきました
水揚げを支えるのは漁師のお母さんたち
１箱３５キロもの籠を力を合わせて競り場に並べます
勝次さんの船を見つけて駆けつけたのは母清美さん
しらすは鮮度が命。
急いで競り場へ運びます
清美さんは１５分で息子たちがとったしらすを運びきりました
お母さんたちがやってくれてるからお父さんも安心してね。
そう安心してね。
そうそう。
沖はね息子と２人で頑張ってもらってそれでこっち帰ってきたのは私があとね片づけして。
時々感謝してくれたりします？まぁ慣れで。
ヘヘヘ！思っててもねなかなかね。
でも思ってるのは分かる？うん。
（笑い声）
漁を終え家族で過ごすひととき
食卓を飾るのは親子でとってきたしらす
勝次さんの２人の息子も大好物です
ゆいとねこの間学校で将来の夢何だっけ？漁師になるって言ったけ？書いてたね。
（笑い声）ほんとそれ？ほんと？絶対うそだゆいと。
それじゃああれだなじいじ生きてるうちに漁師になってもらわないかんな。
そしたら教えてやるでな。
漁師になって１８年になる勝次さん。
海の恵みに感謝する日々です
今日駄目でもね明日あさってってねひょっとしてねよくなる。
それがねこのしらす漁の醍醐味だもんでね。
とれてる日はね自然と笑顔になれるしね。
やっぱこの遠州灘これがあるからこそね生きていけるしね。
この町の存在もあるんだなって。
この時期港の周辺で目にするのはしらすの天日干し
舞阪では６軒の加工場が今も天日干しを行っています
こんにちは。
こんにちは。
しらすを天日で干してるんですね。
すごくいい匂いがする。
そうですか？お〜きれいですね色がね白くて。
じゅうたんみたいでしょずっと見ると。
ほんと。
加工場の３代目堀江宏明さんです
味見して下さい。
はい。
ちょっとだけ。
もうほんとに少し乾いてますね。
手に取ってぱっと食べてみて。
お〜！何かもういいような感じがする。
釜揚げとちょっとまた違って少しね歯応えが出てきて。
６００ものせいろが並ぶ堀江さんの加工場。
日ざしや風のあんばいを見ながら手作業でしらすを乾かします
むらなく仕上がるようひっくり返しては手早く広げていきます
せいろを並べて１時間。
こだわりの天日干しの出来上がりです
加工場の隣にある堀江さんの店
いらっしゃいませ。
こんにちは。
地元の人たちが次々に訪れていました
舞阪の旬の味として楽しみにしているのだといいます
工場の方を見るとねいつも湯気が立ってるんですよね。
あ〜今日も煎ってるんだなと思ってねいつも眺めてます。
とにかく新鮮だね。
新鮮ですね。
おいしいですよ。
他では買えませんね。
やっぱ味が違うねとかここのはいいねって言って来て下さる方あるんですか？ありますね。
今日のおいしいよとかね言ってくれますけど。
じゃあなかなかやめるわけにいかないですね。
そうですね。
それ僕がこだわり…してますけどね。
海と湖２つの水辺に接する舞阪。
目の前に広がるのは浜名湖です。
浜名湖は海水と淡水が入り混じった汽水湖
海と同じように潮が満ち干し多くの魚が行き来する豊かな水辺なのです
浜名湖ではアサリをとる漁師たちを目にします
ここは全国有数のアサリの産地。
特に春から初夏にかけては盛んに漁が行われています
加茂慎悟さんです。
いつもはしらすをとっていますがしけで海に出られない時などは湖でアサリ漁をしています
浜名湖のアサリ漁は「カクワ」と呼ばれる道具を使います。
柄の先についた鉄製のツメで湖の底を引きアサリをとります
地球を掘ってるっていう感じじゃないですか。
ずっしりしてますねやっぱはい。
カクワを引き上げるとたくさんのアサリ。
この日６０キロ余りをとる事ができました
舞阪の漁師を支える豊かな水辺です
宝を見つけるぞっていう感覚ですね。
そうですねやっぱアサリは宝ですよ。
しらす漁が不漁でもアサリ漁に切り替えられてアサリをとる事ができるのですごい恵まれてるなとは思いますよ。
浜名湖に感謝です。
親子でしらす漁に出ている足立一義さんです
バケツ持ってきた？持ってきな。
これでいい？いいよそれで。
一義さんの声に近所の人が集まります。
車に積んできたのは水揚げしたばかりのしらす
ありがとね。
うん。
いつものお裾分け。
大漁の時はたっぷりと
いつも頂いてます。
ありがとう。
しらすが笑顔を運びます
（テーマ音楽）
（テーマ音楽）2015/07/11(土) 05:15〜05:40
ＮＨＫ総合１・神戸
小さな旅「しらす 輝く浜で〜静岡県 浜松市〜」[字]
静岡県浜松市舞阪は、全国有数のシラス漁が盛んな所。二そうの船で行うシラス漁は、あうんの呼吸が求められる。漁を行う家族、天日干しのシラスを作る職人などに出会う旅。
詳細情報
番組内容
浜名湖と太平洋に面した静岡県浜松市舞阪。全国有数のシラス漁が盛んな所で、初夏の訪れを知らせます。太平洋沿岸の海で、二そうの船で連携して行うシラス漁は、あうんの呼吸が求められます。船を操るのは、親子船。鮮度が命のシラスは、漁場から加工場までは、短い時間で運ばれていきます。そこで活躍するのは、浜の女性たち。手間をかけながら作られる天日干しのシラスを作る職人。シラス漁に活気づく港町を訪ねる旅です。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー／教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー／教養 – カルチャー・伝統文化
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