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2015.07.14 コメント(4)
カテゴリ:電子戦隊デンジマン
第18話「南海に咲くロマン」 ナレ「遠い遠い昔、魚のように海の中でも生きることが出来る人間がいたといわれている。誰もその姿を見たものはいないが、その人々のことは海彦一族と呼ばれて、ある海辺の村の昔話の中で語り継がれている」 と言う幻想的な語り出しで始まる。 ベーダー一族は、と言うか、ヘドラー将軍(いつものことだが、なんちゅう名前だ)はその海彦一族の生き残りが普通の人間として生存していると説明し、ベーダー怪人の笛の音によって甦らせ、彼らの兵隊として利用しようと言うぼんやりした計画を立てる。 そんなある日、人気のないアスレチッククラブのプールから水音がする。あきらが調べに行くと、誰かが泳いでいるらしい。 不審者は逃げ出そうとするが、あきらはそれが幼馴染の洋太郎だと気付く。 あきら「与太郎くん!」 洋太郎「与太郎じゃない、洋太郎だ! うん……どうして俺の仇名を……? あきらちゃん!」 洋太郎もあきらに気付いて、ガッツポーズをする。何処へ出しても恥ずかしくない非モテである。1980年にもこういう人がいたんですね(当たり前だ)。 あきらはみんなに彼を紹介する。 あきら「海原与太郎、あ、また間違えちゃった」 洋太郎「いいよ、誰も洋太郎なんて呼んじゃくれないんだから。でも本当は海のように広く大きな海原洋太郎です!」 ブルー「あ、はは……」 男子メンバーは、彼のことをスパイのように疑うが、彼はカナヅチの癖に仲間に「彼女と一緒に泳いでいるところを見せてやる」と言ってしまったため、こうして練習していると説明する。無論、彼女もいないのだが。 と、洋太郎は急に気付いたように「そうだ、あきらちゃん」と虫の良いお願いをしそうな雰囲気を出す。 さて、ベーダーの作戦はすぐに実行に移される。まず、生徒たちを連れてジョギングしていた先生(高橋利道)が、笛の音を聞いて海彦一族になってしまう。 どえらい迷惑である。折角苦労して教員免許取ったのに。 続いて、千恵子巡査たちの顔見知りの内海警官が同様に海彦になってしまう。嬉しそうに驚く千恵子巡査が可愛いのじゃい。 三人目は酒屋の店員。 以上です。 ……え、たったの三人なの? さすがにこれでは戦力にならないだろう。日本各地で次々と同様の現象が起こってパニックになると言うのなら分かるんだけどね。 それに、彼らが海彦だったら、彼らの家族・親戚も同様に海彦の筈なのだが。 デンジマンたちは早速調査を開始する。海彦になって姿を消した三人が、それぞれ名前に「海」と言う文字が入っていることに気付く。 そう言う問題じゃないと思うんですが。 その頃、与太郎の虫の良い願いが聞き届けられ、あきらと一緒にボート遊びをしている。水泳の練習はええんかい。 与太郎「このまま南の海へ行けたら良いなぁ……いつかお金をためて、誰もいないエメラルドグリーンの南の海へ行くんだ」 あきら「どうして?」 与太郎「き、嫌いなんだ人間の世界が。なんでも競争だろう、俺は不器用だから人の半分も仕事が出来ない。それにガールフレンドも見付けるのも競争」 あきら「あら、あたしじゃダメなの?」 与太郎「そんなまさか」 あきら「本気よ。だから南の海へ行きたいなんて言わないで。ね、頑張りましょうよ」 ………… 全国の非モテ(管理人含む)に告ぐ。こんな都合のいい展開、一生来ねえよ! な、なにが、「あたしじゃダメなの」だ、バーロー! なんでワシがそんな台詞書かなきゃならんのだチクショー(泣いている) (気を取り直して)与太郎にとっては人生の絶頂期だったが、そこへ魔の笛の音が聞こえてきて、たちまち与太郎も海彦に代わってしまう。ついでに、三人の海彦が襲ってきてあきらを水の中へ引っ張り込んでしまう。ここでは、珍しく小泉あきら本人が水に飛び込んでいる。 男子デンジマンが駆けつけたのであきらは助かるが、与太郎はベーダーたちに連れ去られてしまう。 だが、さすがは与太郎で、 ヘドラー「いくらカナヅチとは言え、海彦一族になっても横泳ぎしかできぬとは、呆れた奴だ」 と、悪の組織にまでバカにされるのだった。 ヘドラーは他の三人に海岸のコンビナートを襲わせるが……、 コンビナートに近付くどころか、途中で死んでその死体が海岸に打ち上げられる始末。これほど情けないベーダーの作戦が、果たしてあっただろうか。 イエロー「海彦一族が生きていたといわれる時代は、海も空気も綺麗だった。きっとこの汚れた世界では生きていくことが出来なかったんだよ」 こんなバカバカしい作戦で人生を奪われた海彦一族に黙祷! ひとり残った与太郎も、ベーダーの隙を見て逃げ出す。 公衆電話からあきらに助けを求める与太郎。……その手でどうやってコインを投入したのだろうか? 男子デンジマンは、あくまで与太郎はベーダーの一味だとして助けに行くのは反対だったが、 あきら「アイシーは言ったわ。本当の海彦一族は、優しくて平和を愛する人だと。洋太郎君は子供のときから孤独な人だった。そして今では世界で一番孤独な人なのよ……だから、あたしは行く!」 と、仲間の反対を押し切ってひとりで飛び出すのだった。 あきらは、与太郎と感動の再会を果たすが、ベーダーの猛攻を受けて逃げ惑う。 だが、そうは言っても仲間を見捨てられないデンジマンが加勢に現れる。 これは、海彦のニセの足跡をスタンプして、ベーダーを撹乱しているところ。 ブルー「よし、もう一丁、いーよいっしょ、くぅ、楽しい」 与太郎はあきらに肩を支えられつつ、海を目指して進む。 与太郎「こんな姿で生きていたって仕方ないじゃないか」 あきら「その姿を恥じることはないわ。海彦一族は綺麗な海を愛し、何よりも平和を愛した人たちなのよ。あたしたちはその一番大切なもののために、戦ってるの。だから洋太郎君、あなたには生きていて貰いたい」 与太郎「あきらちゃん……」 感極まってあきらの胸に顔を埋める与太郎。 そして遂に、二人は美しい海に辿り着く。 そこへベーダー怪人が現れて、与太郎を殺そうとする。別に殺さなくても良いと思うんだけどね。あきらはピンクに変身して戦う。与太郎はあきらがデンジマンだと知ったわけだ。 後は仲間も駆けつけて、ルーティンワーク的なバトルが描かれ、怪人は滅ぼされる。 しかし、結局与太郎は、そのまま海へ飛び込んで日本を去って行く。 与太郎「さよなら日本、さよならあきらちゃあん、俺は今初めて自由になったんだ。のんびり気楽に南の海で暮らすさ。遠く南の海から地球の平和を祈っているよ~」 あきら「これでいい、これでいいのよね。洋太郎君は夢だった南の海へ向かってるんですもの。綺麗な南の海ならあの人も生きていける」 レッド「おい、あいつ、沈んでるぞ」 ほんと、カナヅチなのに大丈夫なのかしら? と言う訳で、競争社会からこぼれ落ちた青年と心優しいあきらとの触れ合いを描いて、現代社会に「人間にとって真の幸せとは何か?」と問い掛ける力作であった。
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