4NHK高校講座 地理「エネルギーの世界地図」 2015.07.10


こんにちは中田敦彦です。
山田彩です。
地理の知識を身につけて世界を知る力を養っていきましょう。
さて今日はエネルギーがテーマです。
山ちゃん。
ずばり…ガソリンね。
確かにそれは山ちゃん車好きだからねぇ。
でも違うんですよ。
もっと一般的な答え。
一般的?一日の動きを振り返ってみましょう。
行動を。
朝起きて…。
朝起きて何する?携帯チェックをして朝のニュースを見て御飯を食べて…。
テレビとか炊飯器を動かしてるエネルギーは何ですか?そう電気ですね。
さあこれ。
お〜これは見た事あります。
ちょっと回してみて下さい。
これは…。
お〜光りました。
光りましたね。
この電気を作るには何らかの方法でこの発電機を回さなきゃいけないんですね。
このエネルギーの元にはいろいろな種類があります。
それを見てみましょう。
現在世界で最も多くの電力を生み出しているのは…使われているエネルギー資源は…これらは…ではどうやって発電するのかと言うと化石燃料を燃やしその熱で水を高圧の水蒸気に変えます。
その水蒸気を発電機につながったタービンに吹きつけて回転させているのです。
…の場合はどうやって発電するのでしょうか?実は基本的な原理は火力発電と変わりません。
違いは燃料であるウランを核分裂反応させその熱で水を水蒸気にするという点です。
発電機を回す力は高圧の水蒸気だけではありません。
水が高い所から低い所へ落ちる力を利用しているのが水力発電です。
そして主に先進国で開発実用化が進められている…再生可能とは英語で……エネルギーという意味です。
代表的なものが…風車で風を受けその力で発電機を回します。
サトウキビやトウモロコシなどの植物。
あるいは家畜の排せつ物などいわゆるバイオマスをエネルギー資源とする研究も進んでいます。
石油や石炭などに代わる次世代の燃料として期待されています。
再生可能エネルギーのうち太陽光発電だけはちょっと特殊です。
太陽電池で光を直接電気に変えているので発電機を回す必要はありません。
火力も原子力も結局は水蒸気でタービンを…。
そうですよね。
あんまりそこ知らなかったので。
基本的な事を確認できましたね。
そうですね。
発電機を回すために人間はいろいろ工夫してきてたんですね。
その今の情報を踏まえてですねこちらを見て下さい。
こちらですねいくつかの国について発電方法の比率をグラフにしたものですね。
結構いろんな国で火力が基本多いですけど。
でもそうじゃない国もあるね。
フランスとかブラジルとか。
この日本なんですけれども震災前のデータなので原子力が結構ありますね。
なぜこんなに国によって違いがあるのか。
専門家の先生に聞いてみましょう。
内藤正典先生です。
(内藤)こんにちは。
よろしくお願い致します。
基本は火力が多いなという印象なんですけどもそこから差が出てきてる。
これどういう事なんですかね?その前にね今丸の大きさ全部同じ大きさにしてますよね。
でも実際にはね発電してる量で比べると…。
例えばアメリカとか日本っていうのは丸が大きいんです。
デンマークなんかずっと小さいですからその事を理解しておいて頂きたいんですが。
例えばこのアラブ首長国連邦を見てみましょう。
産油国ですので石油がとても安いとか運んでくる必要もありませんからほぼ100%石油で発電をする事ができます。
それからえ〜っとブラジルをちょっと見て下さい。
どうしてこんなに水力が多いんでしょう?アマゾン川だ。
あっアマゾン川。
そうですね。
水の資源がふんだんに得られる所はやっぱりこの水力を使う。
そしてデンマーク。
再生可能エネルギー。
実はデンマークのある所って風の吹いてくる方向がほぼ1年間同じ方向から吹いてきますのでそういうところからデンマークは風力発電に随分力を入れてきたんです。
なるほど。
つまり地理的条件を考えてそれに合った発電方法を国によって採用していると…。
そうですね。
ちょっと気になったんですけどフランスとドイツって地理的条件はすごい似てるじゃないですか。
でも比率は…。
そのエネルギー資源のうち何を使って発電をしていこうとするかは国の政策ですのでその政策の違いというのが実はこのフランスとドイツの違いに表れているんです。
その違いを知るためには化石燃料と原子力についてしっかり知る必要があるようです。
これを見てみましょう。
化石燃料をエネルギー資源とする火力発電はほかの方法と比べて…燃料を調節する事で…ここ数年高い経済成長を続けている…都市化や工業化が急速に進んでいます。
その一方で悩ましいのは電力不足。
更なる電力需要の増加を見越して各地で発電所の建設が計画されています。
その多くが火力発電所です。
発展途上国にとってコストが低く発電効率がよい事などが魅力なのです。
しかし…また地球温暖化の原因となる二酸化炭素や大気汚染の原因となる窒素酸化物などを排出します。
そして化石燃料の中でも依存度の高い石油。
国ごとの産出量のグラフから読み取れる問題点とは何でしょうか?産出地が偏っている事が問題の原因となるのです。
…が起こると産油量の削減と原油価格の高騰が各国に混乱をもたらしました。
オイルショックです。
日本でもガソリンや灯油などの石油製品ばかりかトイレットペーパーや洗剤といった工業製品までが品不足となり店に客が殺到しました。
火力発電のデメリットを解消し一時は夢のエネルギーとまでいわれたのが原子力です。
発電量当たりの単価が…現在の人類のテクノロジーではコントロールし切れないという根本的な課題があります。
そして一度事故を起こすと広い範囲に深刻な被害をもたらしてしまいます。
1986年旧ソ連現ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が起きました。
大量の放射性物質が飛び散ったと考えられ日本でもその影響が観測されました。
オイルショックとか知ってました?知ってました。
歴史の授業で習って。
だから親世代とかはそういうの経験してきた…。
親からちょっと話を聞いたぐらいでしたね。
先生どちらにもメリットデメリットがあってその受け止め方の違いがドイツとフランスの発電比率に表れてるという事なんでしょうか?実はですねドイツってもともと炭鉱石炭を採る炭鉱がたくさんあって石炭を使って発電をしていたんです。
でもそのあとで石油が広がってくると一旦石油に移すんですね。
ところが石油危機で石油が入ってこないという事になっちゃってじゃあ少し多様化しようかっていうんで原子力にも…。
原子力に…?使ってます。
今も使っていますけれども今度はチェルノブイリの事故が起きた。
ドイツではやはり原子力はやめようという方向に傾いてくる。
一方フランスはその前から原子力の開発に熱心でしたのでそれじゃあもう原子力をエネルギー源として使おうと。
それでこの差が出来るんですね。
でもドイツと違ってフランスはチェルノブイリの事を受けてもそれでも原子力でいこうと?フランスは自国の中で原子力の技術者たちを育てていましたし安全なものをできるんだというかなり自信があったからだと思うんですね。
もう一つは地球の温暖化ってあるじゃないですか化石燃料を燃やすと出てしまう二酸化炭素。
これが温暖化の原因になっているという事ですよね。
原子力は温室効果ガスとしての二酸化炭素は出しませんので。
ドイツはフランスとは違って原子力で減らすんじゃなくて再生可能エネルギーで減らしていこうという方針を打ち出していきます。
日本でも再生可能エネルギーを普及させようとしてますよね。
おっもしかして山ちゃん調べてみた?はい調べてみました。
トリプルGが…
(山田)
日本の地理的特徴といえば火山大国で降水量が多くて川の流れが急。
それを生かした再生可能エネルギーとは…
まずは火山活動によって生まれる地下の熱水や蒸気を利用する地熱発電。
地熱に関しては日本は世界第3位の資源大国だといわれています。
技術面など課題もありますが今後有力な発電方法になっていく可能性も十分にあります
流れが急な日本の川。
水車を置けばグルグル回って発電できちゃうんです。
小水力発電といって最近特に注目が集まっています
でこんなイベントも行われています。
小水力発電アイデアコンテスト。
中部北陸の高等専門学校の学生がオリジナルの発電機を作りその電力で地域のお悩みを解決するアイデアを競います
このコンテストで2013年2014年と2連覇を達成したのが…
ここ!早速行ってみましょう。
(山田)こんにちは。
(生徒たち)こんにちは。
これがアイデアコンテストで優勝したっていう小水力発電機ですか?
(市橋)はいそうです。
この発電機のすごいところなんと…
どういう事かと言うと矢印の方向に流れる水がまず水車の上の方に当たって水車を回します。
そして羽根の隙間を落ちていった水がもう一度水車に当たるように設計されているんです
実はこの羽根に秘密がありましてまっすぐですと水の力を全部受け止めきれない事になるので少しスプーン状に曲げるような感じにする事によって水の力をなるべく受けるようにして逆に逃げやすくもある角度をいろいろ計算した結果この角度が生まれました。
さて小水力発電では設置する川の事をよく知る事がとっても大切。
川の幅や深さ水が流れる速さなどをはかって最も効率よく発電できる水車の形を考えるんです
実際に発電した電気っていうのをいかに地域の役に立たせるかっていうのもコンテストでは大事だったって聞いたんですけれども。
それならば私たちが…地域の皆様に認めてもらう事ができました。
う〜ん。
すごいですよね。
私とほぼ同い年ぐらいの人たち…一から作り上げてしかも地域の役に立つってすごいなって思いました。
ちょっと刺激受けちゃいますね。
でも日本もいろんな可能性がありそうですよね。
だって地熱資源が世界第3位。
すごいですよね。
知らなかったです私。
個性を生かせば日本も結構やれそうな感じが…。
そうですよね。
再生可能エネルギーの開発って必要ですよね。
ただまだまだね解決しなきゃいけない課題があるんですね。
例えば先ほどのドイツですけれども例えば風力ですとか太陽光などを使ってやりますとねどうしてもまだコストが高いんですよ。
お金がかかるんだ。
その分ね消費者が負担するって事にすると電気料金上がっちゃいますよね。
そうか値上がりしちゃうとこれもつらいですよね。
それに作った電気を一旦ためてから出さなきゃいけないという事が多いんですがためるとなると電池蓄電池ですけれどもこれがですねなかなか大きなものになってしまったり安全性に課題があったりしてこれも実はすぐにはそんなに多く利用するっていう事はいかないんです。
ためるのが難しい。
先生小水力発電って出てきたんですけどそれは水力発電とは全然違うんですか?普通水力発電っていってるのは大規模な水力発電の事でかつて日本は水力発電に随分力を入れた時代もあって大きなダムを山ん中に造ってたんですよ。
ところが山あいにも人々の生活っていうのがありまして村が水没してしまうとかあるいは環境に大きな付加をかけてしまう。
環境にいいエネルギー作りのためのはずが環境破壊になってしまってる。
いろいろとあるんですね。
知れば知るほどこの発電方法が一番っていうのは分からなくなってきますね。
そうです。
ですからどれか1つを選ぶって事はもう現実的ではないんですね。
高校生の皆さんこれからの日本でこのエネルギーの問題ってどうしても考えていかなければいけない事ですよね。
どういうエネルギー政策を取っていくのが住んでいる人々あるいは産業を含めて一番いいのかっていう事を考えていかなければいけません。
その時にはやっぱり…分かりました。
先生ありがとうございました。
今日の内容はあくまでも基本の事なのでそれを受けた上で自分なりの考えを持つこれが大事だと…。
それぞれの発電方法のメリットデメリットっていうのをよく知るっていうのも大事だなって思いました。
という事でこれからも世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!それに加えてその国の地理的条件がどの発電方法に適しているかといった事も考慮して各国の発電比率は決まってきます。
今後は…2015/07/10(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「エネルギーの世界地図」[字]

人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。

詳細情報
番組内容
人間の生活に欠かせないエネルギー。エネルギー資源として何を使っているのかは、国や地域の地理的な条件や国の政策によって異なっている。今回は、地理的視点で世界のエネルギーについて学ぼう! 「エネルギーの世界地図」 (1)エネルギー資源の種類 (2)エネルギー資源使用比率の違いとその理由 (3)使用比率のバランスを考える
出演者
【講師】同志社大学大学院教授…内藤正典,【出演】中田敦彦,山田彩,【語り】安元洋貴

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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