全学連全国大会 斎藤委員長−坂野書記長の新体制を確立
全学連全国大会 斎藤委員長−坂野書記長の新体制を確立
“学生の決起が歴史を変える”
原発廃止と自治会建設へ団結
(写真 大会1日目。「原発再稼働を狙う野田政権を打倒しよう」との鮮明な方針提起を受け、100人を超える学生は闘う決意を固めた【9日 東京・文京区民センター】)
(写真 選出された新執行部。左から鈴木副委員長、坂野書記長、斎藤委員長、大森副委員長、洞口書記次長、石田副委員長)
(写真 大会2日目。被災地の学生が闘いの報告と原発廃絶へアピール【10日 浜町区民館】)
新執行体制(敬称略)
委員長 斎藤郁真(法政大・法)
副委員長 大森靖之(京都大・薬)
副委員長 石田真弓(東北大・経)
副委員長 鈴木研也(広島大・理)
書記長 坂野陽平(上智大・文)
書記次長 洞口朋子(法政大・経)
9月9日〜10日、全学連第72回定期全国大会が東京都内で行われ、斎藤郁真委員長(法大)−坂野陽平書記長(上智大)を先頭とする新執行体制を確立した。そして、不屈に闘われてきた法大闘争の勝利の地平を総括し、反原発闘争の大衆的高揚の中から学生自治会を建設すること、新自由主義大学−「教育の民営化」と対決して学生の団結を復権すること、11・6労働者集会への大結集を頂点とする今秋決戦の力で野田政権を打倒することを力強く宣言した。
法大闘争の勝利を総括
大会には、被災地の福島大生や東北大生をはじめ全国学生100人が結集し、「フクシマの怒り」と固く連帯し、全原発の停止・廃炉に向けて全国大学キャンパスで闘いぬくことを誓い合った。さらに、国家権力と法大当局によるありとあらゆる弾圧と処分をはね返し、5年半に及ぶ法大闘争に勝利していることを明らかにし、法大文化連盟や東北大学学生自治会の実践と教訓を踏まえ、すべての大学で学生自治会を建設する決意を全体で固めた。
大会は、実行委員長の坂野陽平・委員長代行の開会宣言で幕を開けた。
「総括」「情勢」「方針」の議案をそれぞれ、織田陽介委員長、冨山小太郎書記長、斎藤郁真・法大文化連盟委員長が提起した。
総括では次のような点が出された。「無数の人びとの怒りの深さ、決意の強さ! 3・11をもって社会の真の姿が暴き出され、間違いなく歴史が動こうとしている。求められているのは私たち学生の巨大な行動だ」
「大学の腐敗はとめどなく深い。この腐敗は、学生自治の破壊と一体で進行してきた。この社会のあり方の矛盾の爆発として、原発事故が起きた。原発反対の声を上げることと大学のあり方を問うことは一つだ」
「闘いは指導部によって決まる。決断できる指導部、リーダーをつくり出すことこそ勝利の道だ。法大の闘いがつぶされることなく、新たな指導部を生み出しながら前進していることは、法大闘争の本質的な勝利を示している。新執行部をうち立てて、そうした時代と結合する運動を始めよう」
「学生の怒りをつなげて、すべての闘いを11月労働者集会へ。11・6集会を世界に衝撃を与える歴史的事件にしよう」
そして、「情勢」では以下の点が強調された。
「情勢とは何か。この時代にどう闘ってどう生きていくのか、展望をつかむことだ。2011年、新自由主義に対する学生・青年の大反乱が開始された! 全世界で若者が『革命』を合言葉に立ち上がっている」
「情勢の主導権・決定権を握っているのは、支配階級ではない。私たちの決断と行動に一切がかかっている」「世界大恐慌のもとで資本主義・帝国主義はもはや成り立たなくなっている。連合支配を覆し、青年・学生は自らの手に組織を取り戻し、世界を揺るがす反乱に決起しよう!」
これを受けて、「方針」では次のように提起された。
「あらゆる人が生きるために闘わなければならない時代が来た! 命よりカネを優先する新自由主義と対決し、この社会のあり方を変えよう」
「原発再稼働か停止か、今秋の反原発闘争はここが焦点だ。再稼働への巻き返しの象徴としての野田政権を倒そう」
「大学は歴史的に学生の団結(組合)から生まれた。社会の腐敗に対する根底的な疑問と怒りがわき上がっている。全学連が呼びかければ学生は必ず立ち上がる。『教育の民営化』=『大学の私物化』=『学生の商品化』を徹底弾劾し、真理の大学の復権を! 自治会を全国の大学に建設しよう」
「国際連帯をさらに発展させ、11・6を世界大会に。学生の未来は労働者との連帯の中にある」
初参加者先頭に活発な討論
1日目の討論では多くの初参加者が発言した。「この大会に集まった人数をさらに増やし、どう具体的に運動を発展させていくのか」「もっと多くの学生とつながっていくために、何が必要なのか?」の発言を切り口にして、3・11大震災以後半年間の闘いの経験を基に活発な論議が行われた。関西の学生からは、「経済に規定された社会関係や人間関係をこえることができるのは、学生の団結しかない」「『フクシマの怒り』に私たちが応えることで、初めて運動は広がっていく。京大ではクラス討論を徹底的にやってきた。この地平を踏まえて秋に総長団交をかちとる」と積極的な発言がなされた。
織田委員長が最後に、「いい討論になっている。本気さ、真剣さで勝負しよう。3月11日以降、みんなが自分のキャンパスで具体的実践をやってきている。東北大では生き抜くための闘いから7・8キャンパス集会に上りつめ、奇跡のような闘いをしてきた。明日も白熱的な議論をやろう」とまとめた。
被災地の大学から訴え
夜のブロック討論と交流会を経て、2日目は今秋決戦に向けて全国学生の決意と具体的方針を固める場となった。
討論の口火を切ったのは、福島大学1年生だ。「原発事故は悪化の一途をたどっている。福島の地は除染なんかされていない。とにかく、原発事故を一刻も早く収束させてほしいというのが福島の思いだ」「福島の現実を見てほしい。そこから原発反対を訴えてほしい。原発を再稼働させてはいけないし、もう事故を起こさせない。福島の現実を二度と繰り返してはいけない」
これに続き、東北大の1、2年生が学生自治会の発展に向けた熱烈な決意表明を行い、日就寮生が当局による退寮強要攻撃を阻止した報告と原発廃絶に向けたアピールを行った。3・11以降不屈に闘いぬいてきた福島大生と東北大生の報告に、会場全体が奮い立った。
被災地の学生の思いに応え、次に法大生が全員登場した。倉岡雅美副委員長は「3・11直後、法大が行ったことは私への呼び出しと無期停学処分の強行だ。これが現在の大学の姿だ」と語り、斎藤郁真君は「法大闘争は人間の誇りをかけた闘い。フクシマとどこまでも連帯することが原発絶対反対であり、その内容を法大から全国に拡大する。大学は変革の場所でなければならない」と訴えた。登壇した法大生が口々に5年半に及ぶ法大闘争の勝利の地平を語り、1、2年生を先頭にこの秋の闘いに立ち上がることを宣言した。
これに応え、全国の学生が烈々たる決意を語った。「広大の神谷教授(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、福島県立医大副学長)が福島で行っていることを絶対に許さない。フクシマとヒロシマがつながろう」(広島大1年生)
「3・11は生き方そのものを問うている。自分の大学で学生自治会をつくり、御用学者をたたき出す」(首都圏A大学)
「既存の学生団体にどんどん乗り込んで行く。自分の地域でも大学を中心に結集軸を打ち立てたい」(首都圏B大学)
2日間で合計53本という活発な討論の最後に、坂野君がまとめを行い、大会宣言を採択した。
10・9三里塚、11・6へ
そしてついに、新たな中央執行体制が発表された。そして、05年9月以来、6年間委員長を務めた織田陽介君が万感の思いをこめて、退任のあいさつを行った(別掲)。「法大闘争は支配階級と対等にわたりあい、圧倒する人格を生み出し、勝利した」と勝利の地平をがっちりと確認した。
続いて、新委員長の斎藤郁真君が就任のあいさつに立った(別掲)。「法大闘争は学生の可能性を奪う攻撃をうち破った。この勝利に確信を持つとともに、勝利の地平をさらに発展させよう。法大闘争の地平を全国へ広げるために、私は全学連委員長として立つ!」と決意を表明した。
大会には多くの来賓が参加した。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、三里塚闘争における全学連の決定的位置を明らかにし、10・9三里塚全国集会への大結集を訴えた。「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」事務局次長の富田翔子さんは「全学連が5・7渋谷反原発デモに決起する姿を見て、自分も決意を固めた」と語り、反原発・反失業闘争への決意を述べた。さらに、法大弾圧裁判弁護団の藤田正人弁護士、動労千葉の山口世修執行委員が熱烈な連帯のあいさつを行った。
こうして2日間の全学連大会は歴史的な成功をかちとった。大会は第一に、「フクシマの怒り」と結合し、全原発の廃止へ突き進む決意を固めた。
第二に、5年半の法大闘争の勝利の地平を踏まえ、全国大学で学生自治会の本格的建設に着手することを宣言した。第三に、「再稼働阻止」を焦点とした今秋の反原発闘争の先頭に全学連が立つことを確認した。第四に、11・6労働者集会に総決起することを明らかにした。
大会での熱烈な討論から、ただちに11月1万人の組織戦へ! すべての学生は、全学連の旗のもとに団結し、学生自治会建設の闘いをともに担おう!