先月中旬。
ふだんは子どもたちが遊んでいる神奈川県の公園で不可解な事が起きた。
あるモノを目指してなぜか高齢者が押し寄せたのだ。
口をそろえて言いだしたのは…。
一体何が始まるというのか?各地の公園を取材して浮かび上がったのは多くの高齢者が抱えていたある深刻な事情。
何なんですか?これ。
公園デビューとかいったって公園デビューって赤ちゃん連れて公園に行くって事でしょ?公園デビューとか孫と戦うとかどういう事ですか?これ。
今回も不思議な事件をご紹介致しましょう。
タイトルはこちらでございます。
ジャン!殺到ってまた大げさなんでしょ?これ。
これがですね…。
大げさだよこれ。
先月の実際あった光景なんですが子どもたちが集うはずの子ども広場になぜか目を輝かせた高齢者が大挙して押し寄せたと。
聞けばですねあるものが楽しみで来ていて前日もうわくわくして寝られなかったっていう人がいるとかいないとかっていうぐらい。
いるとかいないとかって事はじゃあいないんだね?いませんけどね。
それぐらい盛り上がってると。
一体何なのかスタッフ想像しましてここまで目を輝かせるっていう事はとんでもない事じゃない?サブちゃん来ちゃったんじゃない?とかね。
「紅白」も卒業されましたんで。
だとしたらニュースになってますよ。
これはこれで大変ですよですが。
イベントですよ。
でもいろいろ調べてみると最近の公園にまつわる不思議な事がたくさん見えてまいりました。
まいります!所さん!大変ですよ。
神奈川県大和市にある問題の子ども広場に向かうと…。
わっすごい。
たくさんいらっしゃいましたね。
突然大勢の大人が現れた。
その数30人以上。
多くが高齢者のようだが皆妙に楽しそう。
すると高齢者たちが集まり不思議な動きをしながら一点を見つめ始めた。
ん?健康遊具?すごいすごい。
どうやら高齢者たちのお目当てはこの健康遊具というものらしい。
健康遊具っておっしゃってましたけど…聞けばこの健康遊具が子ども広場に設置されたのは今年3月。
その数全部で6種類。
いや〜伸びる伸びる伸びる。
設置以来3か月。
子ども広場は遊具に夢中な高齢者たちでにぎわう毎日だという。
…とここでディレクターに気になる事が。
この広場健康遊具はあるのになぜか子ども用の遊具が一つも見当たらないのだ。
ここは子ども広場のはずだが。
市の記録を調べてみるとこの広場が出来たのは32年前。
急速に宅地化が進む中子どもたちの遊び場を確保するために造られたと書かれているのだが。
今は高齢者向けの遊具だけがずらり。
こんにちは。
こんにちは。
この事を子どもたちはどう思っているのか?
(取材者)子どもは駄目なの?多分。
あっ僕もある。
僕たちが遊べないからちょっと…子どもたちの気持ちは複雑なようだ。
その時ディレクターが高齢者に遊具の使い方を教える女性たちを発見。
聞けば高齢者のために大和市が無料で派遣したインストラクターだという。
繰り返すがここは子ども広場のはず。
何だ?この高齢者への手厚いサービスは?事情を聞くためディレクターは市役所を訪ねた。
すると担当者は…。
ただ今回については…そして資料を取り出すと背景にある市の深刻な問題について説明し始めた。
推計ですけども…現在市が直面する問題の一つが…このままだと将来市の財政が揺らぐ可能性もあるというのだ。
そこで目をつけたのが健康遊具だった。
手軽に公園で体力づくりをしてもらう事でケガや病気を予防。
その結果介護費用の増加を抑えられるのではないかと考えたという。
この健康遊具にかける予算は?調べてみると介護費用を抑えるため高齢者向けに健康遊具を公園に設置する動きは各地に広がっていた。
その数は15年で4倍に増え現在全国に2万6,000基設置されている事が分かった。
取材を進めると健康遊具に関して最近不思議な事が起きているという情報を入手した。
(取材者)よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
情報を寄せてくれたのは老舗の遊具メーカー。
ブランコや滑り台など子ども用の遊具を数多く開発してきたという。
12年前から高齢者や中高年向けの健康遊具を作り始めたが…。
最近公園で予想もしなかった光景を目の当たりにしたという。
どうも高齢者が公園の健康遊具を使って筋トレしていたという事らしい。
すると担当者が「見せたいものがある」と工場に案内してくれた。
うわっ何かすごいですね。
現れたのは高さ3メートル幅4メートルの巨大な遊具。
そして…。
まさかこれが高齢者向けの健康遊具だというのか?担当者によれば以前では考えられなかったハードな健康遊具が最近高齢者の間で人気だという。
半信半疑のまま調べてみると…。
これ見て下さい。
これが健康遊具?スポーツジムにあるマシーンそっくり。
いくら何でも高齢者向けの健康遊具としてはハードすぎやしないか?数日後。
ハードすぎる健康遊具が設置されているという大阪の公園を訪ねてみると…。
朝6時ですけども…あっすごいですよ!人が…人がもうたくさんいらっしゃいますよ。
いた!そこにはハードすぎる健康遊具で早朝から汗を流す高齢者たちの姿が。
聞けば連日行列ができるほどの人気。
中には1時間近くかけて来る人までいるという。
病みつきになって毎日やっとるです。
(取材者)毎日?毎日!
(取材者)おいくつになるんですか?年?ハハハ。
言うてよろしかな。
(取材者)差し支えなければ。
(取材者)すごいですね。
この公園の長老格だという男性。
90歳でなお毎日このハードすぎる健康遊具を使ったトレーニングに励んでいるという。
この日3時間の間に体を鍛えに来た高齢者は30人。
そのうちもっとハードな遊具が欲しいと答えた人は半数以上に上った。
ハードすぎる健康遊具に集う元気すぎる高齢者たち。
このあと彼らが抱えていた意外な事情が明らかに!すごいね活気があって。
若々しいですよね皆さん。
バストアップで撮ってる時90っつった時にその下がすごいよね。
揺れてました。
すごいね!
(久保田)今公園あんな事になってるんですね。
だって子どもの広場なのに子どもの遊具が一つもなくてあのおじいちゃんおばあちゃん用の遊具がいっぱいあるっていうのもちょっとすごいよね。
…でまた子どもが「まあでもいい事なんじゃないですか」なんて。
(久保田)「ご老人が」って…。
健康遊具健康遊具って言ってたんですが国土交通省に聞くとこれ正式な名前までもあるんだそうです。
何なの?健康器具系施設?更にね定義まで作ってる。
何何?これ高齢者用が多いんですが中高年向けのものもある。
誰が見たって…書かなくたって分かるもんね!「何なの?このただし書きは」みたいな。
取材しているとやっぱり小さな子どもが健康遊具で遊んでいてケガをしたというケースがどうやら全国で相次いでいるんじゃないかっていうのも見えて…。
こういうシールまで一応作ってるんですよね。
健康遊具という。
「大人用」と。
「子どもの使用はできません」!国土交通省の方にその辺どうなんですかって聞いたら去年健康遊具の安全管理に関するガイドラインというのが出来てこれにのっとってこれからは事故防止に努めたいと。
スタジオには今日も専門家の皆さんにお越し頂いています。
健康遊具についてお話のある方。
(3人)はい!あるんだ。
(久保田)さすがです。
澤口さんお願いします。
これは非常にいいですね。
最近の研究で…ですけど!言っていいですか?何ですか?「ですけど」?研究があるんですけれども子どもが幼少期にああいう公園等で一生懸命遊んだお子さんほど難関大学に合格する可能性が高いんですよ。
(久保田)へえ〜。
公園でこう器具でちゃんとしたルールがある中で遊ぶ。
道具があれば遊ぶきっかけになって子どもはそこからまた違う遊びを増やしますからね。
今のっていうのはもともと子ども用だったものを高齢者の方向けに作り直したっていう事だと思うんですけど最近いろんなメーカーさんがやっぱり少子高齢化で上の世代を狙いたいっていうところもあって最近注目を集めている一つが…お人形?
(牛窪)…なんですね。
もともとは女の子たちが主に一緒にしゃべって遊ぶようなしゃべる人形ってありましたよね。
あれを今60〜70代のシニア向けにメーカーさん作り直してまして本当にすごいんですけれども…その人形が。
(牛窪)はい。
いろんな曲を覚えてその歌の発表会なんかもしたり…。
人形の?
(牛窪)そうなんです。
あと皆さん言葉も覚えさせて遠足なんかにも連れてったりっていうそういうイベントもやっていて…元気になるのは分かるんですけどそのイベント…大阪の公園にトレーニングマシーンのような健康遊具があったけど…あっそうなの?実は韓国では健康遊具を使った高齢者のトレーニングが日本よりも盛んなんです。
はあ〜。
公園だけでなく高速道路の高架下それから河川敷などにあちこち設置されている訳なんですね。
その数は年間で数千基ずつ増えているそうです。
しかもこの健康遊具日本だけでなくアメリカやイタリアなどにも輸出されていて韓国の健康遊具が世界を席けんする日が来るんじゃないかといわれているほどです。
所さん所さん。
何?気になりませんでした?先ほどの…。
ハードすぎる健康遊具に興じるお年寄りの皆さん。
もうね健康どころの騒ぎじゃなくてもうスーパー老人といっても失礼じゃないと思います。
お年寄りって縁側でお茶飲むイメージなんだけど私は。
こういうイメージじゃないんだけど。
楽しそうだなと一見思うんですが深く話を聞いていくとそれぞれに事情がある事が見えてきたんです。
いきましょう。
所さん!もっと大変ですよ。
聞きたくないな何かそれ。
再びあの公園を訪れると…。
いた!早朝にもかかわらずハードすぎる健康遊具にたくさんの高齢者の姿が。
(取材者)すごいですね。
ひっきりなしに人がやって来ますよ。
皆何の問題もなさそうな高齢者にしか見えないが…。
少し話を聞いてみると。
(取材者)えっ事故というと…。
66歳のこの男性。
1年前オートバイを運転中転倒。
重い言語障害が残るほどの重傷を負ったという。
半年にわたるリハビリの末ようやく話せるようになり退院したが…。
入院に多額の費用がかかりこれからの生活に強い不安を感じているという。
長年ビルの建築現場で働いてきた男性。
仕事は再開したものの入院生活で衰えた体力を回復させようと毎朝ここでトレーニングしているという。
つまりここは男性にとって無料のリハビリ施設のようなものなのか。
続いて話を聞かせてくれたのは74歳の女性。
意外な言葉を口にした。
(取材者)戦いですか?聞けば自分の娘が離婚。
今は高校生の孫2人を引き取って一緒に暮らしているという。
「孫に負けない体力をつけるしかない」とこのハードなトレーニングを開始。
今では欠かす事のできない生活の一部になっているという。
取材を続けていると…。
つえをつきながらハードすぎる健康遊具に向かう男性の姿が。
何か事情を抱えていそうだが。
話を聞くと…。
うちらはまあそういうような感じやな。
老老介護。
89歳のこの男性。
聞けば2か月前妻が突然意識不明のこん睡状態に陥り入院。
今は男性が自宅で介護しているという。
一命は取り留めたものの妻は今も一日の多くを自宅のベッドで過ごしているという。
男性が体を支えないと妻は病院にも通えないというが…。
この先も妻を支えていけるのか。
そんな不安から男性は筋力をつけようと早朝の僅かな時間を縫ってここに通っているという。
そういう事があるから…取材の結果男性のほかにも既に家族の介護をしていたり家族がもうすぐ介護が必要になるという焦りからこのハードすぎる健康遊具で体を鍛えているという高齢者が複数いる事が分かった。
何か愛情ですね。
愛情を感じちゃいますね。
もともとは自分が介護される側にならないようにという事で普及している健康遊具なんですが調べていくと介護する側になっていて筋力体力を衰えさせないようにという事でいらっしゃるんだなっていうのが取材で見えてきたんですね。
この話さ何かすてきな話でさ何かこう…結婚して添い遂げようって話でしょう?そうですね。
何このすてきな話!まあいろんな…個々あるんですけどあそこでみんな顔見知りになるのはいいですよね。
家で何か運動しようというよりあそこに来てお仲間もできれば。
笑う機会も増えるしね。
あそこへ行かなかったら家で何か笑う機会もなかなかきっかけがないからね。
笑いとかになって…また頑張れるっていうそういういい循環になってると思います。
所さんもあれやってみたくないですか?足の。
今ね草むしりでちょっと腰痛なの。
私も何かやんなきゃ駄目だなと思いますよ。
2015/07/09(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
所さん!大変ですよ「謎の“高齢者”公園」[字]
高齢者ばかりが集まる不思議な公園が神奈川県にある。人気の秘密は今年設置されたばかりの高齢者向け“健康遊具”にあった。浮き彫りになる超少子高齢化時代の公園事情。
詳細情報
番組内容
高齢者ばかりが集まる不思議な公園が神奈川県にある。人気の秘密は、今年設置された高齢者向け“健康遊具”にあった。幼い子供が遊ぶには大きすぎる健康遊具。調べてみると、遊具メーカーの中には、今や子供向けより高齢者向けに力を入れるメーカーまであることが判明。一体、何が起きているのか?超少子高齢化時代の“公園事情”が浮かび上がる。
出演者
【司会】所ジョージ,久保田祐佳,徳永圭一,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【語り】吉田鋼太郎
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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