1ハートネットTV 介護百人一首2015「夏編 その二」 2015.07.09


私の場合は桃の缶詰です。
栄養価が高くて消化のよい病気のときに食べられる定番があるといいですね。
介護は明るく楽しくかっこよく!全国の介護家族の皆さんご機嫌いかがですか?「ハートネットTV」昨日に引き続き「介護百人一首2015夏編」をお送りしてまいります。
ゲストをご紹介します。
今話題の介護マンガ「ヘルプマン!」の作者くさか里樹さんです。
よろしくお願いします。
はい今日もよろしく。
くさかさん昨日も介護短歌いろいろご覧になりましたけど改めて介護の短歌どういうふうに思われますか?31文字しかないんですよねこれ本当に。
マンガ1本分ぐらいはやっぱり入ってるんですもの。
ドラマが?はい。
2人の関係家族の関係とか思いとか。
全部入ってるという。
全部入って「よし!」って腹をくくってる感じがするなって。
それでは早速「介護百人一首2015夏編」ご覧頂きましょう。
「介護百人一首2015夏編」。
茨城県の桐原勝代さん72歳の作品です。
「母はさくらんぼ狩りのお土産を大変おいしそうに食べたあと種を大切に庭に埋めていました」。
岡山県の梶岡辰男さん90歳の歌です。
「生涯農民の母。
徘徊3年そして最後は寝たきりになってしまった母でした」。
鹿児島県の中原幸子さん69歳の作品です。
「何を食べたかすぐに忘れる91歳の認知症の母です。
食事をしている時のうれしそうな笑顔が大好きです」。
広島県の多田牧子さん64歳の短歌です。
「今年100歳になった母はこの春までは自分で食べていましたが最近は口を開けて待っている事が増えてきました」。
岐阜県の中島瑩子さん81歳の作品です。
「夫は脳梗塞で倒れ今は施設に入所しています。
いつも2人で近くの喫茶店へ行きコーヒーを飲んで帰ります」。
この町に住む川瀬敏枝さんの歌も介護百人一首の一つです。
歌を詠んだ川瀬敏枝さん66歳です。
敏枝さんがこのお寺に嫁入りしたのは昭和51年。
敏枝さんの実家も下関のお寺でした。
夫の善忠さんとは仏前で式を挙げました。
息子が38になったから39年かれこれ40年近いですね。
なんとまあこけむしてきたというかかびが生えてたというか…。
ねえ。
私は専攻が社会福祉でしたので人の役に立ちたいというそういう思いがいっぱいあったんです。
そしたら母がお寺に嫁に行ったら人の役に立てるから別にあんた社会福祉社会福祉って言わんでもお寺に行けばちゃ〜んと人の役に立てるからって。
あっそうだお寺に嫁に行けば人の役に立てるんだと思って。
「こんにちは」は?こんにちは。
私が蓮香ですって。
私が蓮香です!敏枝さんの孫3歳の蓮香ちゃんと夫で住職の善忠さん68歳です。
おはようございます。
そして嫁の富士美さん。
この家には長男慈さんの家族も同居しています。
そしてこの家族が介護しているのが善忠さんの母川瀬孝子さん88歳です。
ごはんごはんごはん食べよう。
お〜上手やねあんたは。
孝子さんは8年ほど前から認知症が始まりおととしの9月からは筋力が低下して寝たきりになりました。
はいおばあちゃん食べようか。
あんたが食べるんじゃないって。
おばあちゃんに食べさせてあげる。
危ないでね。
食べさせてあげるの!4世代が同じ屋根の下。
孝子さんを囲んでにぎやかな介護です。
はいどうぞおばあちゃんあ〜んあ〜ん。
よかった!おみそ汁持ってくるの忘れちゃった。
おばあちゃんは几帳面な人でね。
絶対に物を忘れた事がない人なんです。
すばらしい良妻賢母の賢い人で几帳面で私はざっぱでもう大変でした。
ハハハ!随分直してもらいました。
今思うとよく育ててもらったなと思います。
今自分が姑の立場になるとなかなか育てきれないとこがあるんですよね。
ああおばあちゃんはよくまあ本当に私を育てられた。
今は感謝してます。
その時は嫌でしたけど。
ハハハハハ!つい最近までしゃんとしていた孝子さん。
敏枝さんから見れば常に気丈な人でした。
おはようございます。
お願いしま〜す。
ヘルパーさんが来ました。
ゆうべ寝れました?はい?ゆうべは寝れました?ああよかったね。
私たちはお下の方の交換とあとお食事が済んでみえない時はお食事とあと口腔ケアでお邪魔してます。
孝子さんお顔拭きますよ。
ほかに訪問入浴も利用しています。
ああ気持ちがええ。
そやね。
見えてるね。
見えてるよ。
(読経)夫の善忠さんは母が寝たきりになった時一度は施設への入所を考えたといいます。
(善忠)数年前に家内やら長男の嫁に苦労かけてはねいかんなと施設への入居もきちんとお願いしとったんですよ。
お願いしとりましたけども家内やね長男の嫁がうちで置いてあげようってね一生懸命応援するからってねやれる事をやるからおばあちゃんうちに置いてあげまいかって事をね言ってくれましたですね。
もちろん親だからお世話させて頂かないといけないですけども人間としてねたまたま母は寝ついちゃったんですけど私の生き方が問われているような気がしない事もないです。
こんな事主人にはあんまり言った事ないですけど。
孝子さんのお友達が来てくれました。
近くに住む同い年の幼なじみ横山みさ子さんです。
よく話し相手に来てくれます。
仲よしでね。
いつも兄弟と一緒。
でも幸せやねこの人はね。
みんなの温かい介護によってもうあかんと言われたんですけどねこんな元気になられたでうれしいですわ。
川瀬敏枝さんの介護百人一首です。
「三歳のひ孫はベッドに潜り込み介護士になりジュース飲ませる」。
人間やっぱり自分がこう誰かの役に立つというか必要にされるって事は一つの生きがいですからね。
そうですね。
そういう意味ではねおばあちゃんは私に生きがいを与えて下さっております。
ハハハハハ!3歳のヘルプマン?は〜かっこいいね。
蓮香ちゃん。
くさかさんはどのようにご覧になりましたか?この3歳の介護士。
蓮香ちゃん。
本当に毒蝮さんのおっしゃるようにかっこいいです。
この無邪気さっていうか無邪気な介護っていうフレーズすごくいいと思いませんか?いろいろ理念がどうのこうのとかじゃなくて本当に…。
おばあちゃんにジュース飲ませてあげたい。
まっすぐな無邪気な介護ってすごいすてきだなって思いました。
でも今ね4世代よ。
88から3歳まで一緒にいるといううちは今少ないし理想型でしょこれ今。
本当ですね。
ご家族だけで背負う訳でもない。
ちゃんとプロの手も借りながら。
分担してるんですよね。
きっと地域の人も出はいりしてらっしゃるだろうなって。
ほらお寺さんだからいろんな人が来る訳ですよ。
お父さんやお母さんがやった事を蓮香ちゃんは見ておばあちゃんやってる事を見てひいおばあちゃんにやるというようなつながってるっていう家族っていう絵になりますね。
ですね〜。
川瀬敏枝さんご家族の皆さんいい短歌をありがとうございます。
くさかさんほかに気になった短歌ありましたでしょうか?どうって事ない短歌ですけどね。
そうなんですけどね思わずね自分の老後をぶわ〜っと浮かんでしまって…。
私が車椅子で押してもらってるのか押してるのか私押してもらう立場がいいかなとか…。
何かそういうものをふっと思い起こしてその時にこんなふうに喫茶店に行きたいなっていうそういうシーン。
自分と重ね合わせるような?ついつい想像しちゃいまして。
すてきじゃないですか。
それから喫茶店も車椅子で「いらっしゃい」とかオーナーが言ってくれたりね。
ちゃんとそれ受け入れる町がある訳ですよね。
こういう喫茶店でもねカラオケでもパチンコでもどこでも職員さんがみんな介護のヘルパー講習とか受けてスキルを持っちゃえばいいと思うんですよ。
町じゅうが一つの介護施設みたいな。
介護職だけが専門職じゃないと。
だからどこで転んだって大丈夫だよね。
俺が厚生大臣だったらそういう事ひとつやってみようじゃ…。
立候補されて下さい。
東京都の前田宏さん68歳の作品です。
「歩行困難となった94歳の母を病院に連れていきます。
その行き来に車椅子を押しました。
車椅子が傾きかける所もあってハラハラしました」。
広島県の品口郁子さん75歳の短歌です。
「姑舅夫と3人合わせて30年余りの在宅介護となりました。
夢中で過ぎた年月でした」。
岡山県の大倉景輝さん87歳の作品です。
「妻を介護して11年目に私は失明しました。
それでも妻の体を支える程度の介助はしました。
介護15年目の去年妻は旅立ちました」。
福島県の大矢律子さん69歳の歌です。
「母は兄を亡くしたショックで笑いを忘れてしまいました。
母の笑顔が見たくて私は毎晩どじょうすくいをしました。
母は困った様子で泣き笑いでした」。
この町にも介護百人一首の詠み人がいます。
歌を詠んだ中内忠夫さん81歳です。
忠夫さんは18年前から慢性骨髄性白血病を患っています。
命が危険な時期もありましたがこのところずっと小康を保っています。
忠夫さんの妻伸子さんは7年前に亡くなりました。
病を抱え独り暮らしを続ける忠夫さん。
朝食のサラダは訪問介護のヘルパーさんが作り置きをしてくれます。
・あ…。
忠夫さんのもとには朝夕2回電話があります。
・はいもしもし理恵さん?娘さんから体の調子を確認する電話です。
大丈夫だよ。
はいはい。
はいありがとう。
忠夫さんは毎日抗がん剤を服用し病気の進行を防いでいます。
しかし赤血球が普通の人の7割ほどしかなくいつも体がだるく度々貧血を起こすので横になる事が多いといいます。
仏壇には小さな骨つぼがあります。
これがまあ私が逝く時の骨つぼで小さいものを買ったんですけどね。
伸子さんが亡くなってから忠夫さんが用意したものです。
朝9時。
訪問介護ヘルパーが来ます。
部屋の掃除と食事の用意。
忠夫さんは随分助かっているといいます。
忠夫さんが貧血で倒れているところをヘルパーさんが発見した事もあります。
(忠夫)今日から梅雨に入ったね。
そうですね。
今日は梅雨の晴れ間のようで助かります。
今日は暑くなりそうだから。
ヘルパーさんとの何気ない会話を忠夫さんは楽しみにしています。
すいません何か落ち着かなくて。
じゃあまた来週よろしくお願いします。
1時間の訪問介護が終わるとまた一人の生活に戻ります。
妻が亡くなり支えを失って7年。
伸子さんの事を一度も忘れた事はありません。
生前はまあけんかもしたり何したりやった事はあるけどやっぱり亡くなったらね。
特に私なんかはこんな病気を抱えてるとやっぱり家内が寝床でおってもいいからおってくれたらね心強いけど。
忠夫さんは昭和9年徳島県で生まれました。
関西の大学を卒業後航空機の整備士として働いてきました。
そんな忠夫さんが親戚の紹介で出会ったのが伸子さんでした。
結婚したのは忠夫さん24歳伸子さん二十歳の時です。
伸子さんは明るく働き者で特に裁縫が得意でした。
ミシン買ってスカーフを縫ってたの。
ここで仕事がなかったらミシンでね。
近くの皆さんのズボンとかね。
何を縫って…。
家族のために懸命に働いてきた忠夫さん。
出張や単身赴任も多く伸子さんが家を守ってきました。
定年後も働き続けた忠夫さんですが白血病になったのは63歳の時でした。
そして忠夫さんの発病から6年後今度は伸子さんががんに侵されていた事が分かりました。
家内ががんだって聞かされた時はそれは衝撃を受けた。
身軽に病院へ行ったり何してたから軽く思ってたんだけどもう寝込んでしまったらねこれは大変だと思ったね。
これが一番の人生のつらいところだったね。
がんが見つかって5年目の平成20年6月。
伸子さんは亡くなりました。
忠夫さんが病を押して伸子さんを見舞った時が最後の別れだったといいます。
長女の婿さんが「帰りましょう」って言ってその時に…言葉は出なかったけど「私帰るよ」って言ったら目でこう合図したですよね。
それが最後。
本当寿命って分からないもんだ。
おはようございます。
失礼致します。
今日は何をお作りしますか?サラダとカレーでよろしいですか?今日もヘルパーさんが来てくれました。
カレーは昼と夜に分けて食べます。
この間日曜日福祉祭りって本郷台の駅の。
あったんですよ。
私行かなかったというか…。
毎年やってるんですよね6月。
ああそう。
なかなか大変だった。
病を生きる忠夫さんの介護百人一首です。
(忠夫)「ただ一人死と向き合って暮らすおれ心なごむや訪問介護」。
いや〜忠夫さん偉い!偉いけどね「ただ一人」一人寂しくとかというふうに詠んでるけどね忠夫さん一人じゃないよ。
奥さんがもうピタッとついてるよ。
寝床でもいいから今もいてくれたらなって。
写真に向かってねお話を…。
亡くなって7年たってるんでしょ。
それでもこんなに思ってるという夫婦羨ましい。
いいご夫婦で。
私これこの句を拝見して本当にかっこいいなって。
忠夫さんかっこいいなって。
「ただ一人死と向き合って暮らすおれ」って何か本当にハードボイルドの主人公みたいな。
当然マドンナである奥さんとの思い出があってこそなんでしょうけど本当に明るそうな奥さんだったじゃないですか。
太陽がね沈んでしまったようなものなんでしょうけど本当に最後まで自分として誇り高く生きるぞみたいなとこが見えて。
私このマンガを描くようになってから感じたんですけど老後って余生って言われるじゃないですか。
余った命みたいな。
でも何かね描いてると老後こそが本番じゃないか…。
余生じゃないよね。
余生じゃなくて。
だってすごい愛した奥さんが先立っちゃったりとかものすごいお宿題を自分の中でこなさなきゃいけないじゃないですか。
本当に死と向き合ってって自分でそれをどう受け止めてっていうものすごい人間力を最後に試されるっていうかそこの本番のために長い人生鍛えてきたんじゃないかなみたいな感じがするんですね。
このマンガを描いてそう思ったんですよ。
そこに時々太陽がやって来るというその介護職の方の存在って本当に大きいなって思いましたね。
人って死ぬじゃないですか絶対。
絶対来るんですよね。
それがいけない事なのっていうか不幸な事なのって。
生まれると同じぐらい死ぬって普通の事じゃないですか。
近所のおばあちゃんがお葬式で旦那さんに「おとうちゃんお疲れさん!」って言ってたんですよ。
かっこいい言葉だと思って。
これだなって思ったんですよね。
「おじいちゃんお疲れさん」。
おじいちゃん一生懸命生きたじゃないっていう事。
人生お疲れさまっていうような。
泣きわめくんじゃなくてお疲れさんって。
そこにやっぱり本当にねその方を本当に誇りに思ってるおばあちゃんもいたし相手を本当に尊敬してるという事が表れた言葉だと思うし。
中内忠夫さんすてきな短歌をありがとうございました。
くさかさん昨日今日の2日間にわたってさまざまな介護の様子ご家族の様子介護短歌をご紹介してまいりましたが…。
単行本もね前の連載から言うと28巻分描いてきまして何でそんなに続いたかって結局介護って本当に1くくりにできなくて生活全部やっぱり生きる事を支えたり生活をコーディネートしたりという事だから介護と関係ないものってないんですよね。
それがこのVTRであるとか短歌を見てるとあらゆる人がいろんな思いで関わってつながっているという。
こんなにいろんな人がつながってる世界ってないんじゃないですかね。
こんだけ長生きの時代でね少子化だから元気な人も作らなきゃいけないけど介護ももっと大事になるよね。
私たち一人一人が介護の精神を持つという事も大事ですよね。
ありがとうございます。
「介護百人一首2015夏編」。
昨日今日2日間にわたってお送りしました。
次回は秋という事になりますね。
また秋なんだね。
早いな〜。
季節は巡るね。
くさか里樹さんどうもありがとうございました。
ありがとうございます。
2015/07/09(木) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV 介護百人一首2015「夏編 その二」[字]

介護にまつわる出来事や思いを詠んだ「介護百人一首2015」今回は夏編その二 「三歳のひ孫はベッドに潜り込み介護士になりジュース飲ませる」ほかの短歌を紹介します。

詳細情報
番組内容
介護する人される人、日々の介護生活の中でふと心に浮かんだこと、ある出来事の情景を詠んだ「介護百人一首」今回は夏編その二。岐阜県の川瀬敏枝さんの短歌「三歳のひ孫はベッドに潜り込み介護士になりジュース飲ませる」3歳の孫はいつも介護士さんや家族の介護をみているせいか、知らないうちに義母におやつをあげたり。びっくりします。他の歌をご紹介します。介護のつらさ、喜び、そして優しさ。介護短歌の心に触れて下さい。
出演者
【出演】毒蝮三太夫,小谷あゆみ,漫画家…くさか里樹

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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