「家庭総合」今日のテーマは高齢者。
日本では現在3,000万人以上総人口の25%を占めます。
それでは高校生にとって高齢者ってどんなイメージなんでしょうか?いつもお金をくれて……が増えてきてるとか。
悪い事しかニュースになんなくない?ピックアップされるのがね悪い事だよね。
いろんな言葉が挙がりました。
でも漠然としたイメージが多いですね。
実際の高齢者の姿をあまり知らないというのが正直なところみたいです。
そこで…高齢者とのつきあい方に悩む…こんにちは「家庭総合」です。
今日のテーマは「いつかはみんな年をとる」。
高齢者について考えます。
さあ今回のお悩み漫画ですが千瑛ちゃんはユウタ君の気持ち分かりますか?いや全く分からないです。
私結構おじいちゃんおばあちゃんっ子なんで普通に話しますしうるさいと思った事ないですね。
なるほどね。
高校生の時は思いましたよ。
年配の人の話はうるさいなと思いましたけど今となってはおじいさん側になってるような気もします。
若い人にうるさいと思われてるような気が。
千瑛ちゃんはおじいちゃんおばあちゃんっ子。
成君もおじいちゃんおばあちゃんが大好きです。
ではこの2人果たして…ジャジャン!2人に問題です。
じゃあいきますよ。
問題です。
ジャジャン!知ってる?千瑛ちゃん。
自分のおじいちゃんおばあちゃんのあだ名。
名前は知ってる?名前は分かります。
成君は?僕は知らないですね。
名前は分かる?名前は分かりますよ。
ミツマサさんとアヤコさんで。
だからおじいちゃんはみっちゃん。
おばあちゃんはあやちゃんで。
呼んでんじゃないかなという…。
臆測ですね。
おじいちゃんとおばあちゃんについてね意外と知ってそうで知らないもんなんですよね。
分かんないもんですよね。
さあどうしよう。
そこで成君はある高齢者に話を聞きに行ってきました。
(足立)ジャジャン!この方です。
千瑛ちゃんこれを見て市川さんがどんな人か分かる?写真を見てですか?…しかないんですけど。
(足立)大正解。
でもそれだけだとさみしいな。
という訳で僕が市川さんの人生を解き明かしてきました。
VTRご覧下さい。
今日は高齢者の方にお話を聞くという事でここ東村山市にやって来ました。
今日インタビュー実は初めてなんでドキドキなんですけどうまくできるでしょうか?あっ市川さんですか?
(市川)はいそうです。
こんにちは。
(足立)こんにちは。
市川さんは東京郊外で代々農業を営む家に生まれ育ちました。
88歳になる今は家族や親戚が食べるための野菜を育てています。
やっぱりこういうの育てるのって楽しいですか?楽しいです。
もう本当に。
まあ…市川さんはアパートの家賃収入で生計を立てています。
住まいは畑の横にあるこの家。
娘夫婦と3人で暮らしています。
畑仕事の合間には趣味で絵も描いています。
健康で充実した毎日のようですね。
そんな市川さんに成君がインタビューしました。
それでは市川さんの人生についてお尋ねしたいのですがまずどのような家庭に生まれたんですか?そうですね私は兄弟が非常に多くてですね男が7人女が3人。
(足立)えっ!10人兄弟ですか?12月昭和天皇が即位し元号が昭和に改められました。
そのおよそひとつき前の11月11日市川喜久男さんは農家の五男として生まれました。
(足立)どんな遊びとかしてたんです?そうですね遊びというのはねとにかく昔は遊び道具っていうのがねお金を出して買った道具っていうのはないんですよ。
コマなどは自分たちで作ったり。
(足立)えっ作ったんですか?
(市川)はい。
コマ作ったり竹馬作ったりね。
そんな事して遊んで…。
遊び方一つにしても随分変わったなと…。
随分変わってますよ。
市川さんが11歳の時日中戦争が開戦。
日本軍は……に参戦します。
日本は徐々に軍国主義に突き進んでいきました。
この年の春市川さんは14歳で…これは卒業式の写真です。
ものが少ない時代でしたが若い市川さんは卒業式にこだわりのファッションで出席しました。
(市川)面白いね…格好ですよ。
これみんなはかまをはいて高げたを履いてその下にズボンはいてんですよ。
(足立)この時代の流行ですか?
(市川)そうですね。
(足立)昔にもこういう流行とかがあってすごく面白いです。
卒業後市川さんは親元を離れ軍の施設で部品管理の仕事に就きました。
そんなに若くから就職するって嫌じゃなかったですか?いやいや…もうそのころはですねとにかく学問よりも働くという事が大事だったんです。
ですからもう抵抗なく働き口があれば働くという時代だったです。
戦争は徐々に激化。
市川さんの人生にも暗い影を落としました。
4人の兄のうち…3月10日…都心が焼け野原になりました。
死者は10万人を超えたといわれています。
東村山でも50人を超える犠牲者が出ました。
市川さんはその日近所の人を助けるために必死で走り回りました。
正直言って怖かったですね。
(足立)そうですよね。
ものすごい空襲で空襲警報が鳴って避難してたんですよ。
あそこに見えるですね大きなけやきあそこに農家のうちがあったんですね。
あそこ直撃されて全部吹っ飛んじゃってお嫁さんとそれからおじいちゃんがお二人亡くなった。
「この日大東亜戦争終結の大詔を拝す。
畏れ多くも天皇陛下におかせられましては…」。
市川さんは終戦の翌年電車部品の修理の仕事に就きました。
その4年後早くも転機が訪れます。
父親が病を患ったため仕事を辞めて農業をやってほしいと言われたのです。
しかし市川さんは…農家のうちに生まれたけど専門に農家をやったっていう事がないんでやっぱり不安だし農家を継ぐという事は大変な事だなという感じからそういうふうに思った訳ですよ。
長男は自分で独立して石材店を経営したもんですから。
次男はブラジル行っちゃって。
あとは慣れない仕事を私の弟に押しつけるのもかわいそうだなと。
相当悩んだんですが決断しました。
一度やると決めた市川さんはどうせやるなら父親以上の農家にしようと立ち上がりました。
まず初めに当時人気が出ていたスイカの栽培法を見直し生産量を増やしました。
続いて中古のトラックを買いました。
当時の農家は地元で作物を売るのが普通でしたが市川さんはトラックで都心まで行き売り上げを伸ばしたのです。
自分で実際やってみるとですね分からない事は周りの人に聞いたり自分で研究したり。
やってみるとだんだん奥の深い仕事だなと。
今になってみるとやってよかったなと思ってます。
生涯を決める出会いもありました。
好意を持っていたヒデさんという幼なじみの女性との間に縁談が持ち上がったのです。
収入の見通しに不安がある市川さんでしたがヒデさんは結婚を決意してくれました。
うれしかったですね。
まず返事はもらえないと思ってましたからね。
2人は一緒に慣れない農業を一から学んでいきました。
家内も本当に一生懸命習ってですね農家の人に負けないぐらいになりました。
それは私感謝してます。
本当に。
子育てしながら農家をやってくれたから。
ありがたかった。
(足立)あの時結婚できて本当に…。
よかったと思います。
2人は5人の女の子に恵まれました。
日本はどんどん豊かになっていきました。
1958年には経済発展の象徴東京タワーが完成します。
市川さん夫婦は昭和から平成にかけての40年間を二人三脚で過ごしてきました。
ところが市川さんを悲しい出来事が襲います。
人生を振り返って一番つらかった事って何かありますか?
(市川)そうですね元気でいた家内がね発病した時ですね。
40年間苦楽を共にしてきたヒデさんは1992年この世を去りました。
66歳という若さでした。
よくね人が肉親がそうなると俺が代わってやりたいよとか何とか言いますけどねまあ自分でないだけに余計つらかったですね。
それから20年余り市川さんは現役を退き穏やかな生活を送っています。
娘は皆結婚し…ご自身の事をごく普通の高齢者と話す市川さん。
しかし激動の昭和を生き抜きさまざまな喜びや悲しみを経験してきたのです。
そして今人生を楽しむすてきな高齢者になったんですね。
すごいね。
人に歴史ありですよ。
ねえ。
本当ですね。
成君はインタビュー初めてだったんでしょ。
どうでした?15歳でもう働き始めてたっていうのを聞いてそれがイメージが湧かないなって思いました。
千瑛ちゃんどう?でも逆にファッションとかはおしゃれしてたりとかして今とそんなに変わんないんじゃないかなと。
ちょっと親近感というか。
(足立)ここで市川さんの人生における出来事を表にしました。
上に市川さんの人生下に日本の主な出来事をまとめています。
市川さんは大正時代の終わりに生まれて戦争の時代に青春を過ごしました。
そして仕事を頑張りながら結婚子育てをしたのが高度経済成長の時代です。
そして今に至るという訳です。
なるほどね。
これあの〜時代を知るとさその人の人生がより深く理解できますよね。
うちのおじいちゃんもそんな同じ時代を生きてたのかなって。
だからきっといろいろあったんだろうなって興味深くなりました。
聞いてみたらいいかもね。
(尾崎)あっそうですね。
実はですねさっき出した千瑛ちゃんと成君のおじいちゃんとおばあちゃんの問題。
答えを聞いています。
おじいちゃんとおばあちゃんの答え聞いてるの?はい。
マジで!?本当?じゃあ正解を発表したいと思います。
2人とも分からなかったあだ名。
まず千瑛ちゃんから。
おじいちゃんは…え〜初めて聞いた。
もっちゃんと呼ばれてた。
おばあちゃんのあだ名は…みーちゃん。
かわいい。
呼んでみたいです。
呼んでみなよ。
成君はですねおじいちゃんのあだ名が…来た!よっしゃ。
おばあちゃんがね…「あやさん」?あやさんと呼ばれてたという。
答えられなくて本当にこの場を借りておじいちゃんおばあちゃんに謝罪をしたいぐらいです。
何かおじいちゃんとおばあちゃんの事ってやっぱりもっといろいろ知ってたいね。
ですね。
もっともっといろんな話聞きたいと思うようになりました。
この人にも歴史があるのかなって考えてみるだけでも違うかもしれないですよね。
そうですよね。
どの高齢者にも同じようにそれぞれの人生があるんですね。
街頭でいろんな話を聞いてきました。
今回はそのVTRを見ながらお別れしましょう。
それではまたお会いしましょう。
さようなら。
一番うれしかった事ですかね。
都会に出るって事がなかったからね。
佐渡ばかりでしたからね。
6年間。
それが一番思い出になってて。
つらかったのは私…友達がみんな支えてくれたりしたからなんとかこんとかやってきたけどね。
一人一人に歴史があるんですね。
では今どんな事に生きがいを感じているんでしょうか?同じ職場でいろんな仲間と一緒に仕事できるという。
生きがいを持てるという事がよかったかなと思ってるんですけどもね。
あの〜診療所なんですけどそこのボランティアをさせて頂いてるんですけど。
高校生にボランティアをやって頂こうと思って。
車のね押し方とか。
そういうのをこれから出すので今企画立ててるんですけど。
そして今回紹介した市川さんは…。
年に8回地元の小学校で子どもたちに昔のようにおもちゃを手作りする方法を教えています。
私はもう元来子どもが好きですからね。
悩みも何も全く忘れます。
市川さんは子どもの笑顔を見るのが一番の幸せなのだと言います。
高齢者に対してあなたはどんなイメージを持っていますか?実際の高齢者は一人一人が個性豊かな存在です。
先入観や固定観念にとらわれずにまずは声をかけてみましょう。
高齢者にはそれぞれに人生の歴史があります。
子ども時代や若い頃の話うれしかった事やつらかった事などじっくりと話を聞いてみましょう。
高齢者は過去の豊かな経験があるだけではありません。
多くの高齢者が今現在も社会に貢献したり人と関わったりしながら充実した生活を送っています。
2015/07/09(木) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 家庭総合「いつかはみんな年をとる」[字]
高齢者には一人一人に歴史があり、その人らしい生活を今も送っています。身近な高齢者の、ライフヒストリーの聞き取りに挑戦します。【出演】パパイヤ鈴木・青木さやかほか
詳細情報
番組内容
「高齢者」という言葉から、あなたは何を連想しますか?一つのイメージに縛られていると、その人自身を理解することはできません。どんな時代に生き、何に悩み、どんな人と関わりながら生きてきたのか。それを知るための一つの方法が、ライフヒストリーの聞き取りです。レギュラー出演者の成君が、東村山の男性を訪ね、話を聞きます。【出演】パパイヤ鈴木、青木さやか、足立成、尾崎千瑛【声】沖田愛【マンガ】和田フミ江
出演者
【司会】パパイヤ鈴木,青木さやか,【出演】尾崎千瑛,足立成,【語り】沖田愛
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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