たくさん咲かせたいなら花がらは摘む!よ〜く分かったようん。
(オープニングテーマ)
(チャイム)
(立花節子)木下君!
(木下ともお)ハハハ…ああ?教室でボール遊びは駄目でしょう。
木下君廊下は走っちゃ駄目!ヒヒ…。
木下君笑ってる場合じゃないわよ。
木下君先生が見てないからって居眠りしちゃ…。
何だよ。
あれ?オレ寝てねぇよ。
ならいいわ。
う〜っ…。
(鎌倉景子)ねえねえ。
(葉山より子)うん?委員長ってさ木下の事好きなんじゃないの?そんなわけないでしょう!ええ〜っ?うん?
(節子)ちょっと木下君。
何だよ下校してるだけだろ。
お前ちょっとオレの事注意しすぎだぞ!あした遅れないでちゃんと来てよね。
あした?ほらやっぱり忘れてる!わ忘れてねぇよ…。
じゃあ何?言ってみなさいよ。
あしたは…。
あした…学校だろ分かってるよ。
日直よ!あっ…。
ハァ〜…木下君と日直なんて本当に運が悪いわ。
なっ…オレなんかもっと運悪いんだぞ!くそ〜むかつくな委員長。
(吉本雅人)なんか妙にお前に絡むよな。
あいつ一軒家だから調子乗ってんだ。
それは関係ないだろ。
(テレビ)「あなたどうしてそういう事おっしゃるの?タキシード着た八重歯のすてきな紳士があなたの前に…」。
(あくび)
(木下哲子)早く寝なよ。
・
(木下君子)うん?誰だろ?こんな時間に。
父さんかな。
父さん?オレも話す!
(君子)はい木下です。
えっ?はい…。
少々お待ち下さい。
ともおあんたによ。
えっオレ?立花さんって女の子。
女の子?委員長だ…。
うん?もしもし?何だよ。
・
(節子)まだ起きてるの?早く寝なさいよ!あっ…。
くそ…3秒で切りやがった。
木下君本当にだらしないんだから。
…とは言え私も結構宵っ張りなのよね〜。
(節子のママ)節子まだ起きてるの?うん…。
もう寝たら?うん…。
ねえママあした日直だから早く起こしてね。
(節子のママ)だったらなおさら早く寝なさい。
(節子)うん。
寝る。
(節子のママ)節子節子起きなさい。
ほら遅れるわよ。
(節子)う〜ん…。
日直なんでしょう?うん…起きる…。
あ〜ん…。
うっ!
(節子のママ)ほらもうしゃんとしなさい。
痛い…。
あんたが動くからでしょう。
(自転車のベルの音)ハッ!どうせ木下君まだ来てないだろうし教室で30分ぐらい寝ちゃおう…。
よう。
うん…。
あっ!おせぇぞ。
木下君が早すぎなのよ。
時間どおりでしょう。
うっ!早く来ただけで何もやってないじゃない!ほらお花の水やりメダカのエサやり。
朝の仕事終わったしやる事ねぇな。
みんな来るまでまだ時間あるし…。
フフ…なあ将棋やろうぜ。
学校は勉強するところよ。
チェッ…つまんねえやつ。
あっ。
(チャイム)オレ先な!ちょっと木下君も日直でしょう!あっ。
じゃあ先行ってるぜ。
う〜っ!ハァハァ…。
(チャイム)起立!木下君。
礼!おっ日誌か。
オレも書いてやるよ。
いいわよ。
どうせ書き直す事になるんだから。
(チャイム)おお〜っ!ハァハァ…。
ハァハァ…。
ギリギリセーフ!ハァハァ…。
今日も遅刻したら今月10回目でまた居残りのとこだった。
危なかったな。
う〜ん…。
(節子)木下君!何だよ?あしたは絶対遅刻しないでよね。
えっ?ほらやっぱり忘れてる。
分かってるよ!あしたは…学校だろ。
日直よ!毎回同じツッコミさせないでよ。
お前本当学習しないな。
うっ…。
(節子のママ)節子早く起きなさい!は〜っ…。
うん…あっ!よう早く水やりしようぜ。
あっうん…。
心の声
(節子)そういえば木下君って日直の日に遅刻した記憶ないな…。
将棋やろうぜ。
学校は勉強するところよ。
やろうぜ。
1回だけよ。
う〜ん。
フフフフフフ…。
心の声
(節子)あした日直か…。
今月10回目の遅刻で居残りの木下君とまた一緒…。
心の声
(節子)今度は遅刻するかしら…?
(鼻が動く音)フフフフ…。
えっ?うん何?何でもない!えっ?うっ!痛い…。
えっ?心の声
(節子)何?今私笑ったの?何で?心の声
(節子)ひょっとしたら私木下君が遅刻するのを望んでるんじゃ?それとも罵声とか浴びせてスッキリしたいために…。
いや〜何をとんでもない事を私…。
(節子のママ)節子そろそろ起きたら?うっ…う〜ん…。
えっ?今日日直って言ったでしょう?そうだっけ?もう〜!あっ!よう。
木下君。
(節子)お花の水やりやっといてくれたんだ。
メダカのエサもやっといてやったぜ。
そう…。
そそれだけかよ?もうふざけんなよ!な何よ?何か言う事ないのかよ。
ごめん…。
うん!でもこれ以上は謝らないわよ!いつもは私がほとんどやってるんだから。
うん…。
ねえ何でいつもは遅刻してくるのに日直の日は早いの?委員長がガミガミうるせ〜からだよ。
へぇ〜私のおかげだったんだ。
木下君でもプレッシャー感じる事あるのね。
何だよ。
あっ…何それ?お握り。
ちょっとまさか食べる気?学校にそんな…。
1個やるよ。
委員長今日朝御飯食べる暇なかっただろう?タラコと梅干しどっちがいい?タラコ。
えっ委員長も?酸っぱ〜!おいしい。
う〜!なあ委員長日直の日のこの時間他のやつらは何して暇潰してるんだろうな?う〜ん…。
(駒を置く音)あっ…。
(一同)あっ!あっ!
(2人)あ〜っ!
(2人)コラ〜!…ったく腹立つわね!団地でここだけ収集ボックスないから荒れ放題ね。
カラスはそれ分かってるからよくこの辺にたかってるし…。
あ〜っもうボロボロ!あいつらまた狙ってるな!食うならもっと行儀よく食え!うちの子だって食べ終わったら片づけるわよ!心の声
(オレ)恐らくあの二人はオレたちの事を話しているのだろう。
何を話しているか気になるが多分悪口に違いない。
オレも長く生きてきて人間の事が少し分かるようになってきた。
しぐさや表情で何となく感情が読み取れるようになってきた。
例えばあの二人。
今週の「スポーツ大佐」面白いな。
それ毎週言ってるよな。
来週も言うぜ。
もしつまらなかったらどうすんだ?どんなにつまらなくてもオレを楽しませてくれるのが「スポーツ大佐」なんだぜ。
それも毎週言ってるよな。
来週も言うぜ。
「スポーツ大佐」の作者が聞いたら泣いて喜ぶぜ。
心の声
(オレ)あいつらは「楽しんでる」。
(鼻歌)心の声
(オレ)分かりにくいが鼻から何やら音を出してるこいつも恐らくうきうきしてる。
あいつは何か難しい事を考えている。
こいつはふだんからこういう顔なので判別不能だ。
別の顔つきをしているのを見た事がない。
心の声
(オレ)同じく謎。
そしてもっと謎のやつがこいつ。
ねえ何読んでるの?「スポーツ大佐」。
え〜っそんなの読んでるの?男子の好きなくだらないマンガじゃない。
くだらなくないわよ。
結構面白いのよ。
あ〜っいいなあお供。
お供?スポーツ大佐にはお供がついてるのよ。
クマとカラスの。
変なの。
いいな〜カラス。
私もいつかカラスを捕まえてお供にするんだ。
お供にしてどうするの?一緒に戦うの。
あっお〜い!心の声
(オレ)ここいつだ。
オレを見るといつも声をかけて手を振ってくる。
カラス!あっ…。
心の声
(オレ)何だろう?オレに用でもあるんだろうか。
最近よくエサ場でオレの絵を見かける。
人間の方もオレたちに興味を持っているんだろうか。
人間?人間なんかに興味あるのかお前?お前はないのか?人間は怖い。
それだけさ。
人間に関わるととんでもない目に遭うだけさ。
心の声
(オレ)オレだって怖い。
怖いから興味が湧く。
心の声
(オレ)人間はよく遊ぶ。
食ったり寝たりと生きるのに必死な事をしてるより遊んでる時間の方が長い。
だからオレもよく遊ぶようにする。
心の声
(オレ)小石を空から…。
心の声
(オレ)人間様お気に入りのおめでたいあいつに当ててやる。
最近では百発百中だ。
カア!ウ〜ッワン!わ〜っコラやめなさい!心の声
(オレ)愚鈍だ。
よう!ヘヘヘヘ…。
おらおらおらおら…。
心の声
(オレ)なぜ人間は愚鈍なあいつらにああもなれなれしいんだ…。
心の声
(オレ)さぞ…人間になでられたらさぞ気持ちいいんだろうな。
うん?そういえばあいつの絵もよく見かけるが人間はなでたい対象を絵にするのだろうか?どうなんだろう…。
(景子)お〜い!心の声
(オレ)あいつか…。
おいで〜!こっちにおりといでカラスちゃ〜ん!こっちに来たら楽しいよ〜。
心の声
(オレ)う〜ん…。
間違いなくオレに用があると思うんだが正直怖い。
しかし最近のオレの好奇心は恐怖を凌駕しつつある。
あの「コンビニ」の戒めを忘れたわけではないが人間への探求心をもう抑えられない。
遊ぼう〜カラス〜。
アアア…。
心の声
(オレ)おっと。
フフ。
チッチッチッチッ…。
心の声
(オレ)オレの経験上こいつの表情やしぐさからは敵意はつかめない。
フフ。
チッチッチッチッ…。
心の声
(オレ)ここの手は…もしやオレをなでようとしているのか?む向きが逆のような気もするが…。
大丈夫だよ〜。
心の声
(オレ)そうなのか?オレをなでたいのか?ほらじっとしてて…。
心の声
(オレ)ししかしオレの本能がこいつの背後に何かどす黒いものを感じている…。
ぬお〜っ!心の声
(オレ)うわ〜っ!カア!カア!くそ〜惜しかった!もう少しだったのに。
やめなよ景ちゃん。
心の声
(オレ)あ危なかった…。
やはり人間なんて信用できない。
やはりあの戒めはどんな事があろうと忘れてはいけないのだ。
「コンビニ」の戒めを…。
ようコンビニ。
また車を眺めているのか?
(コンビニ)まあな。
そういうお前は誰だっけ?オレはオレだよ。
オレか…。
心の声
(オレ)昔仲間に「コンビニ」と呼ばれているやつがいた。
良質のエサを仕入れるのがうまくいつも血色がよかった。
エサをうまくとれない時はコンビニから分けてもらっていた。
頼りになるいいやつだった。
車に突っ込んで頭に大ケガを負って以来その部分だけ逆毛になっていた。
こいつはオレ以上に人間社会に好奇心を持っていた。
あの事故に遭うまでは人間って悪魔のように冷酷なやつらだと思ってたけど案外そうでもないんだぜ。
(コンビニ)頭がボーッとしてたんだけどあの罪悪感に満ちた人間の顔は忘れねぇぜ。
心の声
(オレ)コンビニはその年二度目の車へのダイブを敢行したが運もそして車種も悪かったのかコンビニはペシャンコになってしまった…。
もう一度うろたえる人間の顔が見たかったんだろう…。
「人間に深入りするとコンビニのようになる」。
いつも心掛けてはいるが…。
へっ?はっ?いいつの間に…。
じっとしてろよ!心の声
(オレ)体が固まって動けない…。
ようともお何してんだ?宿題のスケッチ!へぇ〜。
まだ途中だからあとで。
何だよケチケチすんなよ。
見たって減らねぇだろ。
減る!オレの腹がグーグー減るんだ。
何だそりゃ?お前も宿題やれよ。
それおとといの宿題だぜ。
お前だけ忘れたんだろ。
そうだった。
それでオレだけやってたんだな。
心の声
(オレ)動けない…。
しかしこれはいい機会だ。
こんな事がなければ人間にここまで近づく事もない…。
どうやらこいつはオレの絵を描いているらしいな…。
心の声
(オレ)オレに興味があるのか?よしできた!心の声
(オレ)びっくりした。
できたのか?超よくできた。
心の声
(オレ)見せてくれよ。
心の声
(オレ)おいおい。
そっくりだ!吉本〜。
心の声
(オレ)おい行ってしまうのか?なでてはくれないのか?毎日水浴びしてるから体はキレイなんだが…。
ハハハハハハ!似てるだろ?黒いって所だけはな。
これ使って理科の実験の宿題一緒にやろうぜ。
あ宿題?何やるんだ?お前忘れたのかよ。
これが今日の宿題。
忘れてねぇよ。
覚えてないだけだ。
(セミの鳴き声)こうやって虫眼鏡で太陽の光を集めるだろう。
心の声
(オレ)お前ら人間の気まぐれでオレはどれだけ心を悩ませてきた事だろう。
いくらオレがお前らに関心を持ってもお前らは応えてくれないのだ。
オレそのものが目の前にいるというのにもうオレには興味がなくオレの絵に関心が移っている。
今お前らがそこで何をして遊んでいるか知らないがお前らにとって生身のオレでも絵に描かれたオレでも同じ事なんだな…。
(吉本)そろそろだな。
うん?うん…。
(吉本)ついた!あっオレの絵が…。
心の声
(オレ)何?アチィ〜!
(エンディングテーマ)「団地ともお」お楽しみに!2015/07/09(木) 12:30〜12:55
NHKEテレ1大阪
アニメ 団地ともお・選「黒板なんか拭きまくれともお」ほか[字]
黒板なんか拭きまくれともお/ヒッチコックな夏だぜともお
詳細情報
番組内容
▽「黒板なんか拭きまくれともお」:ともおと一緒に日直当番になった委員長は、ともおが遅刻しないよう、あれやこれやと口を出し、ともおを注意するが… ▽「ヒッチコックな夏だぜともお」:団地に住み着くカラス。人間の近くで生活してきたため、仕草や表情で人間の感情が分かるようになっていた。人間に興味があるカラスは、団地の人々を観察してまわる。
出演者
【声】三瓶由布子,坂本千夏,牧野由依,田村睦心,武田華,藤村歩,一杉佳澄,植竹香菜,東地宏樹,宮下栄治,坂口候一,田中あいみ
原作・脚本
【原作】小田扉,【脚本】山田隆司,阿部美佳,田辺茂範
監督・演出
【監督】渡辺歩
音楽
【音楽】長谷川智樹
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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