(新番組)花咲舞が黙ってない #1 2015.07.08


(呼び出し音)
(音声案内)128番のカードをお持ちのお客様1番の…。
お待たせいたしましたお引き出しですね。
お預かりいたします。
本様。
申し訳ありませんが…。
(花咲舞)こちらはお引き出しできません。
いや何言ってんだよ。
通帳と印鑑あるだろうがよどういうことだよ!失礼ですがお客様は本健二様ではありませんよね?あ痛痛たた痛い痛い痛い…。
待て!待って…。
痛い痛い痛い…!うぅ〜!あ〜!痛っ!
(相馬健)お話伺わせていただけますか?はぁ…よかった〜。
(早坂の声)盗んだカバンに入っていた通帳と印鑑で現金を引き出そうとしていたとはね〜。
(早坂)いや〜花咲君君が事務応援に来てくれていたおかげで犯罪を未然に防ぐことができたよ。
ありがとう!あぁもういえ…。
たまたまですからたまたま。
どうしてあの人が怪しいって気が付いたんですか?あ〜…。
(せき払い)あの入って来た時から何か変だな〜って思ってたんですよ。
(舞の声)人目を気にしておどおどした様子でしたし冷房が効いている店内でずっと汗をかいていたので気になって伝票と印鑑表の名前を比べたら…。
差異があったので。
相馬さんお願いします
(舞の声)調べてもらったんです。
あちらの男性です了解それでカバンが置き引きに遭っていたことが分かったってわけか。
はい。
すごいですテラーの勘ですね。
久しぶりに窓口の仕事ができるんで張り切ってたからかな?花咲さんはテラーのかがみです!後で一緒に写真撮ってください!もう私となんて…あっそこのロゴの前とかでいいですか?完全に舞い上がっていやがる。
しかし相馬さんも素晴らしいですよね〜。
はっ?相馬君が花咲君の機転に即座に気付いてお客様に連絡してくれたからこそだ。
さすが本部臨店班のうわさの名コンビ。
いえ全然。
いえ全然。
かぶった…。
んっ!ギンヒカリうま〜!う〜んこんにゃくもひと味違うぞ。
こりゃメーンの石焼き牛ひつまぶしも相当期待できるな。
うん。
ここに来て上州和牛を食わないなんて竜を描いて目を入れないようなもんだ何の意味もない。
そんなにですか。
んっ?わぁ…。
楽しみ過ぎる〜。
やっぱり全国各地の支店を回ってその土地のおいしいものを食べられるっていうのが臨店の仕事の醍醐味ですよね。
その通りだ。
支店で起こった小さな問題の解決やら指導やらしてかえって嫌われるような仕事してんだ。
これぐらいのいいことがなきゃ割に合わん。
あっでも今回は喜んでもらえたじゃないですか。
調子に乗るなあんなこと年に1回あるかないかだろ。
確かに。
(振動音)
(振動音)やや?んっ?芝崎次長です。
温泉に来てることは…。
イエッサー。
(振動音)
(振動音)はい花咲です。
(芝崎)花咲君すごいじゃないか!
(芝崎)いや〜お手柄お手柄。
支店長からお礼の電話があったよ。
いえたまたまですから。
で今どこ?帰りの新幹線?あ〜今日はちょっと遅くなっちゃったので駅前のビジネスホテルに泊まろうかと…。
いやそれは困るなぁ。
えっダメですか?明日朝いちで出勤してもらいたいから泊まると間に合わないだろ。
朝いち!?昼前くらいじゃ…?
(芝崎)いやいや朝いちで。
とにかくもう大変なんだよ。
詳しいことは明日話すからよろしく頼むよ。
じゃあ朝いちで。
あの芝崎次長ちょっ…。
(通話が切れた音)どうした?切れちゃいました。
ウソだろ?いや何かもう「大変だ大変だ」っつって。
何言ってんだ何言ってんだよ。
「大変だ」なんて芝崎次長の口癖だろうが〜。
あ〜もう仕方ないですねこれ食べてひつまぶし食べてすぐ帰りましょう。
あぁ…。
んっ?ダメだ花咲。
んっ?今すぐ東京行きの最終に乗らないと絶対に間に合わない。
まさに今Rightnowだ。
(仲居)お待たせしました〜!当館の名物石焼き牛ひつまぶしでございます。
早く早く!分かってるって!おはようございます。
おはよう。
あ〜食べたかったなぁ石焼き牛ひつまぶし。
昨夜ご丁寧に夢にまで出て来たぞ。
私もです。
(行員)おはようございます。
(行員)おはようございます。
(行員達)おはようございます。
おはようございます真藤本部長。
おい!
(児玉)常務!あっ真藤…常務。
(真藤毅)構わんよ。
しかし花咲君はいつ会っても変わらず元気そうだな。
ハハっおかげさまで。
皆が嫌がる仕事を続けてくれて感謝してるよ。
企業というのはそういう縁の下の力持ちがいてくれてこそ成り立つものだから。
なぁ児玉君。
はい。
真藤常務のおっしゃる通りです。
いつもご苦労さま。
あっいえ…。
そんな…。
まっ頑張ってくれたまえ。
何かおふた方ともご機嫌っぽいですねぇ。
ああ今回の人事でついに常務取締役にご昇進あそばされたからな。
今回ご昇進されたのは芹澤頭取が次の頭取は真藤常務と考えられてる証しだろうと思うと私も何といいますか…。
ハハっ気が早い男だな君は。
まだ分からんよそんなことは。
いいえ!真藤時代の幕開けです!真藤本部長…じゃなかった真藤常務でも出世はうれしいもんなんですね。
当たり前だろうがバンカーたるもの出世してなんぼだよ。
相馬さん。
んっ?私は出世が全てだなんて思ってませんから。
はっ?あのな俺は別に卑屈になって言ってるんじゃないんだぞ。
出世コースなんか外れてのんびりとわが人生を行く。
悪くないもんだよ。
分かります。
分かります分かります。
何だ?その目は。
俺はお前にそんな目で見られる筋合いはないぞ。
大体俺は上司でお前は部下だぞ。
いいかげん分かれ!分かってますよ!大体相馬さん…。
うわ〜!あ痛たたた。
すいません芝崎次長。
(芝崎)痛って〜。
朝から元気だね花咲君。
おはようございます。
大丈夫ですか?
(芝崎)あ〜大丈夫大丈夫。
今日の臨店先日本橋支店ですか?
(芝崎)ああ。
何があったんですか?それがお客様が銀行を訴えるって騒いでるそうなんだ。
はぁ?銀行を訴える!?投資信託のトラブルですか。
大変そうな案件ですね!花咲。
はい!張り切るな。
えっ?お前がこれまで張り切って一度でも功を奏したことがあったか?いやない。
1回くらいは。
1回ぐらいあったとしても忘れろ。
いいか花咲絶対に…。
「余計なことは言うな笑ってごまかせ」ですよね。
そうだ。
ちなみに日本橋支店の支店長は真藤派閥だ。
それは気が重いですねぇ…。
はぁ…。
ふぅ…。
(行員)いらっしゃいませ。
本部臨店班の相馬です。
花咲です。
(行員)お疲れさまです。
(橋爪)臨店に来てくれなんて誰も頼んでいないんだが。
時間の無駄をさせるな。
うちの支店は業績表彰で全国1位を取ったんだ。
そこらの他の支店とは違う。
そうだよな?中村課長。
(中村)はい支店長のおっしゃる通りです。
ですが本部に訴訟を起こす旨の内容証明が届いております。
メガバンクの当行を相手に訴訟などどうせ金目当ての脅し文句にすぎない。
何してんだよ。
申し訳ありません。
では早速ですが確認をさせていただきます。
被害を訴えているのは諸角産業の社長諸角博史さん。
半年前こちらの渉外課北原有里さんの勧めで3000万円の投資信託を会社名義で購入されています。
はぁ…。
今回資金が必要となったため解約したところ元本割れで300万円の損失が出ていた。
しかし諸角さんは購入の際「損はしない」「元本保証する」と言われたとおっしゃっているんです。
(橋爪)ただの言い掛かりだ。
損をしたのが悔しくて難癖をつけて来てるだけだろ。
ですが…。
そもそも投資信託は得をすることもあれば損をすることもある金融商品だ。
銀行員が元本保証するなどと言うはずがないなぁ中村課長。
はいおっしゃる通りでございます。
はあ…。
(橋爪)あ〜。
君達臨店の仕事は支店のあら探しだったな。
だが我々は東京第一銀行のトップに立つ支店の行員として責任を持って仕事をしている。
こんなちっぽけな会社相手に時間の無駄遣いをさせないでくれ。
ちっぽけ?
(せき払い)ですが先方は訴訟を起こすと言って来ております。
本気で訴えるはずがない。
こちらには何の非もないんだ。
大体こういうやからはまともに相手にするからつけ上がるんだよ。
あのお言葉を返す…。
申し訳ありませんが担当した北原さんのお話も伺わせていただけませんか?お願いします。
チッ。
はぁ〜中村課長臨店さんがこうおっしゃってるんだから仕方がない。
北原を呼んで来い。
はい。
貴重な時間だ。
さっさと済ませてくれよ。
はい。
スマイル。
スマイル。
何なんですか?あのクソ支店長!バカバカ声がデカいよバカ。
すいませんつい…。
出たよ「つい」。
お前はホントに好きだよな「つい」。
だって私達に対してはともかくとしてもお客様に対して「ちっぽけな会社だ」なんて失礼過ぎます。
まぁまぁまぁ。
そう熱くなんなって。
相馬さんは悔しくないんですか?あんなこと言われて。
仕方ないよ全国1位のプライドってもんがあるんだろう。
1位がそんなに偉いんですか?全国750支店の1位だぞそう簡単に取れるもんじゃない。
認められてしかるべき結果だよ。
でも…。
しかも業績を上げて1位に導いたのがあの支店長だ。
上からの評価が高いのも当たり前。
「結果が全て」。
「全てそれが銀行だ」ですよね?お〜お前もようやく銀行の何たるかが分かって来たじゃないか。
分かってません覚えただけです。
(有里)私は元本保証するとは言っておりません。
ではどうして諸角産業さんはそう言われたとおっしゃっているんでしょう。
ウソをついてるんだと思います。
なるほど。
あの…この件で諸角産業さんとお話はされたんですか?はい先週窓口にいらっしゃったので。
(諸角)損した300万どうしてくれるんだ?運転資金なんだぞ!申し訳ございません!ですが投資信託は預金とは違ってお客様の資産を専門家が株式や債券などに投資運用するものでございますうまく行って利益が得られるものもあるのですが今回諸角様は元本割れしている時期にご解約されてしまったのでおいちょっと待ってくれあんた言ったよな?「この商品は損はしない元本保証する」っていえはぁ!?私は元本保証するとは言っておりませんふざけるな!!なるほどそれで訴えると。
訴訟すると言えば損した分を補てんしてもらえる…と思っていらっしゃるんだと思います。
あのそういうふうに決め付けるのはどうかと…。
とにかく私は言っていません。
相手にするなと支店長からも言われておりますので。
でも…。
(有里)もういいですよね?これ以上お話しすることはありません。
仕事に戻らせてください。
あっちょっと…。
(ドアが閉まる音)感じ悪っ!どうやら橋爪支店長と同じスタンスのようだな。
はい。
あの態度じゃこれ以上聞いても何も引き出せはしないだろう。
ですね。
じゃあ諸角産業さんにお話聞きに行きますか。
だな。
(橋爪)どこへ行くつもりだ?あっこれから諸角産業さんにお伺いして事実確認をして来ようかと。
その必要はない。
えっ?「元本保証するとは言っていない」。
北原もそう言っていただろうそれが全てだ。
ですが念のために…。
余計なことはしなくていい。
臨店の仕事は支店の中の問題を解決することのはずだ。
それ以上のことに首を突っ込んだり口出しをするべきではない!はい。
では今日はこれで失礼いたします。
ああ。
行くぞ。
相馬さん…。
いいから。
チッ。
(児玉)本当に大丈夫なんでしょうね?
(橋爪)こちらには何の非もありませんし訴えて来るはずないですから。
万が一訴えられるなんてことになったら…橋爪支店長あなたに目をかけて来た真藤常務の顔に泥を塗ることになりますお分かりですね?承知しています。
はい失礼します。
優秀なんだな〜。
んっ?1年前までテラーだったんだ。
はぁ…。
う〜ん…。
(お腹が鳴る音)あっ。
うんナスも最高です。
(花咲幸三)ありがとうございます。
あっ。
相馬さんまた来てるんですか?邪魔してるぞ。
(幸三)「また」とは何だうちの大事な常連さんに。
失礼だろ。
おとうさんの料理3日食べないと恋しくなっちゃって。
相馬さんはホントうれしいこと言ってくれるよね。
いえいえ。
イェ〜イ!イェ〜イ!もうラブラブな恋人同士じゃないんだから。
お前はラブラブな恋人の1人でも連れて来い。
えっ?この間フラれた彼氏結局紹介しなかったのか。
えっ?舞お前付き合ってる人がいたのか?いたんですよ。
2つ年上区役所勤めの公務員が。
相馬さん。
いいじゃないかどこで知り合ったんだよ?大学時代の友人に紹介してもらったんだよな。
やめてください!全く何でそんな良さそうな人にまたフラれちゃうかなぁ。
前も今回もフラれてません。
別れたんです!
(幸三)お前のそういう気の強いところがまずいんだと思うぞとうさん。
恋人にも返しちゃったんじゃないんですか?お言葉を。
いろいろあったんです!まぁでも舞の夢はバンカーの妻だからね。
あっそうでしたね。
何十回も何百回も言いますけどそんな夢一度も持ってないですから!
(客)すいません。
(幸三)あぁはいはい。
もう…。
さてと俺もそろそろ…。
あっそうだ相馬さんちょっと気になることがあるんですけど。
んっ?北原さんのことです日本橋支店の。
北原さんがどうした?ウソついてる気がするんですよね。
ウソ?私は元本保証するとは言っておりません冷静過ぎると思うんです。
お客様と行き違いがあって訴えるとまで言われてるのにおかしくないですか?もともとそういうクールな性格だったんじゃないのか?北原さん資格を取って渉外課に移動する前はテラーだったんです。
それで?何て言うか…。
気になるんですよね元テラーとして。
はぁ…元テラーの勘ってやつですか。
相馬さんやっぱり明日諸角産業さんにお話聞きに行きませんか?行かない!…って俺が言ったところでどうせ行くんだろ〜?はい。
はぁ…。
諸角産業さんは精密部品を作ってるみたいですね。
あっすいません。
(社員)はい。
諸角社長はいらっしゃいますか?社長お客さんです。
はいあなた方は?東京第一銀行本部からまいりました相馬と申します。
花咲です。
遅いんだよね今更本部の人に来られても。
はっ?さっき弁護士に訴状出してもらったよ。
えっ?えっ?
(橋爪)申し訳ございませんまさか本当に訴えて来るとは。
橋爪支店長が大丈夫とおっしゃっていたから真藤常務も安心されていたんですよ?申し訳ありません。
何の証拠もないのに当行に対して訴訟を起こしたところであんな小さな会社に勝ち目がないことぐらい…。
私が危惧しているのは裁判の勝ち負けではない。
東京第一銀行が訴えられたという事実が広まれば世間には当行が訴えられるようなことをしたと思う人も出て来るんだ。
それが1人であろうと傷になる。
たとえこちらに非があろうとなかろうと。
はい。
誰かがしっかりと責任を取る必要があるな。
ホントに言われたんだよ元本保証するって。
そうですか。
あんたら銀行さんにとっちゃ300万なんてはした金かもしれないがこっちは…自転車操業ギリギリでやってるんだ。
泣き寝入りできるかっていうんだよ。
あの…北原が担当させていただいたのはこのお取引が初めてだったんでしょうか?窓口にいた頃から知ってるよ。
そうなんですか。
それで簡単に信じちゃったんだ。
損はしないって熱心に勧められてね。
だから余計許せないんだろうな。
どうせあんたらも信じてくれないんだろうけど。
その手帳は?俺は忘れないように大事なことはここにメモしてるんだ。
あぁこれだ。
これがその説明を受けた日だ。
拝見します。
はぁ…。
北原さん本当は言ったんじゃないんですか?元本保証するって。
私を疑ってるんですか?いえ決して疑ってるというわけでは…。
諸角社長から手帳を見せていただきました。
あんなもの後から何とでも書けます。
私にはそうは思えません。
諸角社長おっしゃってました。
テラーだった頃から知っている北原さんだから信用したんだって。
もしウソをついて投資信託を売ったんだとしたらそんなの銀行員として許されませんよね?花咲言い過ぎだ。
でも自分の成績を上げるためにお客様をだますなんて…。
違う!そんなんじゃない。
何も知らないくせに。
どういうことですか?北原さん。
花咲早くしろよ。
(橋爪)・何なんだこのザマは!・誰も目標の数字を達成できていないじゃないか!
(橋爪)渉外課!こんなんで1位になれると思ってるのか?申し訳ございません!
(橋爪)チッ!はぁ…。
どいつもこいつもここには役立たずしかいないのか!客から訴えられるなどという前代未聞の不祥事を起こすしお前達は俺の足を引っ張ることしかできないのか?せっかく1位にしてやったのに台無しにしやがって。
(橋爪)お前達はゴミか?じゃあここはゴミ箱か?北原拾え。
ゴミ箱からは何を拾ったってゴミしか出て来やしないんだよ!
(橋爪)ゴミになりたくなかったら成績をあげてみろ!
(行員達)はい!ひどいですよねあの支店長。
そうだな。
あんなふうに言われたらみんな萎縮しちゃって何も言い返せませんよ言葉の暴力にも程があります。
ああやって部下達を締め上げて業績を上げて来たんだろう。
彼女も苦しんでいたのかもしれんなぁ。
えっ?北原さん感情的になったのはお前に「自分の成績を上げるためだったのか」って言われた時だっただろ?自分の成績を上げるためにお客様をだますなんて…違う!そんなんじゃない何も知らないくせにそうでした。
そこだけは否定したくて思わず感情が出ちまったんじゃないのか?
(有里)お呼びでしょうか?
(橋爪)君退職願を出しなさい。
えっ?訴えられた以上誰かが責任を取らざるを得ない。
銀行とはそういう所だ。
ですが…!
(橋爪)諸角産業の担当は?君だな?はい。
うん。
早いほうがいい。
明日退職願を出しなさい。
あぁ…あくまでも君自身の意志でな。

(足音)あっ北原さん。
さっきはごめんなさい。
私言い過ぎました。
あんなふうに決め付けてすいませんでした。
北原さんあの時何て言おうとしたんですか?言いたいことのみ込みましたよね?「何も知らないくせに」の続きです。
私臨店の仕事を始めてから銀行の古くさい考えや身勝手な上司のせいで悔しい理不尽な思いをしている人を何人も見て来ました。
言いたいことも言えなくて1人で苦しんで…。
もし北原さんが今そういう思いをされているんだとしたら私黙ってられません。
成績のためなんかじゃない。
命令だったの。
えっ?今日のイワシの梅煮こいつも絶品ですね。
ありがとうございます。
いえ。
あぁそういや舞今日は遅いな。
どうしました?いえ別に。
相馬さん。
はい。
もしかして舞の奴また面倒なことに首を突っ込んでご迷惑を掛けてるんじゃ…。
いいえ。
あっこれは掛けてるな。
私諸角さんに元本保証するって言いました。
支店長の命令で。
どういうことですか?
(橋爪)今年も1位を取りたくないのか?1位になりたいんだよな?
(行員達)はい!数字さえつくればそれでいいんだお前達の仕事は業績を上げることだ!分かったな?
(行員達)はい!北原はいこの前の投資信託はどうなった?申し訳ありません諸角産業さんなかなか「うん」と言ってくださらなくてそうか…じゃあ元本保証すると言えばいいえっ?そう言えば買ってくれるだろですがもし損をするようなことがあったら大丈夫だ今の景気なら元本割れするような状況にはならないですが…何万が一問題が起こったら私が責任を取るいいな必ず結果を出せこれは支店長命令だはい
(諸角)投資信託ってリスクがあるんだろ?いえこちらの商品は元本保証いたします損しないってこと?はいえ〜?あっ…じゃあいいじゃないかよえ〜?そ…そうなの?きっと損することはないうまく行くって願ってた。
けど結果は最悪だった。
(橋爪)たかが300万の損失で…う〜ん大体こんな時期に解約するほうがバカなんだよ諸角社長にお詫びして来ますふざけたことを言うな!えっ?謝ったりしたらこっちの非を認めることになるんだぞではどうしたら?「元本保証なんて言ってない」そう言い張ればいいだろうですが支店長あの時おっしゃいましたよね?元本保証すると言え万が一何か問題が起きたら責任を取ってくださるってはぁ?フッ…そんなこと言った覚えはない君が勝手にやったことだろそんな…いいな絶対に認めるんじゃないぞここで働き続けたいならそれしか方法はない分かったな?
(有里)はい
(有里)いえ私は元本保証するとは言っておりませんふざけるな!!じゃあ何だ?これはその時のメモだよこれは!えっ?ここ読んでみろ!ここら辺に何て書いてあるんだ?おい!そういうことだったんですか。
何であんなこと言っちゃったんだろうってず〜っと後悔してる。
さっき支店長に言われちゃった辞めろって。
えっ?
(橋爪)君退職願を出しなさいひどいじゃないですか。
北原さん1人に責任を押し付けて。
おかしいですよ!でも命令だったなんて証拠どこにもない。
支店長は最初からそれを…。
でも支店の人達なら分かってくれるんじゃ…。
それは無理。
どうしてですか?うちでは支店長の強引なやり方がまかり通ってる。
だから何か問題が起こると支店長にやらされてるんじゃないかって心の中で思ってた。
でも見て見ぬふりして…。
私じゃなくてよかったって。
あんな支店長の下で働いてたら言いたいことも言えなくなってのみ込むしかなくなるのは分かります。
でも…。
私いつの間にか大事なこと忘れてたみたい。
いくら追い詰められててもお客様をだましていいはずなんてないのに。
この銀行は腐ってます!だって…こんなの絶対間違ってるって小学生でも分かるのに。
花咲さん。
私ね東京第一銀行に就職が決まった時すっごくうれしかった。
うちの田舎小さい町だから「有里ちゃんが銀行に就職する」って大騒ぎして。
親もすごい喜んで。
初めて親孝行ができた気がした。
(有里)この行員証はこれって何かを持ってない私に自信と居場所をくれたの。
ずっとここで働きたいって思ってた。
辞めたくなかった。
辞めたくなかったのに…。
(幸三)あいつ母親を早くに亡くしてるせいですかね。
子供の頃から腹痛も熱も学校で何かあったって時も彼氏にフラれた時もいつも平気そうな顔してるんですよ。
はい。
なのにひとのこととなると沸点が低いっていうかすぐ「黙ってらんない」とか言い出すから。
困ったもんでね。
でも時々思うことあるんですよ。
えっ?誰も味方がいない時花咲みたいな奴がそばにいてくれたら楽になれるんじゃないかなぁって。
悔しいです。
私も…すごく悔しいです。

(有里の泣き声)
(泣き声)あっ。
よぉ。
お疲れさまです。
おいおい何て顔だよ。
相馬さん。
んっ?私許せませんあの支店長。
はぁ…やっぱり会って来たんだな北原さんに。
はい。
そういうことだったのか。
北原さんだけが責任取らされるなんておかしいですよね。
私明日橋爪支店長に…。
やめとけ。
大した証拠もないのに直談判したって太刀打ちできるわけないだろ。
あの人は感情論が通用するような人じゃない。
かえってお前に話したってことネタに北原さんが追い詰められるだけだ。
じゃあ支店長の指示だったっていう証拠を見つければいいんですよね?あるわけないだろ。
言った言わない水掛け論だよ。
それはそうかもしれませんけどでも…。
あっ。
んっ?さっき北原さん言ってたんです。
だから何か問題が起こると支店長にやらされてることなんじゃないかって心の中で思ってた他にも支店長の強引な命令に従わされた人がいるはずです。
まさかお前支店の皆さんの声を集めますなんて言うんじゃないだろうな?だって見て見ぬふりなんてできません。
やめとけって話してくれるわけないだろ。
今の北原さんの状況知ったら…。
知ったとしてもみんな自分のことを守ることだけでいっぱいいっぱいなんだよ。
だけど間違ってても支店長命令だからやらなきゃいけないなんてそんなのおかしいですよ!いいか花咲もう一度だけ言っとくぞ。
銀行ってのはな正論が通用するような世界じゃない。
いやむしろ通用しないほうが多いと言ってもいい。
この仕事をしてると支店で理不尽な目に遭って苦しんでる人達にいくらでも会うことになる。
そのたびにその人達一人一人に感情移入してたらそれこそキリがないぞ。
お前も銀行で働いて行くなら受け流して我慢することを覚えろ。
すいません本部臨店班の花咲と申します。
少しお話よろしいでしょうか?
(藤原)ありませんよ。
支店長に理不尽な目に遭わされたことなんて。
ご自分の話じゃなくてもいいんです。
誰かが支店長に理不尽な思いをさせられた…。
(藤原)知りませんよそんなこと。
もういいですよね?知りません。
でもこのままだとまた他の誰かが同じようなことになってしまうと思うんです。
ホントに知りませんから。
中村課長なら何かご存じなんじゃないでしょうか?花咲君君は自分が何をしようとしているか分かってんのか?味方になりたいんです。
北原さんとこの支店の皆さんの。
銀行は君が思ってるほど甘くない。
すいません本部臨店班の…。
(橋爪)何をしてるんだ?君は。
どうしてまたお前は勝手なことをするんだ。
すいません。
はぁ…しかしさすがにこれで分かったろうもう打つてはないって。
はい。
日本橋支店には今後一切出入り禁止。
ついでに今日は外出禁止だ。
俺は今から主任研修で監視ができんが…絶対にどこにも行くなよ。
はい。
(有里)失礼します。
(橋爪)ああ。
何だ?あっ…いえ。
う〜ん…。
あっ。

(プリンターのエラー音)終わった終わ…。
あの野郎…。

(橋爪)北原君は一身上の都合で退職することになった。
みんなに挨拶しなさい。
あの…。
今までお世話になりました。
・ちょっと待ってください!・何だ?君は。
北原さんがこのまま辞めるのはおかしいと思います。
(橋爪)もう二度とこの支店に足を踏み入れるなと言ったはずだ。
(中村)花咲君帰りなさい。
橋爪支店長。
北原さんはどうして辞めなければいけないんですか?チッ。
諸角産業さんとのトラブルの責任を取って退職願を出して来たんだ本人の意志でな。
ですが元本保証すると言えと命令したのは橋爪支店長ですよね?
(橋爪)はぁ…何ふざけたことを。
支店長の私がそんなこと言うはずがない。
北原さんから全部聞きました。
業績表彰で全国1位になるためにお客様にウソをついてでも投資信託を売って結果を出せと無理強いしましたよね?君は本当に失礼だな。
私は部下に不正を無理強いしたことなど一度もない。
これは橋爪支店長がここに来てからの2年間この支店から異動出向退職した方達のリストです。
この方達に会ってお話を聞いて来ました。
皆さんなかなかお話ししてくれませんでした。
フッ。
ですが…。
1年前まで渉外課にいた安西優一さん覚えてらっしゃいますよね?安西さんは橋爪支店長から必ず儲かるとウソをついて投資信託を売れと命令されたそうです。
(舞の声)しかしそれを拒否した安西さんは次の異動で出向になった。
そうおっしゃっていました。
(橋爪)フッそんなのでたらめだ。
ですが…。
そんなざれ言誰も信じるはずがない。
(橋爪)お前達はどうだ?信じるのか?こういうことだ。
・あの〜・相馬さん。
私は信じますよ。
ハハハ…何なんだ?君達は。
申し訳ありませんですが北原さんを含め2人の人が同様の証言をしているわけですから。
チッたかが臨店ごときに何が分かるっていうんだ。
大体君達は私が命令をしたと決め付けているようだが証拠はあるのか?あるんだったら出してみろ。
北原さんや安西さんの証言が…!
(橋爪)だからたった2人の行員の証言など何の意味もないと言ってるだろ!こいつは自分が勝手にやったことをひとのせいにしてるんだよこっちはいい迷惑だ!お言葉を返すようですが…。
ひとのせいにしているのは橋爪支店長です!何だと?支店長という立場を利用して部下をまるで駒みたいに操って間違ったことをやらせているのはあなたでしょ!うるさい黙れ!黙りません!!自分の手を汚さずにお客様をだましてその不正の責任を全部部下のせいにするなんて間違ってます!全国1位のこの支店は他の支店とは違うとおっしゃっていましたがこの支店に1位の表彰状はあっても心がありません!心を失わせているのは橋爪支店長あなたです!ハッ…。
チッ。
あの…。
私は見て見ぬふりをしていました。
1年前も今回も。
(中村)橋爪支店長は安西君と北原君に不正を指示しました。
中村貴様…。
(田中)僕は金利を優遇すると偽ってローンの契約をするよう指示されました支店長に。
田中…。
(藤原)僕も今支店長から麻木物産に必要額以上の融資をするように言われています。
支店長に無理強いされているのは北原さんだけじゃありません!藤原!僕も強要されてます。
(行員)私もです!私も!私も命令されました。
(行員)私も!たった2人ではなかったみたいですね。
橋爪支店長これだけの声を何の意味もないと言ってしまうのは無理なんじゃないでしょうか。
はぁ…。
諸角産業さん訴訟を取り下げたようですね。
(辛島)ああ解決金を支払って示談が成立したそうだ。
事が大きくなるのを防いだわけですから臨店班のお手柄ですね。
まぁ手放しでは喜べないがね。
えっ?橋爪支店長は出向か。
クビにして表沙汰になることは避けたってわけだ。
なっ?そうですか館川支店へ。
はい続けるべきだそれが責任を取ることだって日本橋支店の人達が言ってくれたから。
大変だと思いますけど頑張ってくださいね。
(有里)はいそれにこの銀行は腐ってるかもしれないけど働いてる人達は腐ってない。
花咲さんがそう教えてくれたから。
またイチから頑張ってみる。
この銀行で。
ありがとう花咲さん。
あぁいえ。
じゃあ。
相馬さん。
んっ?1年前私が真藤常務に言ったこと覚えてますか?えっ?この銀行は間違っていることだらけですではどうすればいい?変えて行くべきだと思いますうん。
私が銀行を変えるなんて思い上がりでした。
1年たってもな〜んにも変わってないし。
どうした?もう白旗上げるのか?いえ。
じゃあ何だよ?ここで働いている人達のことなら変えられるかもしれない。
というか変わってもらえるかもしれない。
そういう人が1人でも増えて行くといつか銀行も変わるのかな〜って先の長い話ですけどね。
フッそうか。
はい。
おっそろそろ時間だ行くぞ。
はい。
え〜今日の臨店は…あっ月島ですね。
そういうこと。
ふ〜ん。
つまり真藤常務が動いて穏便に済ませたということですか?自分の派閥に汚点は残したくなかったんだろう。
なるほど。
まぁここに来てライバルも登場して来たことだし真藤さんも焦ってるだろう。
えっ…ライバルですか?ニューヨークから戻って来たんだよ堂島さんが。
えっ!あの堂島さんですか!?ああ。
専務になってのご帰還だ。
(堂島)真藤君久しぶりだなぁ。
堂島専務ご無沙汰しております。
君は芹澤頭取の下でいろいろとご活躍のようだね。
いえ。
先日も支店で起きた不祥事をもみ消したとか?小さな案件でしたので。
そうか。
だが真藤君。
これからは君の好きなようにさせるわけにはいかないぞ。
ハハっ。
真藤常務伊丹グループの伊丹会長とのミーティングなんですが来週の水曜日ではどうかと。
臨店ごときが余計なことを!ハッ!さてと今日の昼飯何にするか。
月島だからやっぱりもんじゃか?いいですね。
おっ意外なところでうまそうなハンバーガー屋があるぞ。
これもいいですね。
うん。
んっ?うにの牛肉巻き。
うに?行くぞ。
2015/07/08(水) 22:00〜23:10
読売テレビ1
[新]花咲舞が黙ってない #1[字][デ]

原作・池井戸潤、主演・杏。東京第一銀行臨店班の花咲舞が、ベテラン行員・相馬健とコンビを組み、銀行で起こる様々な事件を解決していく、痛快オフィスストーリー!

詳細情報
番組内容
舞(杏)と相馬(上川隆也)がコンビを組んで1年余りが過ぎた。ある日二人は、投資信託トラブルを起こした日本橋支店へ臨店する。顧客の諸角産業が、三千万円の投資信託を購入し半年後に解約したところ、三百万円の損失が出た。だが諸角社長が言うには、購入時に渉外課の北原有里(片瀬那奈)から「元本は保証する。損はしない」と説明されていたという。支店長の橋爪(寺脇康文)も、「そんなのは言いがかりだ」と取り合わず…。
出演者

上川隆也
塚地武雅(ドランクドラゴン)
榎木孝明
石橋凌
甲本雅裕
大杉漣
生瀬勝久
寺脇康文
片瀬那奈
佐藤B作
小松和重
児嶋一哉(アンジャッシュ)
原作・脚本
【脚本】
松田裕子
監督・演出
【演出】
南雲聖一
音楽
菅野祐悟
得田真裕
【主題歌】
「I am a HERO」福山雅治(アミューズ/ユニバーサルJ)
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
加藤正俊
柳内久仁子
【制作協力】
日テレアックスオン
【製作著作】
日本テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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