8NHK高校講座 地学基礎「古生代」 2015.07.08


この運動を…描かれた曲線を…そういう事なのだ。
(関口)はぁ〜。
はぁ〜。
(垣内)隊長こんにちは。
ん?何か様子が変ですねぇ。
どうしたんですか?ため息なんてやめて下さいよ。
ため息!?これがため息に見えますか?私は動物が初めて空気を吸ったその瞬間どんな気分だったのかなってのを想像してたの。
隊長変な事言いますね。
だって動物が空気を吸うなんて当たり前の事じゃないですか。
吸わなかったら生きていけないですよ。
あら垣内隊員は生物の進化を理解してないようですねぇ。
ん?教えてあげましょう。
今からおよそ3億8,000万年前の事でございます。
海中で暮らしていた魚が進化して水面からこうやって顔を出して初めて空気を吸った瞬間ってものがあるの。
それが陸に住む動物のご先祖様ですよ。
そうだったんですね。
私たちはふだん呼吸をするとか肺を動かそうとか意識しないでしょ。
うん。
だって当たり前の事ですもん。
その当たり前の事を3億8,000万年前に陸で暮らすために初めてするようになった瞬間ってのがあるんです。
うんうんなるほど。
そのような意味があるとは知らず隊長失礼致しました。
申し訳なくて私ため息が出てしまいます。
はぁ〜。
垣内隊員は私が興味持った事を理解して頂いてないようでございますね。
ん?まあいいや。
じゃあ先に進めますか。
今日は生物が初めて陸に上がって呼吸を始めたっていうそのお話でございます。
舞台は古生代。
それではまず地質年表を見てみましょう。
これがそうですね?初めて見たけどわくわくします。
あっそう。
あのね地質年表というのはですね…この上の段は一番下の時代区分と対応してんだけどもこの時代区分がどれぐらいの期間あったかっていうのを表してる訳ですね。
真ん中は陸上の植物とか動物がその時代どれがいたのってのが描いてある訳ですよ。
でこの下の段は海の中の生物がその時代どれがいたのってのが描いてある訳ですな。
古生代っていうのはどういう時代だったんですか?それを教えてくれるキーワードがこちらです。
はい。
そして…。
それで3つ目が…。
古生代はいろんな生物が爆発的に現れてあげくには最後には地球の歴史上最大級の絶滅が起こったまあ激しい時代なんですね。
更にその間にまたいろんな事が起きたようですな。
それではまずこちらから見ていきましょうか。
それが…「生物の爆発的進化」。
何かすごいですね。
ここはかつては海の底でした。
古生代カンブリア紀の化石がたくさん発掘されるため生物の爆発的進化があったといわれるようになった場所です。
まるで古い歴史の本のページをめくるように当時の生き物が化石となって現れてきます。
次々と見つかるカンブリア紀の海の中で暮らしていた生き物。
この動物には2本の触手と目のようなものがあります。
体長は60cmほど。
体の両側にはたくさんのヒレが付いています。
長く伸びた細いトゲ。
どちらが上でどちらが下なのかも分かりません。
「幻」という意味の……という名前が付けられました。
そしてこれはまた信じられないような姿をした動物。
手のひらの上に載るほどの大きさの生き物で5つの目と長い鼻のようなものを持っています。
私も長いこと人間やってますがとんでもない生き物がいたもんですな。
うん。
今日模型持ってきちゃったこれ。
おっ。
化石を基にして作った…実際の大きさは数cmだったようなのでこれよりも小さいのかもしれないけどもさ。
どうよ?これ。
見れば見るほどおかしな格好の動物ですな。
何ですかこれ。
こことか象の鼻みたいに見えますけどこれ何ですかね?これね鼻じゃなくて獲物を捕らえるための長い腕のような役割してたものらしいよ。
そうなんですね。
じゃあこの頭に付いた5つやつ何ですか?これね目なんだって。
えっ!?目が5つあるんですか?うん。
餌を探したり敵が近づくのを察知したりってのを5つの目で使い分けでやってたみたいよ。
…からなんでしょうね。
う〜んそうか。
でも古生代の前の先カンブリア時代には殻のない生物だけしかいなかったじゃないですか。
なのに何で古生代に入ったらこんな生き物が登場したんですか?これが生物の不思議なんだね。
はっきり言ってよく分かってないっちゅう事なんですけど。
えっまだ謎なんですか?はい。
でもね化石が残ってる訳だからこういうのが実際いた事は間違いないんだよね。
そうか。
どんな生物が登場したんですか?これはですねこちらね。
どんな特徴があるんですかね?じゃあ歴史年表で見てみます?はい。
例えばこのデボン紀。
この時代は魚の時代といわれるぐらいに魚が動物の主役だったのね。
だけど世の中うまくいかないんですよ。
何がですか?だって気持ち良く泳いでますよ。
ねえ。
ところが古生代の海の世界っちゅうのはいろんな生物が出てきた訳でしょ。
だから海の中は混んじゃってお互いに食うか食われるかの生存競争ってのがものすごく激化してしまったんですね。
う〜んなるほど。
そこでなんと海から逃げ出して…えっ!魚が海から陸へですか?はい。
一部の魚はヒレを4本の足に変えて陸を目指した訳です。
そんなとんでもないのがいまして…。
イクチオステガっていうんだけどねこれ。
うん!?イクチオステガ?ちょっと舌かみそうな名前だけども。
魚から進化した動物が初めて陸上に上がってほら…はぁ〜ってやった訳です。
さっきやってたやつですね。
空気吸った訳ですよはい。
およそ3億8,000万年前激しい生存競争の中で海を追われた魚たちは川や湖などの淡水の場所にその住みかを移しました。
しかしそこでは度々水不足が起こります。
エラで呼吸する魚にとって水中の酸素不足は生死に関わる問題でした。
魚たちは水中の酸素不足を肺で呼吸する事で解決しました。
肺は食道の一部が膨らんでできたと考えられています。
内部には毛細血管が張り巡らされより多くの酸素を吸収できるように進化していきました。
肺は水中の酸素不足に苦しめられた魚たちが獲得した器官だったのです。
肺を持った事はその後の動物の進化に大きな飛躍をもたらす事になりました。
更にヒレから発達した丈夫な足を持つ事で海に生まれた生命はついに陸に進出。
それがイクチオステガだったのです。
うんなるほど。
脊椎動物が陸に上がって呼吸をするようになったって事はすごく大変な事だったんですね。
そうなのよ。
これでやっとかっきーにも分かってもらえたようですな。
もうこれで古生代の生物は万々歳ですね。
海から陸に上がって大繁栄!いやそんなふうに世の中甘くなかったんだね〜。
えっ陸の苦労まだあるんですか?そうですよ。
魚が陸に上がった時の事を想像してみてごらんなさいよ。
例えば陸上では海中のように浮力がないんだよ。
だから大きな重力に負けないような丈夫な骨格をつくらなきゃいけないでしょ。
それに周りに水がない訳ですから体が乾くじゃない。
乾燥を防ぐ仕組みも身につけなきゃいけないし忙しいんですよ。
そうか。
そんな体の仕組みを身につけた者だけが陸上に進出できたって訳ですね。
はい。
どんな世界も厳しいですね。
昔からね。
その上にですよその上になんだけどさ古生代の終わりには全ての生物が絶滅しかねない地球環境の大きな変化が起こっちゃったんですね。
うまくいかないもんだわね。
それが…えっ!やっと生物は陸上に進出できたのにですか?ねえ。
まあいろんな説はあるんだけどね。
例えば激しい火山活動で長い間太陽の光が地上に届かないもんで地球が寒くなっちゃってそうなったんじゃないかとか。
地球の内部の状態が変化して海水が酸素不足になった。
だから絶滅しちゃったとかね。
いずれにしても大きな環境の変化があってほとんどの生物が死滅しちゃったと考えられてるんですね。
うん大変ですね。
でもどうしてそんな事があったって分かるんですか?それはあんた垣内隊員…。
ん?それ調べてくるのがあんたの仕事でしょうに。
そっか。
じゃあ早速調べに行ってきます。
よいしょ!あのさ何を調べに行くか聞かなかったでしょ。
化石ですよ。
いつも先行っちゃうんだから。
垣内隊員ちょっと待った!化石や地層を調べる…それではチェック開始。
肌をさらさないよう…もちろん…そして…これで服装チェックOK!で垣内隊員やって来たのは…ここは古生代海の底だった所です。
おや?こんな所で岩をたたいている人が。
こんにちは。
(奥村)こんにちは。
すいませんお仕事中。
今何されてるんですか?今フズリナという化石を探しているんです。
フズリナ。
フズリナって何ですか?フズリナというのは古生代ペルム紀に繁栄した生き物で有孔虫の仲間なんですよ。
どうやら古生代の生き物の化石を探してるみたいですねぇ。
とにかくその化石を掘れば古生代の事が何か分かってくるって事ですよね?かなりアバウトな垣内隊員。
まずはフズリナという生き物の化石探し。
だ円形の白っぽい模様を探して下さい。
だ円系の白っぽい模様どれだ?わ〜いっぱい何か落ちてくる。
なかなか割れないぞ。
やっと何か見つけたよう。
先生これとかどうですか?ちっちゃすぎるかな?見せて下さい。
あっこれフズリナの化石です。
え〜どれですか?白く丸い模様がいくつか入っている…。
ああはい。
やった〜!拡大して見てみましょう。
白いだ円形のものがたくさん見えますね。
これがフズリナの化石。
一つ一つは米粒ぐらいの大きさ。
たくさんあるのはそれだけ多くのフズリナが当時の海にいたという事なんです。
フズリナの化石は古生代の終わりペルム紀にできた石灰岩からは大量に見つかります。
しかし……という事はですね隊長。
フズリナは古生代で絶滅してしまったんです。
かわいそうだね。
でも隊長フズリナだけじゃないんですよ。
もっと大変な事が起こったんです。
何さ。
ひえ〜。
90%っていったらほとんどですもんね。
でもさ今我々がこうやっているって事はだよ生物が全部絶滅しちゃった訳ではないっちゅう事でしょ?そうですね。
つまりその困難な状況を乗り越えて今の私たちにつながるすごい強じんな先祖の生き物がいたって事でしょ?うんそうですよね。
じゃあ例えばどんな生物ですか?それは次回「中生代」でお話し致します。
うん気になる。
こんにちは。
(渡来)こんにちは。
今日は古生代のお話でございましたが古生代っていっても随分長いんですね。
はいそうですね長い期間になってます。
我々がいる時代から比べても相当長くて。
はい。
じゃあゆっくりと無脊椎動物たちができてって…徐々に…みたいな事なのかっていうと爆発的と。
そうですね。
何なんですか?ゆっくりなんですか?急なんですか?どっちなんですかこれ。
ちょうど爆発的進化の時に登場してきた生物たちは硬い殻を持っているんですね。
硬い殻を持っているために化石として残りやすかった。
だから一気に出てきたように見えるという考え方もあるんです。
なるほど化石として残んないのも含めると急だったかどうか爆発的だったかどうか。
実はもう少し緩やかだったかもしれないというふうな事を言われてる方もいらっしゃいます。
どっちだと思います?個人的には。
そうですねそこが面白いところなんですけれども。
うまい事言いますですね。
そういう面白みを含んでいるという点で非常に興味深いなと。
新しい発見があったらしっかり分かるともいえますし新しい発見があったらがらりと変わってしまうかもしれないという事もありうるし。
おっしゃるとおりです。
隊長今日はどうでしたか?あのさ…我々がこうしていられるのは…っていう話がちらちらっと今日も出てきたけどさ。
スムーズなのかスムーズじゃないのか。
スムーズに我々になってるんだけど振り返るとスムーズじゃないし。
スムーズじゃないから我々にならないかっていうとスムーズになってるし。
不思議だと思わない?どっちやねんっていうかさ。
そうですね。
これからもまた変わりますもんね。
発見があればね。
しかも私たちもあと何十万年したらこのまんまの姿かも分からないですよね。
どうなってんだろう。
こんななってるかね?あの例の。
環境に応じて…。
餌取ってるかも口からこうやって。
何か伸びて。
いや〜!やだね。
古生代の初めカンブリア紀に登場した硬い殻や骨格を持った無脊椎動物は化石として残りやすくなりました。
そのため…デボン紀には魚が大繁栄。
しかし…ペルム紀の終わりに起こった地球環境の大きな変化で世界中の海に繁栄していた無脊椎動物種の90%が絶滅した事が化石から分かります。
2015/07/08(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「古生代」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
先カンブリア時代以降、地質時代は代表的な動物群をもとに区分されている。5億4000万年前から2億5000万年前までが古生代だ。地層から見つかる化石は、私たちに過去の様子を伝えてくれる。化石を調べると、古生代の生物がどのように進化したのかについて理解できる。さらに絶滅の原因を探ると、地球環境がどのように変化したのかを知ることができるだろう。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】渡来めぐみ
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【出演】茗渓学園中学・高等学校講師…渡来めぐみ,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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