くらし☆解説「ご自宅の無線LAN安全ですか?」 2015.07.08


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうの担当は三輪誠司解説委員です。
無線LANは私も自宅で利用していますが、便利ですよね。
三輪⇒そうですね。
総務省の調査によりますと家の中で無線LANを使っている世帯は、全体の54.4%半数を超えています。
Wi−Fiという呼び方のほうがなじみがある方もいらっしゃるかもしれません。
私もインターネットのレシピを見ながら料理をします。
そのとき無線LANにつないだスマートフォンを見ているんですがそのとき、もしパソコンでケーブルにつないでいると思うと邪魔ですから無線LANの人気があるのも分かりますね。
無線LANはインターネットの利用を自由にした技術だと思います。
こちらが無線LANの親機にあたります。
ここから、電波を発信します。
インターネットの回線をこちらにつないで電波によって離れた複数の端末でインターネットを利用することができます。
また最近では、ホームサーバーにビデオや音楽、写真を格納しておいてここから無線LANを使って離れたところ、別の部屋などでその内容を楽しむ人もいます。
さらに、エアコンや加湿器などの家電製品が無線LANに接続できるタイプがあります。
こうすると家の外からインターネットを経由して家電製品の操作ができるんです。
無線LANの利用でどんどん便利になっていますね。
ただ、きょうはその安全性がテーマなんですね。
実は先月、松山市の男がほかの家の無線LANにいわば、ただ乗りをしていたとして電波法違反の疑いで逮捕されました。
無線LANは通常はパスワードを設定して利用します。
それが分からないと接続することはできません。
逮捕された男は、家の外から無線LANの電波を傍受してパスワードを解析し解析したパスワードを使ってほかの家の無線LANにただ乗りをしていたんです。
接続して何をしていたんですか?ネット詐欺のための電子メールを送っていたんです。
こういうことをしますとただ乗りされた家の誰かがネット詐欺のメールを送っていたかのように見えて悪い人が身元を隠すことができるんです。
無線ですから家の外からそうした悪いことができるんですね。
場合によっては100mぐらい離れても傍受できる場合があります。
ほかにも心配なことがあります。
ホームサーバーですが場合によっては、この内容さえも勝手に見られてしまうリスクがあります。
また、通信の内容も盗み見られるおそれがあります。
例えば、どのようなホームページを見ているか。
場合によっては電子メールの内容さえも盗み見られてしまうおそれがあるんです。
怖いですね。
そもそもパスワードは解析できるものなんですか?無線LANの通信方式にはいろいろあります。
その中でWEPと呼ばれる形式は解析される危険があります。
どの程度危険なのか実験してみました。
実験は実験専用の無線LANのネットワークを構築して行いました。
無線LANの親機からWEPの電波を飛ばします。
セキュリティーを調査するための特殊なソフトでそれを解析してみました。
パスワードを解析するんですね。
そのとおりです。
すぐに解析が終わりました。
黄色い線で示したところがパスワードです。
最初に設定していたものと全く一致していました。
やはり無線でインターネットを利用すると危ないんですね。
結局は設定しだいです。
安全対策としてはWPA2という方式を使うということです。
新しい機器ですと買った段階でWPA2で初期設定になっているものが多いです。
場合によってはWEPの電波も最初から同時に出ているものもあります。
なぜ、わざわざぜい弱な電波を出すんでしょうか。
実は携帯ゲーム機を利用する人への配慮なんです。
古い携帯ゲーム機をインターネットに接続して使う人もいます。
そうしたものはWEPにしか対応していないものもあります。
しかし電波を出しているだけでもただ乗りされるリスクがあります。
やはり設定を変更して電波が出ないようにするそういう対策が必要です。
ゲーム機を使っていない人もということですね。
そういうことです。
2004年ぐらいまでに作られた古い機種の場合WPA2に対応していないものもあります。
そうした場合は買い替えがおすすめです。
実際の設定方法については親機にケーブルでパソコンを接続して設定します。
詳しくは取扱説明書やメーカーのホームページで確認してください。
もう1つ重要なことがあります。
簡単なパスワードですと推測されてしまってただ乗りされるリスクがあります。
自宅の無線LANは大丈夫なのか設定を見直したほうがいいですね。
今は家の中だけではなくて駅や店の中など、街の中で無線LANを使えるところもあります。
そうしたものは大丈夫なんでしょうか?公衆無線LANサービスと呼ばれるものです。
そのリスクについてはただ乗りされるというよりは自分が使っていて同じネットワークを使っている別の利用者に通信内容が見えてしまうという心配があるかもしれません。
公衆無線LANサービスには大きく2つあります。
通信事業者などのサービスの場合は特別なセキュリティー設定がなされています。
プライバシーを守ることができます。
しかし、独自に機器を設置している場合は機器によっては利用者間の通信が見える場合があります。
この場合は、中には家庭用の無線LAN機器を設置してサービスをしているところがあるからなんです。
難しいのは、どのようなセキュリティー設定をしているかというところが利用者からは分からないということです。
そういう場合は個人情報のやり取りは避けたほうがいいですね。
注意したほうがいいと思います。
ホームページに個人情報を入力する場合はhttpsという文字で始まっているかどうかアドレスを確認してください。
sがついている場合はここに入力した個人情報はサーバーまで暗号化して届きますのでもし、途中で見られたとしても内容までは分かりませんsをチェックするんですね。
これ以外の場合は個人情報の入力は控えたほうがいいと思います。
便利になった反面、気をつけなければならないことが多いんですね。
公衆無線LANサービスは特に外国人観光客が使いたいという要望があります。
5年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて利用できるエリアが拡大することは間違いありません。
サービスを提供する側にもきちんとした設定をしてほしいということはもちろんですが利用者側も気をつけなければいけないと思います。
三輪誠司解説委員でした。
次回のテーマは、こちらです。
担当は中谷日出解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2015/07/08(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「ご自宅の無線LAN安全ですか?」[字]

NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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