■女性率60%、柔軟な組織文化
韓国保健産業振興院の調査によると、韓国で化粧品業界に従事する女性は13年現在2万9114人で、全体の60%を超える。製造業の平均的な女性従事者の割合(25.9%)に比べ、はるかに高い。特に、業界最大手のアモーレパシフィックは昨年、社員4936人のうち女性が3190人と65%に達した。サムスン電子、現代自動車、SKテレコムなど男性中心の国内大企業とは全く異なる人材構造だ。
女性の最高経営責任者(CEO)も続々と登場している。1月にはアモーレパシフィック・グループの系列会社、エチュードでクォン・グムジュ氏が代表取締役に就き、同グループ初の女性CEOとなった。また、12年には韓国P&Gでイ・スギョン氏が社長に起用され、同社初の女性CEOとなった。
女性の力が発揮される背景には、化粧品各社の柔軟な組織文化があるようだ。アモーレパシフィックは国内の他企業に先駆け、02年7月から社長・チーム長・部長といった呼称をなくした。
また、LG生活健康は05年に社員が自由に勤務時間を決められるフレックスタイム制を導入し、これを化粧品業界に広げた。同社の関係者は「フレックスタイム制は結婚や育児で悩む女性にとって一番うれしいもの。会社としても、優秀な女性社員をキャリアの断絶なく活用できるというメリットがある」と語った。トニーモリーのシン・ジュヒ・マーケティング部長は「化粧品の開発はデスクで考え続けることよりも、クリエーティブなアイデアと企画力が鍵になる。柔軟な企業スタイルがクリエーティブな新製品を生む原動力だ」と話した。