韓国随一の「化粧品クラスター」に成長した忠清北道

原料栽培農家から工場・研究所までが密集、迅速な製品化が可能に

 韓国がプラスチック容器やパッケージ、パフなど化粧品関連の製品に独歩的な競争力を持っていることも、大きな力となっている。業界最大手のアモーレパシフィックが開発し、5000万個以上を売り上げる人気を博した「エアクッション」が代表的なケースだ。同社のパク・チョンヒ先任研究員はこの製品について「一般的に使われていた合成ラテックスに比べ吸収力が1.6倍高い湿式ウレタンを使用し、パフの汚れにくさや肌への密着力などを大幅に向上させた」と説明。「世界的な競争力を備えた国内の化学メーカーと協業できることも、こうした革新的な製品が生まれた背景だ」と話した。

■クリエイティブな応用力と明確な分業構造も強み

 韓国化粧品産業のもう一つの強みは、新たなアイデアを絶えず商品化し続ける応用力だ。昨年の国内の商標登録出願件数で、1-3位をいずれも化粧品会社(LG生活健康、アモーレパシフィック、ザ・フェイスショップ)が占めたことが、それを示している。韓国が誇る情報通信技術(ICT)産業のリーダー、LG電子とサムスン電子はそれぞれ4位、8位だった。

 また、化粧品の年間生産品目数も2010年の8万5533品目から昨年は10万1362品目と約18%増加した。同期間に韓国に輸入された化粧品品目数の増加率4%(7万1734品目→7万4725品目)の4倍以上だ。

 この間、韓国化粧品メーカーの技術レベルも向上した。政府出資の研究機関、グローバルコスメティック事業団のイム・ミョンソン研究員は「韓国化粧品の技術レベルを分析した結果、07年は先進国の67%水準だったが、昨年には80%に向上した」と説明する。昨年にフランス・パリで開かれた国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)の総会では、韓国の研究者がかつての4-5倍に当たる64本の論文を発表した。

 化粧品産業の中でも、相手先ブランドによる開発・製造を専門とするODM企業と化粧品を企画して流通だけを担うブランドショップが役割分担し、緊密に協力するシステムを備えていることも、高い競争力につながっている。化粧品は市場の変化が速いため、流通企業が消費者の反応をリサーチして技術を持つメーカーに生産を依頼することが、投資費用を抑えて多くの新製品を生む道となる。韓国の化粧品ODM大手の韓国コルマーとコスマックスは今や、世界の化粧品会社約500社に毎年6000余りの製品をそれぞれ供給するグローバルODM企業に成長した。

 化粧品流通会社、トニーモリーのペ・ヘドン会長は「ODM企業は開発と製造、流通企業はブランドの育成と販売に集中する絶妙な分業構造により、どんな外国企業よりも速く新たなトレンドを主導的につくり出している」と話した。

清州=洪源祥(ホン・ウォンサン)記者
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