■保育士による園児暴行など影響
こうした中、今年1月に仁川市延寿区の保育園で、保育士が4歳児に激しい暴力を振るう様子が写った監視カメラ映像がインターネット上に掲載され、大きな社会的問題になった。
釜山に住む主婦キムさん(34)は「一日中世話をするのが難しい2歳の息子を保育園に通わせたが、保育園の先生が子どもを拳で殴るのを見てゾッとして通園をやめさせた。信頼できる保育園に欠員が出るまでは家で世話をしようと思う」と言った。
韓国家庭保育園連合会のキム・オクシム会長は「養育手当ての導入で園児募集が減り、困難に陥っているさなかに暴力事件まで発生し、保育園に対し否定的な認識が生まれた。そうでなくても経営難に陥っていた家庭保育園の園長たちの中には『社会の非難を浴びるからやめたい』と考え、閉鎖したケースも多い」と話す。事実、今年は国公立保育園や会社の保育所が昨年に比べそれぞれ50-70園増えている一方で、家庭保育園は700園超も減っている。
昨年末から今年3月までに政府、市・道教育庁、自治体で「ヌリ課程」予算負担を先送りする事態も保育園に影響を及ぼしたと言われている。韓国民間保育園連合会のチャン・ジンファン会長は「入園時期の3月に市・道の教育庁が『保育園は当方の管轄ではないのでヌリ課程予算の編成はできない」としたため、保護者らが保育園を信頼できなくなり、幼稚園に通わせるケースが増えた」と説明した。
韓国保健社会研究院のソ・ムンヒ研究員は「出生率が再び低下しているのに加え、児童虐待事件やMERSの影響が重なり、規模が小さい家庭保育園などは打撃を受けざるを得なかっただろう。無償保育導入で保育園が増えすぎた状況だが、保育園でなく家庭で乳児の世話をする人が増えているのは肯定的だ」と述べた。